婚約者と別れたら、五年後ヤンデレになって戻ってきてしまった!!

トリファンの留学、そして別れ

トリファンside

僕は無性に腹が立っていた。
なんで僕が愛している(本人に言ったことないけど…)婚約者を諦めて、父上の命令で留学しなきゃならないんだよ！

そして僕は腹の虫を収めるためにファルトを呼び出した。
それは、剣の稽古をして欲しかったからだ。(ついでに愚痴も…)

「ファルト。僕、父上命令でフェイと婚約破棄して留学しろって…」
とファルトに報告した。

それを聞いたファルトは
「はぁ～！？フェイを諦めて留学！？」と驚きと苛立ちが混ざった言い方をした。

「トリファンは、それでいいのかよ！」と言われた。

「言い訳あるか！一年前やっとの想いで一目惚れした女の子と婚約できたのに、何故別れなければならないのかが分からない！」と僕は怒った口調で言った。

「じゃあ、どうするの？婚約破棄してフェイが別の男と結婚するのを指くわえて見とく？」とファルトが聞いてきた。

「いや、婚約破棄も留学もする。だから留学している時にフェイが婚約か結婚させられそうになったら、ファルト止めててくれ。」と僕が言うと、

「えっ！？まぁ、いいけど…」とファルトが了承した。

フェイ、僕の可愛い可愛い初恋の子♡
婚約破棄するけど、絶対またフェイとくっついて見せる！！
だから待っててね♡

「ありがとう！持つべきものはフェイの双子の兄の僕の親友だな！」
と言い回しが多い一言を言うと、

「わかりにくい！」とファルトに言われた。

ｰ数日後ｰ
フェイに婚約破棄のことと留学のことを伝えた。

フェイの泣きそうな顔を堪えて僕に笑顔で『ありがとうございました』と言ってきた瞬間、僕の中の何かがプツンと音を立てた。その正体が何かは分からなかった。

「フェイ、今までありがとう…これからも愛称で呼んでね♡」と言うと、

フェイはキョトンとした顔で
「よ、よろしいのでしょうか？婚約者でもない私が愛称呼びしても…」と聞いてきた。

ああああああああぁぁぁ、なんて可愛いんだ。上から目線で物を言ったら何でも叶えたくなるな…
とか思いながら

「ああ、フェイだけだよ？特別な子だから(♡)」と言った。

「リファン、ありがとうございます！」と微笑みながら言ってきた。

そのフェイの顔を見ながら、
こんな顔を僕以外の男に見せると惚れてしまって結婚させられてしまいそうだ……
隠しておいたほ………
いやいや、僕は婚約破棄したのに…
と思っていた。

フェイと別れ、自宅の自室に戻ってくるとフェイから貰った手作りクッションを抱きしめてフェイのことを考えながら悶々とベッドをゴロゴロした。

フェイは、可愛い！
僕の何年になるか分からない帰国までに結婚してるかも…
ファルトはいるが、やっぱり破棄なんてすべきじゃなかったか…？
せめてフェイが僕のこと好きかどうかわかっていたら……
とかフェイのことについて考えていた。