婚約者と別れたら、五年後ヤンデレになって戻ってきてしまった!!

五年後…

フェアラside

リファンが隣国に旅立ってから五年後…
あれから私は、五人程の男性に求婚された。しかし、どの方もファルのお眼鏡にかなう相手ではなかったみたいで全部断られた。
ほとんどが諦めるのにカルケア・ジュアシン様だけが諦めてくれなかった。

ｰ公園ｰ
「やあ、奇遇だね！フェアラ嬢♡」とやってくるカルケア様。

「…カルケア様？私何もお約束していませんよね？」と聞くと

「うん！僕がフェアラ嬢に逢いたくて♡」と言った後に

「僕の求婚、いつになったら受けてくれるの？」と質問が返ってきた。

「…お父様は、カルケア様とは結婚してはならないと…仰ってですね…」と私。

「なんで？僕は、侯爵家の跡取りだよ？将来有望だよ？」と質問攻めにされながら

確かに…我が伯爵家よりも格上の侯爵家からの求婚は家にとってもいい条件のはずなのに…なぜお父様とファルは渋っているのかしら…？
とか考えていた。

「申し訳ありません…私には少々わかりかねますわ。」と言い、挨拶をしてその場を後にした。

家に帰ると

「フェイ！大変だ！トリファンが帰ってくるよ！」と急にファルトに言われた。

「えっ…！？」と驚いた私は

「ぃぃぃいいつ、か、帰ってくるの？｣
とどもりながら言った。

「ん～？手紙によると一週間後みたいだね～」とファル。

何慌ててるのよ…私。もう既に婚約者では無いんだから慌てる必要ないわ…
はぁぁぁぁ…リファンとの再会楽しみにしてたのバレたら重いよね…

「そ、そう。…ファル？私は、どういう立ち位置にいたらいいのかしら？」と困った私は、質問した。

「ん～、おかえりなさいと言う立ち位置でいいんじゃない？後はトリファンに任せればOK！」とファル。

「そうよね！そうするわ！ありがとう、ファル！」と私は、返した。

ｰ一週間後ｰ
私は、ファルと一緒にガンダーレ公爵家を訪れていた。
何故かカルケア様がいらっしゃいましたが…

「お久しぶりです、ガンダーレ公爵閣下、公爵夫人。」とファル。

「お久しぶりです。五年ぶりですね。」とだけ私。

カルケア様は、何も言わずにペコッと頭下げただけだった。

「ようこそ。ファルト殿、フェアラ嬢。」と公爵。

「確かに、五年ぶりですね。お久しぶりです。」と公爵夫人。

｢ところで、カルケア・ジュアシン殿は何故ここに…？｣と公爵。

「ええ、そんなに我が家の息子と仲がよろしかったでしょうか？」と公爵夫人。

「ははは…」と乾いた笑いのカルケア様。

話を変えるように
「ところで、いつ頃到着ですか？トリファンは…」とファル。

「ああ、もうすぐ着くはずだ。」と公爵。

「一時帰国とかもなかったのですか？」と私が聞くと

「ええ、隣国で勉学に励んで欲しかったから」と公爵夫人が答えてくれた。

「五ぶりか…」と呟いた私。

五年ぶりにリファンに逢うのか…私今の今までリファン以外に恋愛もしてなければ、他の人と結婚してない…まだ未練があるかと思われるかしら…
でも、未練がましいけど、好きな気持ちを消せない…
とか考えてた。

「おーい、フェイ…？またぼーってしてるね笑」とファルが私の目の前に出てきた。

「ごめんごめん…」と謝った後、

「ちょっと考え事を…笑」と笑って言った。

ファルも
「フェイらしい笑」と笑った。

そうこうしているうちに執事が部屋に入ってきた。

「トリファン坊っちゃまとティリアお嬢様がお着きになられました。」と言った執事の後から、その二人が部屋に入ってきた。

「お久しぶりです。父上、母上。」とリファンが公爵と公爵夫人に挨拶した。

「ああ、久しぶりだね。リファン。」と公爵。

「久しぶりね。リファ～ン♡」と公爵夫人。

それから
「ファル、フェイ♡久しぶりだね。」と私たちにも言ってくれた。

「ああ、久しぶり。トリファン！手紙のやり取りもしばらくしてなかったから本当に久しぶりな感じがするよ。」とファル。

「トリファン様、お久しぶりですわ。五年って意外と長いのですね。」と私。

「えっと…それから君は…カルケア殿か…」とちょっと濁した感じに言ってから

「なんでここにいるの？」とカルケア様に質問するリファン。

「…いや、フェイに着いてきただけ」と普段絶対言わない私の愛称を言われた。

「フェイと…？」と何故か疑問形で怒っているように見えた。

「あ、あの…後ろの女性は誰ですの？」と私は、話を変えた。

「…ああ、私の従妹のティリア・ウェルストンだ。母上に久しぶりに会いたかったみたいで着いてきた。」と淡々と説明するリファン。

「改めましてティリア・ウェルストンと申しますわ。この五年間、トリファンは私の家で過ごしていたのですわ。だから、もう婚約者と言ってもいいですわよね？」と謎の自己紹介をした。

婚約者と聞いて私は、少しだけ(本当は結構)落ち込んだ…。

「はぁぁぁぁ…！？ティリア嬢！！第一その婚約者というのは僕は承認してないし、君のことは従妹としか思えないって言ったはずだよ！！」とリファンが抗議した。

それを聞いて、ホッと胸をおろした。

ホッとしたのも束の間…

突然リファンが私の前に来て

「フェイ♡！五年離れてやっぱり僕には君しかいないよ…僕と結婚して欲しい…」と言ってきた。

「………」と私は状況を飲み込めなかった。

えっ…、今私プロポーズされたの…？五年離れるから婚約破棄したの!?…五年後にプロポーズし直すのね……今のプロポーズをどうしたらいいのやら……
と思考停止して考えた。

結果、

「すみません…大変ありがたい申し出ですし、今までお世話になったのですが……お断りさせていただきますわ。トリファンさま…」と私は、きっぱりと断った。

リファンもファルも公爵も公爵夫人驚いた顔をしていたけど、

私は、
お辞儀をして

「ファル、もう帰らないと怒られてしまいますわ。」と言った。

「ああ、帰るか…」とファル。

「少々お早いですが、帰らせていただきますわ。」と私。

「ああ、我が息子のためにわざわざありがとう。」と公爵。

「また来てくださいね。」と公爵夫人。

そして今もまだ固まったままのリファン。

私は、ファルと一緒に帰って行った。