45 / 64
王城へ
しおりを挟む
船旅は順調に進んで、私たちは七日目には王都に到着しました。途中からザウサー川と合流したヘルゲン川は川幅が一層広くなって流れも緩やかになり、その違いもまた楽しくて川から見る景色にすっかり夢中になっていました。
「これがタウンハウス……」
王都のヘルゲン公爵家のタウンハウスは、実家の倍はありそうな優美で上品なお屋敷でした。領地の堅城鉄壁で実用性重視の建物とは大違いです。
「お待ちしておりました、旦那様、奥方様!」
領地と変わらない躾の行き届いた使用人たちの姿にもビックリです。ここにいる方々は私の悪い噂もご存じでしょうに……
「エルの噂が虚偽だったことはみんなわかっているからね。しかもエルは私と聖域の呪いを解いてくれたんだ。我が家の恩人だよ」
大袈裟ではないかと思いましたが、ウィル様の言う通り皆さん親切な上に、「旦那様を助けて下さってありがとうございます!」と皆さんからお礼を言われてしまいました。こうしてお役に立てたと実感出来るのは嬉しいですね。
案内された公爵夫人の部屋はとっても明るくて素敵で、公爵家の財力とセンスの良さを改めて実感しました。
到着した翌日には仕立て屋と宝石商がやってきて、採寸をされた上にドレスのデザインを幾つか選ばせられて、それに合う宝石をウィル様が次々と選んでいきました。
「奥方様は艶のあるハニーゴールドですから、華やぎのある色がお似合いですわ」
「あら、肌は白いし瞳は落ち着いたグレーですから、シックな色合いも捨て難いですわよ」
デザイナーたちが次々と色とりどりの生地を当てていきますが、私は目を白黒させるばかりです。気分はすっかり着せ替え人形です。
「ウ、ウィル様、さすがにこんなには……」
「何を言っているんだい? これくらい公爵夫人なら当然だよ」
「で、ですが……」
「ああ、この貴紫晶もいいな。私の瞳の色を是非エルに身に着けて貰いたいからね」
「えええっ?」
次から次へと商品を見てはお買い上げしていくウィル様に、私は気が遠くなりそうでした。これ、一つでも一体おいくらするのでしょうか……今まで宝石もドレスも買って貰ったことがないので見当が付きません。ウィル様の思い切りの良さに胃が痛くなってきたのですが……
それでも、私が何を言っても「エルは謙虚だなぁ」とデザイナーたちと微笑ましい視線を向けられて、私の意見は華麗に流されてしまいました。
王都に到着して三日後には、私は王城にいました。展開が早過ぎて心の準備が追いつきません。しかも行き先は国王陛下の私室だというのですから驚きです。今日は私的な面会、ということでいいのでしょうか。それでも……
(どうしましょう……マナーが間に合うかしら……)
王都に行くと聞いてからはマナーの復習に励みましたが、実践は初めても同然です。しかも慣れないドレスと高いヒールの靴が私の不安を一層掻き立てます。今日は落ち着いた若草色のドレスにしました。ウィル様も侍女たちももっと華やかな色がいいと勧められましたが、初めての登城で目立ちたくないと主張して、何とかわかって頂きました。それでもしっかり着飾られて、先ほどから心臓がドキドキして今にも止まりそうです。
「ウィルよ、よく来たな」
「はっ。国王陛下には長らくご挨拶にも伺わず、不義理をお詫び申し上げ……」
「ああ、よい。今日は甥を呼んだのだ。その様な堅苦しい挨拶はいらぬ」
「ありがとうございます」
どうやら今日は私的なもので、身内としてウィル様の呪いが解けたことをお確かめになりたかったようです。
初めてご尊顔を拝する陛下は私の父と同じか少し上くらいのお年で、ウィル様と同じ銀の髪と薄紫の瞳をお持ちででした。ウィル様と面差しが似ていますが、陛下の方がずっと眼光が強く、顔立ちも威厳に満ちて直視するのは憚られる雰囲気を纏っていらっしゃいました。
「そなたがエル―シア嬢か」
「は、はい」
志尊のお方から突然名を呼ばれて、心臓が飛び出しそうになりました。
「ああ、そう固くならなくてよい。ウィルの呪いを解いてくれたそうじゃな」
「い、いえ、呪いを解いたのはトーマス=ピットナー様です。私はそのお手伝いをしただけでございます」
声がちゃんと出ているでしょうか。緊張し過ぎて掠れている様にも感じます。
「そう謙遜することもなかろう。ビットナーからはそなたが殆どの呪いを解いたと報告が上がっておる。自分がやったことだ。もっと自信を持つがいい」
「あ、有難き幸せにございます」
い、言い方はこれで合っているのでしょうか? それにしてもトーマス様がそんな風に仰って下さっていたなんて……しかも陛下も認めて下さったとはなんて恐れ多いことでしょう。
「いい伴侶を得たな、ウィルよ」
「はい。陛下には感謝していますよ。陛下の鑑識眼には畏れ入ります」
「大いに感謝せよ、と言いたいところじゃがな。実はエル―シア嬢を推薦したのはエンゲルス翁じゃ」
「エンゲルス先生が?」
まさかここで先生のお名前を聞くとは思いませんでした。先生が私を……でも、王命ではリルケ家の娘で、私との指定はありませんでしたが……
「エンゲルス翁から、解呪に優れた令嬢がいると聞いてな。だったらと思ったんじゃが、令嬢には中々面倒な事情があるというし」
「そうですね。エル―シアは家族に疎まれていましたから」
「うむ。それにリルケ伯爵のことじゃ。最初から妹を送れと言えば難癖をつける可能性もある。だから選ばせたのじゃ。あの伯爵が姉を手放すとは思えなかったからな」
「成程。確かにその通りになりましたね」
そう言うとウィル様は一通の手紙を陛下に差し出されました。あの手紙の蝋印、もしかして……
「これは、リルケ伯爵の?」
「はい。呪いが解けたと聞いたのでしょう。早速花嫁の交換を提案してきました」
(ええええっ!?)
驚き過ぎて声も出ませんでしたが……お父様、いつの間にそんな手紙を送って来ていたのですか……既に婚姻は成立しているのに、何てことを……
「……これはまた、随分と……あの者は王命を何と心得ておるのか……」
陛下も深くため息をつかれてしまい、私は恥ずかしさと情けなさで居た堪れない気持ちになりました。それにしても……
(こうなると、お姉様が何を言ってくるか、わからないわね……)
ヘルゲンでは無縁だった家族の蛮行を思い出して、私の胃は一層キリキリとその存在を主張してきたのでした。
「これがタウンハウス……」
王都のヘルゲン公爵家のタウンハウスは、実家の倍はありそうな優美で上品なお屋敷でした。領地の堅城鉄壁で実用性重視の建物とは大違いです。
「お待ちしておりました、旦那様、奥方様!」
領地と変わらない躾の行き届いた使用人たちの姿にもビックリです。ここにいる方々は私の悪い噂もご存じでしょうに……
「エルの噂が虚偽だったことはみんなわかっているからね。しかもエルは私と聖域の呪いを解いてくれたんだ。我が家の恩人だよ」
大袈裟ではないかと思いましたが、ウィル様の言う通り皆さん親切な上に、「旦那様を助けて下さってありがとうございます!」と皆さんからお礼を言われてしまいました。こうしてお役に立てたと実感出来るのは嬉しいですね。
案内された公爵夫人の部屋はとっても明るくて素敵で、公爵家の財力とセンスの良さを改めて実感しました。
到着した翌日には仕立て屋と宝石商がやってきて、採寸をされた上にドレスのデザインを幾つか選ばせられて、それに合う宝石をウィル様が次々と選んでいきました。
「奥方様は艶のあるハニーゴールドですから、華やぎのある色がお似合いですわ」
「あら、肌は白いし瞳は落ち着いたグレーですから、シックな色合いも捨て難いですわよ」
デザイナーたちが次々と色とりどりの生地を当てていきますが、私は目を白黒させるばかりです。気分はすっかり着せ替え人形です。
「ウ、ウィル様、さすがにこんなには……」
「何を言っているんだい? これくらい公爵夫人なら当然だよ」
「で、ですが……」
「ああ、この貴紫晶もいいな。私の瞳の色を是非エルに身に着けて貰いたいからね」
「えええっ?」
次から次へと商品を見てはお買い上げしていくウィル様に、私は気が遠くなりそうでした。これ、一つでも一体おいくらするのでしょうか……今まで宝石もドレスも買って貰ったことがないので見当が付きません。ウィル様の思い切りの良さに胃が痛くなってきたのですが……
それでも、私が何を言っても「エルは謙虚だなぁ」とデザイナーたちと微笑ましい視線を向けられて、私の意見は華麗に流されてしまいました。
王都に到着して三日後には、私は王城にいました。展開が早過ぎて心の準備が追いつきません。しかも行き先は国王陛下の私室だというのですから驚きです。今日は私的な面会、ということでいいのでしょうか。それでも……
(どうしましょう……マナーが間に合うかしら……)
王都に行くと聞いてからはマナーの復習に励みましたが、実践は初めても同然です。しかも慣れないドレスと高いヒールの靴が私の不安を一層掻き立てます。今日は落ち着いた若草色のドレスにしました。ウィル様も侍女たちももっと華やかな色がいいと勧められましたが、初めての登城で目立ちたくないと主張して、何とかわかって頂きました。それでもしっかり着飾られて、先ほどから心臓がドキドキして今にも止まりそうです。
「ウィルよ、よく来たな」
「はっ。国王陛下には長らくご挨拶にも伺わず、不義理をお詫び申し上げ……」
「ああ、よい。今日は甥を呼んだのだ。その様な堅苦しい挨拶はいらぬ」
「ありがとうございます」
どうやら今日は私的なもので、身内としてウィル様の呪いが解けたことをお確かめになりたかったようです。
初めてご尊顔を拝する陛下は私の父と同じか少し上くらいのお年で、ウィル様と同じ銀の髪と薄紫の瞳をお持ちででした。ウィル様と面差しが似ていますが、陛下の方がずっと眼光が強く、顔立ちも威厳に満ちて直視するのは憚られる雰囲気を纏っていらっしゃいました。
「そなたがエル―シア嬢か」
「は、はい」
志尊のお方から突然名を呼ばれて、心臓が飛び出しそうになりました。
「ああ、そう固くならなくてよい。ウィルの呪いを解いてくれたそうじゃな」
「い、いえ、呪いを解いたのはトーマス=ピットナー様です。私はそのお手伝いをしただけでございます」
声がちゃんと出ているでしょうか。緊張し過ぎて掠れている様にも感じます。
「そう謙遜することもなかろう。ビットナーからはそなたが殆どの呪いを解いたと報告が上がっておる。自分がやったことだ。もっと自信を持つがいい」
「あ、有難き幸せにございます」
い、言い方はこれで合っているのでしょうか? それにしてもトーマス様がそんな風に仰って下さっていたなんて……しかも陛下も認めて下さったとはなんて恐れ多いことでしょう。
「いい伴侶を得たな、ウィルよ」
「はい。陛下には感謝していますよ。陛下の鑑識眼には畏れ入ります」
「大いに感謝せよ、と言いたいところじゃがな。実はエル―シア嬢を推薦したのはエンゲルス翁じゃ」
「エンゲルス先生が?」
まさかここで先生のお名前を聞くとは思いませんでした。先生が私を……でも、王命ではリルケ家の娘で、私との指定はありませんでしたが……
「エンゲルス翁から、解呪に優れた令嬢がいると聞いてな。だったらと思ったんじゃが、令嬢には中々面倒な事情があるというし」
「そうですね。エル―シアは家族に疎まれていましたから」
「うむ。それにリルケ伯爵のことじゃ。最初から妹を送れと言えば難癖をつける可能性もある。だから選ばせたのじゃ。あの伯爵が姉を手放すとは思えなかったからな」
「成程。確かにその通りになりましたね」
そう言うとウィル様は一通の手紙を陛下に差し出されました。あの手紙の蝋印、もしかして……
「これは、リルケ伯爵の?」
「はい。呪いが解けたと聞いたのでしょう。早速花嫁の交換を提案してきました」
(ええええっ!?)
驚き過ぎて声も出ませんでしたが……お父様、いつの間にそんな手紙を送って来ていたのですか……既に婚姻は成立しているのに、何てことを……
「……これはまた、随分と……あの者は王命を何と心得ておるのか……」
陛下も深くため息をつかれてしまい、私は恥ずかしさと情けなさで居た堪れない気持ちになりました。それにしても……
(こうなると、お姉様が何を言ってくるか、わからないわね……)
ヘルゲンでは無縁だった家族の蛮行を思い出して、私の胃は一層キリキリとその存在を主張してきたのでした。
159
あなたにおすすめの小説
なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。
【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
君を愛せないと言われたので、夫が忘れた初恋令嬢を探します
狭山ひびき
恋愛
「すまない。心の中に別の女性への気持ちを残して君と夫婦にはなれない。本当に、すまない」
アナスタージアは、結婚式の当日、夫婦の寝室にやって来た夫クリフに沈痛そうな顔でそう言われた。
クリフは数日前から一部の記憶を失っており、彼が言うには、初恋の女性がいたことは覚えているのだがその女性の顔を思い出せないという。
しかし思い出せなくとも初恋の女性がいたのは事実で、いまだにその彼女に焦がれている自分は
そんな気持ちを抱えてアナスタージアと夫婦生活をおくることはできないと、生真面目な彼は考えたようだ。
ずっと好きだったアナスタージアはショックを受けるが、この結婚は昨年他界した前王陛下がまとめた縁。
財政難の国に多大なる寄付をした功績として、甥であるクリフとアナスタージアの結婚を決めたもので、彼の意思は無視されていた。
アナスタージアははじめてクリフを見たときから彼に恋をしていたが、一方的な想いは彼を苦しめるだけだろう。
それならば、彼の初恋の女性を探して、自分は潔く身を引こう――
何故なら成金の新興貴族である伯爵家出身の自分が、前王の甥で現王の従弟であるクリフ・ラザフォード公爵につりあうはずがないのだから。
「クリフ様のお気持ちはよく理解しました。王命でわたしとの結婚が決まってさぞおつらかったでしょう。だから大丈夫です。安心してください。わたしとの夫婦生活は、仮初で問題ございません! すぐに離縁とはいかないでしょうが、いずれクリフ様を自由にしてさしあげますので、今しばらくお待ちくださいませ!」
傷む胸を押さえて、アナスタージアは笑う。
大丈夫。はじめから、クリフが自分のものになるなんて思っていない。
仮初夫婦としてわずかな間だけでも一緒にいられるだけで、充分に幸せだ。
(待っていてくださいね、クリフ様。必ず初恋の女性を探して差し上げますから)
果たして、クリフの初恋の女性は誰でどこに住んでいるのか。
アナスタージアは夫の幸せのため、傷つきながらも、彼の初恋の女性を探しはじめて……
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
【完結】転生悪役っぽい令嬢、家族巻き込みざまぁ回避~ヒドインは酷いんです~
鏑木 うりこ
恋愛
転生前あまりにもたくさんのざまぁ小説を読みすぎて、自分がどのざまぁ小説に転生したか分からないエイミアは一人で何とかすることを速攻諦め、母親に泣きついた。
「おかあさまあ~わたし、ざまぁされたくないのですー!」
「ざまぁとはよくわからないけれど、語感が既に良くない感じね」
すぐに味方を見つけ、将来自分をざまぁしてきそうな妹を懐柔し……エイミアは学園へ入学する。
そして敵が現れたのでした。
中編くらいになるかなと思っております!
長い沈黙を破り!忘れていたとは内緒だぞ!?
ヒドインが完結しました!わーわー!
(*´-`)……ホメテ……
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む
綾雅(りょうが)今年は7冊!
恋愛
「シモーニ公爵令嬢、ジェラルディーナ! 私はお前との婚約を破棄する。この宣言は覆らぬと思え!!」
婚約者である王太子殿下ヴァレンテ様からの突然の拒絶に、立ち尽くすしかありませんでした。王妃になるべく育てられた私の、存在価値を否定するお言葉です。あまりの衝撃に意識を手放した私は、もう生きる意味も分からなくなっていました。
婚約破棄されたシモーニ公爵令嬢ジェラルディーナ、彼女のその後の人生は思わぬ方向へ転がり続ける。優しい彼女の功績に助けられた人々による、恩返しが始まった。まるで童話のように、受け身の公爵令嬢は次々と幸運を手にしていく。
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2022/02/15 小説家になろう 異世界恋愛(日間)71位
2022/02/12 完結
2021/11/30 小説家になろう 異世界恋愛(日間)26位
2021/11/29 アルファポリス HOT2位
2021/12/03 カクヨム 恋愛(週間)6位
婚約破棄していただき、誠にありがとうございます!
風見ゆうみ
恋愛
「ミレニア・エンブル侯爵令嬢、貴様は自分が劣っているからといって、自分の姉であるレニスに意地悪をして彼女の心を傷付けた! そのような女はオレの婚約者としてふさわしくない!」
「……っ、ジーギス様ぁ」
キュルルンという音が聞こえてきそうなくらい、体をくねらせながら甘ったるい声を出したお姉様は。ジーギス殿下にぴったりと体を寄せた。
「貴様は姉をいじめた罰として、我が愚息のロードの婚約者とする!」
お姉様にメロメロな国王陛下はジーギス様を叱ることなく加勢した。
「ご、ごめんなさい、ミレニアぁ」
22歳になる姉はポロポロと涙を流し、口元に拳をあてて言った。
甘ったれた姉を注意してもう10年以上になり、諦めていた私は逆らうことなく、元第2王子であり現在は公爵の元へと向かう。
そこで待ってくれていたのは、婚約者と大型犬と小型犬!?
※過去作品の改稿版です。
※史実とは関係なく、設定もゆるく、ご都合主義です。
※独特の世界観です。
※法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観や話の流れとなっていますのでご了承ください。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる