16 / 19
第16話
しおりを挟む
素肌の上に直接 被子が掛かっている私はうつらうつらしていた。風呂に入ってから寝ないといけないとわかっているのに、心地良い疲労感で身体が動かない。
半分寝たような状態でいた私が、本当に眠っていると思ったのだろう。束宵は私の首筋に軽く口付けながら
「桃花……」
切なそうな声で囁いた。
――……おんなのこの、名前……
一気に腹の奥が冷えて、目が覚める。しかし、動くことはできなかった。
「桃花、愛してる。オレは、ずっと君だけを……」
じわりと首筋が熱くなる。そこに明らかな湿り気を感じる。
――泣いてるの?
束宵が本当に泣いているところなんて見たことがない。甘えるような言動は見せても、泣きそうな表情こそ浮かべても、弱い部分なんて見せようとはしなかった。
私は彼にとって庇護対象であって、隣に並んでいる存在ではなかったのだとはじめて自覚した。
私が起きていないと思って、知らない女の人の名前を切なそうに呼んで、泣いている束宵。
恋愛経験がなくても、知識が乏しくても、これは私自身が愛されていたわけではなくて、誰かの代用品だったのと気付かされる。
苦しくて、悲しくて、頭の中が真っ白で。
つぅっと涙が伝う。
小さく震えた私に気付いた束宵が、顔を覗いてきたのを察して、うつぶせになる。
「……玲花? どうしたの?」
どこか痛い? と心配してくれる声はいつものように優しくて、撫でてくれる手も温かくて、でも、その口が本当に呼びたい名前は私のものではなくて、その腕が本当に抱きたい人は私ではなくて。
――やっぱり、愛されてなんていなかったんだ。
彼の声を無視して、私は静かに泣き続けた。
翌朝、泣き腫らした顔の私を見た束宵は慌てふためいた。具合が悪いのかと聞いてくる彼に黙って首を振り
「ごめん、ちょっとだけ、一人にさせて」
この状況を、どのように受け入れるべきか、真剣に考えた。
彼と口を利かなくなって数日。仕事中は身体を動かしている分なにも考えなくていいから気が楽だ。いつもより長く働いて、屋敷に帰ればもう夜ご飯を食べて眠る。しかし、その食事も共にとることはない。
牛車に乗ると、あの夜のことを思い出す。歩いて帰ると言えば、暗い時間に1人で歩いてはいけない、と束宵に止められる。しかし、「護衛の式がついてるんでしょ」と返せばなにも言えなくなったのか彼は黙ってしまった。
――束宵、ごはん食べてないよね。
ふと、1週間が過ぎた頃に思い出した。私と一緒に、私の手からでなければ彼は食事をしない。きっと、もうずっとあの丸薬を飲んでいるのだろう。
あの次の日から、寝る場所も別々にしてもらっていたから、彼の体温を忘れそうになっている。声も、聞いていなかった。広い屋敷で彼と合わないように生活するのは難しいことではなくて、ほとんど生活音をさせない彼がどこにいるのかはわからなかった。
――それでも、好きなんだもんなぁ……
ぼうっと考え続けたけれど、彼が他の女の人を忘れられないのだとしても、それでも私は彼のことが好きだった。単純に、生活の面倒を見てくれている彼に依存しているだけだろうという考えもあるとは思う。最初に愛してくれた人だから、恩を感じているだけだろうと言われもするだろう。でも、そういうのを抜きにしても、私はきっと彼に惹かれたのだと思う。
「束宵」
寝台の上、久しぶりに彼の名前を呼ぶ。
掠れて、ほとんど聞き取れないほどに小さな声。それなのに――
「玲花ッ!!」
どこからか走ってきた彼は、髪を振り乱した青い顔で私の使っていた部屋の扉を乱暴に開け、飛び込んできた。
「今っ、名前、呼んで……ッ!」
息を切らしている彼は、どこにいたのだろう。
