元厨二病な俺、異世界に召喚される!

回復師

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商都ハーレン

7-8 サーシャさんもですか?

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 プリンを食べ終えてしまった。流石にこれ以上は引っ張れないかと観念する。

「ごちそうさまでした」
「さてリョウマ君、じゃあお姉さんたちに説明してもらいましょうか。何をとか言わないでね」

 うっ……凄くお怒りのようだ。2時間もグダグダと引っ張ったのだから仕方ないと言えばそれまでだが。なんでクランメンバーの武器を作ってあげたのに睨まれているのだろう……凄く理不尽だ。

「ここじゃあれなんで、上に行きましょう」

 マチルダさんたちの部屋で尋問されることにした。

「それで、どうして皆さんはそんなに殺気立っているのでしょうか?」
「リョウマがグダグダ引っ張って逃げるからでしょ!」

「俺が何で逃げないといけないのでしょうか? 悪い事なんてしてないのに」

「サリエさんの装備よ! 何あれ! 特に武器! ブラックメタル製の神級武器? ちゃんと説明して!」

 皆でウンウン激しく頷いているが、説明と言われても困ってしまう。

「何をどう説明しろと言うのですか? 俺メッチャ疲れているのです……早く寝たいのですが」

「リョウマ君、ブラックメタルを加工できる職人は世界でも数人だそうよ。しかも現在はその人たちもどこにいるのかも不明だし、所在が分かってるドワーフ王は高齢で数年に1本鍛えてくれたらいい方らしいのでその価値はお金で買える物じゃないそうよ。ドワーフ王の打つ武器はレジェンド級がほとんどで、ゴッド級なんてドワーフ王でも生涯で数本とか言われているような物らしいわ。レジェンド級でも国宝として王族が管理してしまうのが通例なのに、サリエ一人で神級2本とか凄く危険よ」

「その懸念は一応しました。でもサリエさんなら武器も自身も守り切れると判断して創ってあげたのです。【個人認証機能】を付与し、サリエさん以外は抜けないようにしました」

「ん、もっと強くなる! 誰にもリョウマの武器は渡さない!」

「皆いい子ぶってるけど、私は言うわ! パエルさんとサリエさんにだけズルいじゃない! 私にも凄いの頂戴よ!」

「ソシア、マジでぶっちゃけちゃったね! ああだこうだ言う奴よりソシアのそういうところ俺は好きだぞ」
「ホント! じゃあ、私にも作ってくれるの!?」

「パエルさんの盾の時にも言っただろ。身の程を知れって。実力もないのに良い武器持ってても笑われるだけだし、マチルダさんが言うように狙われて危険なんだよ」

「う~、あんなの見たら欲しくなるよ……」

「ソシアにサリエさんのナイフの方をあげたとしても、数カ月もしないうちに襲われて奪われるだけだぞ? 奪われるだけならまだいいけど、証拠隠滅の為にそのまま殺されてしまったり、ソシアは可愛いから武器を奪うついでに強姦されて、娼館に売られたりしたら目も当てられないぞ」

「うっ、そうかもしれないけど。凄く欲しいのよ! サリエさんの武器かっこいいのよ!」

 俺は自分の武器を抜いてソシアに手渡した。ソシアはキョトンとした顔をしている。これがなによ?ってな感じだ。

「俺の今装備してる武器だよ。ミスリルが8%ほど混じってる鋼の剣だ。神殿騎士のカリナさんに貰った新人冒険者がが持つにはかなり良いモノだ。最近はこっちの鋼の刀を装備する事もある。俺より弱いソシアが俺より良い武器を持っても宝の持ち腐れだよ。フェイだって鋼のショートソードだぞ」

「リョウマはその武器で満足してるの?」
「満足はしてないけど、身の丈に合った装備だとは思っている。だから剣の練習もフェイとやってるし、冒険者としての知識もあなたたちから得ようと努力している」

