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大地のための旅
第56話 ルッソ国到着
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ソル一行の馬車はレイラ、イリーナ姉妹の言っていた国、ルッソにたどり着いた。国境を超えて国の中心部に着くと、随分と活気があった。
よくよく見ていると、住民にはかなりの活力があって肉付きも良い。
情報を集めるため飲食店によったが、やたらと安い。他の国と比べて2割ほど安くて、採算が取れるか心配な値段だ。
「店主。この店の料理は随分と安いけど何かあるのか?」
「いやぁ、この国は食糧がとても豊富で安くてねぇ、この値段でも十分利益が出るんですよ。だからついつい他所の店に行っては食べ過ぎてしまうんですよ。おかげでこの国に引っ越ししてくる前と比べて、随分太ったものですよ」
そう言って、店主は膨れ気味の腹をポンと叩いた。ある意味自慢しているかもしれないその態度だったが、憎めるものではなかった。
その表情が実に穏やかで、負の感情が一切なかったからだ。
食べられるというのは実に幸福な事である。食糧不足が起きると巨大なストレスになって、ピリピリして小さな事でいがみ合い、争いが絶えなくなる。
それに「食いつめた」人というのは食うためなら何をするか、分かったものではないからだ。
「先生、町の雰囲気はとてもいい国ですね。ここに住むってのはアリですかね?」
「調査次第ではそれもアリかもな。ちょっと待ってろ、調べてみる」
ソルは町を出て郊外にダンジョンを作り、最深部の部屋へと向かった。
「……うーむ。予想が当たったか。でも何でだ?」
大地の状態を「診察」している最中、意味深な事をつぶやく先生にレナは質問をすることにした。何が起きているのかの詳細は分からないが、何かありそうだ。
「先生、どうしたんですか? 予想が当たった、ってどういう事なんですか?」
「ああ。大地の力が『異様に』高いんだ。他のダンジョンマスターが意図的に大地の力を高めているみたいなんだ。
レナ、かつてお前の故郷で俺が魔王をおびき寄せるためにやったのと同じようにな」
「え! じゃあこの国にも魔王に家族を殺されたダンジョンマスターが?」
「かもしれん。あるいはこの国の王がダンジョンマスターを雇っているか自身がそうで、国のために大地に力を与えている可能性もある。詳しい事は調べないと分からないな。
しばらくこの国に滞在して情報を集めようと思う。あとマナ結晶を回収したい。旅で随分と使っちまったからなぁ」
今後の方針が決まった。
「お前達!」
ソルがダンジョンの外に出ると馬車の荷台の中に居た3匹のリスに声をかける。彼らは荷台を降りると人間に似た姿をとる。
「仕事だ。この国にいるであろうダンジョンマスターに関して調べてくれ」
「かしこまりました」
ラタトスク達は散っていった。
「レナ、俺たちも情報収集をするぞ。町の酒場に顔を出す、ついてきてくれ」
「はい。かしこまりました」
2人は酒場を目指した。
「? あのラタトスクは?」
情報収集を進めるソルに仕える諜報部員のラタトスクが仲間を見つけたが、相手は別の者に仕えていた。彼らはリスの姿から人間に似た姿へと変える。
「お前達、他のダンジョンマスターの配下だな? 悪い事は言わん、早急にこの国を出て行け。国王軍に捕まる前にな」
「!? どういう事だ!?」
「とにかくこの国に居ちゃダメだ。すぐに離れてくれ」
「お、おい! それって一体どういう理由で……」
それだけ言って相手は去っていった。
よくよく見ていると、住民にはかなりの活力があって肉付きも良い。
情報を集めるため飲食店によったが、やたらと安い。他の国と比べて2割ほど安くて、採算が取れるか心配な値段だ。
「店主。この店の料理は随分と安いけど何かあるのか?」
「いやぁ、この国は食糧がとても豊富で安くてねぇ、この値段でも十分利益が出るんですよ。だからついつい他所の店に行っては食べ過ぎてしまうんですよ。おかげでこの国に引っ越ししてくる前と比べて、随分太ったものですよ」
そう言って、店主は膨れ気味の腹をポンと叩いた。ある意味自慢しているかもしれないその態度だったが、憎めるものではなかった。
その表情が実に穏やかで、負の感情が一切なかったからだ。
食べられるというのは実に幸福な事である。食糧不足が起きると巨大なストレスになって、ピリピリして小さな事でいがみ合い、争いが絶えなくなる。
それに「食いつめた」人というのは食うためなら何をするか、分かったものではないからだ。
「先生、町の雰囲気はとてもいい国ですね。ここに住むってのはアリですかね?」
「調査次第ではそれもアリかもな。ちょっと待ってろ、調べてみる」
ソルは町を出て郊外にダンジョンを作り、最深部の部屋へと向かった。
「……うーむ。予想が当たったか。でも何でだ?」
大地の状態を「診察」している最中、意味深な事をつぶやく先生にレナは質問をすることにした。何が起きているのかの詳細は分からないが、何かありそうだ。
「先生、どうしたんですか? 予想が当たった、ってどういう事なんですか?」
「ああ。大地の力が『異様に』高いんだ。他のダンジョンマスターが意図的に大地の力を高めているみたいなんだ。
レナ、かつてお前の故郷で俺が魔王をおびき寄せるためにやったのと同じようにな」
「え! じゃあこの国にも魔王に家族を殺されたダンジョンマスターが?」
「かもしれん。あるいはこの国の王がダンジョンマスターを雇っているか自身がそうで、国のために大地に力を与えている可能性もある。詳しい事は調べないと分からないな。
しばらくこの国に滞在して情報を集めようと思う。あとマナ結晶を回収したい。旅で随分と使っちまったからなぁ」
今後の方針が決まった。
「お前達!」
ソルがダンジョンの外に出ると馬車の荷台の中に居た3匹のリスに声をかける。彼らは荷台を降りると人間に似た姿をとる。
「仕事だ。この国にいるであろうダンジョンマスターに関して調べてくれ」
「かしこまりました」
ラタトスク達は散っていった。
「レナ、俺たちも情報収集をするぞ。町の酒場に顔を出す、ついてきてくれ」
「はい。かしこまりました」
2人は酒場を目指した。
「? あのラタトスクは?」
情報収集を進めるソルに仕える諜報部員のラタトスクが仲間を見つけたが、相手は別の者に仕えていた。彼らはリスの姿から人間に似た姿へと変える。
「お前達、他のダンジョンマスターの配下だな? 悪い事は言わん、早急にこの国を出て行け。国王軍に捕まる前にな」
「!? どういう事だ!?」
「とにかくこの国に居ちゃダメだ。すぐに離れてくれ」
「お、おい! それって一体どういう理由で……」
それだけ言って相手は去っていった。
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