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突然の兄の帰宅
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普段は冷静なコレットですが…その慌てように私は嫌な予感が胸に広がるのを感じました。そんなに慌てるという事は…お兄様の身に何か想定外の事が起きたのでしょうか。
「お、お兄様が…どうかしたの?」
「そ、それが…これからお戻りになられると…!」
「えええっ?!!こ、これから?って…でもお兄様は今…」
「その筈なのですが…もう王都に入られて、あと一刻ほどでこちらに到着されると…」
「一刻ですって?!!」
あまりにも急な話に、つい大きな声が出てしまいました。だって…お兄様は今、他国にいらっしゃるのです。それなのに、いつの間に帰国を…
「若様の使者だという者が参って、そう申しておりますの。とにかくお出迎えの準備を致しますので、お嬢様はこのままこちらにいらして下さい。お着きになったらお呼びいたしますので」
「え、ええ…」
これから出迎えの準備をするからでしょうか。コレットが珍しくもバタバタと音を立てそうな勢いで行ってしまいました。お兄様には彼女の兄も同行していますし、もう三年近くお戻りにならなかったお兄様のお部屋の準備などもあるので、慌てるのも仕方ないとは思いますが…それにしても…
「レティ。その…兄君というのは…」
リシャール様に声をかけられて、私はようやく我に返りました。いけませんわ、リシャール様とご一緒なのに、あまりにも急な事で思わずぼ~っとしてしまいましたわ。
「兄は私の四つ上の実の兄ですの。学園を卒業後、エストレ国に留学していたのですが…」
「エストレ国ですか。それでは、雪が降る前に帰国を?」
「いえ、そういう訳では…」
どうしましょうか、お兄様には実は複雑と言いますか、面倒な事情があるのですよね。今まではお兄様の身の安全のためにお兄様が今どうしているかは、私達ですら口にしないようにしていました。でも…もう帰宅されると言うし、リシャール様は私の婚約者ですから、話しても…問題ないですよね。
「兄は実は…エストレ国の王女殿下に一目惚れされまして…」
「兄君が、ですか?では、いずれは王女殿下をここにお迎えに?」
「それが…」
そうです、一般的には王女殿下に見初められるなんて大変栄誉な事ですし、我が家はロワール国の筆頭侯爵家です。我が国よりも面積も国力も小さいエストレ国であれば、王女殿下のお相手としては遜色ないものですから、お迎えするには何の問題もありません。問題なのは…
「王女殿下は…兄をお望みになったのですが、兄は王女殿下の事はお好きではなくて…何と言いますか、誇り高すぎて兄とは合わないと言いますか…」
「それはもしかして…あの末の王女殿下、ですか?」
「…ええ」
私がそう答えると、リシャール様も何とも言い難い表情になられました。それは…私が言いたい事を理解して頂けたから…と思ってもいいでしょうか。
「そうなのです。末の王女のアドリエンヌ様、あの「奇天烈姫」と呼ばれている方なのですわ」
「お、お兄様が…どうかしたの?」
「そ、それが…これからお戻りになられると…!」
「えええっ?!!こ、これから?って…でもお兄様は今…」
「その筈なのですが…もう王都に入られて、あと一刻ほどでこちらに到着されると…」
「一刻ですって?!!」
あまりにも急な話に、つい大きな声が出てしまいました。だって…お兄様は今、他国にいらっしゃるのです。それなのに、いつの間に帰国を…
「若様の使者だという者が参って、そう申しておりますの。とにかくお出迎えの準備を致しますので、お嬢様はこのままこちらにいらして下さい。お着きになったらお呼びいたしますので」
「え、ええ…」
これから出迎えの準備をするからでしょうか。コレットが珍しくもバタバタと音を立てそうな勢いで行ってしまいました。お兄様には彼女の兄も同行していますし、もう三年近くお戻りにならなかったお兄様のお部屋の準備などもあるので、慌てるのも仕方ないとは思いますが…それにしても…
「レティ。その…兄君というのは…」
リシャール様に声をかけられて、私はようやく我に返りました。いけませんわ、リシャール様とご一緒なのに、あまりにも急な事で思わずぼ~っとしてしまいましたわ。
「兄は私の四つ上の実の兄ですの。学園を卒業後、エストレ国に留学していたのですが…」
「エストレ国ですか。それでは、雪が降る前に帰国を?」
「いえ、そういう訳では…」
どうしましょうか、お兄様には実は複雑と言いますか、面倒な事情があるのですよね。今まではお兄様の身の安全のためにお兄様が今どうしているかは、私達ですら口にしないようにしていました。でも…もう帰宅されると言うし、リシャール様は私の婚約者ですから、話しても…問題ないですよね。
「兄は実は…エストレ国の王女殿下に一目惚れされまして…」
「兄君が、ですか?では、いずれは王女殿下をここにお迎えに?」
「それが…」
そうです、一般的には王女殿下に見初められるなんて大変栄誉な事ですし、我が家はロワール国の筆頭侯爵家です。我が国よりも面積も国力も小さいエストレ国であれば、王女殿下のお相手としては遜色ないものですから、お迎えするには何の問題もありません。問題なのは…
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「それはもしかして…あの末の王女殿下、ですか?」
「…ええ」
私がそう答えると、リシャール様も何とも言い難い表情になられました。それは…私が言いたい事を理解して頂けたから…と思ってもいいでしょうか。
「そうなのです。末の王女のアドリエンヌ様、あの「奇天烈姫」と呼ばれている方なのですわ」
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