「う~、リョウマの言ってることは解るんだけどね。この私のもやっとした気持ち解るかな? 嫉妬と言うかズルいと言うか、サリエさんの武器を見るたびにもやっとするの!」

「『灼熱の戦姫』のメンバーの中で一番伸び代があるのはソシアだよ。他のメンバーもまだまだ伸びる。でも現在サリエさんが一番優れてる。それはみんな言わなくても解ってるよね? 冒険者の階級としては3級中位クラスはあると思う。俺の装備品で今は2級の上位クラスはいってるかもしれない。次はパエルさん、彼女は4級クラスの上位クラスかな、そしてサーシャさん彼女は4級中位ぐらいだと思う」

「リョウマ君、私は? 私はどれくらいだと思う?」
「私も聞きたい! どれくらいですか?」

「マチルダさんはギリギリ4級下位ってとこでしょうかね。コリンさんは5級中位ぐらいでしょうね。クランの上位陣の恩恵でゴールドカードを貰えたってとこですかね」

「う~~っ! 解っていたけど、はっきり言われるとショックですね」
「気にする事はないですよ。良いパーティーに入れるって事はコリンさんの日頃の行いが良いからです。まだまだ伸び代があるんですから、誰にも文句を言われないように努力すればいいのです」

「私でも本物のゴールドクラスの冒険者になれますか?」
「なれます! ブラックランクとか言ってたら却下でしたけどね。ゴールドならすぐですよ!」

「私はギリギリなんだ……」
「マチルダさんも自分で解っているでしょ? これだけのメンバーを集めたのです。見る目はあると思いますよ。男以外ではですが」

「ん! リョウマそれは禁句!」
「あ~~! ほら~、2人が落ち込んだじゃない!」

「あう、ごめんなさい! プリンどうぞです!」
「ん、プリンでごまかそうとしてる」

「他のメンバーはまだ身の丈に合ってないので俺の武器はなしという事で」

「あれ? でも兄様、サーシャさんなら創ってあげてもいいかなって言ってましたよね?」
「エッ!? それは本当ですの? 私には作ってもらえるのですか?」

「フェイ! なにバラしてるんだよ!」
「あの、リョウマ君、どうなのですか?」

「はぁ……そうですね。今回サリエさんは全財産を俺に寄こしてきました。おそらく今所持金は1ジェニーも無いでしょう。当然今回の湿地での稼ぎも回収させてもらいます。無一文状態です。4千万ジェニーを俺に支払ったことになるのですが、サーシャさんは俺に報酬として何を差し出すつもりですか?」

「う~ん、何を差し出せば作ってくれるのでしょう?」

「そうですね、サーシャさんの弓を見せてください?」
「どうぞ、トレントという魔獣の木から作ったものです」

「サーシャさんは弓とその腰に差してるエストックですか? どっちが良いです?」
「やはり弓がいいです! レジェンド級の弓とか憧れます!」

「う~ん、どうせ創るなら神弓です。そうですね……サーシャさんに課題を与えます」
「なんでしょう?」

「それほど難しくはないです。オリハルコン3kgとミスリル5kg、A級以上の魔獣の属性魔石を持ってきてください。難易度で言えばかなり低いですよね?」

「そうですね。全てお金で買える物ですので、難易度的には簡単ですね。世界樹の木の枝とかだと厳しいでしょうけど……難易度的には簡単とはいえ、お金を貯めるのに時間はかかりそうですね……」

「それと持ってきた魔石によって武器の性能が変わるので良い武器が欲しければ、できるだけ良い魔石を持ってきてください。神弓にするならS級クラスの魔石が欲しいとこですね。それと風と雷の属性魔石は必ず要ります。火だけは要らないかな、サーシャさんが火傷しそうだし。優先順位は風>雷>土>水の順です。全部あった方がいいですけどね」

「どんなモノができるのでしょう?」

「本当はサリエさんの時のように、出来てからのお楽しみにしたいのですが、集めるのに気合が入るでしょうから教えてあげます。魔法弓をと考えています。矢はサーシャさんの魔力で作りだす仕様の物です。その矢を作り出す補助をするのに必要なのが属性魔石です。だから持ってきた魔石によって威力が変わってきます。4種持ってきたら4種の属性矢が撃てるようになりますし、S級魔石とB級の魔石とでは当然威力も違ってきます。放てる魔法矢が中級レベルの魔法か上級レベルの魔法の威力と言えば解り易いですかね」

「それ私も欲しい!」
「ヒーラーのソシアに弓は要らないだろ! 何でも欲しがるな!」

「凄い弓が出来そうね! パエルもサリエもサーシャもいいな~」
「マチルダさんにもコリンさんにも、実力が見合えばそのうち作ってあげます」

 パエルさんが近づいて来て、サーシャさんにソフトボールぐらいの黄色い何かを手渡している。

「パエル? これってあなたの家宝ですよね?」
「S級魔獣の魔石だそうです。曾祖父が若いころに東国で討伐に参加して止めを刺して大活躍をした時に報奨として手に入れた物だそうです」

「ちょっと俺に見せてもらっていいですか?」

 【詳細鑑識】で調べてみた。

「雷獣ヌエの魔石! 聖獣クラスじゃないですか! S級の3級位ですよ! 国宝級です。金額はつかないですがあえてつけるなら4億ジェニー程ですかね。これをどうするのですか? まさかサーシャさんにあげるのです?」

「おじいちゃんの形見ってそんなに価値があるの!? う~、流石にそんな高価なご先祖様の形見をタダであげる訳にはいかないですね。出世払いでいいです。催促も一切無し。その凄い弓が出来たなら4億ぐらい返せるでしょう? うちのクランにはサリエの神級武器もあるしね」

「パエルいいのですか? 形見でしょ?」
「私がずっと持っていても、それこそ宝の持ち腐れですよね。サーシャにならいいわ」

「パエルありがとう!」

 俺は思わずパエルさんに抱き付いてしまった。

「パエルさん、良い女です! 最高です!」
「ひゃ! リョウマ君恥ずかしいです!」

「パエルさん、やっぱ良い女です! 盾出して! パエルさんにレジェンド級は似合わない! 2日程預かるね! 神級にして返してあげるから」

「エッ!? この盾でも凄いのですけど? いいのですか?」
「代わりに、魔石の代金はチャラにしてあげて? ヌエの魔石分以上の強化は盾にしてあげるから」

「はい! それならサーシャに差し上げます! なんかまたドキドキしてきました! リョウマ君の強化は凄いですからね!」

「また! ズルイ! ズルイ! ズルイ!」

「ソシアさんはダメですね。兄様の事をもっと理解する必要があります」
「フェイちゃんどういう意味よ!」

「いつもズルイ、ズルイとしか言ってないです。兄様はそんな事じゃ動いてくれないですよ?」
「フェイは態とサーシャさんの事を俺に振って、さっき武器を作らせようと企てたからな」

「やはり兄様にはばれていましたか」
「フェイはサーシャさんの事好きだからな。俺が機嫌を損ねない程度に話を振って、サーシャさんの武器作りの糸口にしたかったんだろ?」

「フェイちゃんありがとう! 私の事、気に掛けてくれてたんだね!」

「護衛依頼の初日に、兄様がテントを張るのを手間取っていた時、サーシャさんは優しく教えながら手伝ってくれました!」

「そんなことで?」
「ソシアは何も解ってないな。フェイはそんな事が普通にできるサーシャさんだから気に入ってるんだよ。勿論フェイはソシアの事もかなり気に入ってるようだぞ。と言うか『灼熱の戦姫』の中じゃ何故か一番好いてるようだ」

「えへへ、ソシアさんの武器の事もそのうち頼んであげますね」
「フェイちゃんホント? 約束よ! リョウマにお願いするの手伝ってね」

「まぁそういう訳ですので、サーシャさんは自分の武器の素材を自分で手に入れてきてください。魔石は最低後2つ、風と土属性のモノを手に入れてください」

「分かりました。頑張ってお金を稼いで手に入れて見せます!」

「パエルさんは明日の夕方まで待ってね。今日はもう魔力切れだし、疲れたのでもう寝ます」

 調子に乗ってパエルさんの盾の強化を自分からすると言ってしまったが、パエルさんの仲間想いの行動にほっこりしたのでまぁ良しとしよう。


 マジ疲れたのでもう寝る……フェイを残して先に部屋に戻るのだった。 
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