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九 望遠の楯
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一瞬奇妙に思ったが、よく考えれば別におかしなことではない。真奈さんならば間違いなく僕よりも地位も収入も上の職業に就けるだろう。とはいえ、
「いや、流石にそれは……いくら僕でも自活ぐらいできるよ」
「ほんとに? じゃあせんせー、どんな仕事したいのか言える? 自分の将来設計ちゃんとできるの?」
「――それは」
しまった。確かに僕にはやりたい仕事、というものがない。完全に真奈さんの指摘の通りだった。
「ほらもー! せんせーがそんなだから放っておけないんじゃん! 私がお医者さんになったら一緒に住も? せんせーは専業主婦やってていいから!」
(僕が専業主婦――か)
そんな未来は想像したことすらなかった。折角なので想像してみる。朝、早起きをして朝食の支度をし、真奈さんを送り出す僕。疲れて帰ってきた真奈さんをエプロン姿で明るく出迎え、夕食かお風呂か尋ねる僕。真奈さんと一緒にお風呂に入り、頭から爪先まで全身隅から隅まで徹底的に洗う僕。
(……最後の想像はいらなかったかもしれないな。まぁいいか)
僕がそういった生活に馴染めるかどうかはやってみなければわからないが、きっと不可能ではない、と思う。
「確かに、真奈さんと一緒に暮らす未来もあるね」
「でしょ!? せんせーは絶対そっちの方がいいって! 大丈夫、私が一「待って」
それまで沈黙を保っていた梓が、いきなり割り込んできた。
「いや、流石にそれは……いくら僕でも自活ぐらいできるよ」
「ほんとに? じゃあせんせー、どんな仕事したいのか言える? 自分の将来設計ちゃんとできるの?」
「――それは」
しまった。確かに僕にはやりたい仕事、というものがない。完全に真奈さんの指摘の通りだった。
「ほらもー! せんせーがそんなだから放っておけないんじゃん! 私がお医者さんになったら一緒に住も? せんせーは専業主婦やってていいから!」
(僕が専業主婦――か)
そんな未来は想像したことすらなかった。折角なので想像してみる。朝、早起きをして朝食の支度をし、真奈さんを送り出す僕。疲れて帰ってきた真奈さんをエプロン姿で明るく出迎え、夕食かお風呂か尋ねる僕。真奈さんと一緒にお風呂に入り、頭から爪先まで全身隅から隅まで徹底的に洗う僕。
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