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白兎編
5-2.白兎はきゅうと鳴く
しおりを挟む「ぁ、ン、ンん、ぁあッ…」
口の端から溢れた唾液が幾つも染みを作って椿の着物に落ちている。
四つん這いになった私を後ろから何度も何度も突き上げる椿の手のひらの温度がとても熱い。
以前よりも冷たくなった風が通り抜けて私たちの表面の温度を下げようとする。
障子を閉めようとした私を椿は止めたから、夜空は私たちのことを見放題だ。
嫌だな、恥ずかしい。でも…。
「はっ…うさぎ、気持ち善いのは分かるが、あまり締め付けるなよ」
「だって、椿が…っ……ぅ、んっんっ…」
「良いね、お前がきゅうきゅう吸い付いて来るのが良く見える…」
「ぁ、さわ、っないで…!」
椿と繋がった入り口をなぞられ、背筋がぞくぞく鳴いた。
椿はそれを愉しむみたいに、指先を移動させていく。
尻から太股、腰を撫で上げて背骨を一つずつ、一つずつ。
--いやだ、止まらないで、もっと奥を突いて欲しい。
腹に力を入れて思い切り収縮させてやると、一瞬息を飲んだ椿が忌々しそうに腰を大きく動かした。
「あッ…!」
「締めるなって言っただろ…!」
「ひ、ぁ、あ、やぁ…!やだ、待って、ひ…ッ」
「違うだろ。うさぎィ、お前が言うのはもっと、だ」
「ま、待っ、待って、ぇ、あッ…」
「おら、欲しがれよ。くれてやるから言え!」
しまった。
私は直ぐに数秒前の私を後悔した。
だらしなく喘ぎながらうわ言みたいに待って、と言っても、椿は少しも責めを緩めなかった。
「ほら、ほら、ほら!早く言えよ、うさぎ」
「ぁ、待、って…!むり、ぃ…も…ッ!」
「まだ欲しいだろ。ほら…!」
椿はもう私の全部を知っているみたいで、後ろから抱き締めるようにして奥の奥の善いところを何度も何度も抉ってくる。
ああ…頭が弾け飛びそうだ。
上がってくる。熱いものが上がってくる。
もう弾けたい。はやく、はやく、はやく。
縋るように頭を捻って椿を見た。
「もう、イかせてぇ…!」
「どうやって?」
「椿ので、突いて…、もっと、おく…欲しい…ッ」
「はっ…幾らでもくれてやる。お前が欲しいだけ搾り取れよ…っ」
椿の力強い腕に抱き起こされ、そのまま下から貫かれた。
自分の体重のせいで、更に深く、もっと強くと椿を求めてしまう。
ちゅ、く、じゅる、ぐ、ちゅ。
激しい口付けを交わす。
無理矢理後ろに捻った首筋は苦しい筈だけれど、そんなことより椿が欲しい。
「んっ、んっ、んんん…ッ」
「…出すぞ…っ」
「ぁ、ンっ…おくに、出して……っ」
ど、くん。ど、く、どく。
熱いものが弾けて、注がれる感覚がして、私も白濁を吐き出した。
下腹があたたかい。
身体にはもう力が入らないけれど、何だか酷く満たされている気がする。
ぐったりと椿に身体を預けると、椿がまた後ろから私に口付けをした。
薄く唇に触れると、耳たぶを食み、首筋に吸い付く。
両の指が私の胸板を撫でて、突起を突ついた。
--ん?待て、これは。
「椿っ…!何してるんだ!」
「何って、お前がまだ足りなそうだからな」
「何処見てそんなこと、ッ、やめ…!」
「ほら、これは何だ。全然萎えてないじゃないか」
椿に言われて自分のものを見ると、相変わらず月がそれをくっきり映し出していた。
自分の出したものに濡れてぬらぬら光っている。
「っ…なん、で…でも、もう無理…っ」
「やらしいな、うさぎは。いいよ、お前が欲しがるだけくれてやるって、さっき約束したからな」
「そうじゃな…あぁん…」
私の中でまた大きくなっていたものを引き抜いて、椿は私を着物の上に転がした。
まだ足りないなんて、でも、椿の言う通りなのかも知れない。
椿が居なくなって淋しいんだ…身体の奥が物足りない。
「欲しいだろ…?」
「……っ、んっ…」
「うさぎ…」
「つばき…?」
「お前が此処に居るなら、俺はもう何でも良い…」
触れた椿の胸の皮の、更に内側に触れられたような気がしたのも束の間で、私は直ぐに快楽の波に飲み込まれた。
今度は昨日と同じ体勢で、椿に上から抱きすくめられて。
また薄い布一つにしがみついて、私は喘いだ。
「うさぎ、善いか?」
「んっ…いい…」
「もっと気持ち善くしてみせろ。自分で扱いて喘ぐんだよ」
「ひっ…、あぁああ…」
右手を取られて私のものを握りこまされる。
何をすれば良いのか考える間も無く、私は気持ち善くなるまま手を動かした。
椿に奥を突き上げられながら自分で善がる。
そんなみっともないところ、誰にも見せたくないのに、椿が見ているから堪らなく気持ち善くてもっと見て欲しくて、私は足をいっぱい拡げてみせた。
「ね、つばきは…気持ちいいかい…?」
「ああ…」
「また奥に注いで…ねぇ…椿、これが愛…?」
「……そうだよ。俺とお前だけの、くだらない秘め事だ」
月が見ているよ。
夜空が知っているよ。
椿、椿の言うことはよく分からないけれど、椿はたくさん教えてくれるから。
私の知らないことを教えてくれるから。
「あっ、あ…ぁ、いっ…きもちいいっ…」
「うさぎ…っ」
「つばきぃ…ゃ、あ、あァア…ッ」
椿は私の中に注ぎ込んで。
私は私の腹の上にぶち撒けて。
どろどろでぐちゃぐちゃの私を、椿はもう一度綺麗だと言った。
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