80 / 151
第80話 対立する調査隊――交差する思惑
しおりを挟む
荒野に張られた軍の仮設キャンプは、戦場の名残を色濃く残していた。
崩れたテント、燃え尽きた焚き火の跡、乾いた血の匂いが微かに漂っている。
夕陽が傾きかけた空の下、迅たちは無言でその中を進んでいった。
ノーザリア軍の兵士たちは、迅たちの到着にすぐに気付いた。
鎧をまとった男たちが足を止め、こちらに向ける視線は警戒そのものだった。
「……歓迎されてる感じではないわね。」
リディアが低く呟く。
迅もまた、それをひしひしと感じていた。
アルセイアとノーザリアは、現在こそ国交を保っているが、長い歴史の中で幾度も小競り合いを繰り返してきた国同士だ。
今回の事件にしても、アルセイアの王命独行が派遣されるということは、ノーザリア側にとっては”監視すべき存在”がやってきた、という認識になるのだろう。
「まあ、仕方あるまい。こうした不測の事態では、どちらも相手の出方を探るものじゃ。」
ロドリゲスが静かに言う。
迅は兵士たちの視線を受け流しながら、前方に目を向けた。
中央の大きなテントの前に、明らかに兵士とは違う雰囲気を持つ三人が立っていた。
一人目は、赤の装飾が美しい、白銀の鎧に身を包んだ美しき女剣士。
金髪を後ろでポニーテールに結い、その先は縦ロールのように巻かれている。
姿勢は端正で、腰には長剣を携えていた。
二人目は、長い赤髪の一部を編み込みにした猫獣人の少女。
眼帯をした右目側の長髪を垂らし、それが眼帯をやや隠す形になっている。
上半身は肌を大胆に露出させたビキニアーマーを纏い、下半身には機動性の高そうなレザーアーマーを着けていた。
可愛らしい顔つきとは裏腹に、ギザギザの牙を覗かせた笑みを浮かべ、こちらを値踏みするような目つきをしている。
三人目は、紺銀色の髪をきっちり分けた眼鏡の青年。
青地に銀の装飾が施されたローブをまとい、手には魔法発動体の杖を持っている。
鋭い知性を感じさせるが、どこか人と距離を置いているような空気を纏っていた。
彼らこそ、ノーザリアから派遣された調査隊"銀嶺の誓い(シルバー・オース)"の三人だった。
先頭に立つ金髪の女剣士が、毅然とした声で言った。
「——貴方《あなた》が、"王命独行"の勇者殿ですわね?」
彼女の視線が、真っ直ぐ迅に向けられる。
その瞳には、一分の隙もない。
迅はふっと肩の力を抜きながら、軽く顎をしゃくった。
「そうだけど……そっちが、ノーザリア側の調査隊?」
「左様ですわ。私はエリナ・ヴァイスハルト、ノーザリア冒険者ギルド・白銀等級。
こちらの二人は、ミィシャ・フェルカスとライネル・フロスト。
我々は国の命を受け、事件の真相を調査するために派遣されました。」
── 白銀等級。
それはノーザリアの冒険者階級において、最高の等級だ。
彼女が名を名乗ると、猫獣人の少女——ミィシャが前に出て、腕を組んだ。
「ふ~ん……で、あんたらが噂の”異世界の勇者様御一行”ってワケか?」
彼女の瞳が、じろじろと迅を値踏みするように動く。
それから、リディアへと視線を移した瞬間、口角をくいっと上げた。
「ほぉ? かわい子ちゃんが一人いるじゃねぇか。」
「……は?」
「やれやれ、男ばっかだったらどうしようかと思ってたぜぇ。」
ミィシャは舐めるようにリディアを眺める。
リディアは露骨に顔をしかめた。
その瞬間——
「かわい子ちゃんが一人だと!?勇者殿も可愛いだろうが!!訂正しろ!!」
「バカなのかお前は!?」
とんでもない理由で食ってかかるカリムを
迅が羽交締めにして止める。
「何だぁ……?」
ミィシャがぎょっとした顔をし、リディアは目を丸くし、エリナは「?」と首を傾げた。
ロドリゲスが「またか……」と溜息をつく。
「……な、何言ってんだ、こいつ……」
ミィシャが困惑したようにカリムを見つめる。
「まあまあ……彼はいつもこんな感じだから気にしないで。」
リディアが小声でフォローを入れる。
「……なんか、想像してた勇者様と違いますわね。」
エリナが、少し眉をひそめた。
(……この対面、大丈夫かしら?)
