【完結】悪役令嬢だって真実の愛を手に入れたい~本来の私に戻って初恋の君を射止めます!

灰銀猫

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試験の不正疑惑

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「殿下の成績が不正に操作されたって噂が流れているみたいよ」
「は?」

 試験結果の発表から五日後、ベルティーユ様がこっそりそう教えてくれました。嫌だわ、あまりにも突拍子もない話で、思わず変な声が出てしまいましたわ。

「操作って…学園の成績は王家でも介入出来ないんじゃ…」
「その筈なんだけどね。でも、これまで三十位くらいだった殿下が、この前の期末試験では十二位だったそうよ」
「十二位って…それは何とも微妙な順位ですわね」

 私が思わずそう呟くと、ベルティーユ様も頷かれました。実際十二位ってすごく微妙ですわ。

「これが十位以内なら不正しただろうと思うけど、十二位って頑張って出来ないレベルじゃないから…」
「それでも、最近の態度からして改心して勉強したとは言い難いですわ」

 そうです、先日の建国祭でもそうですが、エルネスト様が改心して真っ当になったとはとても思えません。私との婚約がなくなってからは成績も下がる一方ですし…

「エルネスト様に答辞をさせたい王妃様が何かしたって噂よ」
「その噂、まだ生きていたんだ…」
「上の兄君たちとの差が開く一方だし、婚約者も決まらないし、卒業後の見通しも立たずではね。第三王子より下は卒業後結婚相手の実家を後ろ盾に臣籍降下するのが慣例だけど、その後見が見つからないんだからね」
「さすがに男爵家では無理ですものね。でも「真実の愛」があればいいって仰っていたじゃない」
「それでも相手があれじゃぁね。淑女教育も終わらないし、最近じゃまともに授業も受けていないって聞くし」
「はぁ…」

 予想通りと言いますか、これまでの態度からして真面目に将来に向けて準備をするとは思えませんでしたが…

「ご本人があれで後見もあれじゃ、先は見えているからね。王妃様も焦っているんでしょう」
「でも、それを言うならもっと小さい時からしっかり教育すべきだったわ。散々甘やかして今になって慌てられても…」
「そうなんだけどね。どこかに婿養子に…なんて言い出しそうで心配だわ。うちは弟が二人いるから婿取りにはならないけど、娘しかいない家は警戒しているみたいよ」

 それでは…我が家も危険、という事になりますわね。今のところお兄様がいるので婿取りの話は出てきませんが、王配の話が公表されたら危ないですわ。今の王妃様は手段を選ばなくなりつつあるので、リシャール様が心配です。まぁ、お父様がエルネスト様を受け入れるなんてあり得ないでしょうし、エルネスト様も私やお父様を嫌っているので我が家の婿になんてなりたいとは言わないでしょうけど…

「レティシア様も気を付けてよ。ファリエール伯爵家は養子を取ったとは言え元は一人娘だから。ジネット嬢も婚約者を嫌っているのは有名だし、付け込まれないようにね」
「まさか…そっち?」

 狙われるのは侯爵家かと思っていましたが、まさか伯爵家の方とは…でも養子は書類一つで解消出来るので、実子を廃嫡するよりも簡単なのですよね。お父様はそんな事はお考えにはならないでしょうが…王妃様がリシャール様を排してエルネスト様をジネットの婿に…と言い出すのはあり得ない話ではないでしょう。伯爵家とは言っても筆頭ですし、ラフォン侯爵家の分家です。その辺の侯爵家などよりはずっと財も力もあるのですから…


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