元厨二病な俺、異世界に召喚される!

回復師

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神竜誕生編

2-4 フェザードラゴン誕生

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 多重詠唱で生活魔法の【ライト】を使って3つの光球を創り出した。光源が3つもあるとかなり明るい。
 階段を下った先には広い空間があった。20m程の空間の中央に1m程の大きな卵が乗っている台座と、ここの結界を維持している水晶の乗った台座が並んでいる。卵を見た瞬間俺は帰ろうと思ったのだがナビーに怒られた。

『……何帰ろうとしているのですか! フェイちゃんずっと待ってたって言ってるでしょ! 酷くないですか?』
『だって卵から育てるとは思ってなかったんだもん! 流石に卵から育成とか、たまごっちじゃあるまいし面倒くさいと思っても仕方ないじゃん!』

『……忘れているようですね。自分がそうしたくせに……』
『え? また俺なの? 記憶にないんだけど? フェイの事は結構拘ったから覚えている筈なんだけど?』

『……マスターの魔力で孵る仕様でしょ。それに刷り込み仕様にしたのじゃないですか?』
『あ! そうだった。思い出した、当時後ろをちょこちょこ付いてくるひよこをイメージしてたんだ。今思うとドラゴンなのに鳥仕様になってしまっている可哀想な奴だな』

 卵に手をかざして俺の魔力を開放する……直ぐに卵にヒビが入り、中から白いものが俺の胸めがけて飛び込んできた。

「ぐぇっ!」

 2mほど俺は吹っ飛ばされていた。しかも120程ダメージを食らっている。
 この世界に来て初のダメージだ……騎士の訓練ですら痛みはあってもダメージは無かったのに恐ろしい。

『ピィー!』

 卵は1mほどもあったのに中から出てきたのは30cmほどのパールホワイトに近い白い鳥だった。
 ドラゴンなのだが鳥っぽい……。羽毛がふさふさ生えていて、翼にあたる部分が天使の羽っぽくなっている。冬のふわたくれた雀のように愛らしい。触れるともこもこのふさふさなのだ。

 これはヤバい! ずーっと触っていたくなるほどの手触りだ。

『フェイごめんな、俺の痛い設定のおかげで6千年も眠らされていたんだってな』
『ピィー!』

『ピィーしか言えないのか? 会話ができないのは残念だな。しかしもっと色々設定していたと思うんだが? 他の竜神のように人化や巨大化もできたはずなんだけどな』

『……神竜ですのでしゃべれるはずですが? どうしたんでしょうね? 眠っていたと言っても微睡みの状態、この世界の事は時々ユグドラシル経由で情報を得ているはずです。目覚めてマスターの足を引っ張る存在なんてユグちゃんが許すはずがないのです』

 とりあえず従魔契約しようと思ったら、既に勝手に契約されていた。
 どっちからも申請を送ってないし了承もしてないのにどういう事だ?

『……フェイは最初からマスターの従魔になるべくしてこの世界に存在しています。もはや契約の必要もないほど深く縁ができているのでしょう』

 神竜もちゃんと【クリスタルプレート】あるんだな、どれどれステータスどんなだ?


 《フェイ》
  主神:創造神龍馬
  HP:1000
  MP:2000
  レベル:1
  種族:神竜 (フェザードラゴン)
  性別:雌
  年齢:15
  職業:龍馬の従魔

  攻撃力:300
  防御力:200
  敏捷力:500
   知力:200
  精神力:200
    運:100
  魅力 :500

『おいおい、これレベル1とかの数値じゃないだろ。なんか俺より凄くないか?』
『……仕方ないのかもしれないですね。マスターのボディは女神謹製ですが、フェイの体はマスターが創り込んだマスター謹製なのですから。それと従魔をテイムした時に従魔用のステータス画面は現れますが、魔獣に【クリスタルプレート】は存在しませんので人前でフェイの【クリスタルプレート】を出すのは禁止でお願いします』

 神獣と魔獣の違いか……魔獣と違って神獣には魔石もないしね。
 なので神殿の結界石の影響は全く受けない。

 とりあえず初期の段階からレベル上げ時のドーピングはしておくか。

 【スキルコピー】で、獲得経験値増量・獲得SP増量・獲得AP増量・獲得熟練度増量を与えておく。

『卵から孵ったばかりなのになんで年齢15なんだよ。めちゃくちゃだな』
『……マスターと理由は同じですね。体に完全に馴染むのに2年ほど成長して17歳で成長は止まります。卵はあくまでマスターがフェイを創造された時のイメージだから突っ込むのは自爆です。ブーメランです』

