32 / 70
ダンジョンマスターと魔王
第32話 リハーサル
しおりを挟む
「プッ! プハハハハ! ヒーッ! ヒーッ! お、おかし……プヒヒ、ヒヒハハハ!」
アルフレッドの冒険を撮影するためのダンジョンにソルとレナがやってきたが、試しに「ダンジョンマスターS」の格好に着替えると、弟子が大爆笑していた。
「レナ、コレがそんなにおかしい恰好なのか?」
「す、すいません。でもおかしくて……ウププフハハハ! いや、大丈夫です、大丈夫です。慣れてきましたから。ふー」
アルフレッドのファンで、この服を見ただけで大爆笑してしまう。どうやらレナは普通の町娘と比べて、どこかズレてる部分があるらしい。
「くれぐれも撮影中は俺と師弟関係なのはばらすなよ。そりゃ安全を考えて撮影したフィクションだとは言ってるけど、知られたら露骨なヤラセを疑われるからな」
「はい、そこは分かっているつもりです」
「じゃあ入り口に行ってくれ。アルフレッドと打ち合わせやリハーサルをしてくれないか?」
「分かりました。じゃあ行ってきますね」
レナはダンジョンの入口へと向かう。もちろん今回の撮影の主役であるドラゴン2匹も一緒についていく
(レナの奴、本番では爆笑しねえだろうなぁ?)
ソルにはほんの少しの不安があったが、まぁ彼女の事だから何とかなるだろう。とは思っていた。
「本番では傭兵と一緒にダンジョンに潜るんだ。そしてダンジョンマスターSとの戦いでドラゴンを前面に出して戦わせる、っていう予定だ。
レナちゃんは前線に出なくていい。安全な場所から高みの見物みたいな感じになっちゃうけど、万一にも傷つけるわけにはいかないからね」
「一応私も戦えますけど、今回の撮影ではしなくてもいいんですか?」
「ああ、大丈夫だ。後ろからドラゴンに指示を送るだけでいいよ」
レナは本当は勇者「双剣のディラス」仕込みの、並の傭兵では歯が立たないほどの剣技の使い手なのだが……。
ドラゴンを使役しているのを見ているとテイマーが本業だと思われても仕方のない事だ。
2人は入り口からソルことダンジョンマスターSと戦う予定の部屋までの道のりを実際に歩いて確認する。
「この道を歩いて……ここを曲がって……この部屋だ。この部屋でソルと戦う事になる。大丈夫かい?」
「はい、大丈夫です。この部屋に来ればいいんですね。ドラちゃん、ゴンちゃん、分かった?」
「「ガァッ!」」
「分かった。って言ってるみたいです」
「そうか。んじゃあ明日本番に入っても大丈夫かな?」
「ええ。大丈夫です」
打ち合わせはバッチリだ。話を終えてアルフレッドはレナを連れてソルの部屋まで向かう、その途中……。
「多分レナちゃんはそろそろ嫁に行ってもおかしくない年齢じゃないの? 行き遅れると大変なことになるよ? ボクみたいになっちゃうから。
ボクなんて25過ぎても嫁が来ないし、領地も爵位も無い「穀潰し」だよ? 花の命は短いんだからキレイなうちに嫁さんになった方が良いぞ」
「お父さんみたいですねアルフレッドさんは。お父さんも最近見合いをしないか? っていろいろ言って来るんですけど、これだ。って決めた人は既にいるので」
「教えてはくれないかい?」
「……今は言う勇気がないので内緒にしてくれませんか? それにしてもアルフレッドさん、色々と気遣いしてくれるおじさんみたいですね」
「!! そ、そうか。まぁレナちゃんの年からしたらそう見えてもおかしくないかなぁ」
アルフレッドは何ともないそぶりを見せたが、まだ26なのに「おじさん」と言われてショックを受けたのは内緒だ。
リハーサルを終えた夜……ダンジョンを守る召喚獣の寝床に、彼らはいた。
(明日は撮影か。ソルの奴をボコボコにするいい機会だな)
(ああ。マスターに好かれてるけどちょっと痛い目に遭わせて調子にのってる所を再教育しないとな)
ダンジョン内に設けられた召喚獣の寝床および待機部屋。そこでドラとゴンが話をしていた。
話、といっても口で会話するのではない。人間には感知できない能力で直接頭の中に意思を流し込む。という「会話」だった。
(言っとくけど殺すのは無しだからな。あくまでちょっと痛めつけるだけだぞ)
(分かってるって。殺しちゃったらマスターにどう言われるか分かったもんじゃないからな。まぁいいや、明日のために早く寝ようぜ)
(オッケー分かった。お休み)
明日は面白い1日にしようぜ。という共通認識の元、2匹は眠りについた。
アルフレッドの冒険を撮影するためのダンジョンにソルとレナがやってきたが、試しに「ダンジョンマスターS」の格好に着替えると、弟子が大爆笑していた。
「レナ、コレがそんなにおかしい恰好なのか?」
「す、すいません。でもおかしくて……ウププフハハハ! いや、大丈夫です、大丈夫です。慣れてきましたから。ふー」
アルフレッドのファンで、この服を見ただけで大爆笑してしまう。どうやらレナは普通の町娘と比べて、どこかズレてる部分があるらしい。
「くれぐれも撮影中は俺と師弟関係なのはばらすなよ。そりゃ安全を考えて撮影したフィクションだとは言ってるけど、知られたら露骨なヤラセを疑われるからな」
「はい、そこは分かっているつもりです」
「じゃあ入り口に行ってくれ。アルフレッドと打ち合わせやリハーサルをしてくれないか?」
「分かりました。じゃあ行ってきますね」
レナはダンジョンの入口へと向かう。もちろん今回の撮影の主役であるドラゴン2匹も一緒についていく
(レナの奴、本番では爆笑しねえだろうなぁ?)
ソルにはほんの少しの不安があったが、まぁ彼女の事だから何とかなるだろう。とは思っていた。
「本番では傭兵と一緒にダンジョンに潜るんだ。そしてダンジョンマスターSとの戦いでドラゴンを前面に出して戦わせる、っていう予定だ。
レナちゃんは前線に出なくていい。安全な場所から高みの見物みたいな感じになっちゃうけど、万一にも傷つけるわけにはいかないからね」
「一応私も戦えますけど、今回の撮影ではしなくてもいいんですか?」
「ああ、大丈夫だ。後ろからドラゴンに指示を送るだけでいいよ」
レナは本当は勇者「双剣のディラス」仕込みの、並の傭兵では歯が立たないほどの剣技の使い手なのだが……。
ドラゴンを使役しているのを見ているとテイマーが本業だと思われても仕方のない事だ。
2人は入り口からソルことダンジョンマスターSと戦う予定の部屋までの道のりを実際に歩いて確認する。
「この道を歩いて……ここを曲がって……この部屋だ。この部屋でソルと戦う事になる。大丈夫かい?」
「はい、大丈夫です。この部屋に来ればいいんですね。ドラちゃん、ゴンちゃん、分かった?」
「「ガァッ!」」
「分かった。って言ってるみたいです」
「そうか。んじゃあ明日本番に入っても大丈夫かな?」
「ええ。大丈夫です」
打ち合わせはバッチリだ。話を終えてアルフレッドはレナを連れてソルの部屋まで向かう、その途中……。
「多分レナちゃんはそろそろ嫁に行ってもおかしくない年齢じゃないの? 行き遅れると大変なことになるよ? ボクみたいになっちゃうから。
ボクなんて25過ぎても嫁が来ないし、領地も爵位も無い「穀潰し」だよ? 花の命は短いんだからキレイなうちに嫁さんになった方が良いぞ」
「お父さんみたいですねアルフレッドさんは。お父さんも最近見合いをしないか? っていろいろ言って来るんですけど、これだ。って決めた人は既にいるので」
「教えてはくれないかい?」
「……今は言う勇気がないので内緒にしてくれませんか? それにしてもアルフレッドさん、色々と気遣いしてくれるおじさんみたいですね」
「!! そ、そうか。まぁレナちゃんの年からしたらそう見えてもおかしくないかなぁ」
アルフレッドは何ともないそぶりを見せたが、まだ26なのに「おじさん」と言われてショックを受けたのは内緒だ。
リハーサルを終えた夜……ダンジョンを守る召喚獣の寝床に、彼らはいた。
(明日は撮影か。ソルの奴をボコボコにするいい機会だな)
(ああ。マスターに好かれてるけどちょっと痛い目に遭わせて調子にのってる所を再教育しないとな)
ダンジョン内に設けられた召喚獣の寝床および待機部屋。そこでドラとゴンが話をしていた。
話、といっても口で会話するのではない。人間には感知できない能力で直接頭の中に意思を流し込む。という「会話」だった。
(言っとくけど殺すのは無しだからな。あくまでちょっと痛めつけるだけだぞ)
(分かってるって。殺しちゃったらマスターにどう言われるか分かったもんじゃないからな。まぁいいや、明日のために早く寝ようぜ)
(オッケー分かった。お休み)
明日は面白い1日にしようぜ。という共通認識の元、2匹は眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる