元厨二病な俺、異世界に召喚される!

回復師

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商都ハーレン

7-13 パエルさんの神級盾

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 サリエさんが自分の武器のできるところを見たがったのを思い出し、パエルさんにコール機能で聞いてみる。

『あ、パエルさんリョウマです。今からパエルさんの盾を打とうと思いますが、サリエさんが自分の武器ができるのを凄く見たがってたので、一応パエルさんはどうかなと声を掛けてみました。どうします? 打つとこ見に来ますか?』

『リョウマ君、私も凄く見たいです!』
『2時間ぐらいは掛かると思いますが、時間は大丈夫です?』  

『何時間でも大丈夫です! 出来上がるまでは見守りたいです』
『ログハウスで打つのですが、ちょい遅くなりそうなので、俺とフェイはそのままこっちに泊まろうと思っています。宿屋の方に今日は野営すると伝えてもらえますか? 多分サリエさんも泊まりたがるので彼女とパエルさんも今日は外泊と宿屋に伝えてください』

『サリエもそこにいるのですか?』
『ええ、少し神殿関係の仕事を手伝ってもらいました』

『そうですか。あの、私も今日そこに泊めてもらってもいいのでしょうか?』
『ええ、いいですよ』

『じゃあ、門を出て500mほど過ぎたとこでコールしてもらえますか? 迎えに行きますので』
『はい! すぐに向かいますね』

 パエルさんは本当にすぐにやって来た。急いで来たんだろうが……後ろにいつもの4人もいる。

「リョウマ、何で私も呼んでくれないのよ!」
「ソシア呼んだら、今みたいにうるさいじゃん。盾創るのに、気が散るじゃないか」

「リョウマ君、ごめん。盾を作るのを見る為に外泊すると言ったら皆が付いて来てしまった」
「だってお泊りするとしたらご飯が食べられるんでしょ? サリエさんとパエルさんだけズルいじゃない!」

「なにしれっとタダ飯食おうと考えてるんですか。言っておきますが、ソシアには何も出しませんからね! マチルダさんまで一緒になって付いてきて……鍛冶は集中力が要るのですよ」

「私もパエルの盾が出来るところをどうしても見たかったのです。ごめんなさいね」

「どちらにしろ、こんな大勢では気が散って良い物が出来ません。入っていいのはパエルさんと次回権利があるサーシャさんの2名だけです。その2人も中に入ってからはこちらから話し掛けた時以外は一切の発言は禁止です。普通なら鍛冶場は女人立ち入り禁止ですよ。俺はそんな迷信なんて信じないので平気ですけど」

「う~~っ、解ったわ。でもログハウスにはみんな泊めてね! 今日は外で野営ってもう宿屋に言ってきちゃったの」

「じゃあ、盾完成までは部屋かリビングで待っていてください。工房区画は立ち入り禁止です。今、錬金工房で回復剤作製の授業をしていますので静かにしててくださいね。後で彼女たちも紹介しますので」

「誰か他にも知らない人がいるの?」
「ええ、神殿関係者です。ソシアの憧れてた水神殿の巫女候補者なので粗相のないように」

「エッ!? 凄い! 巫女様が居るの?」
「いえ、今はまだ巫女候補者です」




 盾は大きい上に軽量の付与がまだ付いていないため、重すぎて1人では扱いきれない。
 見た目より力のあるフェイを補助に付けることにした。

「じゃあ、今から始めます。途中の席立ちは気が散りますのでトイレも先に済ませてもらいましたが、どうしても何かあった場合は声を掛けてもかまいませんので静かに知らせてください。では始めます」

 炉からフェイと2人がかりでデカいペンチを使って真っ赤になった盾の原型になるものを取り出した。
 金床にあてがって最初の一撃を加える。魔力を込めて錬成術を行使してイメージを練り込む俺独自の製法だ。一撃毎にMPが3ずつ減っていく。

 サリエさんの剣と違って硬い上に大きい為、熱しては叩くの繰り返しが延々と続く。2時間程叩き続け大まかな型取りとイメージの練り込みが終わった。水入れを行い冷えたところでインベントリ内で大まかな装飾を施す。

 インベントリから取り出したら、最後に俺の錬成魔法で細かな装飾とエンチャントの付与を行う。
 仕上げの前に3本目のMP回復剤を飲み干す。8分目までMPを回復させたので、一気に仕上げにかかり完成させる。2時間40分の大仕事になったが良い物が出来た。と言うか、またヤバいかも……。


