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第十六章 〇〇八三記念。題すると『ウメチカ日誌』
第八十六回 初夏が近いのに、でっかいスノーボール落っこちた?
しおりを挟む――ごちん!
まずはこの効果音。……でね、そこから察してほしい。
体育座りの僕……
膝を抱えているわけではないけど、コントローラー握り、または操作して三十六インチの画面に視線を降り注ぐ、それはPS4・5のモニターの役目を主としている。
もう服は着た。
少し丈の長い白のTシャツ、胸からお腹にかけての『龍』という黒文字。その裾から覗く黒の短パンで……でね、着た、というよりかは着せられたの、太郎君に。
もちろん、その前にはバスタオルで拭いて……髪も乾かして、もらって……その少し前に、冒頭に述べた「ごちん!」という効果音……。痛かったの、太郎君の拳骨。
本当に……
「痛かったんだよ、太郎君」
と、言う僕とは、八十六センチほどの間隔を保ち横並びで、同じように体育座りの太郎君。……次の言葉、視線は僕と合わせずに画面……別名モニターに向けながら、
「千佳があまりにも……その、調子に乗るからだろ?」
と、言葉に詰まりながらも太郎君……
お前ではなくて千佳……と、僕の名前で言う。怒った感じではないのだけど、
ブウ~と、僕はふくれ面……
多分そうだと思うけれど、太郎君の顔を向ける。そして、
「僕に……魅力ないのかな? やっぱり男の子って、胸ある方がいいんだよね」
「バ~カ、そんなんじゃねえよ。
思春期真っ盛りの男子の気持ちを察してみろって言ってんだよ。俺が……その抑えるのに必死なんだって、何でわからないのかなあ? 俺は即OKって、……いやいやダメだダメだ。……あのさ、お前に魅力なかったら、まず俺は毎日ここに来てねえから」
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