政略カップルと切ない王子様

まび

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集団宿泊

集団宿泊1日目 夜 愛梨

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知らなかった

見られてるなんて









でも








本当のこと




望くんとキスをした



でもそれが運命だから


言われてき続けたことだから



子供の頃の疑問
恋はどうやってやってくるのか


お母さんはいつも同じことを言っていた

それはね____________












必ず王子様がやってくるの
でも、本当のあなたが選ぶべき王子様はこういうわ







「我が君我との契り覚えておるか?」


望くんはそう言っていた
きっと私が選ぶべきは






望くん



私の家では小さい頃から、両親の約束で決められていたこと。

契りとは



政略カップルになって



それから

結婚すること


大丈夫
もともと好きな人なんていないし




多分
いないし



多部くんは……友達
柳くんも
優奈も
比奈も



ただ
望くんは









今から恋人


目の前にいるこの人は今から恋人


「行こうか」
「………うん」
私は望くんの差し出した手を握った

まだ望くんは好きじゃない

でも

好きになればいい

私はあの道を左に曲がり直す
右が間違えなのはわかったから
望くんはこの事実を伝えるためにこっちに曲がったってわかったから

みんなの前では普通に告白されてうまく行ったって感じに演じよう


政略じゃない
自分で選んだこと


「みんな~~!!」

みんなに大声で呼びかける
笑顔をかぶせて

「愛梨!」

みんなが振り向く
「………」

私たちを見て絶句

「え、なんで手なんて繋いでんの?」

さぁ本当に望くんを好きになってる彼女を演じて

「実話ね、えーと言いにくいんだけどその

付き合うことになって!」


「「えー!!」」

そんな驚くこと?

「どっちが告ったの!」

チラッ

いじらしいように望くんを見る


「俺から」
「キャ~~!やるじゃん!」

みんな盛り上がってる
このままずっとばれないように演じよう


ずっとずっと

望くんのことを愛してる彼女を

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