普段は整えられている髪もぼさぼさで、肌は乾ききっている。服も、ろくに着替えてもいないのがヨレヨレだった。
「うん、呼んだ」
「オレ、あの、オレ……なにかした? ゴメン、何度でも謝るから、だから」
捨てないで、と彼は私の足に縋りついてくる。あまりにも必死な様子に驚いて、言葉を無くす。
「オレ、玲花に捨てられたら生きていけない。無理だ。だから、お願いだから玲花、オレのことはどう扱ってくれても良いから、だから一緒にいて、ね?」
「ちょっと、束宵落ち着いて」
「嫌だ、いやだ。もうどこにも行かないで。もう、君を失うのは嫌だ。二度とごめんだ。なんでもする。今度こそ、絶対に手放さない、どこにも行かせない。オレの元から逃げるっていうならいっそ――」
「束宵!」
虚ろな目で私の腰にしがみついてくる彼の肩を掴んで強く揺する。ハッとした顔で私を見上げた彼は、泣きそうな顔になった。
「玲花、お願い、オレのこと、捨てないで」
「……束宵が……」
声を発すれば、彼は息を呑んで私の言葉を待った。
「全部、本当のこと言ってくれるなら、どこにも行かない」
じわりと彼の目が丸くなる。ほんとう? と聞き返してくる声は弱々しい。頷いて返せば、彼は、ふ、と表情を無くした。
「なにを言っても、信じてくれる? なにを見ても、嫌だって言わない?」
「……うん、多分」
ぎゅうっと私の腰にまたしがみついた彼は、しばらくその姿勢のまま考え込んでいるようだった。ここで頭や背中を撫でるのは違うだろうと半端に手を上げたまま待っていたのだが、いつまで経っても返事はない。少しだけ焦れた私は
「桃花、って誰?」
一番気になっていたことを聞いてみれば、ビクッと大きく束宵の肩が震えた。
「全部話してくれるなら、誰か教えてくれるよね。これって、束宵の、昔の彼女の名前……?」
「――ああ、知ってたのか。どこで口走っちゃったんだろ」
束宵はゆっくりと立ち上がる。それから、半端に結われていた髪を解いてひとつに括り、よれていた服を直した。無表情になった彼は静かに口を開く。
「それは、オレの初恋の人で、元妻の名前」
「元、妻」
結婚していたことがあっただなんて、知らなかった。想定外の答えに、心臓がバクバクと鳴っている。
「今も昔も、変わらずオレの最愛の人」
「……っ」
そこまで正直に言われるとは思っていなかった。涙が浮かびそうになって、慌てて顔を背ける。しかし、束宵は同じ調子で続けるのだ。
「玲花も、オレの最愛の人」
は……? と声が漏れる。彼はなにを言っているのだろう。
「最愛は、ひとりだけでしょ」
「うん。だから、どっちも最愛。愛してる」
ほぅ、と溜息を吐くように言った束宵は私の前に跪いて、手を取って甲に唇を押し当てた。
「オレが愛してるのは、昔も今も、ただひとりだけだよ」
「……? なに言ってるの? 私は桃花さんじゃないよ」
私の名前は玲花だ。桃花ではない。
彼と結婚していた事実なんてものもない。
二人を混同するほどに、その元妻という人と私が似ているということなのだろうか。私の中に、かつての妻の影を見ていたということなのだろうか。険しい顔になる私に、束宵は迷いのない顔で首を振る。
「玲花は、桃花だよ。ずっとずっと前から愛してる、オレの、オレだけの――」
「全然わかんないよ」
話しているうちにうっとりした顔になる彼に、私は同意できない。
「わかるだろ。オレは、もうずっと前から玲花だけを、桃花だけを愛してるんだ。何度だって見つけてきただろ。その度に恋に落ちて、想いを通じさせて、でも、君はいつだってオレを置いて行ってしまうんじゃないか」
おかしくなってしまったの? それとも、元からおかしかった?
昔の妻と私を混同している様子にゾッとして鳥肌が止まらなくなる。そんな私の表情に気付いているだろうに、彼は私の手を引いて立たせると屋敷の奥へと向かって歩いていく。
「見せた方が、話は早い」
「桃花さんの絵でもあるの?」
こちらを見てきた束宵はにこりと微笑む。しかし、いつもは胸が高鳴るはずのその表情が、今日は少しだけ怖い。
「ほら、ここだよ」
束宵は一番奥の部屋の扉を開ける。中は暗い。窓もないようだ。
「ここは……?」
「オレの、大事な部屋。玲花たちにしか見せない場所」
「玲花たちってなに、よ――……っ?!」
束宵が壁を弄ると、ぼんやりと暗い中にいくつもの大きな水槽のものが浮かび上がった。その中にいたのは、魚などではなく。
「な、に……これ」
「手前から順番に、梅馨、莉娜、華玲――」
彼は、次々に女の人の名前を口にする。そのたびに、それらは呼応するように淡く光る。
大きな大きな水槽の中には、裸の女性たちが目を瞑ったままゆらゆらと揺れていた。
「……な……」
私は口を両手で押さえて、上手く呼吸できないままに崩れ落ちる。一番奥まで水槽を撫でながら歩いていった束宵は
「それから、彼女が桃花。桃花、紹介するよ。あそこにいる子の名前は玲花。一番新しい君たちだよ。ははっ、オレの愛しい人は今世も可愛いんだよ、本当に」
愛しそうに桃花の水槽を撫で、その表面に口付けた。
半分寝たような状態でいた私が、本当に眠っていると思ったのだろう。束宵は私の首筋に軽く口付けながら
「桃花……」
切なそうな声で囁いた。
――……おんなのこの、名前……
一気に腹の奥が冷えて、目が覚める。しかし、動くことはできなかった。
「桃花、愛してる。オレは、ずっと君だけを……」
じわりと首筋が熱くなる。そこに明らかな湿り気を感じる。
――泣いてるの?
束宵が本当に泣いているところなんて見たことがない。甘えるような言動は見せても、泣きそうな表情こそ浮かべても、弱い部分なんて見せようとはしなかった。
私は彼にとって庇護対象であって、隣に並んでいる存在ではなかったのだとはじめて自覚した。
私が起きていないと思って、知らない女の人の名前を切なそうに呼んで、泣いている束宵。
恋愛経験がなくても、知識が乏しくても、これは私自身が愛されていたわけではなくて、誰かの代用品だったのと気付かされる。
苦しくて、悲しくて、頭の中が真っ白で。
つぅっと涙が伝う。
小さく震えた私に気付いた束宵が、顔を覗いてきたのを察して、うつぶせになる。
「……玲花? どうしたの?」
どこか痛い? と心配してくれる声はいつものように優しくて、撫でてくれる手も温かくて、でも、その口が本当に呼びたい名前は私のものではなくて、その腕が本当に抱きたい人は私ではなくて。
――やっぱり、愛されてなんていなかったんだ。
彼の声を無視して、私は静かに泣き続けた。
翌朝、泣き腫らした顔の私を見た束宵は慌てふためいた。具合が悪いのかと聞いてくる彼に黙って首を振り
「ごめん、ちょっとだけ、一人にさせて」
この状況を、どのように受け入れるべきか、真剣に考えた。
彼と口を利かなくなって数日。仕事中は身体を動かしている分なにも考えなくていいから気が楽だ。いつもより長く働いて、屋敷に帰ればもう夜ご飯を食べて眠る。しかし、その食事も共にとることはない。
牛車に乗ると、あの夜のことを思い出す。歩いて帰ると言えば、暗い時間に1人で歩いてはいけない、と束宵に止められる。しかし、「護衛の式がついてるんでしょ」と返せばなにも言えなくなったのか彼は黙ってしまった。
――束宵、ごはん食べてないよね。
ふと、1週間が過ぎた頃に思い出した。私と一緒に、私の手からでなければ彼は食事をしない。きっと、もうずっとあの丸薬を飲んでいるのだろう。
あの次の日から、寝る場所も別々にしてもらっていたから、彼の体温を忘れそうになっている。声も、聞いていなかった。広い屋敷で彼と合わないように生活するのは難しいことではなくて、ほとんど生活音をさせない彼がどこにいるのかはわからなかった。
――それでも、好きなんだもんなぁ……
