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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜
5-8 冒険者パーティーを組む利点と登録について
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この日私とお兄ちゃんは、結局ギルドの出入り口で爆睡をかましてしまった。
職員に呼ばれたロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんによって、とりあえず応接室まで運ばれた。
そして、案の定お迎えにはドラしゃんが。
過保護なドラしゃんは大激怒。
普段なら誰かが他にも手伝いに来ている依頼内容なのに、私とお兄ちゃんしかいなかった事がバレたからだ。
グルになっていた人数が多いため消されると言う最悪なシナリオは消えたが、それでもドラしゃんの御怒りはなかなか消えなかった。
今回キレたのはドラしゃんだけではなかった。
私達の両親も大激怒だった。
子供二人(【大聖霊】や【聖獣】がいたとしても)がこなす量ではなかったからだ。
それもたった一日でだ。
両親も大激怒していたので街の人達はさすがに反省してくれたようだ。
翌日から通常通りにしてくれていた。
私とお兄ちゃんはそんな事は知らず、朝まで爆睡していて、起きたら家に戻っていた。
さすがにパジャマには変わってなかったけどね。
お風呂にも入れてなかったため、朝一番でお風呂に入って着替えをしてリビングに降りるとドラしゃんとロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんがいた。
父さん達はすでに仕事に出ていたようで姿はなかった。
私とお兄ちゃんはドラしゃんが用意してくれた朝御飯を食べた。
ロドじぃーちゃん達は私とお兄ちゃんが朝御飯を食べ終わるまで待ってくれた。
食べ終わるのを確認すると昨日あの後あった事を教えてくれた。
たぶん掻い摘んで当たり障りのない部分だけだと思うけど、私達に関わる事だからと言って話してくれたのだ。
ドラしゃんが大激怒したのは予想はついたが、両親まで怒ったことには私もお兄ちゃんもびっくりした。
今までドラしゃんと両親が一度に怒る事は滅多となかったからだ。
それだけ今回の内容はかなり...だったのだろう。
「怪我人でなかった?」
「死人とかも出てないですよね?」
私とお兄ちゃんはまず先にそれを確認した。
するとロドじぃーちゃんもルミばぁーちゃんと大笑いした。
その横でドラしゃんのみ不貞腐れた様な顔をして座っていた。
「いやいや。すまんな。大丈夫だ。怪我人も死人もでとらんよ。」
「そんな事がわかったらお前さんらに嫌われるからねぇ~。さすがに大丈夫だよ。」
ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんからその言葉を聞いて心底安心した私とお兄ちゃん。
「そうは思っていてもねぇ?」
「そう。僕らのせいで誰かが怪我したり、理不尽な思いをするのは嫌ですから。」
私とお兄ちゃんの言葉にドラしゃんはますます不貞腐れたいった。
わかってはいるのだが...てやつなのだろう。
そんなドラしゃんの反応にロドじぃーちゃん達は終始笑っていたのだった。
「ご飯も食べたし、ギルドに行く?お兄ちゃん!」
「そうだね。疲れも取れたしね。次の依頼を受けに行かないとね。」
私とお兄ちゃんがそう話ししていると、ロドじぃーちゃん達に止められた。
「ちょいとお待ち。あんた達にその依頼について相談があって来たんだよ。」
「そうそう。お前さん達はこのままずっと兄妹二人だけで依頼をこなしていくのか?」
「「えっ?」」
ルミばぁーちゃん達の言葉に首を傾げる私とお兄ちゃん。
ルミばぁーちゃん達の言っている意味がいまいち分からず首を傾げている私とお兄ちゃんに対して、ドラしゃんがわかりやすく説明してくれた。
『依頼内容によっては今回の野菜の収穫みたいに、二人だけでは少し無理な内容のものもあります。
まぁ~お二人には【大聖霊】や【聖獣】と言って助けてくれる存在がありますが、それでも限界がありますよね?
ですので、依頼内容によってはパーティーメンバーを臨時でも良いので増やして対応するのがよろしいかと思います。』
「あっ?!そっかぁー。」
「その手がありました!僕達いつも二人で行動していたから、それが当たり前になってました。」
「そうよねぇ?何かあれば仲間には頼れば良いから思いつきもしなかったね。」
私とお兄ちゃんの言葉に呆れるロドじぃーちゃん達。
『なかには【大聖霊】や【聖獣】に協力してもらったらペナルティーが付くものもあります。』
「「えっ?!そうなの?!」」
私とお兄ちゃんの返事にロドじぃーちゃん達は頷いていた。
「平等に依頼を達成する目的もあってな。」
「じゃないとお前さん達だけ得する形になるからね。」
そりゃーそうだけど...。
この世界で【大聖霊】や【聖獣】と契約しているのは私とお兄ちゃんのみだ。
加護は貰えても、契約まで出来る人はいないのだった。
それは、彼らと契約すると証に魔力の提供をしないといけないからだ。
そんな膨大な魔力量を保持できる人なんてそうそういないのだった。
普通の魔獣契約とは違って魔力消費が半端ないらしい。
(そんなこと感じたことないんだけどね。)
それなのに私とお兄ちゃんが平気なのは彼らに魔力を消費されても余裕が十分にあるからだ。
だから私達が冒険者登録してから依頼内容に一部私達専用に制限が付いたのだった。
それは他の冒険者を立てる役割と私達の命を守る為の制限だった。
それが、【大聖霊】と【聖獣】協力による依頼達成によるペナルティーだった。
もちろん全てではない。
内容によって制限がつけられたのだ。
それに関しては各国の王様とギルマス達が集まって話し合った結果だという。
「冒険なんだ。色んな人との関わりも大事だ。」
「そうだね。色んな人達と関わって、コミュニケーション脳力を高めたり、知識を深めたりしないとね。」
『お二人だけでも問題ないのは分かってます。たとえ問題があっても私がどうにかします。
しかし、人との関わりに関しては私ではどうにもできません。
本来なら悪いムシか付く可能性があるから嫌なのですが、それではお二人の為にならないので...ここはグッと我慢します。』
そう力説するドラしゃん。
悪い虫ってなに?と私とお兄ちゃんが顔を見合わせて首を傾げてると、ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんは苦笑いしていた。
『ですので、パーティーメンバーはこちらで厳選させて頂きました。』
ドラしゃんの言葉にロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんも驚いていた。
「えっ?どう言うことだ?!」
「リンとアキラに合わせてから決めるって話してたじゃないか?!」
ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんの言葉にシラッと返事するドラしゃん。
『大事な二人と過ごして貰うんです。変な人間はダメです!!
大丈夫です。ちゃんと見極めてますから。』
その言葉に大きなため息を吐く二人。
私とお兄ちゃんは何が何やら分からずキョトンとしていると、ドラしゃんは自信満々な態度に少し嫌そうな雰囲気を出しながら
『ちなみにもう少ししたらここに来るように伝えてますので...おや?
噂をすればですね。そのままお待ち下さい。』
そう言って、ドラしゃんは玄関へと向かった。
私とお兄ちゃん、ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんは言われるがままリビングで待っていた。
すると、ドラしゃんと一緒に五人の人影が見えた。
三人は見覚えのある人が。
残り二人は...誰かに似ている人だった。
ドラしゃんが五人を連れて私達の前に着くと、紹介してくれた。
『こちら三人はお嬢様もアキラ様もご存知ですよね?』
目の前にいる三人はアサくんと王子二人だった。
王子二人は街が完成してから王様の命令によって一時国に戻っていたはず。
私としてはいても居なくてもどっちでも良い存在だったので、今の今まで存在を忘れていたぐらいだしね。
アサくんは私達より早くから冒険者として活動をしている幼馴染の一人だ。
しっかり者のお兄さんで、お兄ちゃんが稽古でいない時とかよく代わりに私の相手をしてくれたりして大の仲良しでもある。
しかし残りの二人は...。
私とお兄ちゃんが不思議そうに見つめていると、ドラしゃんが紹介する前に自ら名乗り出た。
「お初にお目にかかります。私は、レビレット・セリゲル。伯父が執事をしております。」
と言って綺麗なお辞儀をして挨拶をしてくれた。
そんな彼には見覚えのある耳と尻尾が。
思わず私は身を乗り出して
「あっ!!セバしゃん!!」
私がそう言うと微笑してくれた。
笑った顔がそっくりだった。
『ええ。セバスの真ん中の妹の子供です。冒険者になりたいと言って昨年登録したてです。
それでもお嬢様達よりかは先輩になるので心強いかと。』
「接近戦も斥候も得意です。よろしくお願いします。」
『もう一人が...。』
「ライルネ・セリディルです。よろしくお願いします。」
もう一人は完全なライオンの獣人の姿をしていた。
全身もふもふで、ついもふりたくなり手がワキワキと動いてしまった。
『こちらはセバスの末の妹の子供です。
お嬢様達と同じで今年冒険者登録したてです。
しかし、戦闘能力はお墨付きです。』
なんとまたもやセバしゃんの身内!!
王子二人はいらないからアサくんとこの二人だけで良いなぁーと心の中で呟いていたはずが...。
なんと口に出ていたみたいで、王子ふたりが半泣きの顔に。
無意識のことで分からなかったが、王子ふたりの顔を見てあらゃ??と首を傾げると、お兄ちゃんから"心の声が出てたよ。"と言われて慌てる私。
私の思わぬ発言にて凹む王子二人。
私としては王子ふたりが大っ嫌いと言うわけではないのだが、好きでもない。
俺様気質と言うか...なんと言うか...。
とりあえず、異性としては苦手なタイプではある。
王子達もそれを理解しているのかしていないのか微妙で、昔に比べたらそれはそれは付き合いやすくはなったが、油断すると素の俺様気質が出るのでイラっとするのだ。
それに比べてアサくんは頼りがいのあるお兄ちゃんって感じで接しやすいし、甘えやすいので大好きだ。
特別視するわけでもなく、自分の妹達と接する様に私達にせっしてかれるので助かる。
本当に気の知れた間柄になるので、私達も気を遣わなくてすむ。
で、新しく私達の街に来たセバしゃんの甥っ子達は、セバしゃん譲りのモフモフで好印象だ。
何より王子達の様に貴族出身なのにそれを見せない所がすごいのだ。
「しかし、また凄いのを連れて来たね。」
「あー。しかも年齢的にも対して差があるわけでもない感じだな。」
ルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんの言葉にドラしゃんは少し自慢げに話を進めていく。
『もちろんそれも考えてこのメンバーにしたのだ。
王子達は父親からのゴリ押しですが、実力はちゃんとあります。
アサに関しては、若年層の冒険者にしては冷静沈着で実力のある冒険者。
セバスの甥っ子どもも実力は申し分ない。何より、他の虫除けに最適だ。』
ドラしゃんのその言葉にルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんは感心していた。
お兄ちゃんはともかく私の虫除けが重要なのらしい。
ただでさえ、最近冒険者登録して街をウロウロするようになって私達兄妹の注目度は前より遥かに高くなった。
何より私への注目度が高まり私の個人情報を探る輩が出て来たぐらいだった。
もちろんそんな奴らは、過保護な保護者達がちゃんと処理してくれているので私自身害は無い。
その為、超が付くほど自分のことに関して無頓着になってしまった私。
『アサ自身も今までシングルで冒険してましたが、ランク上げのためにパーティーメンバーを探していたようですし。
どうですか?』
ドラしゃんの言葉に私とお兄ちゃんは悩む事なく返事をした。
「もちろん!」
「ありがたいです!」
私とお兄ちゃんが乗り気だったのでこの時点でパーティーメンバーは決まった。
「なら、ギルドに行って申請してこないとな。」
「パーティーを組むなら、改めて申請が必要なんじゃよ。
今はリンとアキラの二人で活動許可を得ている。」
「しかし、今後このメンツで行動をするならちゃんと申請していないと、依頼を受けても二人だけしか依頼は受けれないんだ。」
「申請をし直していたら、このメンバーでいつでも依頼を受けれるからね。」
なる程。
新しい情報を聞いて私とお兄ちゃんは驚きはしたが、わかりやすく説明してくれたので理解できた。
「ならギルドに行こうよ。あっ!ロドじぃーちゃん達も一緒に行った方が良いのよね?」
「確かに。ギルマスだよね?」
私とお兄ちゃんの言葉にロドじぃーちゃん達は笑った。
そして。
「よし、皆で行くか!」
こうして皆で冒険者ギルドに行く事になった。
「ねぇ~。アサくんはいいの?私達がメンバーで?」
ギルドに行く道中隣を歩くアサくんに何気なく質問する私。
アサくんは私のその質問に平然と答える。
「あー。別に問題ない。というか、メンバーにならないと依頼を受けさせないって言われてるんだよなぁー。」
アサくんの意外な一言に、私とお兄ちゃんは後ろを歩く保護者達を見た。
三人は私とお兄ちゃんから視線を外す。
どうやら図星の様だ。
「ごめんね!アサくん!」
「ごめん!」
ダメな保護者達の代わりに謝る私とお兄ちゃん。
そんな私達にアサくんは嫌な顔一つせずに
「いや、かまわない。一人で依頼を受けるのも限界がきてたからなぁー。」
優しく答えてくれた。
本当にアサくんは素敵だ!と感動している私に対して、空気を読まない奴が...。
「俺たちはリンとアキラが一緒で嬉しいぞ!」
「ぼ、僕もです!」
「あ、そう。」
私はアサくんと話をしているのに、無理矢理話題に割り込む王子二人。
こう言うところが嫌なんだよなぁー。
全然成長してないよねぇー。
そんな事を思いながら歩いていると、セバしゃんの甥っ子二人と目が合った。
二人とも微笑してくれた。
あの笑った顔。
本当にセバしゃんそっくりだ。
私は思わず顔がとろんとなってしまった。
すると、お兄ちゃんが咳払いをする。
いけない!
急いで顔を元に戻したが遅かった。
私の腑抜けた顔を二人にばっちり見られてしまったのだった。
恥ずかしくなって顔を赤らめていると、
「その動物好きも相変わらずなんだなぁー。大きくなって少しはまっしになったのかと思ったが...全然だなぁー。」
そんな私に向かってアサくんがボソッと呟いた。
「その話に関しては、伯父より伺ってます。伯父も会うたびに尻尾や耳をよく触っていたとお聞きしてます。」
「私なんかは完全な獣人ですので、覚悟していくように言われております。」
なんて事を...。
セバしゃん!!
なんでそんな事を教えてるのさぁ~。
思わず心の中でそう叫んでしまったが、どうやらこれも口に出ていたようで、ふたりは優しく微笑んでいた。
「私の尻尾や耳で良ければ触って頂いてよろしいですよ。」
「私もかまいませんよ。」
なんて素敵な申し出。
しかし、ここはグッと我慢するのとことにした。
でないと...セバしゃんに負けた気がするからだ。
しかし、体は正直だった。
心では駄目だと言っても手は無意識に動いて、耳と尻尾をモフっていたのだった。
これにはお兄ちゃんもアサくんも呆れていた。
「叔父さんの言った通りです。触るのが上手ですね。」
「確かに。これは癖になりそうだ。」
そう言って、今にも喉がゴロゴロと気持ちよさそうに鳴りそうな二人。
特別意識して触れているわけではないのだが、喜んで頂けるのならいい事だ。
リン:
フワモフ...最高!!セバしゃんとはまた違った触り心地ね。
お兄ちゃん:
リン...側から見たらやばい人に見えるから気をつけた方がいいよ。
リン:
えっ?!そうなの!ヤダァー~。
ドラしゃん:
私もふわふわしたものをつけた方がいいのか?
ロドじぃーちゃん:
何をいってんだ?!
職員に呼ばれたロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんによって、とりあえず応接室まで運ばれた。
そして、案の定お迎えにはドラしゃんが。
過保護なドラしゃんは大激怒。
普段なら誰かが他にも手伝いに来ている依頼内容なのに、私とお兄ちゃんしかいなかった事がバレたからだ。
グルになっていた人数が多いため消されると言う最悪なシナリオは消えたが、それでもドラしゃんの御怒りはなかなか消えなかった。
今回キレたのはドラしゃんだけではなかった。
私達の両親も大激怒だった。
子供二人(【大聖霊】や【聖獣】がいたとしても)がこなす量ではなかったからだ。
それもたった一日でだ。
両親も大激怒していたので街の人達はさすがに反省してくれたようだ。
翌日から通常通りにしてくれていた。
私とお兄ちゃんはそんな事は知らず、朝まで爆睡していて、起きたら家に戻っていた。
さすがにパジャマには変わってなかったけどね。
お風呂にも入れてなかったため、朝一番でお風呂に入って着替えをしてリビングに降りるとドラしゃんとロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんがいた。
父さん達はすでに仕事に出ていたようで姿はなかった。
私とお兄ちゃんはドラしゃんが用意してくれた朝御飯を食べた。
ロドじぃーちゃん達は私とお兄ちゃんが朝御飯を食べ終わるまで待ってくれた。
食べ終わるのを確認すると昨日あの後あった事を教えてくれた。
たぶん掻い摘んで当たり障りのない部分だけだと思うけど、私達に関わる事だからと言って話してくれたのだ。
ドラしゃんが大激怒したのは予想はついたが、両親まで怒ったことには私もお兄ちゃんもびっくりした。
今までドラしゃんと両親が一度に怒る事は滅多となかったからだ。
それだけ今回の内容はかなり...だったのだろう。
「怪我人でなかった?」
「死人とかも出てないですよね?」
私とお兄ちゃんはまず先にそれを確認した。
するとロドじぃーちゃんもルミばぁーちゃんと大笑いした。
その横でドラしゃんのみ不貞腐れた様な顔をして座っていた。
「いやいや。すまんな。大丈夫だ。怪我人も死人もでとらんよ。」
「そんな事がわかったらお前さんらに嫌われるからねぇ~。さすがに大丈夫だよ。」
ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんからその言葉を聞いて心底安心した私とお兄ちゃん。
「そうは思っていてもねぇ?」
「そう。僕らのせいで誰かが怪我したり、理不尽な思いをするのは嫌ですから。」
私とお兄ちゃんの言葉にドラしゃんはますます不貞腐れたいった。
わかってはいるのだが...てやつなのだろう。
そんなドラしゃんの反応にロドじぃーちゃん達は終始笑っていたのだった。
「ご飯も食べたし、ギルドに行く?お兄ちゃん!」
「そうだね。疲れも取れたしね。次の依頼を受けに行かないとね。」
私とお兄ちゃんがそう話ししていると、ロドじぃーちゃん達に止められた。
「ちょいとお待ち。あんた達にその依頼について相談があって来たんだよ。」
「そうそう。お前さん達はこのままずっと兄妹二人だけで依頼をこなしていくのか?」
「「えっ?」」
ルミばぁーちゃん達の言葉に首を傾げる私とお兄ちゃん。
ルミばぁーちゃん達の言っている意味がいまいち分からず首を傾げている私とお兄ちゃんに対して、ドラしゃんがわかりやすく説明してくれた。
『依頼内容によっては今回の野菜の収穫みたいに、二人だけでは少し無理な内容のものもあります。
まぁ~お二人には【大聖霊】や【聖獣】と言って助けてくれる存在がありますが、それでも限界がありますよね?
ですので、依頼内容によってはパーティーメンバーを臨時でも良いので増やして対応するのがよろしいかと思います。』
「あっ?!そっかぁー。」
「その手がありました!僕達いつも二人で行動していたから、それが当たり前になってました。」
「そうよねぇ?何かあれば仲間には頼れば良いから思いつきもしなかったね。」
私とお兄ちゃんの言葉に呆れるロドじぃーちゃん達。
『なかには【大聖霊】や【聖獣】に協力してもらったらペナルティーが付くものもあります。』
「「えっ?!そうなの?!」」
私とお兄ちゃんの返事にロドじぃーちゃん達は頷いていた。
「平等に依頼を達成する目的もあってな。」
「じゃないとお前さん達だけ得する形になるからね。」
そりゃーそうだけど...。
この世界で【大聖霊】や【聖獣】と契約しているのは私とお兄ちゃんのみだ。
加護は貰えても、契約まで出来る人はいないのだった。
それは、彼らと契約すると証に魔力の提供をしないといけないからだ。
そんな膨大な魔力量を保持できる人なんてそうそういないのだった。
普通の魔獣契約とは違って魔力消費が半端ないらしい。
(そんなこと感じたことないんだけどね。)
それなのに私とお兄ちゃんが平気なのは彼らに魔力を消費されても余裕が十分にあるからだ。
だから私達が冒険者登録してから依頼内容に一部私達専用に制限が付いたのだった。
それは他の冒険者を立てる役割と私達の命を守る為の制限だった。
それが、【大聖霊】と【聖獣】協力による依頼達成によるペナルティーだった。
もちろん全てではない。
内容によって制限がつけられたのだ。
それに関しては各国の王様とギルマス達が集まって話し合った結果だという。
「冒険なんだ。色んな人との関わりも大事だ。」
「そうだね。色んな人達と関わって、コミュニケーション脳力を高めたり、知識を深めたりしないとね。」
『お二人だけでも問題ないのは分かってます。たとえ問題があっても私がどうにかします。
しかし、人との関わりに関しては私ではどうにもできません。
本来なら悪いムシか付く可能性があるから嫌なのですが、それではお二人の為にならないので...ここはグッと我慢します。』
そう力説するドラしゃん。
悪い虫ってなに?と私とお兄ちゃんが顔を見合わせて首を傾げてると、ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんは苦笑いしていた。
『ですので、パーティーメンバーはこちらで厳選させて頂きました。』
ドラしゃんの言葉にロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんも驚いていた。
「えっ?どう言うことだ?!」
「リンとアキラに合わせてから決めるって話してたじゃないか?!」
ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんの言葉にシラッと返事するドラしゃん。
『大事な二人と過ごして貰うんです。変な人間はダメです!!
大丈夫です。ちゃんと見極めてますから。』
その言葉に大きなため息を吐く二人。
私とお兄ちゃんは何が何やら分からずキョトンとしていると、ドラしゃんは自信満々な態度に少し嫌そうな雰囲気を出しながら
『ちなみにもう少ししたらここに来るように伝えてますので...おや?
噂をすればですね。そのままお待ち下さい。』
そう言って、ドラしゃんは玄関へと向かった。
私とお兄ちゃん、ロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃんは言われるがままリビングで待っていた。
すると、ドラしゃんと一緒に五人の人影が見えた。
三人は見覚えのある人が。
残り二人は...誰かに似ている人だった。
ドラしゃんが五人を連れて私達の前に着くと、紹介してくれた。
『こちら三人はお嬢様もアキラ様もご存知ですよね?』
目の前にいる三人はアサくんと王子二人だった。
王子二人は街が完成してから王様の命令によって一時国に戻っていたはず。
私としてはいても居なくてもどっちでも良い存在だったので、今の今まで存在を忘れていたぐらいだしね。
アサくんは私達より早くから冒険者として活動をしている幼馴染の一人だ。
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私とお兄ちゃんが不思議そうに見つめていると、ドラしゃんが紹介する前に自ら名乗り出た。
「お初にお目にかかります。私は、レビレット・セリゲル。伯父が執事をしております。」
と言って綺麗なお辞儀をして挨拶をしてくれた。
そんな彼には見覚えのある耳と尻尾が。
思わず私は身を乗り出して
「あっ!!セバしゃん!!」
私がそう言うと微笑してくれた。
笑った顔がそっくりだった。
『ええ。セバスの真ん中の妹の子供です。冒険者になりたいと言って昨年登録したてです。
それでもお嬢様達よりかは先輩になるので心強いかと。』
「接近戦も斥候も得意です。よろしくお願いします。」
『もう一人が...。』
「ライルネ・セリディルです。よろしくお願いします。」
もう一人は完全なライオンの獣人の姿をしていた。
全身もふもふで、ついもふりたくなり手がワキワキと動いてしまった。
『こちらはセバスの末の妹の子供です。
お嬢様達と同じで今年冒険者登録したてです。
しかし、戦闘能力はお墨付きです。』
なんとまたもやセバしゃんの身内!!
王子二人はいらないからアサくんとこの二人だけで良いなぁーと心の中で呟いていたはずが...。
なんと口に出ていたみたいで、王子ふたりが半泣きの顔に。
無意識のことで分からなかったが、王子ふたりの顔を見てあらゃ??と首を傾げると、お兄ちゃんから"心の声が出てたよ。"と言われて慌てる私。
私の思わぬ発言にて凹む王子二人。
私としては王子ふたりが大っ嫌いと言うわけではないのだが、好きでもない。
俺様気質と言うか...なんと言うか...。
とりあえず、異性としては苦手なタイプではある。
王子達もそれを理解しているのかしていないのか微妙で、昔に比べたらそれはそれは付き合いやすくはなったが、油断すると素の俺様気質が出るのでイラっとするのだ。
それに比べてアサくんは頼りがいのあるお兄ちゃんって感じで接しやすいし、甘えやすいので大好きだ。
特別視するわけでもなく、自分の妹達と接する様に私達にせっしてかれるので助かる。
本当に気の知れた間柄になるので、私達も気を遣わなくてすむ。
で、新しく私達の街に来たセバしゃんの甥っ子達は、セバしゃん譲りのモフモフで好印象だ。
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「しかし、また凄いのを連れて来たね。」
「あー。しかも年齢的にも対して差があるわけでもない感じだな。」
ルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんの言葉にドラしゃんは少し自慢げに話を進めていく。
『もちろんそれも考えてこのメンバーにしたのだ。
王子達は父親からのゴリ押しですが、実力はちゃんとあります。
アサに関しては、若年層の冒険者にしては冷静沈着で実力のある冒険者。
セバスの甥っ子どもも実力は申し分ない。何より、他の虫除けに最適だ。』
ドラしゃんのその言葉にルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんは感心していた。
お兄ちゃんはともかく私の虫除けが重要なのらしい。
ただでさえ、最近冒険者登録して街をウロウロするようになって私達兄妹の注目度は前より遥かに高くなった。
何より私への注目度が高まり私の個人情報を探る輩が出て来たぐらいだった。
もちろんそんな奴らは、過保護な保護者達がちゃんと処理してくれているので私自身害は無い。
その為、超が付くほど自分のことに関して無頓着になってしまった私。
『アサ自身も今までシングルで冒険してましたが、ランク上げのためにパーティーメンバーを探していたようですし。
どうですか?』
ドラしゃんの言葉に私とお兄ちゃんは悩む事なく返事をした。
「もちろん!」
「ありがたいです!」
私とお兄ちゃんが乗り気だったのでこの時点でパーティーメンバーは決まった。
「なら、ギルドに行って申請してこないとな。」
「パーティーを組むなら、改めて申請が必要なんじゃよ。
今はリンとアキラの二人で活動許可を得ている。」
「しかし、今後このメンツで行動をするならちゃんと申請していないと、依頼を受けても二人だけしか依頼は受けれないんだ。」
「申請をし直していたら、このメンバーでいつでも依頼を受けれるからね。」
なる程。
新しい情報を聞いて私とお兄ちゃんは驚きはしたが、わかりやすく説明してくれたので理解できた。
「ならギルドに行こうよ。あっ!ロドじぃーちゃん達も一緒に行った方が良いのよね?」
「確かに。ギルマスだよね?」
私とお兄ちゃんの言葉にロドじぃーちゃん達は笑った。
そして。
「よし、皆で行くか!」
こうして皆で冒険者ギルドに行く事になった。
「ねぇ~。アサくんはいいの?私達がメンバーで?」
ギルドに行く道中隣を歩くアサくんに何気なく質問する私。
アサくんは私のその質問に平然と答える。
「あー。別に問題ない。というか、メンバーにならないと依頼を受けさせないって言われてるんだよなぁー。」
アサくんの意外な一言に、私とお兄ちゃんは後ろを歩く保護者達を見た。
三人は私とお兄ちゃんから視線を外す。
どうやら図星の様だ。
「ごめんね!アサくん!」
「ごめん!」
ダメな保護者達の代わりに謝る私とお兄ちゃん。
そんな私達にアサくんは嫌な顔一つせずに
「いや、かまわない。一人で依頼を受けるのも限界がきてたからなぁー。」
優しく答えてくれた。
本当にアサくんは素敵だ!と感動している私に対して、空気を読まない奴が...。
「俺たちはリンとアキラが一緒で嬉しいぞ!」
「ぼ、僕もです!」
「あ、そう。」
私はアサくんと話をしているのに、無理矢理話題に割り込む王子二人。
こう言うところが嫌なんだよなぁー。
全然成長してないよねぇー。
そんな事を思いながら歩いていると、セバしゃんの甥っ子二人と目が合った。
二人とも微笑してくれた。
あの笑った顔。
本当にセバしゃんそっくりだ。
私は思わず顔がとろんとなってしまった。
すると、お兄ちゃんが咳払いをする。
いけない!
急いで顔を元に戻したが遅かった。
私の腑抜けた顔を二人にばっちり見られてしまったのだった。
恥ずかしくなって顔を赤らめていると、
「その動物好きも相変わらずなんだなぁー。大きくなって少しはまっしになったのかと思ったが...全然だなぁー。」
そんな私に向かってアサくんがボソッと呟いた。
「その話に関しては、伯父より伺ってます。伯父も会うたびに尻尾や耳をよく触っていたとお聞きしてます。」
「私なんかは完全な獣人ですので、覚悟していくように言われております。」
なんて事を...。
セバしゃん!!
なんでそんな事を教えてるのさぁ~。
思わず心の中でそう叫んでしまったが、どうやらこれも口に出ていたようで、ふたりは優しく微笑んでいた。
「私の尻尾や耳で良ければ触って頂いてよろしいですよ。」
「私もかまいませんよ。」
なんて素敵な申し出。
しかし、ここはグッと我慢するのとことにした。
でないと...セバしゃんに負けた気がするからだ。
しかし、体は正直だった。
心では駄目だと言っても手は無意識に動いて、耳と尻尾をモフっていたのだった。
これにはお兄ちゃんもアサくんも呆れていた。
「叔父さんの言った通りです。触るのが上手ですね。」
「確かに。これは癖になりそうだ。」
そう言って、今にも喉がゴロゴロと気持ちよさそうに鳴りそうな二人。
特別意識して触れているわけではないのだが、喜んで頂けるのならいい事だ。
リン:
フワモフ...最高!!セバしゃんとはまた違った触り心地ね。
お兄ちゃん:
リン...側から見たらやばい人に見えるから気をつけた方がいいよ。
リン:
えっ?!そうなの!ヤダァー~。
ドラしゃん:
私もふわふわしたものをつけた方がいいのか?
ロドじぃーちゃん:
何をいってんだ?!
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※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
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気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
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導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
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◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
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死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
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