元厨二病な俺、異世界に召喚される!

回復師

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神竜誕生編

2-9 ガスト村 2 桜のお許し

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 風呂から上がり部屋に案内されベッドに転がったらすぐに眠気が襲ってきた。
 この数日走りっぱなしで自分が思っているより体に負担があったようだ。

 なんとかフィリアたちにメールを送ったが、それが限界だった。
 メール後直ぐにコールが鳴っていたがスリープモードにして眠らせてもらうことにした。明日謝ればいいだろう。娯楽の少ない巫女たちが、俺の今日の冒険譚を聞くのを楽しみにしているのはなんとなく解るのだが、今日は本当に勘弁してほしい。既に寝かかっているフェイにガジガジ禁止と釘を刺して俺も眠りに入った。


 朝方お約束のようにフェイに起こされた。
 昨日はレベルアップも無かったので、痛覚遮断系のスキルは発動していなかったからすぐに目覚めてしまった。

 シーツをそっと捲ると、人化しているフェイが眠ったまま俺の指を銜えて幸せそうな顔でガジガジ甘噛みしている。

 うっ、めちゃくちゃ可愛い……しかも全裸でこっち向きに寝ているので、横向きになって少し押し潰れた胸がこれでもかと俺の理性を誘惑してくる。

 Cカップはありそうな形のいい美乳の先端は、アルビノ種の所以なのか桜色と言っていいほどの美しい色をしている。

 そっとその美しい先端に俺の拘束されてない方の手を伸ばし、指で摘まんでキュッと捻りあげた。

「ひゃっ! 痛い! 兄様なにするんですか!」

 強い痛みで一瞬で目覚めたフェイは涙目で自分の胸の先端を押さえている。
 まだ少しジンジンとしているのだろう、軽い痛みに耐えているようだ。

「お前こそ何してるんだ! 裸になって俺の指銜えて何しているんだ? 口の周りよだれが垂れてるぞ!」

 言われて口を拭ったフェイは確かに涎が垂れてべとべとだった。
 顔を真っ赤にして俯いているが、3回目だから今日は許さん!

「昨日寝る前に約束したよな? 俺は何と言ってた? 言ってみろ」
「今度指ガジガジしたら床で寝かすって……ごめんなさいもうしませんから。床は嫌です!」

「もうしませんは毎回言ってるよな? なんで起こしちゃいけないかの理由覚えているか? 言ってみろ」

 フェイはしくしく涙を流しながら答えない。
 答えられないほどショックなのか、そもそも俺の話を適当に聞いてて覚えて無いのか、どっちなのかで対応も変わってくる。

「泣いてもダメだぞ、答えられないなら床で寝る以外にもさらに罰を与えないとな」
「兄様はこう言っていました。『生き物は睡眠が十分とれると勝手に目覚めるようになってるが、逆にまだ目覚めないという事は体が睡眠を欲しているという事なんだぞ。睡眠は疲れを取るための大事なプロセスなんだから邪魔しちゃダメだ。HP・MP回復も睡眠中がメインだからな』……ごめんなさい」

 スゲー! 一言一句覚えてるじゃないか。という事はやはり無意識化でやっちゃったんだろうな。
 う~ん、どうしようかな……睡眠を毎日邪魔されるのは嫌だけど、態とじゃないようだし、本当に反省しているのにあまり強く怒るのもなんかなー。

「床で寝るのは許してやるが、次から部屋は別にとることにする」
「嫌です!」

「何我がまま言ってるんだよ。そもそもフェイが安眠妨害しなかったら問題なかったんだろ。部屋代が別にいるし野営だってベッド2つ置けるログハウスに改造したら広い場所を確保するのに面倒になるんだぞ」

「絶対イヤ! もう1人は嫌! 兄様、フェイを一人にしないで!」

 そう言って俺に抱き着いてきたフェイは少し震えていた。

『……マスター、おはようございます。フェイは6千年間眠っていると言っても微睡んだ状態で意識はあったのです。いつ迎えが来るか、本当にマスターが迎えに来てくれるのかも分からない状態で孤独に耐えてきたのでしょう。一人にされることに恐怖心すら有るようです。神竜のくせにダメダメの甘えん坊ですね』