ぼうっと考え続けたけれど、彼が他の女の人を忘れられないのだとしても、それでも私は彼のことが好きだった。単純に、生活の面倒を見てくれている彼に依存しているだけだろうという考えもあるとは思う。最初に愛してくれた人だから、恩を感じているだけだろうと言われもするだろう。でも、そういうのを抜きにしても、私はきっと彼に惹かれたのだと思う。
「束宵」
寝台の上、久しぶりに彼の名前を呼ぶ。
掠れて、ほとんど聞き取れないほどに小さな声。それなのに――
「玲花ッ!!」
どこからか走ってきた彼は、髪を振り乱した青い顔で私の使っていた部屋の扉を乱暴に開け、飛び込んできた。
「今っ、名前、呼んで……ッ!」
息を切らしている彼は、どこにいたのだろう。
普段は整えられている髪もぼさぼさで、肌は乾ききっている。服も、ろくに着替えてもいないのがヨレヨレだった。
「うん、呼んだ」
「オレ、あの、オレ……なにかした? ゴメン、何度でも謝るから、だから」
捨てないで、と彼は私の足に縋りついてくる。あまりにも必死な様子に驚いて、言葉を無くす。
「オレ、玲花に捨てられたら生きていけない。無理だ。だから、お願いだから玲花、オレのことはどう扱ってくれても良いから、だから一緒にいて、ね?」
「ちょっと、束宵落ち着いて」
「嫌だ、いやだ。もうどこにも行かないで。もう、君を失うのは嫌だ。二度とごめんだ。なんでもする。今度こそ、絶対に手放さない、どこにも行かせない。オレの元から逃げるっていうならいっそ――」
「束宵!」
虚ろな目で私の腰にしがみついてくる彼の肩を掴んで強く揺する。ハッとした顔で私を見上げた彼は、泣きそうな顔になった。
「玲花、お願い、オレのこと、捨てないで」
「……束宵が……」
声を発すれば、彼は息を呑んで私の言葉を待った。
「全部、本当のこと言ってくれるなら、どこにも行かない」
じわりと彼の目が丸くなる。ほんとう? と聞き返してくる声は弱々しい。頷いて返せば、彼は、ふ、と表情を無くした。
「なにを言っても、信じてくれる? なにを見ても、嫌だって言わない?」
「……うん、多分」
ぎゅうっと私の腰にまたしがみついた彼は、しばらくその姿勢のまま考え込んでいるようだった。ここで頭や背中を撫でるのは違うだろうと半端に手を上げたまま待っていたのだが、いつまで経っても返事はない。少しだけ焦れた私は
「桃花、って誰?」
一番気になっていたことを聞いてみれば、ビクッと大きく束宵の肩が震えた。
「全部話してくれるなら、誰か教えてくれるよね。これって、束宵の、昔の彼女の名前……?」
「――ああ、知ってたのか。どこで口走っちゃったんだろ」
束宵はゆっくりと立ち上がる。それから、半端に結われていた髪を解いてひとつに括り、よれていた服を直した。無表情になった彼は静かに口を開く。
「それは、オレの初恋の人で、元妻の名前」
「元、妻」
結婚していたことがあっただなんて、知らなかった。想定外の答えに、心臓がバクバクと鳴っている。
「今も昔も、変わらずオレの最愛の人」
「……っ」
そこまで正直に言われるとは思っていなかった。涙が浮かびそうになって、慌てて顔を背ける。しかし、束宵は同じ調子で続けるのだ。
「玲花も、オレの最愛の人」
は……? と声が漏れる。彼はなにを言っているのだろう。
「最愛は、ひとりだけでしょ」
「うん。だから、どっちも最愛。愛してる」
ほぅ、と溜息を吐くように言った束宵は私の前に跪いて、手を取って甲に唇を押し当てた。
「オレが愛してるのは、昔も今も、ただひとりだけだよ」
「……? なに言ってるの? 私は桃花さんじゃないよ」
私の名前は玲花だ。桃花ではない。
彼と結婚していた事実なんてものもない。
二人を混同するほどに、その元妻という人と私が似ているということなのだろうか。私の中に、かつての妻の影を見ていたということなのだろうか。険しい顔になる私に、束宵は迷いのない顔で首を振る。
「玲花は、桃花だよ。ずっとずっと前から愛してる、オレの、オレだけの――」
「全然わかんないよ」
話しているうちにうっとりした顔になる彼に、私は同意できない。
「わかるだろ。オレは、もうずっと前から玲花だけを、桃花だけを愛してるんだ。何度だって見つけてきただろ。その度に恋に落ちて、想いを通じさせて、でも、君はいつだってオレを置いて行ってしまうんじゃないか」
おかしくなってしまったの? それとも、元からおかしかった?
昔の妻と私を混同している様子にゾッとして鳥肌が止まらなくなる。そんな私の表情に気付いているだろうに、彼は私の手を引いて立たせると屋敷の奥へと向かって歩いていく。
「見せた方が、話は早い」
「桃花さんの絵でもあるの?」
こちらを見てきた束宵はにこりと微笑む。しかし、いつもは胸が高鳴るはずのその表情が、今日は少しだけ怖い。
「ほら、ここだよ」
束宵は一番奥の部屋の扉を開ける。中は暗い。窓もないようだ。
「ここは……?」
「オレの、大事な部屋。玲花たちにしか見せない場所」
「玲花たちってなに、よ――……っ?!」
束宵が壁を弄ると、ぼんやりと暗い中にいくつもの大きな水槽のものが浮かび上がった。その中にいたのは、魚などではなく。
「な、に……これ」
「手前から順番に、梅馨、莉娜、華玲――」
彼は、次々に女の人の名前を口にする。そのたびに、それらは呼応するように淡く光る。
大きな大きな水槽の中には、裸の女性たちが目を瞑ったままゆらゆらと揺れていた。
「……な……」
私は口を両手で押さえて、上手く呼吸できないままに崩れ落ちる。一番奥まで水槽を撫でながら歩いていった束宵は
「それから、彼女が桃花。桃花、紹介するよ。あそこにいる子の名前は玲花。一番新しい君たちだよ。ははっ、オレの愛しい人は今世も可愛いんだよ、本当に」
愛しそうに桃花の水槽を撫で、その表面に口付けた。
0
あなたにおすすめの小説
聖女は秘密の皇帝に抱かれる
アルケミスト
恋愛
神が皇帝を定める国、バラッハ帝国。
『次期皇帝は国の紋章を背負う者』という神託を得た聖女候補ツェリルは昔見た、腰に痣を持つ男を探し始める。
行き着いたのは権力を忌み嫌う皇太子、ドゥラコン、
痣を確かめたいと頼むが「俺は身も心も重ねる女にしか肌を見せない」と迫られる。
戸惑うツェリルだが、彼を『その気』にさせるため、寝室で、浴場で、淫らな逢瀬を重ねることになる。
快楽に溺れてはだめ。
そう思いつつも、いつまでも服を脱がない彼に焦れたある日、別の人間の腰に痣を見つけて……。
果たして次期皇帝は誰なのか?
ツェリルは無事聖女になることはできるのか?
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
花の精霊はいじわる皇帝に溺愛される
アルケミスト
恋愛
崔国の皇太子・龍仁に仕える女官の朱音は、人間と花仙との間に生まれた娘。
花仙が持つ〈伴侶の玉〉を龍仁に奪われたせいで彼の命令に逆らえなくなってしまった。
日々、龍仁のいじわるに耐えていた朱音は、龍仁が皇帝位を継いだ際に、妃候補の情報を探るために後宮に乗り込んだ。
だが、後宮に渦巻く、陰の気を感知した朱音は、龍仁と共に後宮の女性達をめぐる陰謀に巻き込まれて……
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
元平民だった侯爵令嬢の、たった一つの願い
雲乃琳雨
恋愛
バートン侯爵家の跡取りだった父を持つニナリアは、潜伏先の家から祖父に連れ去られ、侯爵家でメイドとして働いていた。18歳になったニナリアは、祖父の命令で従姉の代わりに元平民の騎士、アレン・ラディー子爵に嫁ぐことになる。
ニナリアは母のもとに戻りたいので、アレンと離婚したくて仕方がなかったが、結婚は国王の命令でもあったので、アレンが離婚に応じるはずもなかった。アレンが初めから溺愛してきたので、ニナリアは戸惑う。ニナリアは、自分の目的を果たすことができるのか?
元平民の侯爵令嬢が、自分の人生を取り戻す、溺愛から始まる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる