異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜

4-50 変な宣戦布告?

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 私達4人と【聖獣】達が門の外へ出ると、街の入り口の門は静かに閉められ、
門の内側では、ロドじぃーちゃん達が武装して控えていた。

私とお兄ちゃん、ムキじぃーちゃんとドラしゃんとで、黒服の奴が待っている場所まで出向いていく。

すると見張り棟から私達の方へと声かけられた。

「魔物がこちらへ向かってます!」

「気を付けて下さい!」

その言葉に、ムキじぃーちゃんは右手を挙げて返事を返す。

『私の結界があるので、問題はないでしょう。ぶつかれば、消滅します。』

ドラしゃんは平然と言って退ける。

えーー。
それって...。

驚いた顔でドラしゃんを見つめると、いつもの笑顔が。

『ですから、安心して進みましょうか。』

「相変わらず、お前の結界はえげつないのう...。」

『失礼ですね。』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんのコントを聴きながら、私とお兄ちゃんは【聖獣】達と前へと進む。

腕輪の中では、【大聖霊】達も準備万端の様子で待機していてくれている。

ある程度進むと、ドラしゃんが歩みを止めたので、それに合わせて私とお兄ちゃん、ムキじぃーちゃんも歩みを止めた。

『ここらで待っていましょう。相手から向かってくると思うので。』

そうドラしゃんが言った時だった。
熊の様な変な姿をした馬鹿でかい魔物が、走って来て何かにぶつかりチリとなった。

あまりの出来事で、私達は思わず目を丸くした。

「えっ??」

「わっ??!」

「ありゃ~。」

『すっげぇー?!!』

『凄いですのう』

『グロいぃー!』

それぞれ感想を述べて状況を見守る。
唯一ドラしゃんだけどこの状況をどことなく楽しんでいるように感じた。

『あの程度の雑魚ですか。それなら、問題はないでしょう。』

と、平然と話すドラしゃん。

それに対して、

「はぁ?!お前?!あの程度が雑魚だと?!どう見ても、S級クラスの魔物しゃねぇーか?!」

と、ツッコミを入れるムキじぃーちゃん。

私とお兄ちゃんは、なんのこっちゃ分からず驚くしかなかった。

『そうでした。お2人には、まだ魔物について教えてなかったですね。
まぁ~、知る必要もないかと思いますが今度ゆっくり教えますね。』

と呑気に話すドラしゃん。

『相変わらず、肝が据わっているですのう。末恐ろしいですのう。』

フウちゃんが私の側でそう呟くと、ドラしゃんは不敵な笑みをフウちゃんに向けると、フウちゃんはすかさず私の後ろに隠れた。

こんなのほほんとしたやりとりを繰り返している間も魔物達が出てきては走ってきて、見えない壁に激突してはチリとなっていく様子をひたすら見ていた。

街の城壁にある見張り台でも私達が見ている光景を目の当たりにして唖然としていたようだ。

あらかたの魔物が出てきたのだろう。
こちらに突進してくる魔物の数がグッと減った頃合いに、目的の人物が私達の前に現れた。

やはり、この前会った人物と同じ人の様で、気配が一緒だった。
その人物は、私達の方へ禍々しいオーラを出しながら歩みを進める。
その横を何体かの魔物が牙を向きながら付き従う。

すると...ある程度進んだところで歩みを止めた。
どうやら相手にはドラしゃんが張った結界が分かるのだろう。

丁度結界がある数本手前で歩みを止めたのだった。
そして、しばらく私達の様子を伺い声をかけてきた。

"さすがと言うべきなのでしょうか?
最古にて最強のドラゴンの作り出す結界は、素晴らしいですね。
一応、私の飼っている中では強い方だったんですけどね...。こうもいとも簡単に消されてしまうとは...どうしたものでしょうね...。"

そう言いながら、薄気味悪く笑う黒服の男。
醸し出す雰囲気は、相変わらず気持ち悪い。

"おや?そちらの2人は...ふはっふふふ。
新しい能力を身に付けられたのですね。
良いですね...。しかも...そうかぁ...あの時の...しぶといですね...。でも...いいでしょう。...まだまだですがね。
 今日は、話をしに来たついでにどれだけの能力が備わっているか見に来ただけです。
運が良ければ...と思いましたが...まだ、そちらの2人は幼すぎる。それでは、"意味"がありません。
   特にお嬢さんの方は、私の花嫁になっていただかないといけませんからね。"