「はぁー、まいったな」

『……それにフェイが指を噛む衝動もちゃんと理由があります。よく生まれたばかりの子犬や猫の赤ちゃんなどが一緒に居る兄弟の耳や尻尾をガジガジしているのは安心感が得られるからのようです。人間の赤ちゃんなどはお母さんの乳首を吸う事で同じような安心効果が得られるようですね。赤ちゃんに与えるおしゃぶりなんかも癖を利用して安心感を与え、泣きぐずるのを防いだりしているじゃないですか』

 ナビーが子犬たちが兄弟の耳をガジってる動画を俺のタブレットに送ってきた。
 どうやらナビーはフェイを庇いたいようだな。

「仕方ないか、神竜と言っても生まれたばかりで、見た目は少女でも外の世界は数日の経験しかないんだよな。見た目で勝手に俺がどきどきしているだけでフェイにとっては俺は親みたいなものだろうしな」

 フェイは不安そうに俺に抱き着いて裁きの決定を待っているようだ。

「フェイ、この件に関してはお咎めなしだ。ナビーに感謝するんだな。でもこのままだとお前は俺の足を引っ張るだけの可愛いペットにしかならない。食事の世話・寝床の世話・お風呂・移動もそうだな。俺の騎乗用従魔枠なのに、すぐ俺の肩に乗ってるしね」

 フェイは言われてみて、全部俺の世話になっているのを痛感したようだ。

「今日は雑貨屋に行ってフェイの服と下着を買う事にする。竜の姿だから俺の手が要るわけで、人化すれば全部自分でできるだろう? この村にいる今日一日は仕方ないが、この村を出たら人化状態で常にいるように」

「じゃあ兄様とこれからも一緒に寝てもいい?」

「ここは個室だからベッドは1つしかないが、今後双子の兄妹という設定でいく予定だから、部屋は一緒だがベッドは別にある。兄妹は普通一緒に寝ないから違うベッドで寝るように」

「……分かりました」

 少し残念そうにしてるが、俺にこれ以上怒られないように従ったようだ。
 あまりしつこく怒るのは嫌いだから話題を変えてあげた。


「アイタタ……やはり少し筋肉痛になってるな。体がビキビキする。フェイは大丈夫か?」
「あっちこっち痛いです!」

「でも起きるには少し早いな。もう一眠りするぞ」

 フェイに俺の寝巻用のシャツを着せて一応ヒールを掛けて二度寝することにした。

 良い匂いだ……フェイにもナナと同じようなリラックス効果と睡眠導入効果があるようだ。
 すぐにウトウト眠気がやってきてお互いに寝むれたようだ。

 二度寝をしてから3時間ほどで俺の方が先に目覚めた……まだあっちこっち痛い。

 ふとある事を思いついたので、試してみることにする。


【魔法創造】
 1、【魔力感知】
 2、・周囲の魔力を感知できるようになる
   ・【周辺探索】に連動させ表示できる
   ・ゴーストや擬態や隠形などで姿を隠している敵も発見できる
   ・体の魔力の流れを見ることができる
 3、イメージ
 4、【魔法創造】発動 


【魔力操作】
 ・体の魔力の流れを操作できるようになる
 ・魔力の流を良くし疲労回復や傷の直りを早くすることができる
 ・魔力の流を良くしHP・MP回復を早くすることができる


【ボディースキャン】
 ・体をスキャニングし異常個所を詳細に分析する事ができる
 ・魔力の流れをより詳細に見れるようになる【魔力感知】のレベルが反映される
 ・スキャニングした詳細はタブレットや網膜上に表示できる
 ・表示はスキャン対象の人型模型に色別で表示され横に異常状態や病名が注釈される
 ・赤色:生命に危険水準、すぐに対処が必要なレベル
 ・黄色:何らかの状態異常中、対処が必要なレベル
 ・桃色:何らかの状態異常中、危険はないが注意は必要なレベル
 ・黒色:魔力の流れが滞亭っている箇所


【アクアフロー】
 ・体の魔力の流れを操作し、滞りのある場所の流れを良くする
 ・魔力の流を良くし疲労回復や傷の直りを早くすることができる
 ・魔力の流を良くしHP・MP回復を早くすることができる
 ・ヒール魔法を魔力の流れに練り込み体に浸透させることができる
 ・痛みを軽減しリラックス効果を与える


 【アクアフロー】はフィリアのオリジナルなのだが少しいじらせてもらった。
 上手くできたかな……フェイで確認してみるか。

 全裸にして魔法発動【ボディースキャン】おお! 成功だ! どれどれちょっと拝見。

 広範囲で桃色に表示されている。特に肩甲骨付近がより色濃く出ているようだ。
 黒表示が4カ所ある……丹田といわれるお腹の中心付近と足の裏、前頭葉付近に流れが悪い個所があるようだ。

 自分にも【ボディースキャン】を掛けてみたがフェイより酷い状態だった。
 筋肉の強化には破壊と再生がいるらしいが、この世界はレベルでステータスが強化される世界なのだ。無理しなくても勝手に上がるのだから今後は移動も適度に進むことにしよう。万全の状態でない時に敵に襲われる方が危険なのを考えないといけなかったのだ。この村は安全そうだから今後に生かすようにしよう。

『ナビーおはよう。なにか異常はないか?』
『……おはようございますマスター。特に変わったことはないですね。少し気になったのは昨日巫女たちが寂しそうにしてたぐらいですかね』

『ああ、そうだった。眠くてコール無視したんだったな』

 現在7:00か、朝食を終えて片付けの時間だな。出てくれるかな……。
 勇気を出して、サクラにコールしてみる……出てくれなかったら朝から凹むがどうだろう……。

『……サクラか? その……黙って出てきて悪かった。ちょっと急な事情ができてナナとカリナさんしか伝えて無かったんだけど……』

『……』

『あの……やっぱ怒ってる?』
『はい、怒ってます』

『ですよね。許してくれないかな?』
『ナナとカリナさんには伝えてお別れをしたのに、私とフィリア様に黙って出て行ったのはどうしてですか? お見送りが恥ずかしいとかはなしですよ』

 うっ、しっかり先に釘を刺された。
 フィリアもサクラもすぐ嘘がばれるから怖いんだよな。フィリアはそれでも見過ごしてくれるけどサクラはそういうの許してくれなさそうだ。

『それが言えないから黙って出てきたんだけど、それじゃやっぱりダメ?』
『私に理由を聞く権利は無いので、言えないなら仕方ないです……』

 やっぱり真面目なサクラは納得できないか……この娘には嫌われたくないんだよな。

『今、そこには誰もいない?』
『はい、私だけです』

 少し長くなるけど……と前置きして、ある程度言葉を濁して話した。

『カリナさんの信仰値が俺のせいで83まで下がっちゃったんだ。そのまま俺がそこにいたら80を割ってカリナさんがそこに居られない事態になってしまう。オーク討伐の時にカリナさんが俺と少し揉めたの知っているだろ? 俺に殺気を向けて、その時俺が言った言葉のせいでずっと後悔して引きずっていたようなんだ。俺とカリナさんの仲が改善されるほど、彼女の後悔度が上がっていって……これ以上は1日もやばいかなって思って急遽そこを離れたんだ。俺が離れれば回復するのは解っていたからね。ネレイス様に監視してもらっているのだけど、今は86まで回復したようだし、結果的にこれで良かったんだと思う。フィリアとサクラに言わなかったのはすぐウソがばれちゃうから、カリナさんの前で理由の真実が分かっちゃったら、それこそカリナさんがダメになるかと思って黙って出てきた。この事は皆には内緒な、サクラを信じてるから言ったけど、真実を知っている人はできるだけ少ない方がいいからな。この事を知っているのはサクラ以外ではネレイス様だけなので本当に他言無用で頼むな」 

『あの……ごめんなさい。思っていたより重い話でした。知らない方が良かったかもですが、私、誰にも言いませんから。リョウマさん、教えてくれてありがとう』

『カリナさんのプライベートな事だから言いたくなかったんだけど。俺、サクラには嫌われたくないからね』
『リョウマさん、一人で危険はないのですか?』

『今の所、魔獣からダメージは1ポイントも食らってない。唯一食らったダメージが俺の従魔になったあの可愛い白い竜なのだけど、あの竜は使徒用に用意されてた単一種でめちゃくちゃ強くなりそうなんだ。だから今の所心配はないかな』

『私とフィリア様なら使徒のパーティに入れる可能性があるのですよね?』
『可能性というより欲しい人材だね。フィリアなら後衛の回復役でサクラは情報収集や斥候として遊撃にもってこいでしょ? 実際の所、俺のオリジナル魔法でレベルもすぐ上がるし、足りない部分はコピーで譲渡できるから人柄さえよければ誰でもパーティーに誘ってもいいんだけど、サクラやナナのように信仰値90越えの人とかそうそういないからね』

『あ、ナナがきたようです』
『リョーマ、サクラ姉にだけコールしてズルい! ナナが昨日電話しても出てくれなかったのに!』

 く~っ! やっぱナナが一番可愛いな! 怒ってても怒ってる理由が可愛い過ぎる!

『おはようナナ、昨日は凄く疲れてて余裕がなかったんだ。ごめんよ。昨日200km近く走ってちょっと体に無理が出ちゃってね。今日の移動はお休みにしたんだ。プリンとアイスを一杯作ったから転移スキルでそっちに送ってやろうと思って厨房管理者のサクラに何個までなら送っても大丈夫か聞こうとコールしたんだよ。もちろんナナにも後でコールするつもりだったよ』

『プリンとアイス! やったー』
『リョウマさん! 何個でも保存可能です。持ってるだけ送ってくれてもいいのですよ?』

『千個ほどあるんだけど、とりあえず500個送るよ。一杯あるから騎士の皆にも分けてあげてほしい。お昼までには送るから待っててね。送ったらすぐメールする』

『ナナ、楽しみに待ってるね!』
『俺、朝食まだだから、また後でね』

『うん、いってらっしゃい』
『リョウマさん、コールありがとう。おかげですっきりできました』

『いや、ほんと悪かった。じゃあまた後で』

 なんとかサクラに許してもらえて良かった。やっぱり怒ってたな。でもこれで一安心だ。

 それにしてもこの駄竜、いつまで寝てるんだか。朝食は9時までいいと言われたが、後片づけとかの都合で迷惑だろうから起こしてさっさと食べることにする。

「フェイ、いい加減起きろ。朝御飯食べに行くぞ」
「ふにゃ、ご飯? 食べる!」

 フェイを竜化させて、食堂で朝食を頼んだ。

「おはようございます、リョウマ君。ゆっくり眠れましたか?」
「パメラさんおはようございます。おかげさまでぐっすりでした。でもまだ疲れが残ってるようなのでやはり今日はゆっくりしたいと思います」

 朝食は美味しいが特筆することない普通のものだった。

 おかみさんに今日の分を銀貨7枚渡し、そのままの部屋でシーツも変えなくていいと伝え、さっそく雑貨屋に向かった。小さな村なので商店は固まっていて雑貨屋は宿屋のすぐ斜め前にあり、迷う事もなく見つけられた。

 フェイ用の服は選べるほどもなく、男性用下着3枚・女性用下着3枚・女性用の紺色のワンピース・女性用の皮靴・靴下3枚・膝下まである薄茶色のフード付きローブ2枚を購入した時点で予算が無くなった。

 そういえばこの時代の服は高い物だよなと思い、金貨11枚を払ったのだが、これでも雑貨屋のおじさんはまとめ買いをしてくれたからと安くしてくれているのだ。ローブが思った以上に高くてそれだけで金貨7枚が消えた。必要経費だから観念して購入した。雑貨のおじさんは女性物ばかり購入する俺を少し変な目で見ていたが、この際どう思われてもいいと知らん顔で買った。

「兄ちゃん気を付けろよ、最近ゴブリンやオークがちょくちょく街道に出るようになってな。近くに巣ができてるかもしれないんで近いうちに村全体で探索に出る予定になっている。そのせいで回復剤が品薄でな、バナムの街でも品薄状態で入荷が遅れてて困っているんだ。かわりに薬草をバナムの街で高く買ってくれるからこの村は少し潤ってるんだけどよ。回復剤が高くなってるから下手に怪我もできないし困ったもんだよ」

「回復剤ならかなり余裕の本数もってますから、お譲りしましょうか? あ、でも俺の持ってるのはいろいろ改良版なのでちょっと普通のより高く買い取ってもらいたいのですが?」

「どれ見せてみろ、売ってくれるならありがたいが。俺は一応鑑定持ちだから適正価格じゃなかったら買わねえぞ」

 俺はインベントリから初級回復剤のオリジナル品を出した。

「おいおい、その入れ物じゃ普通の半分ぐらいの量しかないじゃないか」
「そうです。俺の改良品でこの量で同じ回復効果があります。改良点は4つ」

・濃縮してあり、このサイズでこれまでの物と同等の回復効果がある
・味が格段に良くなっていて、むしろ美味しいと思えるほどのものになっている
・従来品は6か月ほどで効果がなくなっていたが、3年ほど問題なく使える
・容器の強度が上がっており、余程の事がない限り割れなくしてある

「これ、中身初級の10級品じゃないか! 味というのが気になるけど流石に飲むのは勿体無いしな。それに3年も持つとかウソだろ?」

 10級は初級では最高ランクの等級でそう出回らない物なので驚いているのだ。

「本当ですよ、独自の製法なんで教えられないですけどね。強度も御覧の通り」

 そう言いながら床に思いっきり投げつけたが割れる事も無く跳ね返っただけだった。

「凄いな、兄ちゃんはこれをいくらで売りたいんだ?」
「初級の10級品はいくらで買い取ってますか?」

「今なら買い取り価格8千から9千ぐらいで取引されてるな。販売価格は安いところで1万、高いところで1万5千ってところだな」

「効果が3年持つし使用後の空き瓶が有効に使えるのを考慮してもらって、一本1万ジェニーでどうですか?」
「1万か……本当に3年持つなら2万でも買っていいんだけど、実績がないからな。でもサイズの半減化とこの瓶だけでもかなりの値打ちものだ。街の薬師なら3万でも買うだろう。何本譲ってくれるんだ?」

「そちらの欲しい本数お譲りできます。300本ぐらいまでなら今すぐ渡せますよ」
「そんなに持ってるのか! 逆に俺の店にそんな大金ねーよ! うーん30本売ってくれ! いや40本だ! 俺の手持ちで買える額だ!」

「そんな無理しなくても……」
「バカ言うな、俺は商売人だぞ。あこぎな商売はしたくないが、儲かるもんが目の前にあるのに手を出さないのは商人じゃねえ! 使わなくても半年毎に買い替えなくちゃいけない品より、3年以上持つならそっちの方が多少値が張っても絶対安く済むからな」

「じゃあ、その分剣を見せてもらっていいですか? ショートソードがいいです。置いていますか?」
「数は余りないが、辺境だからそれなりの品を置いてある。なまくら置いても辺境じゃ買い手はいないからな。これなんかどうだ?」

 鑑識魔法でチェックだ【詳細鑑識】どれどれ?

 《鋼のショートソード》 《200/200》
   攻撃力238
   ハーレンの鍛冶師ガルス作
   相場価格58万ジェニー
   鋼でできたとてもよく切れる良品

 鋼のショートソードにしては良品じゃないかな。

「良いですね、それ回復剤60本と交換でどうです?」
「お前ひょっとして鑑定持ちか? よしいいだろう気に入った! 鞘と背中で背負うタイプの釣りベルトを付けてやる。だが40本は別に買うからな」

「……分かりました。では丁度100本ですね。今出しますので確認してください」

 40万ジェニーと購入品を受け取って、100本の回復剤をテーブルに並べた。
 店主はちゃんと1本1本中身の確認を取って木箱に詰めていっている。入れ終えた店主は言いにくそうにこっちを向いて話しかけてきた。

「兄ちゃん、明日バナムの町の商人が来るんだけどな……」
「ああ、皆まで言わなくても了解です。10日後までは販売も持ってる事も言いませんので。売るにしてもバナムではもっと高く売ることにします。あっちにはダンジョンもありますしね。品薄時には高く売れるでしょう」

「ふふふ、解ってるじゃないか兄ちゃん! ますます気に入ったぜ!」
「こっちもいい買い物ができましたし、お金にも余裕ができたので感謝です。もう一泊するので俺は今から村長に挨拶してきます。ありがとうございました」

「ああ、またな」

 さて村長に挨拶しとくか、なんかフィリアとカリナが迷惑かけたようだしな。
 俺はこの村で宿屋の次に大きな建物目指して歩いて行った。
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