異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第三章 発展〜街から小さな国へ〜

3-9 ドラシャンは誰もが認める過保護です

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 朝ご飯後を食べ終えた後、お父さんとお母さんは揃って街のギルドへ向かって出かけて行った。
お兄ちゃんはというと王子達が迎えに来たので揃って訓練場へ。

家に残ったのは私とドラしゃん。
私はどうしようかと悩んでいたらドラしゃんが私を抱えて玄関へと向かって行く。

「ドラしゃん?どこ行くの?」

私の質問にドラしゃんは微笑しながら答えてくれた。

『お嬢様を1人にしますと私の胃が痛みますので、今日は1日一緒に行動を共にしてもらいますね。』

ドラしゃんの言葉に私は苦笑いするしかなかった。

ドラしゃんは私に外靴を履かせ変えると、また抱き抱えて家の外へ。
私は黙ってドラしゃんの腕の中で過ごす事にした。

外に出るとドラしゃんは家の周りの垣根に水やりをし出した。
変に伸びている草木は魔法で刈り取り形を整えていく。
中庭の手入れも行いその後は裏へ周り異変がないかを確認。

それが終わると訓練場や工房のある方へ歩き出す。

どうやら今日は街の見回りをする様だ。
訓練場の外では、ムキじぃーちゃんの指導の元にお兄ちゃん達が体操をしていた。

訓練場の中で訓練をする前のウォーミングアップみたいな事をしていた。
それを素通りしながら見守り、工房の確認をしてギルドへと向かって行くドラしゃん。

ギルドへ行くとドムじぃーちゃんとロドじぃーちゃんが何やら話し合いをしていた。

私達が近くと気づいて駆け寄ってくる。

「よかったぜ。丁度呼びに行こうと思っていたんだ。おっ?リンも一緒か?おはよう。」

ロドじぃーちゃんはドラしゃんと私に話しかけてきたので私は軽く手を振り挨拶をする。
ドラしゃんはというと...

『どうしたのですか?何かトラブルでも?』

凄く嫌な顔をしながらロドじぃーちゃんに返事をかえす。
今日のドラしゃんは既に起きて直ぐにトラブルを体験していたのでこれ以上のトラブルは嫌だったのだ。

それを知らないロドじぃーちゃん達は、不思議そうな顔をしてドラしゃんを見つめ苦笑いをする。

「なんだよ。そうそうドラブルばかり起きてたまるかよ。」

「そうだぜ。朝からドラブルなんか起きてたら身がもたないだろうよ。」

ロドじぃーちゃんとドムじぃーちゃんの言葉に私は何故か責められている気分になるし、ドラしゃんは引き攣った笑いかえすのだった。

そんな私やドラしゃんの事はお構いなしにロドじぃーちゃん達は話しだす。

「いや...昨日も話してたけどよ、モッケロンが連れてくる奴らの住処をどうするかと思ってよ。」

「どこばり建ててもダメだし、どのくらいの人数連れて来るかもわからんしよ。どしたものかと思って悩んでたんだ。」

ロドじぃーちゃんとドムじぃーちゃんの言葉にドラしゃんと私はキョトンとしてしまった。

そういや、モッケしゃんの手紙に人を連れて帰って来るって書いてた様な...。
私とドラしゃんもどうしたものかと悩んでしまった。

「アイツと連絡取る方法ないか?」

「お前さんだったらできるかと思ってよ。」

ロドじぃーちゃんとドムじぃーちゃんの言葉にドラしゃんは少し困りながら答える。

『できないことはないが...少し難しい。アイツが今どの辺に居るのか分からないから下手に伝言を出せない。』

ドラしゃんの言葉にロドじぃーちゃんもドムじぃーちゃんも凹んでしまった。
そんな様子を見て私はふと思い腕輪に話しかけてみた。

「ねぇーねぇー。ちょっと皆んな出てきて。」

私の言葉にドラしゃん、ドムじぃーちゃん、ロドじぃーちゃんはぎょっとして私を見つめる。

『お嬢様!何をする気ですか?!』

ドラしゃんの言葉に私は普通に答えた。

「彼らならなんとかできるじゃないかと思って。聞いてみようと思ったの。」

私の言葉に反応して腕輪の中で休んでいた【大聖霊】達がいっせいに出てくる。

『どうしました主人殿。』

『呼んだ?』

『俺たちに何かようかい?』

『俺たちに出来る事なら手伝うぜ。』

『何なに?なんかよう?』

『...どうしたの?...』

『どうしたの?』

私達の周りにはドライアド、ノーム、ウンディーナ、イフリート、シルフ、ミスト、サク・フラーワがミニサイズで出てきてこちらの様子を伺う。

見慣れない【大聖霊】もいたのだがロドじぃーちゃん達は何も言わずに状況を見守る事にしたのか静かだった。

私はドラしゃんの腕の中から皆に声をかけた。

「あのね。街の外にね、家族のモッケしゃんが居るのね。旅をしながら今この街に向かって帰ってきてるの。
そのモッケしゃんに連絡をねしたいの。でも...場所がわからないの。」

私がそう言うとドラしゃんが捕捉説明を付け足す。

『私も伝言を飛ばせない事はないが、奴が何処に居るのか不明なせいで飛ばす事ができないんだ。
至急、連絡を取りたいんだが方法を教えてくれたらありがたい。』

私とドラしゃんの言葉に【大聖霊】達はキョトンとしていた。

『えっ?そんな事でいいの?』

『そんなの簡単だよ。』

『その、モッケ?ケロっけ?だっかの気配さえわかれば簡単だぞ。』

『私とノーム、シルフの3人ですぐにできますよ。』

『そうだね。どんな奴か教えてくれたら出来るよ。』

『...私も...てつだう。』

『私はまだ無理かなぁ?ごめんなさい。』

それぞれの言葉に私とドラしゃんで返事をする。

「凄い!皆ありがとう。」

『流石【大聖霊】と言いたいがお嬢様の負担にはならないか?』

私とドラしゃんの言葉にドライアドが代表で答える。

『主人の願いを叶えるのが我らの役目。気にされますな。
この程度で主人の負担になるはずがない。主人で大丈夫ですのでそのモッケなんとかの気配を教えてくれますか?』

ドライアドの言葉に私は笑顔で答える。

「モッケしゃんだよ!良いよ。」

私はそう答えるとドライアドと手を繋いだ。そして、自分の記憶の中のモッケしゃんを思い出して伝える。

ドライアドから他の【大聖霊】達に私の中のモッケしゃんの情報が伝えられて行く。

『ヘェ~。コイツなんだ。』

『エセ臭い奴だなぁー。』

『ヘタレだな。』

『これなら、俺たちの方が上だな。』

『...タイプ...じゃない...。』

『主人殿。この人大丈夫なのですか?』

【大聖霊】達の反応と言葉に笑いを必死で堪えるロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃんとドラしゃん。

「ちょっ、どんなのを教えてるんだ?」

「良くわかってるじゃねぇーかぁー。」

周りの反応に少し不安になってきた私は、ドラしゃんにもモッケしゃんの情報を伝えてもらおうと思ったらシルフからとんでもない言葉がきた。

『おっ!みーつけた!こいつだな。移動用の獣魔を操縦している奴だね。結構街の近くまで来てるよ。これは...ドラゴンの巣の近くに居るよ。』

なんともう既に見つけてしまったのだった。
なんという早技!

シルフの声に反応したドラしゃんは伝言ドラゴンを直ぐに飛ばす。

『えっ?!ちょっと、別に伝言飛ばさなくてもオイラの力で会話できるのに!』

シルフは少しむくれた様子でドラしゃんに抗議する。

『場所さえわかればいい。下手に力を使ってお嬢様の負担になったら大変です。』

ドラしゃんの言葉にその場にいた全員が絶句する。

『どんだけ過保護なんですか?』

『この程度でへばるほど主人も僕たちも弱くないよ。』

『そうだぞ?別に主人の魔力借りなくても問題ないぞ。』

『ヤバいな。ここの大人達は基本ヤバいのが多いけどお前さんは特別だな。』

『やーい。過保護魔神。いや過保護ドラゴンだな。』

『...過保護...すぎると...』

『嫌われるわよ。』

【大聖霊】達の言葉にロドじぃーちゃんとドムじぃーちゃんは思わず腹を抱えて爆笑する。

そんな彼らにドラしゃんが睨みつけ何かを言う前に【大聖霊】達は腕輪の中に姿を消した。

『チッ。相変わらず逃げ足だけは速いですね。』

ドラしゃんはそう言うと私の腕輪を睨んでいた。
私は苦笑いするしかなかった。

ロドじぃーちゃん達はドラしゃんに睨まれながらも笑い転げていた。
いい加減鬱陶しくなったのだろう。
ドラしゃんがロドじぃーちゃん達に怒りの言葉をぶつけようとした時伝言ドラゴンが戻ってきた。

今回ドラしゃんのが飛ばした伝言ドラゴンはいつものとは違っていた。
いつものは水色で伝言を伝えると消えるものだ。

しかし、今回モッケしゃんへ飛ばした伝言ドラゴンはピンク色だ。
伝言を伝えて返事を持って帰ってくるタイプの伝言ドラゴンだ。

伝言ドラゴンは可愛らしい風貌とは裏腹に、あの独特の喋り口調で話しだす。

「もーぅ。びっくりしましたでぇ~。急に伝言ドラゴンがきはったからもう少しでワテ、落ちそうになりましたわ。
 そうそう、伝言の返事ですけど今の所大人が10人。あと、子供が5人ですが、10歳以上の子供ばかりです。
子供は親を亡くしてます。
しかも、皆さんまともに食事が取れてないため、ガリガリのボロボロです。
なんとかギリギリのラインを生きているって所ですわ。
ワテの予備の食料でなんとかしてますが限界が来てます。
 商品に手を付けるわけにはいきませんから、早めにそちらにいきますけんよろしくたのんます。」

そう伝えると伝言ドラゴンは姿を消した。
伝言ドラゴンが消える頃にはロドじぃーちゃん達の笑いは止まっていた。
イヤ。喋りだしてすぐに止まっていた。
そして今はなんとも言えない表情でいた。

「ドラしゃん。大丈夫?」

私はロドじぃーちゃん達の反応を見て不安になったので、ドラしゃんに確認をしたかった。
そんな私の気持ちを察してドラしゃんは笑顔で私を見つめ

『大丈夫ですよ。さて、人数も分かりましたので住居を建てていきましょうか。』

ドラしゃんの言葉にロドじぃーちゃん達も頷いた。

「じゃー、リンも...。」

私も手伝うと言おうとしたら、

『「「手伝わなくていい!です!」」』

と3人に遮られたのだった。












リン:
(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)

ドラしゃん:
なんですか?そのお顔は?

リン:
(´Д` )なんでもないもん。

ロドじぃーちゃん:
おやー?むくれてるじゃねぇーかー?

リン:
(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)違うもん

ドムじぃーちゃん:
むくれてるな。

ドラしゃん:
何故むくれる必要が?

リン:
むくれてないもん(´Д` )

ロドじぃーちゃん:
もう少し大きくなったら、手伝ってもらうからよ。

リン:
いいもん( ̄3 ̄)

ドラしゃん:
Σ(゚д゚lll)
では、次回お嬢様に少し手伝っていただきましょうか?

リン:
えっ?!いいの?( ゚д゚)
わーい♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

ドムじぃーちゃん・ロドじぃーちゃん:
こりゃー駄目だわʅ(◞‿◟)ʃ
次回も見てくれよ!
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