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四の段
四
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「道頼様!」
美貌の貴公子の登場に、庇の間で息を詰めていた女房たちがざわめく。北の方はしばし呆気に取られていたが、道頼を呼ばう惟成の声でふと我に返ると、慌てて扇で顔を隠した。(え、どういうこと……?)
道頼ではなく、兵部少輔が来るのではなかったか。混乱している落窪のもとに歩み寄った道頼は、落窪を背後から抱き寄せる。彼が纏う直衣は、いつもの香に混じって珍しく汗の匂いがした。
「私は三位中将、藤原 道頼と申す者です。私の妻がお騒がせしており、たいへん申しわけございません」
深々と頭を下げる道頼に背を押され、落窪も腰を折る形になった。
その間も落窪は混乱を極めていた。
(道頼様? なぜ?)
「妻……?」
不審げに目元を覗かせる北の方に、道頼は華やかな笑みを向ける。
「ええ、私がこの屋敷……いえ、以前の中納言邸からこちらの姫を助け出し妻としました」
なぜ今それを伝えるのだろうか。北の方は驚き固まっている。落窪は道頼の意図が読み取れず、彼を見上げた。
一方、北の方は思い出していた。惟成と三位中将が乳兄弟であることを。阿漕が結婚した当初、女房たちが僻んでいたのを聞いたのだ。この男が本当に三位中将だとしたら――惟成の乳兄弟であるとしたら――惟成が落窪の恋文を持っていたことにも筋が通る。落窪は最初からこ三位中将と繋がっていたのだ。
しかし、落窪は典薬の助とつがいになっているはずだ。それゆえ、三位中将は二人目の妻を持つことに決めたのだろう。そして、落窪はそれを恨みに思い、縁談を阻止しようとこの屋敷に乗りこんできたのではないか。
(そもそも最初から、三位中将は四の君が目当てだったんじゃないのかい?)
部屋を間違えて落窪のもとに夜這いをかけてしまったのが二人の仲の始まりなのではないか。なぜなら、四の君を差し置いて落窪が選ばれるなど信じられないからだ。
北の方にとって、落窪は誰からも愛されることのない、醜悪な存在だった。それなので、落窪と恋人になった三位中将に同情すらした。
「こんな男だか女だかもわからない人間とつきあい続けられるなんて、ずいぶんと情の深い方ですのね」
これなら四の君のことも――否、四の君こそを大切にしてくれるに違いない。四の君の若く輝かしい美貌はきっと、落窪に慣れ切った三位中将の目にはたいそう眩しく映るだろうから。
そう悦に入っていた北の方だったので、三位中将の暴露が最初は呑みこめなかった。
「先日の加茂祭で、あなたがたの牛車に喧嘩をしかけたのはうちの従者です。典薬の助殿が牛車から転げ落ちたのは見ものでしたね」
「清水(清水寺)詣を邪魔したのも私です」
「以前の屋敷からあなたたちを追い出したのも私です。まあ、追い出す際には遠縁の名を借りたので、私が現在あの屋敷の持ち主であることは気づかれていなかったでしょうが。あの土地の地券は、もとは妻の母のものだったそうですね。阿漕がしっかり回収してくれていたので、今は我が家で大事に保管していますよ」
落窪が去ってから、中納言家では数々の不幸――というより、嫌がらせに見舞われていた。そのすべてが目の前の男の差し金だったとは、にわかに信じがたい。
信じがたい気持ちは落窪も同じだった。自分の知らぬ間に、そんなことがあったとは思わなかった。
「道頼様……」
彼の報復への執念は落窪が思うよりずっと固いようだったが、最後の一線だけは阻止したく、今度こそ落窪は面と向かって彼に願った。
「もう、やめてください……これ以上、復讐などしないでください」
「どうして?」
その問いはやはり、止めるつもりがないことを示していた。腰に回った腕は固く、落窪から離れる気配もない。否、落窪をどこにも行かせないためではないのか。
(もしそうだとしたら、やはり、兵部少輔様はこの屋敷に来ているのでは……?)
惟成が言っていた牛車の持ち主がそうだろう。普段涼しい顔の道頼が今日は汗をかいているのはきっと、牛車ではなく、惟成同様馬で駆けてきたからではないのか。
道頼が暴露を始めたのが、時間稼ぎなのだとしたら。
もしそうなら、自分は寝殿に向かうべきだ。
「道頼様……ごめんなさい!」
彼の復讐は自分を愛するがゆえだとわかっている。それでも受け入れられない。
背後の道頼に当身を食らわせて、落窪は走り出した。
「四の君! 四の君!」
もはや遠慮なく、大声で呼ばいながら寝殿に向かう。事情を知らぬ女房たちが何人も現れて落窪を止めようとしたが、むりやり押し通った。男の身では、女の細腕になど負けないのだ。
めぼしい部屋をいくつも開け放ち、そして――。
「四の君、ここですかっ?」
妻戸を開け室内に踏みこむと、几帳の向こうで男女が諍いあう声が聞こえた。
「あ、あなた、本当に三位中将様ですの……っ?」
「何を仰るんですか、俺こそが三位中将ですぞ」
興奮で上擦った男の声は、断じて道頼のものではない。落窪が几帳を払いのけて姿を見せると、四の君にのしかかっている老齢の男が、驚愕の表情で落窪の顔面を凝視した。
「ひっ、化け物……!」
落窪は間髪入れず、男を突き飛ばす。
「わっ、お、おまえ、何者だ!」
その場に転がり、烏帽子を落とした兵部少輔は、怒鳴りながら落窪に突進してきた。年のわりに大柄だったが落窪も押し返す。
「四の君を助けに参った者です!」
「何っ? おまえのような醜男が、四の君の相手になるわけがないだろう!」 兵部少輔は落窪を四の君に横恋慕する間男と勘違いしているらしい。
「俺のほうがよっぽどましだと思わんかっ? 四の君!」
四の君は部屋の隅に後じさり、涙で顔面を濡らしながら首を振っていた。
「あ、あたし……こんな年寄りの妻になるのは嫌……っ」
子どものように泣きじゃくる姿には、昔の彼女の面影が残っていた。幼い頃は泣いて癇癪を起こした四の君によく叩かれ、髪を引っ張られ、散々な扱いを受けていた。だから、彼女が泣きだしたときは、なるべく四の君から距離をとるようにしていたものだ。しかし今、涙をこぼす彼女のそばに駆けつけられて良かった。
「えぃっ」
最後に兵部少輔を投げ飛ばして、落窪はその場に膝をついた。ぜえはあと肩で息をしていると、道頼が飛びこんでくる。
「姫! ご無事ですか!」
四の君がばっと振り返り、何度もかぶりを振る。しかし、道頼は彼女を一瞥することもなく、一直線に狩衣姿の落窪のもとに駆け寄り、固く抱擁した。
「無事で良かった……!」
落窪は彼の腕の中で笑って見せた。
「わたしは男ですから」
男女伽のくせに男であることが嫌で嫌でたまらなかった。しかし、今は男だったから兵部少輔に力で勝てた。さらにいえば、不細工だったから兵部少輔の意表をつけた。
「男で良かった……」
何もできない役立たずではなかった。四の君を助けることができた――ひいては、道頼が悪に染まりきる前に阻止できたのだから。
道頼に愛してもらったおかげだ。彼がどんな落窪も愛していると言ってくれたから、自分のやりたいように振舞えたのだ。その結果、男の自分を肯定することもできた。
道頼が落窪を抱きしめる力が強くなる。
「それでも心配しました。男だろうが、女だろうが、愛しい人が無茶をしていたら心配するものです」
(道頼様が仕組んだ無茶なのに……)
つい胡乱な目を向けてしまう。それに気づいた道頼は「あなたを危ない目に遭わせるくらいなら、もう復讐なんてしません」と囁いた。
曹司には北の方や中納言、その他女房や下男たちが集まってきていた。惟成もその中にいて、はらはらしながらこちらを窺っている。
道頼は部屋の隅でうろたえている兵部少輔の手を取って立たせてやる。そして、全員が注目するなか、中納言に向けて腰を折った。
「四の君との結婚はなかったことにしてください」
そして、彼は改めてすべての事情をつまびらかにした。
「私としてはあなた方への恨みつらみはまだ胸の内に燻っておりますが、妻が報復に反対するので、もうこれ以上は何もいたしません」
呆然とする中納言家の面々にそう告げて、道頼は落窪と兵部少輔を伴い、曹司を出て行った。慌てて惟成がついていく。
あの右近少将が、妻の言うことを聞き届けるとは。宮中で右近少将の妻について噂が飛び交うようになるのは、後の話である。
美貌の貴公子の登場に、庇の間で息を詰めていた女房たちがざわめく。北の方はしばし呆気に取られていたが、道頼を呼ばう惟成の声でふと我に返ると、慌てて扇で顔を隠した。(え、どういうこと……?)
道頼ではなく、兵部少輔が来るのではなかったか。混乱している落窪のもとに歩み寄った道頼は、落窪を背後から抱き寄せる。彼が纏う直衣は、いつもの香に混じって珍しく汗の匂いがした。
「私は三位中将、藤原 道頼と申す者です。私の妻がお騒がせしており、たいへん申しわけございません」
深々と頭を下げる道頼に背を押され、落窪も腰を折る形になった。
その間も落窪は混乱を極めていた。
(道頼様? なぜ?)
「妻……?」
不審げに目元を覗かせる北の方に、道頼は華やかな笑みを向ける。
「ええ、私がこの屋敷……いえ、以前の中納言邸からこちらの姫を助け出し妻としました」
なぜ今それを伝えるのだろうか。北の方は驚き固まっている。落窪は道頼の意図が読み取れず、彼を見上げた。
一方、北の方は思い出していた。惟成と三位中将が乳兄弟であることを。阿漕が結婚した当初、女房たちが僻んでいたのを聞いたのだ。この男が本当に三位中将だとしたら――惟成の乳兄弟であるとしたら――惟成が落窪の恋文を持っていたことにも筋が通る。落窪は最初からこ三位中将と繋がっていたのだ。
しかし、落窪は典薬の助とつがいになっているはずだ。それゆえ、三位中将は二人目の妻を持つことに決めたのだろう。そして、落窪はそれを恨みに思い、縁談を阻止しようとこの屋敷に乗りこんできたのではないか。
(そもそも最初から、三位中将は四の君が目当てだったんじゃないのかい?)
部屋を間違えて落窪のもとに夜這いをかけてしまったのが二人の仲の始まりなのではないか。なぜなら、四の君を差し置いて落窪が選ばれるなど信じられないからだ。
北の方にとって、落窪は誰からも愛されることのない、醜悪な存在だった。それなので、落窪と恋人になった三位中将に同情すらした。
「こんな男だか女だかもわからない人間とつきあい続けられるなんて、ずいぶんと情の深い方ですのね」
これなら四の君のことも――否、四の君こそを大切にしてくれるに違いない。四の君の若く輝かしい美貌はきっと、落窪に慣れ切った三位中将の目にはたいそう眩しく映るだろうから。
そう悦に入っていた北の方だったので、三位中将の暴露が最初は呑みこめなかった。
「先日の加茂祭で、あなたがたの牛車に喧嘩をしかけたのはうちの従者です。典薬の助殿が牛車から転げ落ちたのは見ものでしたね」
「清水(清水寺)詣を邪魔したのも私です」
「以前の屋敷からあなたたちを追い出したのも私です。まあ、追い出す際には遠縁の名を借りたので、私が現在あの屋敷の持ち主であることは気づかれていなかったでしょうが。あの土地の地券は、もとは妻の母のものだったそうですね。阿漕がしっかり回収してくれていたので、今は我が家で大事に保管していますよ」
落窪が去ってから、中納言家では数々の不幸――というより、嫌がらせに見舞われていた。そのすべてが目の前の男の差し金だったとは、にわかに信じがたい。
信じがたい気持ちは落窪も同じだった。自分の知らぬ間に、そんなことがあったとは思わなかった。
「道頼様……」
彼の報復への執念は落窪が思うよりずっと固いようだったが、最後の一線だけは阻止したく、今度こそ落窪は面と向かって彼に願った。
「もう、やめてください……これ以上、復讐などしないでください」
「どうして?」
その問いはやはり、止めるつもりがないことを示していた。腰に回った腕は固く、落窪から離れる気配もない。否、落窪をどこにも行かせないためではないのか。
(もしそうだとしたら、やはり、兵部少輔様はこの屋敷に来ているのでは……?)