リディアは早くも先行きに不安を感じながら、エリナたちと向かい合うのだった。
◇◆◇
ノーザリアの調査隊――白銀級冒険者パーティ"銀嶺の誓い"との交渉は、既に硬直状態にあった。
「我々ノーザリアとしては、貴国アルセイア領内の魔導遺跡が怪しいと睨んでおりますの。」
エリナの鋭い視線がロドリゲスを射抜く。
その視線には『この事件に、アルセイア王国が関与してるのでは?』という疑念が含まれるようだった。
「ふむ。以前我が国を襲った魔王軍も、彼の遺跡に我が国民を捕らえていた事もありましたでな。その可能性はあるでしょうな。」
ロドリゲスは、長年の外交経験を活かし、冷静に言葉を選んでいた。
「本件において、ノーザリアとアルセイアの協力は必須。敵が魔王軍であるならば尚更でありましょう。我らはこの事件の調査と、行方不明の兵士の救出を最優先と考えております。情報を共有し、共同で動くべきだと思うのですがの。」
真正面からの交渉。実直な言葉。
だが、それに対するエリナの返答は、冷たいものだった。
「……お断りいたしますわ」
リディアが少し目を見開いた。ロドリゲスの交渉が通らないとは、思っていなかったのだろう。
エリナは腕を組み、毅然とした態度で言葉を続ける。
「我々"銀嶺の誓い"は、ノーザリア冒険者ギルドの白銀級冒険者。ギルドの制度上、本作戦において我々はノーザリア軍の将校と同等の権限を有しておりますの」
「つまり……お主らが合同部隊の指揮を執る、と?」
ロドリゲスが鋭い目を向けるが、エリナは涼しげな表情で頷いた。
「ええ。私たちは、国の正式な指示を受け、この事件を調査する立場。アルセイアの調査隊と情報共有する義務はありませんし、そもそも、我々には我々のやり方がありますの。ご理解くださいませ」
エリナは 「あなた方にはあなた方のやり方があるのでしょう?」 と付け加えた。
それは、暗に 「関わるな」 と言っているのと同じだった。
リディアは、じっとエリナの瞳を見つめた。
「……あなた、どうしてそんなに頑ななの?」
リディアの問いに、エリナの表情が微かに揺れる。しかし、彼女はすぐに顔を背けた。
「……」
「エリナ……」
ミィシャが小さく呟いたが、エリナはそれを制するように手を上げた。
「それでは、我々は我々のやり方で調査を進めますわ。貴方がたもどうぞ、ご自由に」
「……」
ロドリゲスは何か言いたげだったが、相手が完全に拒否する姿勢を見せている以上、無理に交渉を続けても無駄だと判断したのだろう。
「……わかった。だが、少なくともお互いの動きくらいは把握しておくべきではないか?」
「必要があれば、ですわね」
エリナはそれだけ言い残し、踵を返した。
交渉、決裂。
リディアはエリナの背を見送りながら、小さく溜息をついた。
(何か……他に理由がある気がするけど……)
そんな風に考えながらも、今はそれ以上言葉をかけることはしなかった。
一方、交渉が膠着状態に陥っている間も、迅は完全に別のことを考えていた。
地面にしゃがみ込み、足元の土を指で掬いながら、血の匂いを嗅ぐ。
(……強烈な鉄臭さ。しかも、時間が経っても異様に濃い)
血の鉄分がこれほど長時間濃縮されているのは不自然だ。通常ならば、時間が経てばある程度の酸化が進み、風や湿度によって分解が始まる。
それが 「ここだけ異様に凝縮している」 のは、何かの力が働いた証拠。
(まるで、重力場が発生したかのように……)
迅は思考を巡らせながら、現場の異常を観察し続ける。
(……アイツの魔力球が浮いてた"理屈"……。)
ふと、アーク・ゲオルグの戦闘スタイルを思い返す。
魔力球。自在に浮遊するそれは、通常の魔法では説明がつかないほどスムーズに動いていた。
(魔力を物質化したのなら当然、質量が発生する。重力の影響を受けるはずだ)
だが、それが自在に浮遊していたということは、アークには 「何らかの重力制御技術」 がある可能性が高い。
そして――今回の事件の手口。
死体が一点に集中し、まるで何かに押し潰されたかのような痕跡。
(もしかして……アイツが関わってるのか?)
そう考えた瞬間、背筋に冷たいものが走った。
(……でも、なんか違う気がするんだよなぁ)
アーク・ゲオルグという男の思考パターンは、極めて合理的だ。
あくまで効率的に、無駄のない戦い方をする。
「こんなに雑な虐殺をするタイプじゃない」
それに、アークがデルヴァ村の村人を監禁していた 「アル=ゼオス魔導遺跡」 が近くにある。
もしもアークが本当に関与しているのだとしたら、なぜこの場所で兵士たちを殺す?
遺跡に何か関係があるのか?
(……アイツがやったんじゃないとしたら、誰がやった?)
迅は小さく唇を噛んだ。
その時、ふと感じた視線。
エリナが、こちらを睨むように見ていた。
(……何だよ)
迅は溜息をつき、立ち上がった。
すると、エリナは静かに言った。
「……貴方、さっきから何をしているのですの?」
迅は肩をすくめながら、軽く答えた。
「あー……考え事してただけ」
それが、エリナの怒りに火をつけるとは、この時の迅はまだ気づいていなかった――。
崩れたテント、燃え尽きた焚き火の跡、乾いた血の匂いが微かに漂っている。
夕陽が傾きかけた空の下、迅たちは無言でその中を進んでいった。
ノーザリア軍の兵士たちは、迅たちの到着にすぐに気付いた。
鎧をまとった男たちが足を止め、こちらに向ける視線は警戒そのものだった。
「……歓迎されてる感じではないわね。」
リディアが低く呟く。
迅もまた、それをひしひしと感じていた。
アルセイアとノーザリアは、現在こそ国交を保っているが、長い歴史の中で幾度も小競り合いを繰り返してきた国同士だ。
今回の事件にしても、アルセイアの王命独行が派遣されるということは、ノーザリア側にとっては”監視すべき存在”がやってきた、という認識になるのだろう。
「まあ、仕方あるまい。こうした不測の事態では、どちらも相手の出方を探るものじゃ。」
ロドリゲスが静かに言う。
迅は兵士たちの視線を受け流しながら、前方に目を向けた。
中央の大きなテントの前に、明らかに兵士とは違う雰囲気を持つ三人が立っていた。
一人目は、赤の装飾が美しい、白銀の鎧に身を包んだ美しき女剣士。
金髪を後ろでポニーテールに結い、その先は縦ロールのように巻かれている。
姿勢は端正で、腰には長剣を携えていた。
二人目は、長い赤髪の一部を編み込みにした猫獣人の少女。
眼帯をした右目側の長髪を垂らし、それが眼帯をやや隠す形になっている。
上半身は肌を大胆に露出させたビキニアーマーを纏い、下半身には機動性の高そうなレザーアーマーを着けていた。
可愛らしい顔つきとは裏腹に、ギザギザの牙を覗かせた笑みを浮かべ、こちらを値踏みするような目つきをしている。
三人目は、紺銀色の髪をきっちり分けた眼鏡の青年。
青地に銀の装飾が施されたローブをまとい、手には魔法発動体の杖を持っている。
鋭い知性を感じさせるが、どこか人と距離を置いているような空気を纏っていた。
彼らこそ、ノーザリアから派遣された調査隊"銀嶺の誓い(シルバー・オース)"の三人だった。
先頭に立つ金髪の女剣士が、毅然とした声で言った。
「——貴方《あなた》が、"王命独行"の勇者殿ですわね?」
彼女の視線が、真っ直ぐ迅に向けられる。
その瞳には、一分の隙もない。
迅はふっと肩の力を抜きながら、軽く顎をしゃくった。
「そうだけど……そっちが、ノーザリア側の調査隊?」
「左様ですわ。私はエリナ・ヴァイスハルト、ノーザリア冒険者ギルド・白銀等級。
こちらの二人は、ミィシャ・フェルカスとライネル・フロスト。
我々は国の命を受け、事件の真相を調査するために派遣されました。」
── 白銀等級。
それはノーザリアの冒険者階級において、最高の等級だ。
彼女が名を名乗ると、猫獣人の少女——ミィシャが前に出て、腕を組んだ。
「ふ~ん……で、あんたらが噂の”異世界の勇者様御一行”ってワケか?」
彼女の瞳が、じろじろと迅を値踏みするように動く。
それから、リディアへと視線を移した瞬間、口角をくいっと上げた。
「ほぉ? かわい子ちゃんが一人いるじゃねぇか。」
「……は?」
「やれやれ、男ばっかだったらどうしようかと思ってたぜぇ。」
ミィシャは舐めるようにリディアを眺める。
リディアは露骨に顔をしかめた。
その瞬間——
「かわい子ちゃんが一人だと!?勇者殿も可愛いだろうが!!訂正しろ!!」
「バカなのかお前は!?」
とんでもない理由で食ってかかるカリムを
迅が羽交締めにして止める。
「何だぁ……?」
ミィシャがぎょっとした顔をし、リディアは目を丸くし、エリナは「?」と首を傾げた。
ロドリゲスが「またか……」と溜息をつく。
「……な、何言ってんだ、こいつ……」
ミィシャが困惑したようにカリムを見つめる。
「まあまあ……彼はいつもこんな感じだから気にしないで。」
リディアが小声でフォローを入れる。
「……なんか、想像してた勇者様と違いますわね。」
エリナが、少し眉をひそめた。
(……この対面、大丈夫かしら?)
リディアは早くも先行きに不安を感じながら、エリナたちと向かい合うのだった。
◇◆◇
ノーザリアの調査隊――白銀級冒険者パーティ"銀嶺の誓い"との交渉は、既に硬直状態にあった。
「我々ノーザリアとしては、貴国アルセイア領内の魔導遺跡が怪しいと睨んでおりますの。」
エリナの鋭い視線がロドリゲスを射抜く。
その視線には『この事件に、アルセイア王国が関与してるのでは?』という疑念が含まれるようだった。
「ふむ。以前我が国を襲った魔王軍も、彼の遺跡に我が国民を捕らえていた事もありましたでな。その可能性はあるでしょうな。」
ロドリゲスは、長年の外交経験を活かし、冷静に言葉を選んでいた。
「本件において、ノーザリアとアルセイアの協力は必須。敵が魔王軍であるならば尚更でありましょう。我らはこの事件の調査と、行方不明の兵士の救出を最優先と考えております。情報を共有し、共同で動くべきだと思うのですがの。」
真正面からの交渉。実直な言葉。
だが、それに対するエリナの返答は、冷たいものだった。
「……お断りいたしますわ」
リディアが少し目を見開いた。ロドリゲスの交渉が通らないとは、思っていなかったのだろう。
エリナは腕を組み、毅然とした態度で言葉を続ける。
「我々"銀嶺の誓い"は、ノーザリア冒険者ギルドの白銀級冒険者。ギルドの制度上、本作戦において我々はノーザリア軍の将校と同等の権限を有しておりますの」
「つまり……お主らが合同部隊の指揮を執る、と?」
ロドリゲスが鋭い目を向けるが、エリナは涼しげな表情で頷いた。
「ええ。私たちは、国の正式な指示を受け、この事件を調査する立場。アルセイアの調査隊と情報共有する義務はありませんし、そもそも、我々には我々のやり方がありますの。ご理解くださいませ」
エリナは 「あなた方にはあなた方のやり方があるのでしょう?」 と付け加えた。
それは、暗に 「関わるな」 と言っているのと同じだった。
リディアは、じっとエリナの瞳を見つめた。
「……あなた、どうしてそんなに頑ななの?」
リディアの問いに、エリナの表情が微かに揺れる。しかし、彼女はすぐに顔を背けた。
「……」
「エリナ……」
ミィシャが小さく呟いたが、エリナはそれを制するように手を上げた。
「それでは、我々は我々のやり方で調査を進めますわ。貴方がたもどうぞ、ご自由に」
「……」
ロドリゲスは何か言いたげだったが、相手が完全に拒否する姿勢を見せている以上、無理に交渉を続けても無駄だと判断したのだろう。
「……わかった。だが、少なくともお互いの動きくらいは把握しておくべきではないか?」
「必要があれば、ですわね」
エリナはそれだけ言い残し、踵を返した。
交渉、決裂。
リディアはエリナの背を見送りながら、小さく溜息をついた。
(何か……他に理由がある気がするけど……)
そんな風に考えながらも、今はそれ以上言葉をかけることはしなかった。
一方、交渉が膠着状態に陥っている間も、迅は完全に別のことを考えていた。
地面にしゃがみ込み、足元の土を指で掬いながら、血の匂いを嗅ぐ。
(……強烈な鉄臭さ。しかも、時間が経っても異様に濃い)
血の鉄分がこれほど長時間濃縮されているのは不自然だ。通常ならば、時間が経てばある程度の酸化が進み、風や湿度によって分解が始まる。
それが 「ここだけ異様に凝縮している」 のは、何かの力が働いた証拠。
(まるで、重力場が発生したかのように……)
迅は思考を巡らせながら、現場の異常を観察し続ける。
(……アイツの魔力球が浮いてた"理屈"……。)
ふと、アーク・ゲオルグの戦闘スタイルを思い返す。
魔力球。自在に浮遊するそれは、通常の魔法では説明がつかないほどスムーズに動いていた。
(魔力を物質化したのなら当然、質量が発生する。重力の影響を受けるはずだ)
だが、それが自在に浮遊していたということは、アークには 「何らかの重力制御技術」 がある可能性が高い。
そして――今回の事件の手口。
死体が一点に集中し、まるで何かに押し潰されたかのような痕跡。
(もしかして……アイツが関わってるのか?)
そう考えた瞬間、背筋に冷たいものが走った。
(……でも、なんか違う気がするんだよなぁ)
アーク・ゲオルグという男の思考パターンは、極めて合理的だ。
あくまで効率的に、無駄のない戦い方をする。
「こんなに雑な虐殺をするタイプじゃない」
それに、アークがデルヴァ村の村人を監禁していた 「アル=ゼオス魔導遺跡」 が近くにある。
もしもアークが本当に関与しているのだとしたら、なぜこの場所で兵士たちを殺す?
遺跡に何か関係があるのか?
(……アイツがやったんじゃないとしたら、誰がやった?)
迅は小さく唇を噛んだ。
その時、ふと感じた視線。
エリナが、こちらを睨むように見ていた。
(……何だよ)
迅は溜息をつき、立ち上がった。
すると、エリナは静かに言った。
「……貴方、さっきから何をしているのですの?」
迅は肩をすくめながら、軽く答えた。
「あー……考え事してただけ」
それが、エリナの怒りに火をつけるとは、この時の迅はまだ気づいていなかった――。
20
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
スキル『レベル1固定』は最強チートだけど、俺はステータスウィンドウで無双する
うーぱー
ファンタジー
アーサーはハズレスキル『レベル1固定』を授かったため、家を追放されてしまう。
そして、ショック死してしまう。
その体に転成した主人公は、とりあえず、目の前にいた弟を腹パンざまぁ。
屋敷を逃げ出すのであった――。
ハズレスキル扱いされるが『レベル1固定』は他人のレベルを1に落とせるから、ツヨツヨだった。
スキルを活かしてアーサーは大活躍する……はず。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は村田 歩(ムラタアユム)
目を覚ますとそこは石畳の町だった
異世界の中世ヨーロッパの街並み
僕はすぐにステータスを確認できるか声を上げた
案の定この世界はステータスのある世界
村スキルというもの以外は平凡なステータス
終わったと思ったら村スキルがスタートする
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる