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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜
5-12 次の依頼はパーティーメンバーで外に出かけます!
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私以外の人達で話し合った結果、前日に決めてあった内容で窃盗団の人達に関しては対応する事になった。
人手が足りない所へ派遣となり、賃金は一番低い金額での対応だ。
寝泊まり場所は監視目的も含めて、兵舎の一部を解放しての対応する事にした。
ただ、あまりにも低い賃金だったので、私が懇願したら勤務態度や街の人達の評価によって賃金は上げていく様にするとロドじぃーちゃんが提案してくれたので、それで対応することに。
賃金だけでなく就職先も彼らの態度次第ではいい所を斡旋するとも言ってくれた。
地下牢へ収監してある彼らをロドじぃーちゃんとムキじぃーちゃんが迎えに行く。
私達はルミばぁーちゃんの指示にて、ギルドの大会議室で待つ様に言われたのでそっちに移動することに。
移動中もお兄ちゃん達に異議を申し立てしたが、はいはいと言って有耶無耶にされた。
しばらく大会議室でまっていると部屋のドアがノックされた。
返事をするとロドじぃーちゃんを先頭にして昨日収容された盗賊団達が枷をつけられた状態で部屋に入ってきた。
彼ら枷は想像していたものより大きく頑丈で、首と手足に付けられていた。
逆らうと死なない程度の電流が流れる仕組みとなっている。
これはもしもの時にとロドじぃーちゃんに頼まれて、お父さんとドムじぃーちゃんが【雷の大聖霊】の力を借りて作成したものらしい。
(いつの間にそんなものつくったのよ!)
まさか本当に使う日が来るとは思ってもみなかったらしいけど...。
「よしこれで全員だ。さぁーお前達...。」
ロドじぃーちゃんが何かを言う前に、盗賊団の人達が一斉にその場に土下座をする。
そして...
「命を助けて頂いてありがとうございます。」
「過度な温情をかけて頂いたと聞きました。」
「俺たち心を入れ替えて頑張らせて頂きます。」
「「「ありがとうございます。」」」
そう私達の方を向いて言ってきたのだった。
私達は目をパチクリさせて、はーぁーとしか言えなかった。
彼らを連れてきたロドじぃーちゃんやムキじぃーちゃんすら驚いていたからね。
しかしいったい一晩何をしたのやら。
見た目的には怪我や打撲の痕とか見当たらなかったが...。
あの二人だ。
そんな手ぬるいことはしないだろうなぁーと言うのが、私以外の人達の考えだった。
とりあえず何かを言わないとと思いメンバーを見ると視線が私に集中した。
えっ?と思ったら、お前がリーダーだからと皆がボソッと呟いた。
こんな時だけ...そう思ったが、リーダーなのは間違いないから私が代表で彼らに話しかける。
「あのう。頭を上げてもらえますか?」
私がそう言うといっせに一死乱れずに頭を上げる。
頭を開けだ彼らの顔はキリッとした真面目な顔付きをしていた。
本当に一晩で何が?!
そう思ってロドじぃーちゃんとムキじぃーちゃんをチラッと見たら目を背けられた。
とりあえずこのままなのもいかず話を続けた。
「あなた達の身柄は、この街が責任持って預かる事になったそうです。
あなた達には更生のチャンスを与える事になりました。
街で人手が足りない所へ行って労働をしてもらいます。
もちろん賃金は出ます。
最初は一番安い金額ですが、寝る所や食事も三食提供されます。
労働の態度や街の人達からの評価によって賃金の値上げや今後の仕事の斡旋なども考えていく事になりました。
しかし、もしまた悪さをしたら私達ではもう助けてあげれません。
それを肝に銘じて頑張ってください。」
私がそう言い終わると彼らは静かに涙を流していた。
「お、俺たち国が豊かになっも貧しい頃から盗賊団をしてたから...やめれなかったんです。」
「こんな、温かい扱い受けたのは...初めてです...。」
「「「ありがとうございます。頑張ります!!!」」」
こうして彼らの処遇は決まった。
詳しいことはロドじぃーちゃん達から話をしてもらう事にしたが、一日の終わりには必ず私達の所に情報が報告される事となった。
なんで?と思ったが、私が情けをかけたんだから最後まで関わってやれとのことだ。
それに関しては私も最後まで彼らの更生状況を知る事ができるので承諾した。
彼らは部屋から出る際も私達に一人一人頭を下げて退室していった。
こうして盗賊団に関しては解決した。
私達はと言うと、次の依頼を受ける為に一階の掲示板の所へ向かう事にした。
一階の掲示板の前に行くと新しい依頼書が貼られていて、パーティーでもシングルでも可能と書かれているのが幾つかあった。
皆で話し合った結果もうばらくはパーティーで行動する事にしたので、パーティーで可能な依頼を選ぶ事にした。
「パーティーでなら...ここら辺になるのかなぁ?」
「あー、そうなるよな。」
「あ、でもこれはまだランク的に無理だぞ。これと...これなら可能だな。」
「それなら行けそうだな。」
「期限は...一週間以内ですね。」
「なら楽勝でしょう。」
「内容的にも大丈夫でしょう。」
「じぁーこれと、これにするよ?」
「「「「「「いいよ。」」」」」」
依頼内容を決めて掲示板から依頼用紙を剥がして、受付に持っていく。
受付にはナナちゃんがいて、私達の対応をしてくれた。
「あっ!皆さんいらっしゃい。今回の依頼はどうされますか?」
私はナナちゃんに掲示板から剥がした依頼書を二枚渡した。
「こちらですか?依頼内容の確認しますね。依頼内容はと...。」
ナナちゃんが依頼内容を読み上げていく。
私達が選んだ依頼はと言うと。
依頼主 匿名希望さん
依頼内容
回復薬を入れる容器の素材集め
カイナイト、パリタリプ、コリタス、ホリパス(全て鉱石の一種)をそれぞれ五十キログラムずつ
報酬 鉱石の質を見て
依頼主 匿名希望さん
依頼内容
糸を染める染料の素材集め
ココリネ草、モモテリ草、キキリ草、ライライ草、ソウメイ草、チチリ草、コカリの実、ナツリの実、ユリモリの実(全て食べられない。染料用のもの)をそれぞれ五十キログラムずつ
報酬 素材の質を見て
匿名希望というのに多少嫌な予感がするが、パーティーで依頼する内容で受けられるものだとこれが一番しやすいのだ。
しかも街の外に出られる唯一の依頼でもあった。
そうなのです!!
今のランクで唯一街の外に出ることができる依頼なのです!!
これは一番喜ばしい内容なのだ。
ナナちゃんはその依頼書を持ってコイムさんの所へ向かった。
コイムさんはナナちゃんが持って来た依頼書を見て何かをナナちゃんに伝えていた。
そして受付にはナナちゃんと一緒にコイムさんがやって来て
「この依頼を受けるのですよね。
わかりました。明日からにして下さいね。今日はひとまず必要な道具を取り揃えといて下さい。
明日朝一でもう一度こちらへ来て下さい。そしたら、この依頼書を受理印を押してお渡ししますから。」
コイムさんはそう言って説明してくれた。
私達は話し合って、コイムさんの言われた通りにする事にした。
コイムさんとナナちゃんに挨拶して、私達はギルドを後にした。
私達は街のお店に買い物にいく事に。
必要なものを話し合って買い物を済ませて、明日のために備えてそれぞれ家路についた。
家に帰ってから次の依頼の事を食卓で話したらひと騒動あったが、想定内なので問題なし。
翌朝朝食を食べて、まだまだ文句を言っているドラしゃんとセバしゃんに挨拶をして私とお兄ちゃんはギルドへと向かった。
「やっぱり文句を言われたね。」
「わかってはいたけど...ねぇ?」
そう。
街の外に出る依頼を受けたと言った瞬間ドラしゃんはともかく、セバしゃんまで文句を言われるとは思わなかった。
街の外に出ると言っても、近くにある森と荒野での採掘依頼なのに...。
それでも二人からは大反対をされたのだった。
「お兄ちゃん。私、冒険者やってけるか不安になって来たわ。」
「それは僕もだよ。」
「両親よりドラしゃんの方が年々厄介やね。」
「それだけ僕達の事を思ってくれてるんだよ。愛情がアツいんだよ。」
「かなり分厚いよね...。」
そう。
愛情の厚さが年々異常さを増すのをひしひしと感じている。
けっしてそれが嫌とは言わない。
だって、相手がドラしゃんですからね。
でも...ねぇ~??
気持ちわかります?
「まぁ~頑張るしかないよね。」
「そうね。じゃ、今日も気張って行きましょうか!!」
私とお兄ちゃんは気を取り直してギルドへと向かう。
もちろん、堂々と後ろからついてくる保護者が二名居るが...無視無視。
私達がギルドへと行くとまだ他のメンバーは来てなかった。
「おっ!リンちゃん!アキラくん!おはよう!相変わらず保護者付きか?」
「もう!リーダーそんな事言わないのよ!おはよう。リンちゃん、アキラくん。」
「そうですぜ。リーダー。見て下さいよ。保護者の方から...げっ!」
最近ギルドで知り合った他のチームの冒険者の人達から声をかけられた。
彼らはガジム国王の国で名の知れた冒険者だと言う。
互いの国が行き来しやすくなってから一番最初にこの国に来てくれた冒険者だ。
気さくで話しやすい兄貴肌のゴイムさんがこのパーティーのリーダーをしている。
パーティーの中で紅一点で、回復魔法が得意とするエルフ族のリライラさん。
斥候を主としてパーティーの情報集兼知恵袋のココリムさんはハーフエルフだ。
そして、いつも無口でクールなイケメンのラリックさん。
なんとドラゴンと人間のハーフの生き残りだ。
幼い時このパーティーのリーダーのゴイムさんに引き取られたという。
下手な人に見つかれば命がない為、ある程度自分で生活ができるまで育てるつもりだったのだが、いつのまにか懐かれてそのままパーティーのメンバーとして居着いてしまったのだと言うのだ。
彼らはA級冒険者ばかりの腕利きの冒険者パーティー。
リーダーの性格上お人好しのためか、新人冒険者を何かと気にかけるいい人達で、私達のことも冒険者登録してからは何かと目をかけてくれているのだ。
私達兄妹が重要人物の一人だと言うのはこの国に来る前にガジム国王から話は聞いていたようなんだけど、それとは別に何故か保護欲...庇護欲...と言うものが湧くのだと言われた。
言われても...と言うのが私とお兄ちゃんの意見なのだが、悪い人ではないので私とお兄ちゃんも懐いている。
そんな彼らに私とお兄ちゃんは苦笑いしながらも挨拶をした。
「おはようございます!今日はどちらに?」
私達の挨拶にリーダーのゴイムさんが答えてくれた。
「今日は北側の街まで護衛の任務さ。いやぁー、この国の道は移動がしやすいから助かるよ。」
そうゴイムさんがいうと他のパーティーメンバーも頷きながら笑顔で
「そうよ。他の国は以前にましてはまっしになった程度なのよね。」
「そうそう。この国ほど歩きやすい道は知らないよなぁー。」
「...うん。」
褒め言葉をくれる。
同盟国同士、互いに行き来が自由にできる様になってから私達の国の技術を他の国にも少しずつだが、提供して行くようになった。
そのため他の国の環境が以前にまして良くなってはきているようだが、この国ほどではないらしい。
それでも、建造物もそうだが、食事面、衛生面など色々と良くなって来たのだという。
もちろん私達の国にない技術を他の国からも提供されているので、こちらとしてもありがたい。
お互い持ちつ持たれつの関係が良好に続いていた。
「安全に旅ができるならよかったです。」
「気をつけて行ってください。」
私とお兄ちゃんがそうゴイムさん達に言うと
「おう!ありがとうよ。今度土産を持って来てやるからなぁー!」
そう言ってゴイムさん達は依頼主が来たので、ギルドを去っていった。
私とお兄ちゃん。
そして、保護者二名は他のメンバーが来るまでギルドの待合で待つ事にした。
「おっ!リンにアキラじゃないか!それに...お前達...。いつまでそうやって引率者をするんだ?いい加減卒業したらどうだ?」
仕事にやってきたロドじぃーちゃんが開口一番そう言ってくれた。
私とお兄ちゃんはここの中でロドじぃーちゃんを応援した。
「はっ?私はフレアが出かけるのでついてきただけですよ?」
『私は二人の保護者ですよ?なんで側にいて悪いのですか?』
二人の言い分に固まるロドじぃーちゃん。
相変わらずのやり取りに、ですよねぇーと落ち込んでいるとパーティーメンバーがやっとギルドに来た。
「おはよう。リン、アキラ。フレアさんにセバスさんもおはようございます。」
アサくんはそう言って挨拶をした。
「ゲッ!セバス!なんで、まだ居るんだ!」
「そうです!父上が寂しがってます!」
馬鹿二人が続いて話出した。
「情けないですよ。二人とも。挨拶はどうしたのですか?あ・い・さ・つ!」
セバしゃんはちゃんと王子二人の教育係として朝から指導する。
王子二人は気まずそうな顔をして不貞腐れる。
そんなふたりを無視して
「伯父上おはようございます。フレア殿もおはようございます。
リン、アキラもおはよう。」
「おはようございます。」
セバスしゃんの甥っ子ふたりが挨拶をしてくれたので、私達も挨拶を返す。
「皆んなおはよう!」
「おはよう。朝から元気だね。」
なんとかメンバーも揃い受付に行くとコイムさんが待っていた。
コイムさんは私達の姿見て微笑していた。
私達をと言うか、保護者二人の存在を見てだろう。
微笑しながらもコイムさんは依頼の手続きをしてくれた。
「では、今回の依頼は街を出ての作業をしてとなります。
近くと言っても街の外です。十分気をつけて行ってくださいね。」
コイムさんはそう言って依頼書を手渡してくれた。
「わかりました。頑張ってきます!」
私達はコイムさんにお礼を言ってギルドを後にした。
ギルドを出て街の外へでる門の前に行くと、なんと皆が待っていた。
皆というのは、いつメンと両親。
そして、何故か同盟国の国王様達とその側近さん達もだ。
「えっ?今日ってなんかあったの?」
「なんも聞いてないよ?」
「スッゲェ~。もしかして見送りか?」
「「えっ?!」」
「父上までいますよ!!」
「父上ぇー!!」
「あのう...ちょっと街の外にいくんですよね?」
「確かそのはずですよ...。」
「なぁっ!仕事をサボってますね。あの馬鹿は。」
『皆さん暇人なのですね。』
いやいや、おかしいでしょう?!!
なんで??
パーティーメンバーの中で唯一この状況を困惑している私とお兄ちゃん。
思わず視界に入った両親に声をかける。
「お母さん!お父さん!なにしてるの?!」
「みんなも仕事は?!」
私達がかけていくと皆は苦笑いしていた。
「近くと言っても、ほら、初めて街の外に冒険しに行くんだろう?」
「だから...みおくり?かなぁ?」
「リン!アキラ!愚息子がお世話になってるな。よろしく頼むぞ!」
「近くだからと言って無理はするなよ?」
「何かあれば直ぐに戻ってきて下さいね。」
「無理は禁物ですよ!」
「あんさんらに何かあれば困るんでっせ?!気を付けてや。」
ただの採掘と採取の依頼なのに...。
私達はとりあえず笑いながら門から外に出た。
皆の見送り付きで。
でもただの見送りではなかった。
ちゃんと後ろに張り付いていた保護者二人を引き剥がしてくれたのだ。
抵抗する二人を抑え込むための人数だったようだ。
王様が多少ボコられていたような気もするが、皆が早く行くように言うので小走りで目的地へと向かった。
リン:
みんなの尊い犠牲は無駄にしないから、
アキラ:
リン。滅多な事を言うんじゃないよ!
リン:
てへ。でも助かったよ。
ずっとついてくるのかと思ってたから。
アキラ:
それは僕も思ったよ。
皆に感謝だね。
人手が足りない所へ派遣となり、賃金は一番低い金額での対応だ。
寝泊まり場所は監視目的も含めて、兵舎の一部を解放しての対応する事にした。
ただ、あまりにも低い賃金だったので、私が懇願したら勤務態度や街の人達の評価によって賃金は上げていく様にするとロドじぃーちゃんが提案してくれたので、それで対応することに。
賃金だけでなく就職先も彼らの態度次第ではいい所を斡旋するとも言ってくれた。
地下牢へ収監してある彼らをロドじぃーちゃんとムキじぃーちゃんが迎えに行く。
私達はルミばぁーちゃんの指示にて、ギルドの大会議室で待つ様に言われたのでそっちに移動することに。
移動中もお兄ちゃん達に異議を申し立てしたが、はいはいと言って有耶無耶にされた。
しばらく大会議室でまっていると部屋のドアがノックされた。
返事をするとロドじぃーちゃんを先頭にして昨日収容された盗賊団達が枷をつけられた状態で部屋に入ってきた。
彼ら枷は想像していたものより大きく頑丈で、首と手足に付けられていた。
逆らうと死なない程度の電流が流れる仕組みとなっている。
これはもしもの時にとロドじぃーちゃんに頼まれて、お父さんとドムじぃーちゃんが【雷の大聖霊】の力を借りて作成したものらしい。
(いつの間にそんなものつくったのよ!)
まさか本当に使う日が来るとは思ってもみなかったらしいけど...。
「よしこれで全員だ。さぁーお前達...。」
ロドじぃーちゃんが何かを言う前に、盗賊団の人達が一斉にその場に土下座をする。
そして...
「命を助けて頂いてありがとうございます。」
「過度な温情をかけて頂いたと聞きました。」
「俺たち心を入れ替えて頑張らせて頂きます。」
「「「ありがとうございます。」」」
そう私達の方を向いて言ってきたのだった。
私達は目をパチクリさせて、はーぁーとしか言えなかった。
彼らを連れてきたロドじぃーちゃんやムキじぃーちゃんすら驚いていたからね。
しかしいったい一晩何をしたのやら。
見た目的には怪我や打撲の痕とか見当たらなかったが...。
あの二人だ。
そんな手ぬるいことはしないだろうなぁーと言うのが、私以外の人達の考えだった。
とりあえず何かを言わないとと思いメンバーを見ると視線が私に集中した。
えっ?と思ったら、お前がリーダーだからと皆がボソッと呟いた。
こんな時だけ...そう思ったが、リーダーなのは間違いないから私が代表で彼らに話しかける。
「あのう。頭を上げてもらえますか?」
私がそう言うといっせに一死乱れずに頭を上げる。
頭を開けだ彼らの顔はキリッとした真面目な顔付きをしていた。
本当に一晩で何が?!
そう思ってロドじぃーちゃんとムキじぃーちゃんをチラッと見たら目を背けられた。
とりあえずこのままなのもいかず話を続けた。
「あなた達の身柄は、この街が責任持って預かる事になったそうです。
あなた達には更生のチャンスを与える事になりました。
街で人手が足りない所へ行って労働をしてもらいます。
もちろん賃金は出ます。
最初は一番安い金額ですが、寝る所や食事も三食提供されます。
労働の態度や街の人達からの評価によって賃金の値上げや今後の仕事の斡旋なども考えていく事になりました。
しかし、もしまた悪さをしたら私達ではもう助けてあげれません。
それを肝に銘じて頑張ってください。」
私がそう言い終わると彼らは静かに涙を流していた。
「お、俺たち国が豊かになっも貧しい頃から盗賊団をしてたから...やめれなかったんです。」
「こんな、温かい扱い受けたのは...初めてです...。」
「「「ありがとうございます。頑張ります!!!」」」
こうして彼らの処遇は決まった。
詳しいことはロドじぃーちゃん達から話をしてもらう事にしたが、一日の終わりには必ず私達の所に情報が報告される事となった。
なんで?と思ったが、私が情けをかけたんだから最後まで関わってやれとのことだ。
それに関しては私も最後まで彼らの更生状況を知る事ができるので承諾した。
彼らは部屋から出る際も私達に一人一人頭を下げて退室していった。
こうして盗賊団に関しては解決した。
私達はと言うと、次の依頼を受ける為に一階の掲示板の所へ向かう事にした。
一階の掲示板の前に行くと新しい依頼書が貼られていて、パーティーでもシングルでも可能と書かれているのが幾つかあった。
皆で話し合った結果もうばらくはパーティーで行動する事にしたので、パーティーで可能な依頼を選ぶ事にした。
「パーティーでなら...ここら辺になるのかなぁ?」
「あー、そうなるよな。」
「あ、でもこれはまだランク的に無理だぞ。これと...これなら可能だな。」
「それなら行けそうだな。」
「期限は...一週間以内ですね。」
「なら楽勝でしょう。」
「内容的にも大丈夫でしょう。」
「じぁーこれと、これにするよ?」
「「「「「「いいよ。」」」」」」
依頼内容を決めて掲示板から依頼用紙を剥がして、受付に持っていく。
受付にはナナちゃんがいて、私達の対応をしてくれた。
「あっ!皆さんいらっしゃい。今回の依頼はどうされますか?」
私はナナちゃんに掲示板から剥がした依頼書を二枚渡した。
「こちらですか?依頼内容の確認しますね。依頼内容はと...。」
ナナちゃんが依頼内容を読み上げていく。
私達が選んだ依頼はと言うと。
依頼主 匿名希望さん
依頼内容
回復薬を入れる容器の素材集め
カイナイト、パリタリプ、コリタス、ホリパス(全て鉱石の一種)をそれぞれ五十キログラムずつ
報酬 鉱石の質を見て
依頼主 匿名希望さん
依頼内容
糸を染める染料の素材集め
ココリネ草、モモテリ草、キキリ草、ライライ草、ソウメイ草、チチリ草、コカリの実、ナツリの実、ユリモリの実(全て食べられない。染料用のもの)をそれぞれ五十キログラムずつ
報酬 素材の質を見て
匿名希望というのに多少嫌な予感がするが、パーティーで依頼する内容で受けられるものだとこれが一番しやすいのだ。
しかも街の外に出られる唯一の依頼でもあった。
そうなのです!!
今のランクで唯一街の外に出ることができる依頼なのです!!
これは一番喜ばしい内容なのだ。
ナナちゃんはその依頼書を持ってコイムさんの所へ向かった。
コイムさんはナナちゃんが持って来た依頼書を見て何かをナナちゃんに伝えていた。
そして受付にはナナちゃんと一緒にコイムさんがやって来て
「この依頼を受けるのですよね。
わかりました。明日からにして下さいね。今日はひとまず必要な道具を取り揃えといて下さい。
明日朝一でもう一度こちらへ来て下さい。そしたら、この依頼書を受理印を押してお渡ししますから。」
コイムさんはそう言って説明してくれた。
私達は話し合って、コイムさんの言われた通りにする事にした。
コイムさんとナナちゃんに挨拶して、私達はギルドを後にした。
私達は街のお店に買い物にいく事に。
必要なものを話し合って買い物を済ませて、明日のために備えてそれぞれ家路についた。
家に帰ってから次の依頼の事を食卓で話したらひと騒動あったが、想定内なので問題なし。
翌朝朝食を食べて、まだまだ文句を言っているドラしゃんとセバしゃんに挨拶をして私とお兄ちゃんはギルドへと向かった。
「やっぱり文句を言われたね。」
「わかってはいたけど...ねぇ?」
そう。
街の外に出る依頼を受けたと言った瞬間ドラしゃんはともかく、セバしゃんまで文句を言われるとは思わなかった。
街の外に出ると言っても、近くにある森と荒野での採掘依頼なのに...。
それでも二人からは大反対をされたのだった。
「お兄ちゃん。私、冒険者やってけるか不安になって来たわ。」
「それは僕もだよ。」
「両親よりドラしゃんの方が年々厄介やね。」
「それだけ僕達の事を思ってくれてるんだよ。愛情がアツいんだよ。」
「かなり分厚いよね...。」
そう。
愛情の厚さが年々異常さを増すのをひしひしと感じている。
けっしてそれが嫌とは言わない。
だって、相手がドラしゃんですからね。
でも...ねぇ~??
気持ちわかります?
「まぁ~頑張るしかないよね。」
「そうね。じゃ、今日も気張って行きましょうか!!」
私とお兄ちゃんは気を取り直してギルドへと向かう。
もちろん、堂々と後ろからついてくる保護者が二名居るが...無視無視。
私達がギルドへと行くとまだ他のメンバーは来てなかった。
「おっ!リンちゃん!アキラくん!おはよう!相変わらず保護者付きか?」
「もう!リーダーそんな事言わないのよ!おはよう。リンちゃん、アキラくん。」
「そうですぜ。リーダー。見て下さいよ。保護者の方から...げっ!」
最近ギルドで知り合った他のチームの冒険者の人達から声をかけられた。
彼らはガジム国王の国で名の知れた冒険者だと言う。
互いの国が行き来しやすくなってから一番最初にこの国に来てくれた冒険者だ。
気さくで話しやすい兄貴肌のゴイムさんがこのパーティーのリーダーをしている。
パーティーの中で紅一点で、回復魔法が得意とするエルフ族のリライラさん。
斥候を主としてパーティーの情報集兼知恵袋のココリムさんはハーフエルフだ。
そして、いつも無口でクールなイケメンのラリックさん。
なんとドラゴンと人間のハーフの生き残りだ。
幼い時このパーティーのリーダーのゴイムさんに引き取られたという。
下手な人に見つかれば命がない為、ある程度自分で生活ができるまで育てるつもりだったのだが、いつのまにか懐かれてそのままパーティーのメンバーとして居着いてしまったのだと言うのだ。
彼らはA級冒険者ばかりの腕利きの冒険者パーティー。
リーダーの性格上お人好しのためか、新人冒険者を何かと気にかけるいい人達で、私達のことも冒険者登録してからは何かと目をかけてくれているのだ。
私達兄妹が重要人物の一人だと言うのはこの国に来る前にガジム国王から話は聞いていたようなんだけど、それとは別に何故か保護欲...庇護欲...と言うものが湧くのだと言われた。
言われても...と言うのが私とお兄ちゃんの意見なのだが、悪い人ではないので私とお兄ちゃんも懐いている。
そんな彼らに私とお兄ちゃんは苦笑いしながらも挨拶をした。
「おはようございます!今日はどちらに?」
私達の挨拶にリーダーのゴイムさんが答えてくれた。
「今日は北側の街まで護衛の任務さ。いやぁー、この国の道は移動がしやすいから助かるよ。」
そうゴイムさんがいうと他のパーティーメンバーも頷きながら笑顔で
「そうよ。他の国は以前にましてはまっしになった程度なのよね。」
「そうそう。この国ほど歩きやすい道は知らないよなぁー。」
「...うん。」
褒め言葉をくれる。
同盟国同士、互いに行き来が自由にできる様になってから私達の国の技術を他の国にも少しずつだが、提供して行くようになった。
そのため他の国の環境が以前にまして良くなってはきているようだが、この国ほどではないらしい。
それでも、建造物もそうだが、食事面、衛生面など色々と良くなって来たのだという。
もちろん私達の国にない技術を他の国からも提供されているので、こちらとしてもありがたい。
お互い持ちつ持たれつの関係が良好に続いていた。
「安全に旅ができるならよかったです。」
「気をつけて行ってください。」
私とお兄ちゃんがそうゴイムさん達に言うと
「おう!ありがとうよ。今度土産を持って来てやるからなぁー!」
そう言ってゴイムさん達は依頼主が来たので、ギルドを去っていった。
私とお兄ちゃん。
そして、保護者二名は他のメンバーが来るまでギルドの待合で待つ事にした。
「おっ!リンにアキラじゃないか!それに...お前達...。いつまでそうやって引率者をするんだ?いい加減卒業したらどうだ?」
仕事にやってきたロドじぃーちゃんが開口一番そう言ってくれた。
私とお兄ちゃんはここの中でロドじぃーちゃんを応援した。
「はっ?私はフレアが出かけるのでついてきただけですよ?」
『私は二人の保護者ですよ?なんで側にいて悪いのですか?』
二人の言い分に固まるロドじぃーちゃん。
相変わらずのやり取りに、ですよねぇーと落ち込んでいるとパーティーメンバーがやっとギルドに来た。
「おはよう。リン、アキラ。フレアさんにセバスさんもおはようございます。」
アサくんはそう言って挨拶をした。
「ゲッ!セバス!なんで、まだ居るんだ!」
「そうです!父上が寂しがってます!」
馬鹿二人が続いて話出した。
「情けないですよ。二人とも。挨拶はどうしたのですか?あ・い・さ・つ!」
セバしゃんはちゃんと王子二人の教育係として朝から指導する。
王子二人は気まずそうな顔をして不貞腐れる。
そんなふたりを無視して
「伯父上おはようございます。フレア殿もおはようございます。
リン、アキラもおはよう。」
「おはようございます。」
セバスしゃんの甥っ子ふたりが挨拶をしてくれたので、私達も挨拶を返す。
「皆んなおはよう!」
「おはよう。朝から元気だね。」
なんとかメンバーも揃い受付に行くとコイムさんが待っていた。
コイムさんは私達の姿見て微笑していた。
私達をと言うか、保護者二人の存在を見てだろう。
微笑しながらもコイムさんは依頼の手続きをしてくれた。
「では、今回の依頼は街を出ての作業をしてとなります。
近くと言っても街の外です。十分気をつけて行ってくださいね。」
コイムさんはそう言って依頼書を手渡してくれた。
「わかりました。頑張ってきます!」
私達はコイムさんにお礼を言ってギルドを後にした。
ギルドを出て街の外へでる門の前に行くと、なんと皆が待っていた。
皆というのは、いつメンと両親。
そして、何故か同盟国の国王様達とその側近さん達もだ。
「えっ?今日ってなんかあったの?」
「なんも聞いてないよ?」
「スッゲェ~。もしかして見送りか?」
「「えっ?!」」
「父上までいますよ!!」
「父上ぇー!!」
「あのう...ちょっと街の外にいくんですよね?」
「確かそのはずですよ...。」
「なぁっ!仕事をサボってますね。あの馬鹿は。」
『皆さん暇人なのですね。』
いやいや、おかしいでしょう?!!
なんで??
パーティーメンバーの中で唯一この状況を困惑している私とお兄ちゃん。
思わず視界に入った両親に声をかける。
「お母さん!お父さん!なにしてるの?!」
「みんなも仕事は?!」
私達がかけていくと皆は苦笑いしていた。
「近くと言っても、ほら、初めて街の外に冒険しに行くんだろう?」
「だから...みおくり?かなぁ?」
「リン!アキラ!愚息子がお世話になってるな。よろしく頼むぞ!」
「近くだからと言って無理はするなよ?」
「何かあれば直ぐに戻ってきて下さいね。」
「無理は禁物ですよ!」
「あんさんらに何かあれば困るんでっせ?!気を付けてや。」
ただの採掘と採取の依頼なのに...。
私達はとりあえず笑いながら門から外に出た。
皆の見送り付きで。
でもただの見送りではなかった。
ちゃんと後ろに張り付いていた保護者二人を引き剥がしてくれたのだ。
抵抗する二人を抑え込むための人数だったようだ。
王様が多少ボコられていたような気もするが、皆が早く行くように言うので小走りで目的地へと向かった。
リン:
みんなの尊い犠牲は無駄にしないから、
アキラ:
リン。滅多な事を言うんじゃないよ!
リン:
てへ。でも助かったよ。
ずっとついてくるのかと思ってたから。
アキラ:
それは僕も思ったよ。
皆に感謝だね。
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読み進めて不快になる場合は履歴削除をして頂けると有り難いです。
お返事は何方様に対しても控えさせて頂きますのでご了承下さいます様、お願い致します。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
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異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
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猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
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猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
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ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
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