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護衛依頼編
4-14 フェイちゃん無双
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ソシリアの森を抜けて暫く進んだ頃、もうすぐ休憩地点に入るとマチルダさんが知らせて来た。
なかなか帰ってこないフェイに念話を入れてみる。
『フェイ、いい加減帰ってこないと皆心配しているぞ。それにお昼ご飯の休憩場所にもうすぐ着くそうだ』
『は~い! 兄様、キノコ一杯採れたので、美味しいバター焼きを作ってくださいね』
『フェイはキノコのバター焼き好きだな。茶碗蒸しとかに入れても美味しいから、今度一緒に作ってやるな。それから忘れずにちゃんと服着てくるんだぞ』
お昼の準備をしていたら、シルバーPTの4人組の方がやって来た。
「リョウマ君、ちょっといいかな?」
「ハイ、なんです? フェイならもうすぐ帰ってくるって連絡ありましたよ」
「フェイちゃんも心配だが、お願いがあって来たんだ。言いにくいけどうちのヒーラーのダリルに今日一日リョウマ君の食事を作ってあげてほしい。朝の分を含めて金貨1枚は用意した。正直言うと俺たちも食べたいのだけど、流石にそれは迷惑なのは解っている。せめて頑張ってやっと中級ヒールと中級魔法を覚えたダリルに俺たちからのお祝いとしてご飯を奢ってやろうと思ってなんだが。材料に余裕があるならダリルの分だけでいいので頼めないだろうか?」
「魔法の習得祝いにメンバーで御馳走ですか。なかなか上手い理由を考えましたね。でも、そういう心温まるような話であればいいでしょう、金貨1枚でダリルさんの食事を作りましょう。でもフェイにちょっかいを出したり、根掘り葉掘りいろいろスパイ的に送り込んで情報を聞こうとするのは無しですよ」
「ああ、ありがとう! 高級料理店で奢るのはいつでもできるが、リョウマ君の旨いレア料理はこんな機会でもないかぎり男の俺たちには口にできなさそうだからな」
断りにくい申し出があり、ダリルさんの昼と晩御飯を作ることになった。実は最初の紹介時に名前を覚えて無かったので今回やっと知ったことになる。ちなみに他の野郎の名前は知らない……興味が無かったので覚えて無い。
サリエさんは先に俺たちのテーブルにやってきてお皿を並べるのを手伝ってくれていたのだが、なんかソシアさんがダメですってとか言いながら、3人引き連れてやって来た。
「違うのリョウマ君!」
「俺、まだ何も言ってないですよね? 何が違うんです?」
「ジェネラルのお肉のカツサンド? 私も食べたい!」
目の前で金貨を1枚握りしめて訴えてるのは、コリンさんサーシャさんパエルさん。
マチルダさん以外の『灼熱の戦姫』のメンバーだ。
「ソ・シ・ア! お前のお口はなんて軽いんだ!」
「だから違うの! 聞いてリョウマ君!」
「聞けませんね! リーソクズモ・メンタンピン・ドラドラアカドラ・オヤバイ!」
「キャー! ピリッときた! 今の何! リョウマ君、私に何したの?」
「口の軽いソシアさんは全く信用できないので、強制的に制約呪文を掛けたのですよ。もし昨日の授業内容を誰かにうっかりでも話してしまったらさっき掛けた制約呪文により授業内容の事は勿論、出会いから食事の事なども含めた全ての俺との記憶が消されます」
勿論そんな呪文は無いから嘘だけどね。
「そんなの嫌よ! リョウマ君との記憶が無くなるのはイヤ!」
「秘密と言った事柄を話さなければ何も実害はないですよ。元々そういう約束でしたでしょ?」
「そうだけど、ついうっかりって事もあるじゃない」
「ついうっかりで話されたらこっちはたまったもんじゃないって言ってるんです。そのくらいの軽い覚悟で、絶対秘密は守るとか言って人のプライバシーにに関わろうとしないでください」
泣きそうになってる……あれれ、やり過ぎちゃったかな。ちょっと軽いお仕置きのつもりだったんだけど。
「勿論約束は守るわよ……でも、秘密の事は何もしゃべってないのに呪文で縛るなんて、私そんなに信用できない? グスン」
あー泣き出しちゃった。そか、俺が信用しなかった事の方がショックなんだね。
「ソシアさんごめんなさい! 嘘をついてました! そんな呪文ないです! さっき使ったのは生活魔法のサンダーです。ちょっとおしゃべりが過ぎるので、お仕置きがてらからかうつもりだったのですが、やり過ぎちゃったようです。ごめんなさい!」
「魔法で縛ったんじゃないの?」
「そんな事しませんよ。【サンダー】」
「ひゃ! ピリッときた」
「ね? 只の生活魔法レベルのサンダーです。怪我させるつもりもなかったですし、軽いお仕置きのつもりだったんです。ごめんなさい……でもサリエさんに続いてまた情報を漏らしてメンバー連れて来ちゃったのは事実ですからね。それに『灼熱の戦姫』の人は遠慮がないですね。シルバー組の方たちは、スキル習得祝いにせめてヒーラーのダリルさんだけでも食べさせて欲しいと残りの3人は遠慮してくれているのに」
「私たちも、サリエとソシアがお世話になっているから、昨日までは一応遠慮してたのよ。でもジェネラルのお肉が出るって聞いたら流石に我慢できないわ。だってジェネラルよ! 市場には出ないから大貴族でもないと一生食べられないかもしれないのよ! リョウマ君お願い! 余裕があるならちょっとでもいいから食べさせて! なんなら金貨5枚払ってもいいわ!」
「待ってくれ……ジェネラルって何の話だ? まさかお昼に出すとかじゃないよね?」
「お昼に出すつもりですが、皆にまわせるほどの量は用意してないです。元々フェイと2人分の用意だけでよかったのですから、多めに作ってきてはいますが、何十人分の量は構えていません。『灼熱の戦姫』の分だけならお替り用に用意してた分から捻出できない事も無いですけど……」
「そうだよな……ダリル、お前昨日から凄くついてるよな。羨ましいぜ」
「エッ! うちらに食べさせてくれるの?」
「サリエさんとソシアさんのお替りの分から出しますので、2人に聞いてみてください。ちなみにフェイに聞いたら絶対ダメって言うので無視しますね。ジェネラルのお肉はあいつの好物なので……」
「ん、リョウマがいいなら皆にも食べさせてあげてほしい」
「私も実はサリエさんと2人で抜け駆けして食べてた事、ちょっと気が引けてたのよね」
「じゃあ、追加で作りますね。時間も少ないのでイスとテーブルの準備はお願いします。マチルダさんもそんな羨ましそうな目で離れたとこからこそこそ見るぐらいなら、こっちくればどうです?」
「いいの! ありがとうリョウマ君!」
「ガラさんたちはすみませんが、打ち止めです。大商人なので食べる機会はあるでしょうから、今回は遠慮してくださいね」
「くっ! 仕方ない……」
そうこうしてるうちにフェイが帰って来た。
「兄様ただいまです!」
「お帰りフェイ。楽しんできたか?」
「ハイです! 一杯美味しそうなものを採ってきました!」
「直ぐお昼ができるから、手をちゃんと洗って待ってろ。今日はフェイの好きなジェネラルのお肉だ。頑張ったようだから、ミックスジュースも付けてやる」
「やった! ジェネラルのお肉とミックスジュース! 最強メニューですね!」
お昼のメニュー
・ジェネラル肉のカツサンド
・ジェネラル肉のステーキサンド
・ミネストローネ
・ミックスジュース
・バニラアイス
本当はビッグサンドにして焼いたステーキ肉を出す予定だったのだが、人数が増えたのでちょっと変更した。パンにキャベツを刻んだものとジェネラルカツを乗せ甘めにしたとんかつソースをかけた物をまず一品。これだけじゃ冒険者には少ないだろうと、パンにレタスと朝ステーキ用に焼いていたジェネラル肉をスライスして並べたものにとろみをつけた甘めのステーキソースをかけてメイン食を2品とした。
旨い、美味しいと食べてる横で羨ましそうに見てるのが余りにも可哀想だったので、追加で少しジェネラルのお肉を焼いてあげ、ジェネラルステーキをさらに薄切りにして作ったステーキサンドを半分にした物とミックスジュースを残りの人全員に出してあげた。
『灼熱の戦姫』の女性陣はバニラアイスにも夢中になっていたが、サリエさんはまた指を突っ込んで舐めていたので、チョコ味を出してあげた。当然他の人も欲しがったので出してあげましたよ。
「ダリルさんどうでした? 満足していただけたでしょうか?」
「ああ! あんな美味しいの初めて食べたよ。食べた物全部初めてだったけど、全部美味しかった。ごちそうさまでした」
「いえいえどういたしましてです。夕飯も何か考えておきますね」
「凄く楽しみだよ。なんか皆に悪い気もするが、あいつらからのお祝いのプレゼントだそうだから遠慮なく頂くよ」
「中々良いPTですよね。仲間想いの所は凄く好感が持てます」
「そうだろ、良かったらリョウマ君たちも入ってくれ」
「俺たち兄妹は目的もあるのでクラン加入はどこであってもダメですよ」
「そうか、無理には誘わないよ。気が向いたら声を掛けてくれればいい。人数が欲しくての共闘ならいつでも俺たちは参加するからな」
「ありがとうございます」
「リョウマ君ちょっといいかな?」
「なんですか?」
ガラさんが声を掛けてきた……何だろう?
「フェイちゃんが3時間ほど離れていただろう?」
「あ、すいません勝手な行動をして……」
「いやいやそうじゃなくてだな、美味しいキノコとか言ってたけど何を採取してきたのか気になってね」
この商人め、流石にやり手だけあるな。フェイが3時間も狩りに出たのだ、実は俺も不安でしょうがないのだがここで見せたらまずい気がして黙ってたのに、ガラさんが金の匂いに敏感に反応してきた。
「見せると、また俺たちの実力がいろいろばれちゃうじゃないですか。例えば採ってきたもので採取能力や採取技術、知識力もそうですね。倒した魔獣で最低限の攻撃能力もばれちゃいますよね。それに―――」
「兄様見てください! フェイ頑張りました!」
インベントリから23体の魔獣の死体と、魔獣ではない魔石を持たない獣の野兎3匹、鹿1匹、大きめの背負い籠にこんもり1杯分の5種類ほどのキノコを採ってきていた。
俺が喋ってる間にこの駄竜はインベントリから全部ぶちまけたのだ。
「このバカフェイが!」
「イタッ! 兄様がぶった! なんでぶつんですか!」
「採取した物からお前の能力や実力が全部バレるだろうが! 単独だから、ごまかしも効かない!」
「あ、どうしましょう兄様……」
「もう遅いよ! 皆の顔見てみろ!」
フェイが出したものは3時間で採った量ではなかった。
うん、俺でも無理……魔獣はともかく、狩りをしながらキノコを籠一杯ってムリだろ!
「なっ! サーベルタイガー! フェイちゃん、これ君一人で狩ったのか?」
「その子は木の上からガオーって襲ってきたので、頭にキックしたら死んじゃった」
『ナビー、ちょっと記録見せてくれるか』
タブレットにそのシーンを再生してもらったのだが、木の上の背後から飛び掛かってきたサーベルタイガーが空中にいる間に、フェイが更にその上にジャンプして頭に後ろ回し蹴りを入れていた。
探索MAPとナビーのサポートを受け、当然居るのは分かっていたのだろうが、それでも見事としか言いようのない狩りだった。俺の無様な狼の狩りとは大違いでちょっと凹んだが、ちゃんと褒めてやらないとな。
「見事だフェイ、素晴らしい! 100点だ!」
「フェイちゃんもリョウマ君と一緒でめちゃくちゃ強いんだな」
「リョウマ君! いやフェイちゃん! そのサーベルタイガーも、是非うちの商会に売ってくれないか!」
当然のように商人魂丸出しのガラさんが、目を爛々とさせていた。
なかなか帰ってこないフェイに念話を入れてみる。
『フェイ、いい加減帰ってこないと皆心配しているぞ。それにお昼ご飯の休憩場所にもうすぐ着くそうだ』
『は~い! 兄様、キノコ一杯採れたので、美味しいバター焼きを作ってくださいね』
『フェイはキノコのバター焼き好きだな。茶碗蒸しとかに入れても美味しいから、今度一緒に作ってやるな。それから忘れずにちゃんと服着てくるんだぞ』
お昼の準備をしていたら、シルバーPTの4人組の方がやって来た。
「リョウマ君、ちょっといいかな?」
「ハイ、なんです? フェイならもうすぐ帰ってくるって連絡ありましたよ」
「フェイちゃんも心配だが、お願いがあって来たんだ。言いにくいけどうちのヒーラーのダリルに今日一日リョウマ君の食事を作ってあげてほしい。朝の分を含めて金貨1枚は用意した。正直言うと俺たちも食べたいのだけど、流石にそれは迷惑なのは解っている。せめて頑張ってやっと中級ヒールと中級魔法を覚えたダリルに俺たちからのお祝いとしてご飯を奢ってやろうと思ってなんだが。材料に余裕があるならダリルの分だけでいいので頼めないだろうか?」
「魔法の習得祝いにメンバーで御馳走ですか。なかなか上手い理由を考えましたね。でも、そういう心温まるような話であればいいでしょう、金貨1枚でダリルさんの食事を作りましょう。でもフェイにちょっかいを出したり、根掘り葉掘りいろいろスパイ的に送り込んで情報を聞こうとするのは無しですよ」
「ああ、ありがとう! 高級料理店で奢るのはいつでもできるが、リョウマ君の旨いレア料理はこんな機会でもないかぎり男の俺たちには口にできなさそうだからな」
断りにくい申し出があり、ダリルさんの昼と晩御飯を作ることになった。実は最初の紹介時に名前を覚えて無かったので今回やっと知ったことになる。ちなみに他の野郎の名前は知らない……興味が無かったので覚えて無い。
サリエさんは先に俺たちのテーブルにやってきてお皿を並べるのを手伝ってくれていたのだが、なんかソシアさんがダメですってとか言いながら、3人引き連れてやって来た。
「違うのリョウマ君!」
「俺、まだ何も言ってないですよね? 何が違うんです?」
「ジェネラルのお肉のカツサンド? 私も食べたい!」
目の前で金貨を1枚握りしめて訴えてるのは、コリンさんサーシャさんパエルさん。
マチルダさん以外の『灼熱の戦姫』のメンバーだ。
「ソ・シ・ア! お前のお口はなんて軽いんだ!」
「だから違うの! 聞いてリョウマ君!」
「聞けませんね! リーソクズモ・メンタンピン・ドラドラアカドラ・オヤバイ!」
「キャー! ピリッときた! 今の何! リョウマ君、私に何したの?」
「口の軽いソシアさんは全く信用できないので、強制的に制約呪文を掛けたのですよ。もし昨日の授業内容を誰かにうっかりでも話してしまったらさっき掛けた制約呪文により授業内容の事は勿論、出会いから食事の事なども含めた全ての俺との記憶が消されます」
勿論そんな呪文は無いから嘘だけどね。
「そんなの嫌よ! リョウマ君との記憶が無くなるのはイヤ!」
