異世界親父騒動記

マサカド

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第三章 親父たちの航悔(航海?)

親父たちの航海四日目 夜

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前回までのあらすじ
豪華客船ダメダニック号から手作りの船。
操舵丸で、無事(?)脱出した親父たちだが……。

 親父たちは夜空の星を見上げていた。
「夜空だな!」
「夜空でござる!」
「うむ、星がよく見える!」
「肯定であります!」
「……み、みんな……そろそろ現実逃避……やめないか?」
 村正のツッコミをよそに親父たちは天体観賞という名の現実逃避をしていた。
 なぜ!こんなことになったかというと、操舵丸(操舵室)の羅針盤がダメダニック号から発射された衝撃で壊れたからだ。
 そのため方向がわからずに、夜空の星を見つめて現実から逃げていた。
「村正どの!空気を読んで欲しいでござる!」
「空気を読めよ!村正!」
「肯定であります!」
「うむ、我々は朝日が昇るのを待つしか、方向を知る術がないのだから!」
「じゃあ、なんで夜空を見上げているんだ?朝日を昇るのを待っているのなら、眠ればいいじゃないか?」
「「「「……………………」」」」」
 村正の正論に親父たちは黙る。
「ま、まさか……気づいてなかったってことは……」
「自分は観測していたんであります!」
「うむ、そうなのだよ!」
「星を観測していたんでござる!」
「右に同じ!」
 軍曹以外の親父たちの言い訳を疑いの目で見る村正。
 疑いの矛先を変えるために、親父たちは強引にダメダニック号の乗員たちの話をし始めた。
「しかし、船乗りが沈みゆく船を見捨てて逃げ出すなんて!問題じゃないのか?」
「まったく、その通りでござる!」
「肯定であります!」
「うむ、まちがいなく刑事責任を問われるだろうね!」
「教授!」
「うむ、何かね?村正くん!」
「ここは異世界だから、我々の知っている国際海事協定は通じないと思うんだが……」
 村正は教授に突っ込みを入れた。
 親父たちは知らなかったが、この時、ダメダニック号の乗員乗客たちは近くにいた船に全員が救助されたのだが、乗員と乗客の間には見えない壁があったのは言うまでもなかった。
 親父たちの漂流は続く。

ダメダニック号の被害報告書
 豪華客船ダメダニック号。航海四日目の昼にクラーケンと遭遇。
 乗員が乗客を置いて、逃亡。
 その後、乗客たちは自力で避難。
 近くにいた船に救助されるが、乗員と乗客たちの間で修羅場が起こった。
 クラーケンによる被害は、ダメダニック号の半壊と、五名の行方不明者。
 船会社は乗客たちに集団で訴えられ、倒産。

五名の行方不明者リスト。
村正
ブドウ
教授
軍曹
 影

第三章 親父たちの航悔(航海?) 完
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