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尋問
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ジスラン殿下殺害未遂の容疑で逮捕された私は、そのまま王宮にある部屋に連れていかれました。
牢屋行きかと思ったのですが…そうでなかった事にひとまずホッとしました。
騎士様に引き立てられて部屋に入ると、そこには国王陛下と王妃様の他、年配のお偉い方と見られる方々がお集まりでした。
国王陛下達にお会いするのは、殿下との婚約解消の話し合い以来ですが…どうした事でしょう?
私は両脇を騎士様に取られたまま、陛下達のご前に立たされました。うう…腕が痛いし乱暴ですわね。もう少し丁寧にして頂けないでしょうか…
って、そう言えば私、今は王族殺害未遂の容疑者でしたわね。うう…全く心当たりがないのですが…どういう事なのでしょう…
「久しぶりだな、アルレット嬢」
お声をかけられたのは、恐れ多くも国王陛下でした。殿下殺害未遂の犯人に対しては、随分と穏やかな口調と表情です。
「ご無沙汰しておりました。腕を取られているため礼が出来ませぬ事、ご容赦ください」
両腕を取られているためカーテシーも出来ませんが、そこは許して頂きたいです。さすがにそんな器用な事は出来ませんので。
「この場に呼ばれた理由に心当たりは?」
「…恐れながら、聞けばジスラン殿下の殺害未遂の容疑との事。申し訳ございませんが、全く身に覚えがございません」
これには嘘がないので、ここはハッキリ否定しておきます。そもそもこの前お茶会に呼ばれただけで、それ以降は全く接触もありません。
「そうか?だが、先日そなたと茶を飲んでからジスランは体調を崩し、今は枕も上がらぬ状態だ」
「ええ?ジスラン様が?」
どういう事でしょう?確かに2週間ほど前にジスラン様に呼ばれてお茶は飲みましたが…そこで体調を悪くされるような事はありませんでした。
「ジスランに会ったのか?」
「は、はい。王家からのご使者がいらっしゃって、ジスラン殿下からお茶会のご招待を頂きました。婚約を解消されておりますのでご辞退したいとご使者にお伝えしたのですが、他の令嬢にもお声をかけていらっしゃるからと…」
隠す事でもないので、私はあった事をそのまま陛下達にお話ししました。別にやましい事もありませんし、二人きりだったわけでもありません。殿下とリアーヌ様だけでなく、護衛の方もいらっしゃいましたし。
「それで、ジスランの用件は何だったのだ?」
「それが…私の力で殿下の呪いを解くようにと仰いました」
「呪いを?」
「はい。ですが、それは危険だからとお断りしました。陛下から禁止されている事も申し上げて、納得して頂けたはずですが…」
私がそうお伝えすると、陛下は王妃様と顔を見合わせてしまわれました。表情には困惑が浮かんでいますが…どうしたというのでしょう…
牢屋行きかと思ったのですが…そうでなかった事にひとまずホッとしました。
騎士様に引き立てられて部屋に入ると、そこには国王陛下と王妃様の他、年配のお偉い方と見られる方々がお集まりでした。
国王陛下達にお会いするのは、殿下との婚約解消の話し合い以来ですが…どうした事でしょう?
私は両脇を騎士様に取られたまま、陛下達のご前に立たされました。うう…腕が痛いし乱暴ですわね。もう少し丁寧にして頂けないでしょうか…
って、そう言えば私、今は王族殺害未遂の容疑者でしたわね。うう…全く心当たりがないのですが…どういう事なのでしょう…
「久しぶりだな、アルレット嬢」
お声をかけられたのは、恐れ多くも国王陛下でした。殿下殺害未遂の犯人に対しては、随分と穏やかな口調と表情です。
「ご無沙汰しておりました。腕を取られているため礼が出来ませぬ事、ご容赦ください」
両腕を取られているためカーテシーも出来ませんが、そこは許して頂きたいです。さすがにそんな器用な事は出来ませんので。
「この場に呼ばれた理由に心当たりは?」
「…恐れながら、聞けばジスラン殿下の殺害未遂の容疑との事。申し訳ございませんが、全く身に覚えがございません」
これには嘘がないので、ここはハッキリ否定しておきます。そもそもこの前お茶会に呼ばれただけで、それ以降は全く接触もありません。
「そうか?だが、先日そなたと茶を飲んでからジスランは体調を崩し、今は枕も上がらぬ状態だ」
「ええ?ジスラン様が?」
どういう事でしょう?確かに2週間ほど前にジスラン様に呼ばれてお茶は飲みましたが…そこで体調を悪くされるような事はありませんでした。
「ジスランに会ったのか?」
「は、はい。王家からのご使者がいらっしゃって、ジスラン殿下からお茶会のご招待を頂きました。婚約を解消されておりますのでご辞退したいとご使者にお伝えしたのですが、他の令嬢にもお声をかけていらっしゃるからと…」
隠す事でもないので、私はあった事をそのまま陛下達にお話ししました。別にやましい事もありませんし、二人きりだったわけでもありません。殿下とリアーヌ様だけでなく、護衛の方もいらっしゃいましたし。
「それで、ジスランの用件は何だったのだ?」
「それが…私の力で殿下の呪いを解くようにと仰いました」
「呪いを?」
「はい。ですが、それは危険だからとお断りしました。陛下から禁止されている事も申し上げて、納得して頂けたはずですが…」
私がそうお伝えすると、陛下は王妃様と顔を見合わせてしまわれました。表情には困惑が浮かんでいますが…どうしたというのでしょう…
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