異世界親父騒動記

マサカド

文字の大きさ
175 / 325
第三章 親父たちの航悔(航海?)

親父たちの航海四日目 夕方1

しおりを挟む
前回までのあらすじ
脱出用のボートが足りない状況で乗客たちを避難させるために行動する親父たち。
教授のアイディアはいかに?

 水平線の向こうに夕日が沈むデッキの上で親父たちは大の字になって寝転がっていた。
「つ、疲れた…………」
「やっと……終わったで……ござる」
「な、なんとかな!」
「うむ、全員避難したね!」
「任務完了であります!」
 さきほど最後の乗客たちを避難させ、緊張感の糸が切れた親父たちは倒れたのだった。
「しかし、教授の錬金術で足りないボートの代わりにイカダを作るとは……」
「すごかったでござる!」
「考えたな!」
「その通りであります!」
「うむ、なせばなるものだよ!」
 教授は、足りない救助ボートを船内で手に入れた木材を使ってイカダを作り続けていた。
「軍曹殿もすごかったでござるよ!」
「確かにあのクレーマーたちを一人残らず(物理的に)黙らせたのはすごかったな!」
「任務であります!」
「クレーマーを簀巻きにしたのは、わしだぞ!」
「うむ、ブドウくんもすごかったね!」
 救助ボートではなくイカダで脱出することになった乗客の中に文句を言った乗客を黙らせる役は軍曹で、、黙った乗客をシーツなどで拘束したのはブドウだった。
「しかし、教授!」
「うむ、何かね?村正くん!」
「拙者らは、この船からどうやって脱出すればいいんだ?」
「うむ、それなら心配いらないよ!」
「何か策があるのでござるか?」
「うむ、脱出の準備は操舵室で用意しているから心配いらないよ!」
「「「「…………………………」」」」」
 教授の明るい返答とは裏腹に一気に不安になる親父たちだったが、他に選択肢がないため、操舵室に向かった。
「ここが操舵室か!」
「肯定であります!」
「二度目でござる!」
「教授!ここに来て何するつもりだ?まさか!この船を動かすというんじゃないだろうな!」
「うむ、正解だよ!ブドウくん!」
「教授!気は確かか?」
「この船はもうすぐ沈むでござる!」
「第一ワシら、船を運転したことはないんだぞ!」
「肯定であります!」
 慌てる親父たちに、対してパイプに火をつけた教授は説明した。
「うむ、落ち着きたまえ!船を動かすと言っても、操舵室だけを動かすだけだよ!」
「どうゆう意味だ?」
「操舵室だけでござるか?」
「頭大丈夫か?教授!」
「肯定であります!」
「うむ、実は乗客たちを避難させる前に錬金術で、この操舵室を一つの船に作り変えておいたのだよ!」
「い、いつの間に?」
「抜け目がないと言うか…………」
「忍者もびっくりでござる!」
「肯定であります!」
「うむ、備えあれば憂いなしだよ!」
 全員が教授は嘘をついていないことを確信していた。
 なぜなら教授のパイプからは大量の煙が出てこなかった。
「うむ、では出発の準備だ!」
 教授の一言と共に親父たちは準備を開始した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

交換した性別

廣瀬純七
ファンタジー
幼い頃に魔法で性別を交換した男女の話

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

合成師

あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...