文明トカゲ

ペン牛

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五 似姿の恋

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 僕がそう質問すると、火津木さんの顔がさっと青ざめた。そしてそのままうつむいてしまう。
「……それについては俺から話します。実は俺達、最近変な男につきまとわれてるんです」
「変な男? それは、人間ということですよね?」
「はい。でも、志保がいうにはその、笹岩さんと同じような、なんていうか、近い人間だって」
 近い人間――その表現には聞き覚えがあった。
(……佐治さんが言っていたのと同じだ)
 トカゲを知覚し、干渉することができる人間。そういった人間のことを、トカゲに近い、と表現するのだろう。そしてどうやらトカゲに近い人間を見分ける能力を火津木さんは備えているらしい。
「その男性の特徴は? あと危害を加えられたといったことは?」
「すごく背の高い人です。多分一九〇とか、そのくらいあるんじゃないかな。それに体格もすごくて……格闘家、みたいな。危害を加えられたことはないし、そもそも声をかけられたこともないです。でも」
「でも?」
「……志保が出かけると、必ずその男が現れるんです。それで、その男が現れる度に、どんどん体調が悪くなるみたいで」
(体調が悪くなる……攻撃されているのか?)
 佐治さんが喪服を着た女を殺した時のことを思い出す。佐治さんはあの時に使った銃を玩具だと言っていたが、それはきっと事実だろう。そもそも本物の銃を使ったところでトカゲ相手にあれほどの威力を発揮するとは思えない。
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