「パエルさん、完成しました。銘を【魔反龍砲盾】とします。正直ヤバいです……間違いなくこの世界最強盾です」

 いぶし銀に鈍く光る盾の中央に、大きな黒龍が口を開いて睨んでいる美しい盾だ。
 こちらの世界の竜ではなく日本でみるアジア的な龍だ。


 【魔反龍砲盾】(ミスリル60%・ブラックメタル30%・鋼10%)
   盾特性
   ・火・水・風・雷の魔法を盾の黒龍部分で受けることにより魔法を吸収できる
   ・吸収した魔法は任意のタイミングで黒龍から吐き出させることができる
   ・龍が喰った魔法は吐かずに所持者のMPに還元して譲渡できる
   ・龍が吐く魔法は攻撃した術者より4階級程威力が下がる
   ・ストック中に受けた魔法は【魔法反射】効果で術者に反射される
   ・反射した魔法は2階級程威力が下がる
   ・盾の内部に50cmと25cmのナイフが2本仕込んである
   ・ナイフは盾より10m以上離れた場合、自動的に転移して盾の鞘に返ってくる
   ・ナイフは10秒以上手から離れたら自動的に転移して盾の鞘に返ってくる
   ・盾内部の剣の比率はミスリル70%ブラックメタル20%鋼10%の両刃のものである

  付加エンチャント
  黒龍部位
   ・魔法吸収
   ・吸収反射
   ・MPドレイン
   ・魔法反射
  盾部位
   ・特殊転移陣
   ・重量軽減
   ・自動回復



「基本の形は同じですが、中央の龍がヤバいです。龍で受けさえすれば魔法は完全に術者に反射してくれます。サリエさんの武器以上に魔術師泣かせですね。それと反射や吸収にMPは使いませんが、投げナイフの自動転移回収にMPを消費します。MPの少ないパエルさんの為に龍が食った魔法のMP分の60%程をMP還元してくれますので、ぜひ使ってみてください」

「50cmの剣、サリエが持ってるショートソードくらい有りそうですね。これを投げて使うのですか?」

「使い方はどう使っても構いません。そのナイフ自体ブラックメタル製で付与も掛かっている品ですので、普通のショートソードのように使うのも有りですね」

「「ブラックメタル!」」

「敵が反射を恐れて魔法を撃ってこなくなった場合はコリンさんにあえて自分に向けて撃ってもらってMP還元すれば魔力補充も可能です。なのでMP量を気にせずどんどん投げナイフも使ってくださいね。折角パエルさんは【投擲】も練習して上手なんですから使わないと勿体ないです。それに、これで魔法が無いパエルさんでも投げナイフとストック魔法で中距離攻撃が可能になったでしょ?」

 パエルさんに盾を渡したのだが手が震えて涙ぐんでいる。

「凄いとしか言いようがないです。こんな凄いもの貰っていいのでしょうか?」

「勿論です。パエルさん専用盾ですので、パエルさんしか使えないようにします。血を一滴龍の口とナイフの持ち手の龍の飾り部に垂らしてください。今、めちゃくちゃ重いでしょ? ブラックメタルが盾全体で30%も入ってるし、黒龍部は70%はブラックメタルでできてますので重いのです。今回、物理防御強化の付与が無いのは、必要が無い程元が硬いからです」

 パエルさんは指を切り数滴血を黒龍に与えた。青白く光って【個人認証】の登録が完了する。
 一応指は【ヒール】で回復してあげる。

「これで正式にその盾はパエルさん専用です」
「急に盾が軽くなりました! 私が所持する事を黒龍が認めてくれたような気分です!」

 そんな事はないんだけどね……これほど喜んでくれている人に【個人認証】で【重量軽減】の付与が発動しただけだよとは言えないね。


「さて、待機組にも見せて、一応盾の検証をしておきましょう」



 リビング待機組も回復剤組も全員引き連れて一旦ログハウスの外に出る事にした。
 親子の紹介は上手く言葉を濁してサリエさんがしてくれたようだ。

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 お読みくださりありがとうございます。

 エッ!? 穂香ちゃんって誰のことです?
 あくまで盾の原案はこっちですので、別作品は見ていない振りでお願いします。
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