惟成が言っていた牛車の持ち主がそうだろう。普段涼しい顔の道頼が今日は汗をかいているのはきっと、牛車ではなく、惟成同様馬で駆けてきたからではないのか。
道頼が暴露を始めたのが、時間稼ぎなのだとしたら。
もしそうなら、自分は寝殿に向かうべきだ。
「道頼様……ごめんなさい!」
彼の復讐は自分を愛するがゆえだとわかっている。それでも受け入れられない。
背後の道頼に当身を食らわせて、落窪は走り出した。
「四の君! 四の君!」
もはや遠慮なく、大声で呼ばいながら寝殿に向かう。事情を知らぬ女房たちが何人も現れて落窪を止めようとしたが、むりやり押し通った。男の身では、女の細腕になど負けないのだ。
めぼしい部屋をいくつも開け放ち、そして――。
「四の君、ここですかっ?」
妻戸を開け室内に踏みこむと、几帳の向こうで男女が諍いあう声が聞こえた。
「あ、あなた、本当に三位中将様ですの……っ?」
「何を仰るんですか、俺こそが三位中将ですぞ」
興奮で上擦った男の声は、断じて道頼のものではない。落窪が几帳を払いのけて姿を見せると、四の君にのしかかっている老齢の男が、驚愕の表情で落窪の顔面を凝視した。
「ひっ、化け物……!」
落窪は間髪入れず、男を突き飛ばす。
「わっ、お、おまえ、何者だ!」
その場に転がり、烏帽子を落とした兵部少輔は、怒鳴りながら落窪に突進してきた。年のわりに大柄だったが落窪も押し返す。
「四の君を助けに参った者です!」
「何っ? おまえのような醜男が、四の君の相手になるわけがないだろう!」 兵部少輔は落窪を四の君に横恋慕する間男と勘違いしているらしい。
「俺のほうがよっぽどましだと思わんかっ? 四の君!」
四の君は部屋の隅に後じさり、涙で顔面を濡らしながら首を振っていた。
「あ、あたし……こんな年寄りの妻になるのは嫌……っ」
子どものように泣きじゃくる姿には、昔の彼女の面影が残っていた。幼い頃は泣いて癇癪を起こした四の君によく叩かれ、髪を引っ張られ、散々な扱いを受けていた。だから、彼女が泣きだしたときは、なるべく四の君から距離をとるようにしていたものだ。しかし今、涙をこぼす彼女のそばに駆けつけられて良かった。
「えぃっ」
最後に兵部少輔を投げ飛ばして、落窪はその場に膝をついた。ぜえはあと肩で息をしていると、道頼が飛びこんでくる。
「姫! ご無事ですか!」
四の君がばっと振り返り、何度もかぶりを振る。しかし、道頼は彼女を一瞥することもなく、一直線に狩衣姿の落窪のもとに駆け寄り、固く抱擁した。
「無事で良かった……!」
落窪は彼の腕の中で笑って見せた。
「わたしは男ですから」
男女伽のくせに男であることが嫌で嫌でたまらなかった。しかし、今は男だったから兵部少輔に力で勝てた。さらにいえば、不細工だったから兵部少輔の意表をつけた。
「男で良かった……」
何もできない役立たずではなかった。四の君を助けることができた――ひいては、道頼が悪に染まりきる前に阻止できたのだから。
道頼に愛してもらったおかげだ。彼がどんな落窪も愛していると言ってくれたから、自分のやりたいように振舞えたのだ。その結果、男の自分を肯定することもできた。
道頼が落窪を抱きしめる力が強くなる。
「それでも心配しました。男だろうが、女だろうが、愛しい人が無茶をしていたら心配するものです」
(道頼様が仕組んだ無茶なのに……)
つい胡乱な目を向けてしまう。それに気づいた道頼は「あなたを危ない目に遭わせるくらいなら、もう復讐なんてしません」と囁いた。
曹司には北の方や中納言、その他女房や下男たちが集まってきていた。惟成もその中にいて、はらはらしながらこちらを窺っている。
道頼は部屋の隅でうろたえている兵部少輔の手を取って立たせてやる。そして、全員が注目するなか、中納言に向けて腰を折った。
「四の君との結婚はなかったことにしてください」
そして、彼は改めてすべての事情をつまびらかにした。
「私としてはあなた方への恨みつらみはまだ胸の内に燻っておりますが、妻が報復に反対するので、もうこれ以上は何もいたしません」
呆然とする中納言家の面々にそう告げて、道頼は落窪と兵部少輔を伴い、曹司を出て行った。慌てて惟成がついていく。
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