15 / 86
妹の婚約の行方
しおりを挟む
フィルマン様が異動してから三月が経った。フィルマン様は自身が誓った通り、私に復縁を迫ってくることはなかった。それどころか接触も同僚として最低限だ。時々は重い荷物を持ってくれたり、ついでのお使いを頼まれてくれたりしたけれど、それは同僚の範囲を超えるものではなかった。あんなに身構えていたのは何だろうと思うほどには、フィルマン様は他人行儀だった。
「あれから大丈夫かい?」
急ぎの書類で残業になった夜、ミオット室長に声をかけられた。気が付けば他の三人はもういなくなっていた。二人きりだと気付いたら途端に胸がどきどきしてきた。意識してしまう……
「はい、拍子抜けするほど何もありません」
「そうか、よかったよ」
ほっと息を吐く姿に胸がキュッとなった。気遣って貰えたのが嬉しい。
「あんな風に言って、意固地になるかと心配していたから安心したよ」
「ありがとうございます。これも室長のお陰です」
心からそう思って頭を下げた。今の平安は室長のお陰だ。
「いやいや、私は何もしていないよ」
困ったように眉を下げて力ない笑みを浮かべた。その表情が好きだなと思う。
「そんなことはありません。ルドン様も室長の言葉で目が覚めたと言っていましたわ」
これは本人から直接聞いた話だから嘘ではない。どれほど感謝しているか、この想いが全て伝わったらいいのにと思う。
「そうか。彼もわかってくれたのならいい。君たちは若いんだ。まだまだ新しい出会いがあるよ」
そう言われて、幸せだった気持ちが一気に萎んだ。若者扱いが対象外だと言われているように思えたからだ。室長からしたら私など小娘でしかないのだろう。小娘でもミレーヌのように美しかったら違ったのだろうか。
「今日はもう遅い。送っていこう」
「え? そ、そんな。お忙しいのに……」
「私ももう終わるよ。さすがにここ連日残業続きだったからね」
確かにここ数日は室長もお忙しそうだった。姿が見えず寂しく思っていたから間違いない。
「でも、王宮内は夜でも人が多いから大丈夫です。こんなことでお手を煩わせるのは……」
「そうはいかないよ。シャリエ嬢も未婚のご令嬢だ。大事な部下をこんな遅い時間に一人で帰すなんて出来ないよ」
大事な部下という言葉にじくじくと心が痛んだ。それでも、二人きりの時間を持てると心が躍った。申し訳なく思いながらも断るなど出来なかった。
(やっぱり素敵な方……)
寮までの長くもない距離、他愛もない話をしながら歩いた時間は至福だった。話せば話すほど、博識でありながら温かみのある人柄に惹かれてしまう。その余韻は寮に戻ってからも残った。あんな風に一緒にいられたらと願ってしまう。
(……まだ、奥様を愛していらっしゃるのかしら……)
二十歳まで生きられないと言われたという奥様。それでも結婚したのだからきっと心から愛していたのだろう。再婚しないのも忘れられないから。そんな愛情深いところも素敵だと思う一方で、そこまで愛されている奥様に嫉妬を感じた。筋違いだとわかっていても羨ましいと思う気持ちは止められなかった。
そんな中、妹の卒業が迫っていた。エクトル様との婚約がどうなるかと心配していた矢先、王家の夜会で事件は起こった。
「ミレーヌ=シャリエ嬢。あなたとの婚約を破棄する!」
夜会の最中にエクトル様はミレーヌに婚約破棄を宣言したのだ。クルーゾー侯爵ご夫妻と弟君、そして私たちも呆然とその様子を眺めていた。婚約の白紙もやむなしとは思っていても、こんな人目の多いところで一方的に破棄されるとは思わなかった。
「エクトル様、どういうことですの!?」
ミレーヌが両手を組み、目に涙をためて見上げる様は愛らしかったけれど、エクトル様はそんなミレーヌを冷たい目で見下していた。そこには二年前にあった熱は残っていなかった。
「どういうことだと? 淑女教育も学園の成績もギリギリ。卒業までに淑女教育を終え、学園の成績も平均点をと最初に伝えてあったはずだ。なのにあなたは努力しようとすらしなかった。そんなあなたを我が侯爵家に迎えることは出来ない」
やっぱり……父はミレーヌが可愛いからと甘やかすばかりで、婚姻の条件を丸っと無視していた。こうなることは予想出来たことだ。
ただ、こんな公衆の面前でやることではないだろうに。これでは我が家は勿論、侯爵家にとっても醜聞でしかない。
「こんな場で……エクトル様は阿呆だよね」
「エドモン、ダメよ」
弟がこっそり囁いてきた。その通りかもしれないけれど、誰が聞いているかもわからないのだからこんな場所ではやめてほしい。
その後ミレーヌは泣き出し、父は激高しつつも侯爵家相手には強く言うことも出来ず、クルーゾー侯爵夫妻も息子の愚行に顔色を失くし、それぞれに会場を後にすることになった。
「あの若造が! よくもミレーヌに!!」
馬車に乗った途端、父の怒りが爆発した。
「仕方ないだろう、その年で淑女教育が終わらないんじゃ」
「酷いわ、エドモン!」
「そうは言うけど、大抵の令嬢は入学時にはほぼ終わらせているんだ。卒業まで出来ないんじゃ、そりゃ仕方ないだろう?」
「エドモン! ミレーヌに酷いことを言うな!」
「じゃぁ父上、俺の妻が淑女教育を終えてなくてもいいのか? それを認めるのか?」
「そ、それは……」
さすがに父も淑女教育を終えていない令嬢を我が家の嫁として迎える気はなかったらしい。それに気づいた父はもう何も言えなかった。ミレーヌはただ泣くばかりだった。
その後、両家の話し合いで婚約は解消になった。我が家に非があったとはいえ、王家の夜会で破棄を宣言したのは非常識だったと、互いに慰謝料無しで幕引きを図った。話し合いがこじれて長引けば、一層傷を深める。それだけは避けたのだ。
ミレーヌは王家の夜会で恥をかかされたと、暫く部屋から出て来なかったらしい。学園は一応必要な単位はギリギリでもとれていたため卒業資格はあり、通学する必要がなかったのは幸いだった。
「それで、ミレーヌはどうしているの?」
エドモンと王都のカフェで会った時、彼女の様子を尋ねた。
「ああ、引きこもりは一週間ももたなかったよ。仲のいい令息が誘いに来て、今はカフェだ観劇だと出歩いているよ」
「……懲りてないのね」
「ミレーヌに懲りる日なんて永遠に来ないんじゃない?」
「でも、このままじゃ婚約者が……」
夜会であんな風に婚約破棄されてしまえば、次は簡単に決まる筈もない。私だけでなくミレーヌの婚約も遠のいてしまったけれど、父がどう出るか。とにかく結婚させようと躍起になって、とんでもない縁談を拾ってきそうな気がする。ミレーヌを優先する父なだけに、ミレーヌが嫌がった縁談を私に押し付けるかもしれない。希望が持てる要素を探そうにも、一つも見つからなかった。
「あれから大丈夫かい?」
急ぎの書類で残業になった夜、ミオット室長に声をかけられた。気が付けば他の三人はもういなくなっていた。二人きりだと気付いたら途端に胸がどきどきしてきた。意識してしまう……
「はい、拍子抜けするほど何もありません」
「そうか、よかったよ」
ほっと息を吐く姿に胸がキュッとなった。気遣って貰えたのが嬉しい。
「あんな風に言って、意固地になるかと心配していたから安心したよ」
「ありがとうございます。これも室長のお陰です」
心からそう思って頭を下げた。今の平安は室長のお陰だ。
「いやいや、私は何もしていないよ」
困ったように眉を下げて力ない笑みを浮かべた。その表情が好きだなと思う。
「そんなことはありません。ルドン様も室長の言葉で目が覚めたと言っていましたわ」
これは本人から直接聞いた話だから嘘ではない。どれほど感謝しているか、この想いが全て伝わったらいいのにと思う。
「そうか。彼もわかってくれたのならいい。君たちは若いんだ。まだまだ新しい出会いがあるよ」
そう言われて、幸せだった気持ちが一気に萎んだ。若者扱いが対象外だと言われているように思えたからだ。室長からしたら私など小娘でしかないのだろう。小娘でもミレーヌのように美しかったら違ったのだろうか。
「今日はもう遅い。送っていこう」
「え? そ、そんな。お忙しいのに……」
「私ももう終わるよ。さすがにここ連日残業続きだったからね」
確かにここ数日は室長もお忙しそうだった。姿が見えず寂しく思っていたから間違いない。
「でも、王宮内は夜でも人が多いから大丈夫です。こんなことでお手を煩わせるのは……」
「そうはいかないよ。シャリエ嬢も未婚のご令嬢だ。大事な部下をこんな遅い時間に一人で帰すなんて出来ないよ」
大事な部下という言葉にじくじくと心が痛んだ。それでも、二人きりの時間を持てると心が躍った。申し訳なく思いながらも断るなど出来なかった。
(やっぱり素敵な方……)
寮までの長くもない距離、他愛もない話をしながら歩いた時間は至福だった。話せば話すほど、博識でありながら温かみのある人柄に惹かれてしまう。その余韻は寮に戻ってからも残った。あんな風に一緒にいられたらと願ってしまう。
(……まだ、奥様を愛していらっしゃるのかしら……)
二十歳まで生きられないと言われたという奥様。それでも結婚したのだからきっと心から愛していたのだろう。再婚しないのも忘れられないから。そんな愛情深いところも素敵だと思う一方で、そこまで愛されている奥様に嫉妬を感じた。筋違いだとわかっていても羨ましいと思う気持ちは止められなかった。
そんな中、妹の卒業が迫っていた。エクトル様との婚約がどうなるかと心配していた矢先、王家の夜会で事件は起こった。
「ミレーヌ=シャリエ嬢。あなたとの婚約を破棄する!」
夜会の最中にエクトル様はミレーヌに婚約破棄を宣言したのだ。クルーゾー侯爵ご夫妻と弟君、そして私たちも呆然とその様子を眺めていた。婚約の白紙もやむなしとは思っていても、こんな人目の多いところで一方的に破棄されるとは思わなかった。
「エクトル様、どういうことですの!?」
ミレーヌが両手を組み、目に涙をためて見上げる様は愛らしかったけれど、エクトル様はそんなミレーヌを冷たい目で見下していた。そこには二年前にあった熱は残っていなかった。
「どういうことだと? 淑女教育も学園の成績もギリギリ。卒業までに淑女教育を終え、学園の成績も平均点をと最初に伝えてあったはずだ。なのにあなたは努力しようとすらしなかった。そんなあなたを我が侯爵家に迎えることは出来ない」
やっぱり……父はミレーヌが可愛いからと甘やかすばかりで、婚姻の条件を丸っと無視していた。こうなることは予想出来たことだ。
ただ、こんな公衆の面前でやることではないだろうに。これでは我が家は勿論、侯爵家にとっても醜聞でしかない。
「こんな場で……エクトル様は阿呆だよね」
「エドモン、ダメよ」
弟がこっそり囁いてきた。その通りかもしれないけれど、誰が聞いているかもわからないのだからこんな場所ではやめてほしい。
その後ミレーヌは泣き出し、父は激高しつつも侯爵家相手には強く言うことも出来ず、クルーゾー侯爵夫妻も息子の愚行に顔色を失くし、それぞれに会場を後にすることになった。
「あの若造が! よくもミレーヌに!!」
馬車に乗った途端、父の怒りが爆発した。
「仕方ないだろう、その年で淑女教育が終わらないんじゃ」
「酷いわ、エドモン!」
「そうは言うけど、大抵の令嬢は入学時にはほぼ終わらせているんだ。卒業まで出来ないんじゃ、そりゃ仕方ないだろう?」
「エドモン! ミレーヌに酷いことを言うな!」
「じゃぁ父上、俺の妻が淑女教育を終えてなくてもいいのか? それを認めるのか?」
「そ、それは……」
さすがに父も淑女教育を終えていない令嬢を我が家の嫁として迎える気はなかったらしい。それに気づいた父はもう何も言えなかった。ミレーヌはただ泣くばかりだった。
その後、両家の話し合いで婚約は解消になった。我が家に非があったとはいえ、王家の夜会で破棄を宣言したのは非常識だったと、互いに慰謝料無しで幕引きを図った。話し合いがこじれて長引けば、一層傷を深める。それだけは避けたのだ。
ミレーヌは王家の夜会で恥をかかされたと、暫く部屋から出て来なかったらしい。学園は一応必要な単位はギリギリでもとれていたため卒業資格はあり、通学する必要がなかったのは幸いだった。
「それで、ミレーヌはどうしているの?」
エドモンと王都のカフェで会った時、彼女の様子を尋ねた。
「ああ、引きこもりは一週間ももたなかったよ。仲のいい令息が誘いに来て、今はカフェだ観劇だと出歩いているよ」
「……懲りてないのね」
「ミレーヌに懲りる日なんて永遠に来ないんじゃない?」
「でも、このままじゃ婚約者が……」
夜会であんな風に婚約破棄されてしまえば、次は簡単に決まる筈もない。私だけでなくミレーヌの婚約も遠のいてしまったけれど、父がどう出るか。とにかく結婚させようと躍起になって、とんでもない縁談を拾ってきそうな気がする。ミレーヌを優先する父なだけに、ミレーヌが嫌がった縁談を私に押し付けるかもしれない。希望が持てる要素を探そうにも、一つも見つからなかった。
515
あなたにおすすめの小説
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
婚約者から「君のことを好きになれなかった」と婚約解消されました。えっ、あなたから告白してきたのに?
四折 柊
恋愛
結婚式を三か月後に控えたある日、婚約者である侯爵子息スコットに「セシル……君のことを好きになれなかった」と言われた。私は驚きそして耳を疑った。(だってあなたが私に告白をして婚約を申し込んだのですよ?)
スコットに理由を問えば告白は人違いだったらしい。ショックを受けながらも新しい婚約者を探そうと気持ちを切り替えたセシルに、美貌の公爵子息から縁談の申し込みが来た。引く手数多な人がなぜ私にと思いながら会ってみると、どうやら彼はシスコンのようだ。でも嫌な感じはしない。セシルは彼と婚約することにした――。全40話。
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる