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大地のための旅
第51話 ヤイタ地方
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宿場町から南へ進むこと1日。ソル一行は魔王が荒らしたヤイタ地方へとたどり着いた。
「先生……なんか、町の皆さん元気が無さそうですね」
「だろうな、ああいう顔はもう何度も見てきたよ。見たくないものだがな」
魔王にエネルギーを吸い取られた土地では、まず水が枯れる。特に井戸水が枯れやすく、川の水位も著しく下がる。大地からも水分が失われパサパサになってしまう。
「あんたら、旅人さんかい? ここはダメだ、すぐに離れた方がいいよ。町中の井戸が全部枯れ井戸になっちまった。みんな喉が渇いたって言って苦しんでるよ」
親切にも町の住人がソル達に対して去った方がいいと忠告してきた。やはり魔王がここにいたらしい。
ソル達は町の郊外へとやって来た。ここならダンジョンを構えてもすぐに討伐隊はやってこない、それでいながら弱った大地に力を与えられる場所だ。
ソルは旅を始める前に準備していた青いマナ結晶を地面に置き、その上から手をかぶせる。念じると……。
ゴゴゴゴゴ……
地鳴りと共にダンジョンの入り口が現れた。一行は中に入る。
ダンジョンの中は1本の通路の先に、最深部となる部屋が配置されていた。
やろうと思えばもっと複雑な構造にも出来たが、今はすぐに大地の力を復活させなくてはいけないから、これでいい。
「レナ! 生産部屋を2つ、錬成部屋を1つ作ってくれ」
ソルはレナに青いマナ結晶を3つ渡し、部屋を作るよう指示する。
その間に彼はダンジョンの心臓部と言える、王国に居た頃は日常生活を送っている部屋にしていた最深部の場所に手を当てて、大地の様子を診察していた。
「やっぱり大分弱ってるな。すぐに手当てをしないと!」
現状把握をした上での病状の診察。医者がやってる事と同じ事をしていた。
ゴゴゴゴゴ……
レナは壁に手を当て、手と壁の間に青いマナ結晶を挟み、部屋を作るよう念じる。
地響きと共にレナの目の前に物資を作る錬成部屋が現れた。さっき大地のマナエネルギーを増幅する生産部屋を2つ作ったから、言われた部屋は3つとも出来た。
「レナ、部屋は出来たか?」
「はい、出来ました。こんな感じでよろしいでしょうか?」
「上出来だ。行くぞ」
息つく間もなく、2人は錬成部屋へと向かった。
「先生、何を作るんですか?」
「水を作る。大地の力が復活するまでのつなぎだ」
ソルはそう言って錬成部屋の中央部分にある箱のようなでっぱりの中に旅の前に用意していたエーテルを入れた。
それから待つことしばし。部屋にあるでっぱりのような箱を開けると中には水が入ったひょうたんがたくさん出てきた。
「先生、町の人に配るんですよね? 足りますか?」
「残念だが、町の人全員に行きわたる程の量は到底作れない。無理に配ったら奪い合いが起きるし、憎まれることになる」
この手の非常事態において私費を投じて援助する。というのは美談だが、全員に行きわたる量が無いと凄まじい程の恨みや憎しみを買う事になる。
全員に行きわたる前に物資が無くなったら「何でアイツらはもらえてオレはもらえないんだ!?」という不満が必ず出る。
加えて、飢えや渇きといった非常事態ではみんな冷静な判断は出来ないし我も強くなるから、譲り合いの精神も消えてしまう。そうなると資源の奪い合いが起きる事も考えられる。
非常事態下では「普通に考えたら」絶対に起きない事も当たり前のように起きる。なぜなら被災地の住人は「普通の状態じゃない」からだ。
「じゃあどうするんですか!?」
「大丈夫だ。いい考えがある。全員は救えないが弱い人間は優先的に救うことは出来る」
ソルはこういう事態にも慣れているのか、案があった。
「先生……なんか、町の皆さん元気が無さそうですね」
「だろうな、ああいう顔はもう何度も見てきたよ。見たくないものだがな」
魔王にエネルギーを吸い取られた土地では、まず水が枯れる。特に井戸水が枯れやすく、川の水位も著しく下がる。大地からも水分が失われパサパサになってしまう。
「あんたら、旅人さんかい? ここはダメだ、すぐに離れた方がいいよ。町中の井戸が全部枯れ井戸になっちまった。みんな喉が渇いたって言って苦しんでるよ」
親切にも町の住人がソル達に対して去った方がいいと忠告してきた。やはり魔王がここにいたらしい。
ソル達は町の郊外へとやって来た。ここならダンジョンを構えてもすぐに討伐隊はやってこない、それでいながら弱った大地に力を与えられる場所だ。
ソルは旅を始める前に準備していた青いマナ結晶を地面に置き、その上から手をかぶせる。念じると……。
ゴゴゴゴゴ……
地鳴りと共にダンジョンの入り口が現れた。一行は中に入る。
ダンジョンの中は1本の通路の先に、最深部となる部屋が配置されていた。
やろうと思えばもっと複雑な構造にも出来たが、今はすぐに大地の力を復活させなくてはいけないから、これでいい。
「レナ! 生産部屋を2つ、錬成部屋を1つ作ってくれ」
ソルはレナに青いマナ結晶を3つ渡し、部屋を作るよう指示する。
その間に彼はダンジョンの心臓部と言える、王国に居た頃は日常生活を送っている部屋にしていた最深部の場所に手を当てて、大地の様子を診察していた。
「やっぱり大分弱ってるな。すぐに手当てをしないと!」
現状把握をした上での病状の診察。医者がやってる事と同じ事をしていた。
ゴゴゴゴゴ……
レナは壁に手を当て、手と壁の間に青いマナ結晶を挟み、部屋を作るよう念じる。
地響きと共にレナの目の前に物資を作る錬成部屋が現れた。さっき大地のマナエネルギーを増幅する生産部屋を2つ作ったから、言われた部屋は3つとも出来た。
「レナ、部屋は出来たか?」
「はい、出来ました。こんな感じでよろしいでしょうか?」
「上出来だ。行くぞ」
息つく間もなく、2人は錬成部屋へと向かった。
「先生、何を作るんですか?」
「水を作る。大地の力が復活するまでのつなぎだ」
ソルはそう言って錬成部屋の中央部分にある箱のようなでっぱりの中に旅の前に用意していたエーテルを入れた。
それから待つことしばし。部屋にあるでっぱりのような箱を開けると中には水が入ったひょうたんがたくさん出てきた。
「先生、町の人に配るんですよね? 足りますか?」
「残念だが、町の人全員に行きわたる程の量は到底作れない。無理に配ったら奪い合いが起きるし、憎まれることになる」
この手の非常事態において私費を投じて援助する。というのは美談だが、全員に行きわたる量が無いと凄まじい程の恨みや憎しみを買う事になる。
全員に行きわたる前に物資が無くなったら「何でアイツらはもらえてオレはもらえないんだ!?」という不満が必ず出る。
加えて、飢えや渇きといった非常事態ではみんな冷静な判断は出来ないし我も強くなるから、譲り合いの精神も消えてしまう。そうなると資源の奪い合いが起きる事も考えられる。
非常事態下では「普通に考えたら」絶対に起きない事も当たり前のように起きる。なぜなら被災地の住人は「普通の状態じゃない」からだ。
「じゃあどうするんですか!?」
「大丈夫だ。いい考えがある。全員は救えないが弱い人間は優先的に救うことは出来る」
ソルはこういう事態にも慣れているのか、案があった。
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