【完結】悪役令嬢だって真実の愛を手に入れたい~本来の私に戻って初恋の君を射止めます!

灰銀猫

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夜会が始まりました

 夜会が始まりました。急な夜会ではありましたが、思ったよりも参加者は多いように感じました。今日の私達は銀地に水色の透青玉のブローチが目立つよう、上半身は濃青、スカートやズボンは青銀色に揃えた衣装です。こうする事でブローチが一際目立って面映ゆいですわ。リシャール様にエスコートされて、両親と一緒に会場に入りました。

「え?ちょっと見て!レティシア様のあれって…」
「あ、あれは後継者の証?」
「確か現侯爵が爵位を継ぐ前に付けていた…」
「ああ、間違いない。では、公爵家の後継はレティシア様が?」
「それにファリエール伯爵令息も。では、正式に婿に決定したと?」

 私達が身に付けたブローチを見て、両親と同年代かその上の方々が口々にそう囁いているのが聞こえました。どこの家もその家なりに後継者の証のようなものがありますし、それで公式に発表する前に家の意向を知らしめるのですが…どうやらお父様の意図は皆様に広がったようです。

「では…あの男が婿に…」
「そんな…子爵家の三男だろう?だったら私だって…」
「よせ!あの証を付けた以上、侯爵が認めたんだ。今更横槍を入れるもんじゃない」

 やっぱりリシャール様が子爵家の三男だったからと侮る人も一定数はいるのですね。でも、もうそれも過去の話です。私が望み、お父様が認めた以上、これを覆い返すのは無理というものですし、私だって許しませんわ。

「しかし…レアンドル様はどうなったのだ?」
「ああ、エストレ国に留学して…あの件の後は行方不明なんだろう?」
「もしかしてあの王女が…」
「今日の夜会はその件で?今日はあの王女も出席だと聞いたが?」
「ああ。だがリスナール国の王太子殿下も出席するのだろう?」
「いくら何でもリスナール国の王太子殿下が出席するんだ。その件は関係ないだろう」

 貴族達も私達のブローチの意味と、そこから想定される事象に興味津々です。今後の政局にも影響するので尚更でしょう。まだ正式な発表はしていませんが、これで私がラフォン侯爵家を継ぐとはっきりしたのですから。

「…注目されていますね」

 さすがに人の目がこれまでにないほどに注がれているせいか、リシャール様が苦笑しながらそう仰いました。想定内とはいえ、こうも話題の中心になると気負いしますわね。

「ええ。でも、これからが気になりますわ。あの王女が何をするか…」
「そうですね。でも、貴女に危害を加えると言うのなら、私がお守りします」
「…っ!あ、ありがとう、ございます」

 そんな風に言って貰えるなんて想定外で嬉しさよりも驚きの方が勝ってしまいましたわ。私がリシャール様をお守りしなければと思っていましたのに。でも、今日は本当に何が起きるかわからないので、喜ぶのは無事屋敷に帰ってからにしないといけませんわ。それでも…つい頬が緩んでしまいそうです…

 そうしている間に、国王陛下をはじめとする王族の皆様が入場されました。そしていよいよセレスティーヌ様の入場ですが…その瞬間を前に私はドキドキしてきました。

「リスナール王国王太子殿下、セレスティーヌ様のご入場です!」

 高らかな宣言と共に入場したのは、セレスティーヌ様とそれをエスコートするお兄様でした。

(ど、どうか何も起きませんように…!)

 事前に知らされていた事ではありますが…この後入場する予定のアドリエンヌ様の事もあって、私は別の意味で手に汗握りながらこの夜会の無事の終了を祈るのでした。


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