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4章.妹君と辺境伯は揺れ動く
142.お姉様は追い詰められていた②
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目的の場所は玄関から真裏に当たる。
煉瓦造りの花壇に小ぶりの花が規則正しく並ぶ。
植え込みの奥にはガラス張りの小さな温室があった。
半分より下は曇りガラスなのか、中の様子は外からでは全く見えない。
「こちらです」
「……」
(先程の音もこの辺り……ならばここで間違いないだろう)
きぃ、と微かな音を立ててドアが開く。
中は一見、普通の温室だ。
石畳が伸び、中央に円形の空間が小さく空いている。
それ以外は全て何かしらの植物の鉢が所狭しと置かれていた。
貴族が観賞するためや、茶会を開くための温室もあるが、こちらは本格的に植物を育てるための温室なのだろう。
様々な種類の植物が煩雑に置かれている。
安全な植物もあれば、その隣に猛毒のため触れることすらできない植物もあった。
おそらく、育成方法で置き場所を分けているのだろう、とユリウスは構えながら思った。
「初めて入りましたが普通の温室……ですね……」
「ああ……しかし……」
ユリウスは石畳の上を数回、行ったり来たりを繰り返した。
アンゼルムの目には奇行に映るかもしれないが、あまり説明している時間はなかった。
やがて中央付近でぴたり、と立ち止まると、
「……ここか」
石畳に剣を突き刺した。
弾かれる、と思いきや、すんなりと石畳の隙間に剣身が入る。
「……ユリウス様?」
「集中させてくれ」
不思議がるアンゼルムにそう言うと、彼は剣に魔力を込め始めた。
淡く白い光が剣から石畳へと吸い込まれるように流れる。
次第に剣を中心にずぶり、と沈むように石畳が崩れた。
ユリウスが剣を抜き取る頃には、深い闇に誘うような地下への階段があらわになっていた。
「……これは……」
「地下室……だろうな。おそらくかなり広い。気をつけろ」
二人は頷き合うと、ゆっくりと階下へ降りていった。
煉瓦造りの花壇に小ぶりの花が規則正しく並ぶ。
植え込みの奥にはガラス張りの小さな温室があった。
半分より下は曇りガラスなのか、中の様子は外からでは全く見えない。
「こちらです」
「……」
(先程の音もこの辺り……ならばここで間違いないだろう)
きぃ、と微かな音を立ててドアが開く。
中は一見、普通の温室だ。
石畳が伸び、中央に円形の空間が小さく空いている。
それ以外は全て何かしらの植物の鉢が所狭しと置かれていた。
貴族が観賞するためや、茶会を開くための温室もあるが、こちらは本格的に植物を育てるための温室なのだろう。
様々な種類の植物が煩雑に置かれている。
安全な植物もあれば、その隣に猛毒のため触れることすらできない植物もあった。
おそらく、育成方法で置き場所を分けているのだろう、とユリウスは構えながら思った。
「初めて入りましたが普通の温室……ですね……」
「ああ……しかし……」
ユリウスは石畳の上を数回、行ったり来たりを繰り返した。
アンゼルムの目には奇行に映るかもしれないが、あまり説明している時間はなかった。
やがて中央付近でぴたり、と立ち止まると、
「……ここか」
石畳に剣を突き刺した。
弾かれる、と思いきや、すんなりと石畳の隙間に剣身が入る。
「……ユリウス様?」
「集中させてくれ」
不思議がるアンゼルムにそう言うと、彼は剣に魔力を込め始めた。
淡く白い光が剣から石畳へと吸い込まれるように流れる。
次第に剣を中心にずぶり、と沈むように石畳が崩れた。
ユリウスが剣を抜き取る頃には、深い闇に誘うような地下への階段があらわになっていた。
「……これは……」
「地下室……だろうな。おそらくかなり広い。気をつけろ」
二人は頷き合うと、ゆっくりと階下へ降りていった。
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