さくら

くまおやG

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ニンジャ VS ヴァンパイア

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「……おのれ~貴様!よくも!!」
 晃は、花園に襲い掛かった!
 花園は、かわしざまに右ストレートを入れた。
 晃はもんどりうって倒れた。
 晃は、体勢を立て直すと今度は構えた。
 空手の構えだ。
 そこにカレンが飛び込んできた。
 カレンは、俺が縛られている縄をナイフで切ると「下がって」と言った。
 花園は、腰からヌンチャクを取り出した。
 今度は、花園が襲い掛かった。
 晃は、ヌンチャクをかわすと、ボディに正拳突きを叩き込んだ。
「チェストー!!!!」
 花園が吹き飛ぶ。
 凄い威力だ。
「クソ!」
 花園は、よろけながら立ち上がり、もう一度ヌンチャクを構えた。
 今度は、お互いににらみ合ったまま中々動かない。
「兄者に一発入れるとは、熊尾の奴、素人じゃないね。それにマイク・タイソン並みの威力だ」
とカレンが言った。
……フー!よかったー!さっきあんなの喰らってたら、クビが後ろ向きに成ってる所だったぜ。
「どうだい、花園君!こう見えても若い頃は黒帯を巻いて居たんだよ」
 晃が言った。
『素人と思って甘く見ていた。それになんて力だ。だが、当らなければ、何てこと無いさ!!』
 花園が意を決して、飛び掛った。
 二人とも、すごい。
 一進一退の攻防だ。
 しかし、徐々に均衡は崩れてきた。
 花園が押されてきた。
『クソ……もはやこれまでか……!……??』
 すると、急に晃が苦しみ出した。
「ぐおー!!!!!!」
 そして、見る見るうちに髪の毛は白髪に、顔は皺だらけに成り出した。
 そして、倒れた。
「とうとう、その時が来たか……ジョー君、聞いてくれ……さくらを……さくらの最後を看取ってくれまいか……」

「さくらは3日前、血清の投与を拒否した。このままではさくらだけ歳を取らず、だが君は老い衰えそして死を迎えるだろう。さくらは、もう君に先立たれ70年前の絶望が蘇るのは耐えられないと……私は、さくらの決意を受け止めた。元からさくらが、居なければ私は生きている意味が無い……だから自らの投与もやめた。ふっ……生きている意味か……もうとっくに死んで居るのにな……お笑い種だな……だから、さっき君にさくらと生き続けてくれないかと頼んだのだよ……さくらは、本当に君の事を……」
晃はそう言い残すと目を瞑った。
見る見るうちに白骨化し……最後には灰になった。

……えっ
……えっ

「さくらー!!!!!!!!!」
 俺は、走り出した。
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