「秘密と言った事柄を話さなければ何も実害はないですよ。元々そういう約束でしたでしょ?」
「そうだけど、ついうっかりって事もあるじゃない」
「ついうっかりで話されたらこっちはたまったもんじゃないって言ってるんです。そのくらいの軽い覚悟で、絶対秘密は守るとか言って人のプライバシーにに関わろうとしないでください」
泣きそうになってる……あれれ、やり過ぎちゃったかな。ちょっと軽いお仕置きのつもりだったんだけど。
「勿論約束は守るわよ……でも、秘密の事は何もしゃべってないのに呪文で縛るなんて、私そんなに信用できない? グスン」
あー泣き出しちゃった。そか、俺が信用しなかった事の方がショックなんだね。
「ソシアさんごめんなさい! 嘘をついてました! そんな呪文ないです! さっき使ったのは生活魔法のサンダーです。ちょっとおしゃべりが過ぎるので、お仕置きがてらからかうつもりだったのですが、やり過ぎちゃったようです。ごめんなさい!」
「魔法で縛ったんじゃないの?」
「そんな事しませんよ。【サンダー】」
「ひゃ! ピリッときた」
「ね? 只の生活魔法レベルのサンダーです。怪我させるつもりもなかったですし、軽いお仕置きのつもりだったんです。ごめんなさい……でもサリエさんに続いてまた情報を漏らしてメンバー連れて来ちゃったのは事実ですからね。それに『灼熱の戦姫』の人は遠慮がないですね。シルバー組の方たちは、スキル習得祝いにせめてヒーラーのダリルさんだけでも食べさせて欲しいと残りの3人は遠慮してくれているのに」
「私たちも、サリエとソシアがお世話になっているから、昨日までは一応遠慮してたのよ。でもジェネラルのお肉が出るって聞いたら流石に我慢できないわ。だってジェネラルよ! 市場には出ないから大貴族でもないと一生食べられないかもしれないのよ! リョウマ君お願い! 余裕があるならちょっとでもいいから食べさせて! なんなら金貨5枚払ってもいいわ!」
「待ってくれ……ジェネラルって何の話だ? まさかお昼に出すとかじゃないよね?」
「お昼に出すつもりですが、皆にまわせるほどの量は用意してないです。元々フェイと2人分の用意だけでよかったのですから、多めに作ってきてはいますが、何十人分の量は構えていません。『灼熱の戦姫』の分だけならお替り用に用意してた分から捻出できない事も無いですけど……」
「そうだよな……ダリル、お前昨日から凄くついてるよな。羨ましいぜ」
「エッ! うちらに食べさせてくれるの?」
「サリエさんとソシアさんのお替りの分から出しますので、2人に聞いてみてください。ちなみにフェイに聞いたら絶対ダメって言うので無視しますね。ジェネラルのお肉はあいつの好物なので……」
「ん、リョウマがいいなら皆にも食べさせてあげてほしい」
「私も実はサリエさんと2人で抜け駆けして食べてた事、ちょっと気が引けてたのよね」
「じゃあ、追加で作りますね。時間も少ないのでイスとテーブルの準備はお願いします。マチルダさんもそんな羨ましそうな目で離れたとこからこそこそ見るぐらいなら、こっちくればどうです?」
「いいの! ありがとうリョウマ君!」
「ガラさんたちはすみませんが、打ち止めです。大商人なので食べる機会はあるでしょうから、今回は遠慮してくださいね」
「くっ! 仕方ない……」
そうこうしてるうちにフェイが帰って来た。
「兄様ただいまです!」
「お帰りフェイ。楽しんできたか?」
「ハイです! 一杯美味しそうなものを採ってきました!」
「直ぐお昼ができるから、手をちゃんと洗って待ってろ。今日はフェイの好きなジェネラルのお肉だ。頑張ったようだから、ミックスジュースも付けてやる」
「やった! ジェネラルのお肉とミックスジュース! 最強メニューですね!」
お昼のメニュー
・ジェネラル肉のカツサンド
・ジェネラル肉のステーキサンド
・ミネストローネ
・ミックスジュース
・バニラアイス
本当はビッグサンドにして焼いたステーキ肉を出す予定だったのだが、人数が増えたのでちょっと変更した。パンにキャベツを刻んだものとジェネラルカツを乗せ甘めにしたとんかつソースをかけた物をまず一品。これだけじゃ冒険者には少ないだろうと、パンにレタスと朝ステーキ用に焼いていたジェネラル肉をスライスして並べたものにとろみをつけた甘めのステーキソースをかけてメイン食を2品とした。
旨い、美味しいと食べてる横で羨ましそうに見てるのが余りにも可哀想だったので、追加で少しジェネラルのお肉を焼いてあげ、ジェネラルステーキをさらに薄切りにして作ったステーキサンドを半分にした物とミックスジュースを残りの人全員に出してあげた。
『灼熱の戦姫』の女性陣はバニラアイスにも夢中になっていたが、サリエさんはまた指を突っ込んで舐めていたので、チョコ味を出してあげた。当然他の人も欲しがったので出してあげましたよ。
「ダリルさんどうでした? 満足していただけたでしょうか?」
「ああ! あんな美味しいの初めて食べたよ。食べた物全部初めてだったけど、全部美味しかった。ごちそうさまでした」
「いえいえどういたしましてです。夕飯も何か考えておきますね」
「凄く楽しみだよ。なんか皆に悪い気もするが、あいつらからのお祝いのプレゼントだそうだから遠慮なく頂くよ」
「中々良いPTですよね。仲間想いの所は凄く好感が持てます」
「そうだろ、良かったらリョウマ君たちも入ってくれ」
「俺たち兄妹は目的もあるのでクラン加入はどこであってもダメですよ」
「そうか、無理には誘わないよ。気が向いたら声を掛けてくれればいい。人数が欲しくての共闘ならいつでも俺たちは参加するからな」
「ありがとうございます」
「リョウマ君ちょっといいかな?」
「なんですか?」
ガラさんが声を掛けてきた……何だろう?
「フェイちゃんが3時間ほど離れていただろう?」
「あ、すいません勝手な行動をして……」
「いやいやそうじゃなくてだな、美味しいキノコとか言ってたけど何を採取してきたのか気になってね」
この商人め、流石にやり手だけあるな。フェイが3時間も狩りに出たのだ、実は俺も不安でしょうがないのだがここで見せたらまずい気がして黙ってたのに、ガラさんが金の匂いに敏感に反応してきた。
「見せると、また俺たちの実力がいろいろばれちゃうじゃないですか。例えば採ってきたもので採取能力や採取技術、知識力もそうですね。倒した魔獣で最低限の攻撃能力もばれちゃいますよね。それに―――」
「兄様見てください! フェイ頑張りました!」
インベントリから23体の魔獣の死体と、魔獣ではない魔石を持たない獣の野兎3匹、鹿1匹、大きめの背負い籠にこんもり1杯分の5種類ほどのキノコを採ってきていた。
俺が喋ってる間にこの駄竜はインベントリから全部ぶちまけたのだ。
「このバカフェイが!」
「イタッ! 兄様がぶった! なんでぶつんですか!」
「採取した物からお前の能力や実力が全部バレるだろうが! 単独だから、ごまかしも効かない!」
「あ、どうしましょう兄様……」
「もう遅いよ! 皆の顔見てみろ!」
フェイが出したものは3時間で採った量ではなかった。
うん、俺でも無理……魔獣はともかく、狩りをしながらキノコを籠一杯ってムリだろ!
「なっ! サーベルタイガー! フェイちゃん、これ君一人で狩ったのか?」
「その子は木の上からガオーって襲ってきたので、頭にキックしたら死んじゃった」
『ナビー、ちょっと記録見せてくれるか』
タブレットにそのシーンを再生してもらったのだが、木の上の背後から飛び掛かってきたサーベルタイガーが空中にいる間に、フェイが更にその上にジャンプして頭に後ろ回し蹴りを入れていた。
探索MAPとナビーのサポートを受け、当然居るのは分かっていたのだろうが、それでも見事としか言いようのない狩りだった。俺の無様な狼の狩りとは大違いでちょっと凹んだが、ちゃんと褒めてやらないとな。
「見事だフェイ、素晴らしい! 100点だ!」
「フェイちゃんもリョウマ君と一緒でめちゃくちゃ強いんだな」
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