【完結】悪役令嬢だって真実の愛を手に入れたい~本来の私に戻って初恋の君を射止めます!

灰銀猫

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誘拐犯の正体

 卒業式から二日後、リシャール様が助け出されてから四日後の事です。リシャール様を攫った者達の概要がわかったと、お父様に呼ばれました。私はリシャール様と一緒にお父様の執務室で詳しい話を聞きました。

「では…リシャール様を攫ったのは…」
「ああ、バルト公爵家の手の者だった」

 何となくラザール様が関係していそうな気はしていましたが、やはりそうだったのですね。彼はリシャール様があの会合に出ると知り、あのホテルでリシャール様を攫う計画を立てていたそうです。リシャール様が介抱した男性には借金があり、ラザール様に頼まれるままにリシャール様を指定された部屋に連れて行き、そこで眠り薬を入れた水を飲ませて眠らせたのだとか。そうすれば借金を帳消しにすると言われたそうです。

「でも、どうして私がその会合に出ると…あの日は出るかどうか最後まで決めかねていた筈ですが…」

 そうです、アドリエンヌ様の事があるので、リシャール様は会合に出るかどうか、当日まで悩んでおられたのですよね。幸いその日のアドリエンヌ様は王家の晩さんに出る予定があり、また夜は突撃してくる可能性も低いだろうと、出席される事になったのですが…

「ま、まさか…ジネットが?そう言えばお父様、彼女が最近、学園でラザール様と一緒に居ると聞きましたわ」

 そうです、ベルティーユ様がそう教えてくれました。彼女なら…ファリエール伯爵家にも会合の案内が行っている筈なので、日時や場所くらいは知る事が出来るでしょう。

「ああ、それなんだが…情報の出所はジネットじゃなかった」
「そうですか」

 彼女ではないとの言葉に、私はホッと胸を撫で下ろしました。いくら仲が良くなくても彼女はいとこで、大好きなマルセル叔父様の娘なのです。もしそうだった場合、お父様や叔父様、お爺様がお許しになりませんから。

「リシャール、君の店にセリアと言う女がいるか?」

 お父様の口から出た名前に、リシャール様の表情が陰りました。セリアさんと言えば、金の髪に深みのある緑の瞳を持つ、お店でも売上トップの販売員です。

「…はい。店の販売員にセリアという者はいますが…」
「その女が、バルトの息子に情報を流していたらしい」
「まさか!セリアが?」

 意外過ぎる話にリシャール様が驚きの声を上げて呆然としていますが、私も同感です。彼女はリシャール様の事が好きで、リアに扮していた私まで威嚇したほどです。そんな彼女がリシャール様の害になる事をするなんて、考えられません。

「まさか彼女が…彼女は店のためにといつも頑張っていて…」
「信じられないのも仕方ないだろう。だが、その女は、競りでリシャールを落札した女でもあるんだ」
「な…!」
「ええっ?!」

 競りでって…では、あの黒髪の女性がセリアさんだったと?確かに落札した日との声は若い女性のものでしたが…
 でも、一億なんて大金を彼女が出せる筈もないでしょう。彼女は伯爵家の出とはいえ、実家はとうの昔に没落していると聞いています。いくら売上トップの販売員でも、そんな大金を稼げるはずもないでしょうに…

「あの女は、君が好きだったんだな。バルトの息子に、競り落としたらお前にやると言われていたらしい」
「何、を…」
「あのバカ息子はリシャールをその女に与えて、商会ごと手に入れるつもりだったらしい」


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