 とりあえず今日会得したAPを使って優先的に経験値増量系を各レベル3に上げておいた。
 SPも余っている事だし防御力と知力を100程上げた。

 《フェイ》
  主神:創造神龍馬
  HP:1000
  MP:2000
  レベル:1
  種族:神竜(フェザードラゴン)
  性別:雌
  年齢:16
  職業:龍馬の従魔

  攻撃力:300
  防御力:300
  敏捷力:500
   知力:300
  精神力:200
    運:100
  魅力 :500

 獲得経験値増量レベル3
 獲得SP増量レベル3
 獲得AP増量レベル3
 獲得熟練度増量レベル3

 3人の女神の加護と祝福は付いてるようだな、俺のも付けとくか。
 魔法はまだ全く使えないようだ。レベル1だからその辺は俺の時と一緒か。
 後はちょっと様子見だな……神竜の頂点とか言ってたし全属性使えるようだから、育て方次第でかなり強く育つはずだ。

 フェイがどっかに行ったかと思ったら部屋が明るくなった。どうやら照明装置がちゃんとあったようだ。
 神殿内を散策して分かったのだが、地下なのに水神殿のようにすべて揃っていた。
 巫女用の居室が20部屋、厨房に食堂、風呂場にトイレ、ちゃんと禊場と祭壇場まであった。

 先々は神竜としてちゃんと巫女たちに崇められるのかもしれないな。

『フェイ、外はもう暗くなってきてるから、今晩はフェイの神殿に泊めてくれな』
『ピィー』

 いいってことだよな? ピィーしか言わないのはやっぱちょい不便だな。
 俺はフェイの動画を撮った、もちろんナナに送るためだ。

『さて夕飯にするか、フェイは初めてだから俺の時のように白湯とかがいいのかな?』
『……もともとフェイに食事は要りません。他の神竜たちと同じく信仰心が糧になります。ですが人に認知されていないので信仰心は入手できないので今は従魔としてマスターからエネルギーを摂取しています。魔獣が従魔契約する理由の一つですね。安全に糧を得られるというのはそれだけで魔獣にとっては魅力的な事なのです。食事に関しては人間と違いますので、特に問題ないと思います。ミックスジュースなんか良いと思いますよ』

『そうだな、フェイはミックスジュースと牛乳でふやかしたパンにするか。明日何とも無いようなら普通に俺と同じものを与える事にしよう。フェイご飯にするぞ、初めての食事だからゆっくり食べるんだぞ。急にがっつくとお腹がびっくりするからな』

 フェイは美味しそうにミックスジュースを飲みながらパンをもぐもぐしていた。
 ヤバイ! 可愛過ぎる! これも動画で記録せねば!

 フェイにとって初めての食事だったがとても満足してくれたようだ。

 夕食後に入浴設備をチェックしたら問題なく稼働するようだ。
 【ハウスクリーニング】で念のためにきれいにして、大きめの浴槽にお湯を張った。
 折角なのでゆっくり足を延ばして入りたかったのだ。

『フェイお風呂に行くぞ、パッと見汚れていないようだが生まれたてのイメージがあるから綺麗に洗うからな』

 フェイはお風呂と聞いて逃げようとしていたので速攻で捕獲した。

『こらフェイ、俺と冒険を一緒にしたいなら基本毎日お風呂に入ってもらうぞ。俺は綺麗好きだし臭いのは嫌いだ。魔獣を狩って泥や返り血やらで汚れてるのに、風呂ギライとかで入らなかったらテントや家には入れてあげないからな』

 確保したフェイを強制連行し、先にフェイから洗う事にした。シャンプーを水で薄めて羽が折れないように優しく全身を洗い上げた。勿論リンスも行った。体だからボディーソープの方かな?とも思ったが、うちの犬はシャンプーとリンスだったのを思い出しそうした。

 俺も全身洗い終えて浴槽につかってくつろいでいたのだが、目の前をフェイが羽毛を膨らませてアヒルのように浮いて泳いでいるのだ。

 ヤバイ! 可愛すぎる! 勿論、速攻動画に収める。

 フェイは初お風呂もどうやら気に入ってくれたようだ。

 お風呂から出た俺はフェイの羽をきれいに乾かしてやったのだが、乾いた後のフェイの羽は凄かった。
 モフモフで、ヤワヤワで、フワフワなのだ……あ~癒される♪

 10分ほど放心したようにモフモフしてしまったのだが、フェイは逃げる事も無くモフられてくれていた。
 むしろ気持ちいいのかうっとりしたような感じで頭を擦りつけてくる……もっと撫でれと言ってるようだ。

 巫女用の部屋の一室を借りたのだが、毛布やシーツも当然無かったので、インベントリから出して自分でセットした。フェイの寝床はどうしようかと考えていたら俺がセットしたベットにさっさともぐりこみやがった。綺麗に洗ったから良いけど、あまりごぞごぞと寝ている時に動かれるのも嫌だなと考えたのだが、生まれたてだし様子見で1日寝てやるかと諦めた。


 さて寝る前にメール報告だ。

 ・森に入って100体程狩って今日は3レベル上がった事
 ・森の中で30体程の小規模なオークとゴブリンの集落を発見し明日それを狩る予定の事
 ・森の中で竜の希少種を従魔にした事

 どこの森とか神殿の事は伏せたが、女神たちにはこれで現在位置がばれただろう。
 いつものメンバーに安否報告のメールを送る……勿論先程のフェイの動画もいくつか貼り付けた。

 メールを送って5分もしないうちにコールが鳴った、今日は予想してたけどね。

「リョウマ! なんなのじゃあれは!? あの珍妙な可愛い生物はどうしたのじゃ!」
「今晩はフィリア様、とりあえず落ち着いてください」

「フィリアじゃ! 何度も言わせるでない! それよりあれは何なのじゃ? この山のふもとにそのような生物がおるとは聞いた事が無いぞ? 神竜の森に竜が居るかもと昔噂された事はあったが、もしやそれなのか?」

「女神が言うには、この子は世界に一匹しかいない竜の単体種だそうです。それ以上の事は秘密だそうですのでこれ以上は聞かないでください」

「また秘密なのか……其方は秘密が多いのう」
「リョーマこんばんは、ナナだよ」

「ナナ、あれ可愛いだろ? 小っちゃいけどフェザードラゴンって希少種の竜だぞ」
「うん、可愛いね。でも鶏みたいに小っちゃいからリョーマの邪魔にならないかな? 庇ってリョーマが怪我しないかが心配だよ」

「見た目あんなんだけど、あいつ、めちゃくちゃ強いんだぞ。俺が育てるんだからとんでもなく強くなるはずだ。たぶん次ナナと会う頃にはナナじゃ絶対勝てないくらいに強くなってるぞ。一応竜種だからね」

「ナナ、鳥になんか負けないもん! リョーマの一番弟子はナナだからね」

 変に煽ってしまい、ナナがライバル心を持ったようだ。

「ナナは真面目で素直だから強くなれるぞ。回復魔法のオリジナルもそのうち考えるから、できたら教えてあげるからな。今はフィリア様から精細な魔力のコントロール方法のコツや、毎日練習して熟練度を上げるのがナナの目標だな」

「わかった、ナナ頑張るね」

「今日もたくさん移動して、魔獣もたくさん狩ってレベルが上がったからちょっと疲れてる。明日も朝一番でゴブリンの巣を狩る予定だからそろそろ寝るな」

「うん、リョーマ無茶しないでね。おやすみー」
「ふむ、気を付けるのじゃぞ。弱いからといって油断せぬことじゃ。おやすみなのじゃ」

「はい、おやすみなさい」

 通話を切った俺はちょっとだけ気になることがあった。いつもナナを気にかけて一緒に居るサクラが昨日も居なかったのだ。やっぱ黙って出てきた俺の事を怒ってるんだろうな。メールはくれているのだが、サクラからのコールは無い。昨日も今日も夜の会話に来ていなかった事を考えたら、怒っているのだろうと結論付けた。

 ここで考えても今更仕方ないし、サクラの事はそのうちフィリアに聞くことにする。
 企業や政治家がよくやる問題の先送りだ。

 俺に引っ付いて既にすやすや寝ているフェイを少し横に移動させて俺も寝ることにした。 
 忘れないように【痛覚無効】をONにしてと……フェイ、ナビーおやすみ。

『……おやすみなさい、マスター』

 今日も無事一日を終え、仲間を手に入れ眠りにつくのだった。
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