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act.9
しおりを挟む隣にいるカインの腕をひくと、うん? と不思議そうに顔を寄せられる。
「どうして、あの悪名高いレオパルドがここにいるの!?」
「どうしてって、呼んだんですよ。彼、新しい発明をしたというので」
顔が無意識のうちに歪む。レオパルドの噂は社交界に疎いジュディでも知っている。
レオパルド・エスカルド。
王都にある有名な男子校を出た秀才だ。
電球の大量生産やレコードの発明で一躍ときの人となり、社交界に出入りするようなったこの男は、その巧みな弁舌と商才で貴族達を籠絡し、援助と称して金を巻き上げていると専らの噂だった。
彼が上手いのはその金の煽り方で、あの貴族はいくらくれたかと金額を仄めかし対抗心を煽るのだ。見栄っ張りな貴族が彼のせいで生活苦に陥り、家財の一切合切を手放したという話は指を折るのも嫌になるほど聞いていた。
それに加えて彼の裕福さに惹かれ、結婚した十五歳の少女は五年も経たずに離縁されたという。あまりにも酷いと抗議をした彼女は次の日死体となって郊外で見つかったらしい。
今の妻も十四と若く、溺愛していると聞くが、数年経てばまた離縁して、嫌だとごねれば前の少女のように冷たい姿で発見されるのではないかと専らの噂だ。
「新しい発明……?」
「こらこら、そこの高貴なお二人、カイン様とジュディ様。今は恋人達の甘い時間ではございませんよ。どうしても、とおっしゃるならば、私の稀代の大発明をご覧になられた後にしてくださいな。まあ、見たら最後、今夜はこの大発明の話しかしたくなくなるでしょうがね!」
大見えをきる男だ。快活な話し口に騙されたりなんかしないとジュディは思って顔を背けた。
「邪魔するつもりはありませんでしたよ、レオパルド」
「でも、レオパルド。君が悪い部分もあるんじゃないかな。何せ、ご婦人達は君の悪い話をご存知なんだからね」
「目が合うだけで、孕んでしまうなんて噂があるくらいですからね。ほら、俺の可愛い婚約者も目を背けている」
「カイン様、お酷い! 私は純粋な男なのですよ。そりゃあ、女にだらしはないですがね。噂ほどの浮気性でも、極悪非道の男でもありませんよ。妻とだって、もう別れることはありません。彼女こそ、私の運命の人なのですからね」
宣言さえ、嘘っぽい。浮ついて、空虚な響きがあった。レオパルドは嘘つきだとジュディはますます嫌悪感を抱いた。
「私の恋の話はさておきまして。皆々様、本日はどうもお集まり下さり、ありがとうございます。ノーシャーク家の御子息様にお声かけいただき、このような機会を設けていただきましたこと、まずは御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。お二人に拍手を、どうか、まず拍手を」
促されて、拍手をする人達。それをジュディは白けながら聞いていた。
冥界との交信だなんて言っていたが、馬鹿馬鹿しい。どうせ、お得意の詐欺に違いない。ジュディの偏屈なこの想いは、妻を大切にしない悪辣なレオパルドへの感情そのままだった。若くして亡くなった妻への悔やみの言葉でもあれば少しは見直してあげたのに。
手酷く失敗すればいいのに、なんて性悪なことを考えてしまう。
「ではでは皆々様、こちらにございます機械にご注目くださいませ。これこそ、冥界とこちらの世を繋ぐもの。私の発明品でございます。今宵、呼び出しますのは、先の騒動で亡くなられたヒューストン陸軍大佐。ええ、皆様ご傾聴くださいませ。かの大佐がお戻りになるのです!」
嘘だ。嘘つき。