私とお兄ちゃんは、キョトン。
ムキじぃーちゃんとドラしゃんは、何かのスイッチが入ったようで、闘気がマックス状態になっていた。

そして...。
中央の街で待機していた皆も話が聞こえていたのだろう。
ムキじぃーちゃん達と同じ状態になっていた。

結構街から離れているのになんで?と思ったら...なんと、フウちゃんが魔法で黒服の男の台詞を街に流していたのだった。

「おい。お前、今なんて言った?」

『私も、よく聞こえなかったので...できればもう一度お聞かせ願えますかね。』

不敵な笑みを浮かべて話す2人。
(絶対聞こえてたでしょ...。)
私とお兄ちゃんは、本能的に一歩後ろに下がった。

"これはこれは...。歳をとると耳も悪くなるのですか?
いいでしょう。もう一度だけ言いますよ。
今日は気分が良いのでね。
 "おや?そちらの2人は...ふはっふふふ。
新しい能力を身に付けられたのですね。
良いですね...。しかも...そうかぁ...あの時の...しぶといですね...。でも...いいでしょう。...まだまだですがね。
 今日は、話をしに来たついでにどれだけの能力が備わっているか見に来ただけです。
運が良ければ...と思いましたが...まだ、そちらの2人は幼すぎる。それでは、"意味"がありません。
   特にお嬢さんの方は、私の花嫁になっていただかないといけませんからね。"って話させて頂きました。今度は聞き取れました?"

黒服の男は、嫌味たっぷりに丸々同じ内容を最初に話した時よりゆっくりと話して、言い切ると...高らかに笑う。
(めちゃくちゃ強気で対応するから絶対バカだ!)

ムキじぃーちゃんとドラしゃんは、凍えるほどの冷気を纏い不敵な笑みを浮かべだす。

「聞こえたか?ワシははっきり聞こえたぞ。」

『ええ。しっかり聞きましたよ。
"お嬢さんの方は、私の花嫁になっていただかないといけませんからね。"ですって?少しふざけてますね。誰が、誰の花嫁ですって?ありえませね。』

街の方でも、2人と同じ事を面々に言っていたみたい。
話を伝えているフウちゃんが怯えていたから、見えなくてもわかった。

"言葉通りですよ。私の花嫁に、そちらのお嬢さんがなるんですよ。"

黒服の男がそう言った瞬間、ムキじぃーちゃんとドラしゃん。
そして、街からも魔法攻撃が放たれた。

男は一瞬驚いた様子を見せたが、手早く攻撃を回避する。
代わりに側に控えていた魔物達がチリとなった。

そして...。

"言ったでしょ。今日は気分が良いのでって。今日はこれでひきますね。
そこの2人を見たかっただけだから。
じゃーねぇ~。"

そう言って、黒服の男はまたどこかに消えていったのだった。

その日、街では皆が酒を飲みながらイライラしていた。

原因は、あの黒服の男が言った私を花嫁にって言う台詞のせいだと言うのは一目瞭然だった。

だって、皆口を開けば「リンは、嫁にはやらん。」「あんな訳のわからん奴にくれてやるわけがない?!」「リンが嫁に行くのは早すぎる!」等ばかりを叫んでいたからだ。

その中には、勿論私達の両親も含まれている。

中でも一際怒りがピークを越えかけていたのは、ドラしゃんだった。

割ったグラスの数は...。
割れた机の数は...。
誰も止めないから一番酷い状況となっている。

私とお兄ちゃんと【聖獣】達は、早めにご飯を食べて、身を寄せ合ってお部屋で過ごす事にした。

いつもと変わらないドラしゃんだったが、少し纏うオーラが怖かったからだ。

 翌朝起きて、一階に降りると死屍類類だった。

床一面皆の雑魚寝...と言うか...青ざめた死体の様な様で寝ていたのだ。

私とお兄ちゃん、【聖獣】達はそっと皆を踏まない様に進み、椅子の所まで移動する。

椅子には誰もいなかったので、そっと引いて座ることに。

それにしても、家のリビングが...。
なんとも言えない風景を暫く眺めていると...?!

床で寝ていたムキじぃーちゃんの身体がむくって動いたと思ったら、床板が上がった。

床板が上がると同時に、ムキじぃーちゃんは転がって側に寝ていたロドじぃーちゃんを押し潰し、上がった床板の中から、ドラしゃんが現れたのだ。

『おや?お嬢さまにアキラ様。もう起きてこられたのですね?
まだ、朝ご飯はまだでしょう?すぐに用意しますね。』

そう言って、ドラしゃんは動きながら喋り床板を元に戻していた。

どうやら、あの床板の下がドラしゃんの部屋に通じてるのであろう。

しかし...。
床を見ると、ムキじぃーちゃんは転がったにしてはまだ寝ているし、ムキじぃーちゃんに潰されたロドじぃーちゃんは、うなされながらもまだ寝ていた。

どんだけ...。
呆れながら見ていると、ドラしゃんが遮って来た。

『あんなもの見る必要はございませんよ。目に悪いですから。
良かったらこちらをご覧になってて下さい。』

そう言って、ドラしゃんは私とお兄ちゃんの前に大きな鏡の様な板を置いてくれ、何やらドラしゃんが呪文を唱えるとその板に映像が浮き上がってきた。

映像には、見た事があるような...?知っているような...?人達が映っていた。

でも、私とお兄ちゃんが見た事あるような、知っているような人達は、もっと大人の様な気がすると思いながら、ずっと映像に釘付けになって見ていた。

私とお兄ちゃんが、その映像に釘付けになっている間にドラしゃんは、朝食の準備をしだす。

私とお兄ちゃんは、流れる映像を見ながらある事に気付いた。
最初に映し出された映像は、産まれたての赤ちゃんだということに。

それも、どの赤ちゃんもその赤ちゃんの家族も皆違っていた。

そして、その赤ちゃんが段々と成長していってることに。

首がすわって。
寝返りがうてるようになって。
這い這いし出して。
四つん這いになって。
つかまり立ちをし出して。
立てれる様になって。
よちよち歩きをし出して。
しっかり歩ける様になって。
走れる様になって。
しゃべれる様になって...て。

そして、みるみる内に私ぐらいの年頃になって、次はお兄ちゃんと同じぐらいに...。

そのぐらいになって、ようやくその映像に写っている人達が誰かがはっきりと分かったのだった。

「「あっ!?!」」

私とお兄ちゃんが思わず、声を上げるとドラしゃんが笑い出した。

『解りましたか?』

ドラしゃんが笑顔で聞いてきて、私とお兄ちゃんは頷いた。

この鏡の様な板に写っている人達は、今我が家の床で酔い潰れて寝ている人達だった。

ロドじぃーちゃんにラミィお兄ちゃん。モッケしゃんにドムじぃーちゃん。ルミばぁーちゃんにラディじぃーちゃん。カシムじぃーちゃんにナナばぁーちゃん、ロナばぁーちゃん達になっていくのだということに。

私とお兄ちゃんの知らないじぃーちゃん達の昔の姿を見れて、とても嬉しかったし楽しかった。

特にラディじぃーちゃん達獣人は、子供の時は普通にモコモコのぬいぐるみの様な姿をしているで一番見ていて癒された。

実際にその頃に出会えていたら、絶対肌身離さず側に置いていたと思うぐらい、可愛いかったのだ。

『内緒ですよ。』

そう言って微笑むドラしゃんに、私とお兄ちゃんは笑顔で"オッケー"と伝えた。

皆がある程度大きくなって、たぶん...15~16歳ぐらいの年頃になった頃の映像になった時に、朝ご飯が出来上がった。

映像は、一度中断。
また、今度とドラしゃんに言われて少し残念感があったが、目の前に用意された食事には勝てなかった。

料理が揃った頃、ようやく床で寝ている人達がゾンビの様に蠢き出した。

「うげぇっ。気分が...。」

「うぐっ。お..も..い..。岩?ちょっ?!ムキファー...?!のけよ!?」

「うるせぇーっなぁー。頭に響くだろう?」

「久しぶりに、飲みすぎたね...。」

「久しぶりに、良く飲みましたよ。あースッキリしました。顔を洗ってきますね。」

「かなわんワァー。しかし、頭重たいですわ...。」

「目が...回る...。うっぷ。」

「胃が気持ち悪いわぁ...。」

などなど、皆しんどそうだ。

私とお兄ちゃんが心配そうに見つめているのとは反対に、ドラしゃんは冷たい目線を送っていた。

『いい歳した大人が情けない。あれぐらいの量で...。お嬢様達が見ているんですよ?ほら、早く顔を洗ってその見苦しい様をどうにかして下さい。』

ドラしゃんの言葉に、皆はハッとして私とお兄ちゃんを見つめる。

そして、すでに青白い顔がますます青ざめていったと思ったら、素早く起き上がって面々に自宅に戻って行ったのだった。

皆が出払ったと思ったら、2階からお父さん達が降りてきた。

「あれ?皆は帰ったんですか?」

「朝ご飯...!!朝ご飯の準備?!!」

お母さんはハッとしてリビングを見た。
すると、すでに起きてきている私達と目があい、テーブルの上には、ドラしゃんが作った朝食が並べられていることに気付く。

それを見て、お母さんはホッとしつつ項垂れる。

「良かった...ドラしゃんがいて...。」

「おはよう。リン。アキラ。ドラしゃん。」

お母さんとお父さんは、私達の元へやって来て挨拶をして面々の席へ座る。
すると速やかにお父さん達の朝食もテーブルに並べられ、あとふたり分の朝食まで用意されていく。

私とお兄ちゃんが首を傾げると、洗面所からラミィお兄ちゃんとムキじぃーちゃんが出てきたのだった。

どうやら余分に用意されていたのは、そのふたりの分だったようだ。

皆揃った所で、朝ご飯を食べることにした。
今日の朝食は2種類用意されていた。

私とお兄ちゃん、ドラしゃんとラミィお兄ちゃんは、ホットサンドとオムレツとソーセージ。
サラダとフルーツヨーグルト。

お父さんとお母さんとムキじぃーちゃんは、胃に優しい梅のお粥さんとお吸い物だ。

それぞれ美味しく朝食を食べている中、ラミィお兄ちゃんが何を思ってかいきなり爆弾を投下し出した。

「昨日からずっと考えていたんですが、昨日の黒服の人間...なんでしょうか?
なんとも言えないオーラを纏っているのも気になりましたが...。
 本気でリンちゃんをお嫁に貰うつもりなんでしょうか?」

ラミィお兄ちゃんの言葉に、ムキじぃーちゃんは握っていたスプーンを砕いて、お父さんは箸をへし折った。
ドラしゃんなんか、笑顔のまま凍り付いたのだった。

お兄ちゃんなんか、難しい顔をしてホットサンドを咥えたまま唸っていた。

私はどう返事をしたらいいのか分からず、焦っていると...またラミィお兄ちゃんが爆弾を投下した。

「それも、あのいい様が更に気になるんですよ。
まるで、以前よりリンの事を知っている口振りが...。それがずっと気にかかってるんですが、皆さんはどうですか?」

ラミィお兄ちゃんの次の言葉は、どうやらまだ皆の耳には届いていなかった様で、皆ムスッとした表情をしている。

それに気付いたラミィお兄ちゃんが、溜息をついて私に笑顔を向けてある事を言い出した。

「リンは、大きくなったら誰の花嫁さんになりたい?」

この一言に過剰に反応する4人。
お母さんは呆れ顔をしていた。

横からお父さん、ドラしゃん、ムキじぃーちゃん、お兄ちゃんの熱い視線が...。

何を言っても...危ない気がして、私は困りなながらも答えた。

「えっと、...
お父さんみたいにあたたかくって、
お兄ちゃんみたいにやさしくて、
ムキじぃーちゃんみたいにつよくって、ドラシャンみたいになんでもできて、
ラミィお兄ちゃんみたいにきれいで、
ロドじぃーちゃんみたいにものしりで、ドムじぃーちゃんみたいにたてものがつくれて、
ラディじぃーちゃんみたいにふわふわで、
カシムじぃーちゃんみたいにしんしてきで、
セバしゃんみたいにスマートな人がいいかなぁー?」

私がそう言うと、一気に皆の機嫌が良くなった。
(良かった...)
ホッと胸を撫で下ろし笑顔を浮かべる。

なんとか皆で美味しく朝ご飯を食べ切る事が出来たが、私はどっと疲れたのだった。











リン:
疲れた...。

ラミィお兄ちゃん:
リンはいい子だね^ ^

リン:
ラミィお兄ちゃん...。

ラミィお兄ちゃん:
でも、本当にリンがどんな人の所にお嫁に行くのか楽しみだね♪
まぁ~相手は大変だろうけどねwww

リン:
( ゚д゚)

ラミィお兄ちゃん:
まず、お嫁に行けるのかなぁ?

リン:
Σ(゚д゚lll)そこ?

ラミィお兄ちゃん:
もちろんだよ^ ^













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