文明トカゲ

ペン牛

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四 照魔の鏡

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「――結論から言うわ。無理」
「……どういうことですか。佐治さんは僕の目の前で喪服の女を殺してくれたでしょう」
「殺すのが無理、って話じゃないの。殺す方法を教えるのが無理、って話。これに関しては才能が全て。トカゲを殺したいのならトカゲを殺せるものとして生まれるしかない――わかった?」
 言っていることはわかった。だが納得はできない。表情に出ていたのだろう。僕の顔を見た佐治さんは呆れたように、
「……まぁ予想はしてたけど、納得してないみたいね」
「はい」
「それじゃ、一つ教えてあげる。アンタはまだ希望がある方よ」
「……希望?」
「アンタはもしかしたらトカゲを殺せない人間じゃなくて、殺せる人間として目覚めてないだけかもしれない、ってこと。当たり前の話だけどトカゲに対して殺すことが可能なほど強烈な干渉を行える人間は、その前段階――見る、聞く、触る、そういったトカゲの知覚や低レベルの干渉も当然行える。逆に言えばそういったことが可能なアンタがそれ以上の段階――トカゲを殺せるだけの強い干渉を行えるようになる可能性もまた存在する、ってこと」
「……少しでも、その可能性を上げる方法はないんですか」
 もしあるのなら、是が非でも知りたかった――脳裏に一匹の猫の姿がよぎり、そして怒りが押し寄せてくる。その怒りは実際に熱を帯びているかのようだった。そう、全身の神経が赤熱する電熱線に置き換わったかのように。
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