子供っぽいことを思いながらも、饒舌なレオパルドの言葉に興味が出始めていた。でもほんのちょっと、足の先ぐらいだ。
そう言い聞かせる。
「ヒューストン陸軍大佐をかね」
ビジャス公爵が疑心で包まれたような声で尋ねると、えぇ、えぇとレオパルドは頷いた。
「かの悲劇の方。皆さんもご存知でしょう?」
ご存知もなにも、皆知らないはずはない。
あんなに衝撃的な事件はこの頃なかったはずだ。
――けれど、とジュディの心は冷めていく。
あんなに衝撃的な事件だったのに、日常は何も変わらなかった。ただ彼は暴徒に殺されたというだけ。
顔を背けたままでいるとカインとアベルが声をかけてきた。
「ジュディ、意固地にならないでよ。本当は見たいんじゃないの?」
「どうしても気に入らないようでしたら、俺と中庭を散歩でもしていますか?」
「あ、狡い! 俺も……と言いたいところだけどどちらかは絶対にここにいなくちゃいけないしなあ。流石に出資者がここにいないとなるとレオパルドもむっとする」
「……本当にヒューストン陸軍大佐がお戻りになられるの」
ビジャス公爵に習って言葉をひょいとレオパルドに投げつけると、彼は爛々と瞳を輝かせ頷いた。
「勿論でございます、お嬢様。ここにお集まりの紳士淑女の皆々様も、嘘だろう、インチキだろうと思っていらっしゃるのでしょう。しかし、これは本当のこと。と言いましても納得はしていただけないでしょう。ならば、さっそく始めて参りましょう」
あたりを見渡す。ジュディの両親も、シャークも、ロイドも、期待をするようなけれどどこか煩わしそうにレオパルドを見ていた。何だか不思議な倦みだった。
死者との対話が出来ればいいと思うのと同時に一切信じきれないと思っているようだった。それはきっとジュディも同じだ。この男のことが信じられないけれど、もしもを考えてしまう。
レオパルドはぽちりとスイッチを押した。
ざあざあと、しじまのような音が足元を這うように響いていく。
腹に力を入れないと、聞いていられないような、不快な音だった。
「さあ、奥方様。この貝のような装置に向かって旦那様のお名前を。そうすれば、あの方が降りて来られますからね」
「は、はい」
そういうと、彼女は小さな手を合わせながら震えるような声でヒューストン陸軍大佐の名前を呼んだ。
「ロバート。ロバート、私よ。アメリアよ」
「もっと呼んで」
「ロバート、ロバート。私の声に応えてちょうだい。あなたの声が聞こえないと、寂しくて死んでしまいそうなの」
そのとき、不思議な音が蓄音機の中から聞こえてきた。鈴を鳴らすような、澄んだ音色。その中に、這うような男の声が混じる。
「……えっ、こ、声が」
「奥様、呼び続けて。側にいらっしゃいます。降りて来られます」
「は、はい! ロバート。ロバート、そこにいるの?」
だんだんと声が明瞭になり、ジュディの腕に鳥肌が立った。しっとりとした男性のしゃがれ声が響く。
「その声、たしかにロバートだわ! 深みのある、バイオリンのような美しい声……」
「アメリア、お前の声が恋しくて出て来てしまった」
「あぁ……神様!」
おいおいと泣き始める夫人の肩にそっと手を置きながらレオパルドがあたりを見渡す。
「どうです、皆さま。このように、死人が蘇りを果たしたのです!」
熱狂が夫人から伝播するように広がっていく。
ヒューストン陸軍大佐の声を聞いたことはないけれど、夫人が歓喜の声を上げたのを見る限り、それは確かに亡くなった故人のものらしかった。だが、やはり疑念が拭えない。
だって、ただ声が出ているだけだ。ヒューストン陸軍大佐と同じような声を持つ男がいて、その男が喋っているに過ぎないのではないだろうか?
「――待ちたまえ」
冷たい声が響いた。ステッキの音とともに、ひとりの紳士が躍り出る。怪訝そうにしたレオパルドは、その人物のことを目に入れた瞬間、愛想笑いを浮かべた。
ビジャス公爵だ。彼は油断なく周りを見渡して、忠告をするように声を張った。
「私は大佐とも縁がある男でね。一つ、夫人が涙で話が出来ないうちに質問したいのだが、よろしいかな」
「な、なんでそんなことをおっしゃるんで?」
「それは君、分からないかな。君みたいなインチキまがいの男をよくよく見るからだよ。この大仰な装置から出ている声は、雇った演者ではないか? ご婦人の精神が弱っているところに漬け込んで金を巻き上げようとする詐欺師を、私はごまんと見てきたのだがね」
ビジャス公爵は、夫人に跪き、赦しを乞うように見上げた。ジュディは驚いて目を丸くする。こんなことをする公爵を初めて見たからだ。彼は社交が得意ではないし、話しかけられなければ喋ることは稀だ。
能動的なところがある人だったのか。
「夫人。ヒューストン大佐はあなたを愛しておられた。だからこそ、あなたが食い物にされているというならば、許すことはできない。どうか私に試す許可をいただきたい」
怯えをのせた表情をレオパルドはひっこめて挑発的に笑ってみせる。
「よろしいでしょう。ご夫人もそれでよろしいかな」
「はっ、はい」
「ではどうぞ、ビジャス公爵。こちらへ」
相当の自信があるようで、蓄音機の前に公爵を座らせると、さあ、話しかけてと促した。
ビジャス公爵は一度大きく吐息を吐き出すと、声を出す。
「ヒューストン大佐、私だ。分かるかね?」
長い沈黙が落ちた。ほら見たことかと、ビジャス侯爵が眉を上げて周りへと視線を投げかけた。ジュディもまた、はっとして何だか白けた。
レオパルドの顔が心なしか赤い。今更、引くに引けないのだろう。
そう思うとますます穴に落ちるような虚脱感に襲われた。死んだ人間は蘇らないのだ。
「ロバートと。昔から我々は名前で呼び合っていたでしょう? マイケル。……ああ、嬉しいな。貴方の声がまた聞こえるだなんて!」
興奮に上擦った声がした。ビジャス公爵が飛び上がるように振り返る。驚愕に見開かれた瞳に、騒ついていた室内がぴたりと静まり返る。
「ロバート」
「マイケル。貴方と過ごした学生時代が懐かしい。覚えているかい? 寂れた酒場で夜通し国の未来について語り合ったあのかけがえのない日々を……。まるで綺羅星のような、有限の瞬きを。マイケル。君が言っていたこ君主論を今ここで誦じてもいい。信用できないならば、あの日君が歌っていた鼻歌だって、再現してみせる」
「亡霊のくせに饒舌なものだ」
ビジャス公爵の皮肉は明らかに精彩を欠いていた。
恐れるように、彼が後ずさる。
「言ってみるといい。そこまで自信があるのならば。君主論だと? そんなもの、言った覚えがとんとない」
「王とは、君臨するにあらず。統治するものなり。愚王が立てば国が乱れるが、政に興味がない王は臣下にとっては最上の王である。だが政治は腐敗し、国は乱れ、民は嘆く。君主とは誰のためのものかをよくよく考えるべきだ」
「…………! そ、それは……」
くすくすと何人かが青臭いと言いながら笑っている。ジュディにはどこが青臭いのかすらよく分からなかった。
愚王? 愚かな王とは一体どのような人のことを指すのだろう。
ダンスが上手く踊れない?
本が読めない?
それとも服のセンスがいまいち?
借金がたくさんあれば、愚王と呼ばれる?
「何と幼い論だったのだろうか。けれど、知性の煌めきが君にはあった。マイケル。死んだ身だからこそ言うが、君が王になればよかった」
「何を、馬鹿なことを!」
「民は王を選べない。なんと酷いことが。マイケル、誰もが泥を啜っている。誰もがだ。服が綺麗なのは一握りだけ。肌が焼けたものは醜いのか? あんなにも生きる活力に満ちているのに。我々はまるで吸血鬼だ。真っ白に肌を塗り固めて、陽射しの下を忌むように歩く」
「やめろ! やめろ。この亡者め! 戯言を!」
視線はレオパルドの方へ無意識に向いていた。誰もがそうだった。この部屋にいるだれもが、彼の勝利宣言を聞きたがっていた。
「ビジャス公爵。そうです、その通り! 蘇られたのです。政治的な問答でさえ、我々は死人と可能になったのですよ!」
ビジャス公爵は半狂乱で部屋から出て行ってしまった。慌てて、ノークシャーク公爵があとを追いかける。
もう誰も、声の主を疑ってはいなかった。楽しいものがやってきたと言わんばかりに目をキラキラさせ、蓄音機を見つめている。
夫人は頬擦りをせんばかりにレオパルドに駆け寄ってありがとう、ありがとうとお礼を言っている。夫人はすっかり声の主がヒューストン陸軍大佐だと信頼したようしたようだった。
「ほ、本当に、ヒューストン大佐は蘇ったの?」
「さあ?」
「さあって……」
曖昧に返したアベルを凝視する。二人がレオパルドを呼び寄せて、ここで披露させる段取りをつけたはずだ。仕掛けがあるなら、きっと知っているはず。
「亡霊と話せるなんて素敵ですね。ジュディ、大佐に聞きたいことは?」
「す、素敵かな……」
「怪談噺はこの頃の流行りだからね。メアリー夫人の怪奇館があったからかな。社交界のトレンドだよ。カインも夢中なんだ。俺には良さが全く分からないけど」
珍しい! と声を出しそうになった。カインとアベルは双子だ。互いに趣味趣向は違うがそう見せている節がある。髪型を変えたり、得意なことを変えたり、見分けがつくように。
けれど本当はあまり二人とも趣味趣向は変わらないのだ。食べ物の好みも似通っている。
怪談、好きなんだ。カインのことを見上げると、彼は少し照れくさそうにした。
「怪談って、体の奥がぞわぞわするでしょう? それが愉快で」
「変だよ、それ。俺は推理小説の方が好き。頭の中が冴え渡る感じがするし」
「メアリー夫人の怪奇館も行ってみたいですよね。ジュディも一緒にどうです?」
「……大佐の話はもういいの?」
いつの間にか趣味の話になっている。大佐の話はいいのだろうか?
あれが本物かどうか、見定めなくても構わない?
レオパルドにすすめられて、夫人が蓄音機に向かって何かを問いかけていた。子供達の今後や再婚の有無まで赤裸々に尋ねていた。
もうここまでくると、ここにいる皆が亡霊のことなどどうでもよくなってしまっているように思えた。
未亡人の悩みや大佐の家庭事情に興味津々で、この声の主が本当でも偽物でも構わないというようだ。
カインとアベルも大佐のことはもうどうでもいいようで、この間聞いた怖い話をしていた。
レオパルドは満足そうに夫人の肩を抱いていた。もう誰も蓄音機に対して嫌悪感が混じる疑惑の瞳を向けていない。
ジュディはおろおろしながら、ビジャス公爵が出て行った扉を見つめた。この部屋の中で、一番ビジャス公爵が大佐のことを思い、夫人のことを考えていたのではないだろうか。
今、ここには彼女達夫婦を娯楽のネタのように扱う人々しかいないように思えた。二人の死後の世界を越えた恋物語は美化され、明日には社交界に広く知れ渡るのだろうか?
蓄音機から声が聞こえる。ざあざあと砂嵐のような音と共に男の声が聞こえる。
大佐の声を一度も聞いたことがないジュディは、それが本物の大佐の声なのか分からない。けれど、大佐であれば面白いとジュディも思ってしまった。
本物なら、自分が死んだあとも安心だ。蓄音機を起動してくれるのをじっとあの世で待てばいいのだから。
――帰ったら、カドックに話してあげようかな。
なんだか、妙に気が昂ってきて、ジュディは愉快になってきた。オロオロとしていた自分が嘘みたいだ。カインとアベルの会話を聞き流しながら、夫人を見つめた。
きらきらと少女のように蓄音機を見上げて、たまに涙ぐんでいる。
華奢な体を震わせ、手を組んで祈るような格好でか細く、ロバートと名前を呼んでいる。
何度も、何度も。
縋るように、呼んでいる。
盲信的な声に、どうしてか背中が寒くなった。
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