さくら

くまおやG

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決戦

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「チョット待って兄じゃ。こんな事も有ろうかと用意して来たものがあるの。はい!ジョーあなたの分」
 それは、銃だった。
「なるべく使わないように。念のため渡しただけだから」
「おお!VZ61SCORPIONじゃん」
 またマニアックな銃だなぁ。
「詳しいじゃん」
「まぁガンマニアなんで……って自分らP90かよ!ズリーぞ俺だけこんな旧式!」
「あんた見たいに訓練を受けてない人間には、その銃が最適なの!」
 確かに、この銃は素人でも扱えるように設計されているサブマシンガンだ。
 接近戦には、絶大な威力を発揮するし……でもP90の方がカッコイイ。
「あんたは、極力撃たない様にね!!それからそのビン何に使うの?」
「あっアルコールだよ。本にかけたらよく燃えるかなと思って」
「分かった、これを使いな」
 カレンは、銃を入れてきたメッセンジャーバッグを渡してくれた。
「これで両手使えるね」
 俺は、アルコールのビンと金庫の鍵をメッセンジャーバッグに入れた。

「用意はいいか?じゃぁ行くぞ!!」
 階段を降りて病院のロビーに出ると、インズマスどもはもう既に屋敷の1階を家捜し始めていた。
 花園は、迷わず銃を乱射した。
「ここは、引き受けた!お前たちは地下室を探せ!」
 ロビーから、廊下に行くとそこもインズマスどもで一杯だった。
 カレンはP90をフルオートで撃った。
 インズマスどもが、こちらに向かってきた。
「カレン援護を頼む!!」
 1回言ってみたかったんだよね~この台詞!
 俺はVZ61の安全装置を前に倒すと引き金を引いた!
「ガンマニアをなめんなよ!!」
 訳の分からない事を叫びながら廊下の突き当たりのドアめがけて走り出した。

パララララララ……
 軽快な発射音だ。
「こういうシチュエーションは、バイオハザードで散々経験済みよ」
 こういう廊下とか狭い場所は、まともに撃ったら、正面の敵にしか当らないから、ワザと壁とか天井とか撃って、敵の背後に弾を送り込むといいんだよね。
カチッカチッ……
 弾切れだ。
「カレン、弾切れだ」
「バカたれ!30発しか入らないんだから、フルで撃ったら直ぐに無くなっちゃうだろが!」
 さっきの掃射で大体7、8人倒しただろうか?
 まだまだ、一杯居る。
 奴等は、弾切れに気付きこちらに向かってきた。
「バッグのポケットに替えのマガジンが入ってる。交換は分かるか?」
 幸い、持っているエアガンと同じ操作で交換できた。
「フルで撃ったら、直ぐ無くなっちゃうから……」
 俺は、安全装置を手前に引いてセミオートにした。
 たたまれた、ストックを伸ばし。
 マガジン部分を左手に持ち、ライフルを構えるように持ち直した。
パン!
パン!
パン!
 一発づつ確実に相手に当てる様に作戦変更。
『……凄い、確実に相手の頭を射抜いてる。こいつ本当に素人か?』
 カレンは、驚いた。
「カレン、この銃、意外と命中率高いね」
「お前、中々やるな」
「まぁね、サバゲーじゃ敵無しだったから」
 チョット自慢してみた。
『こいつ……本当に凄い、この短い銃身のVZ61をまるでライフルのように正確に……普通、少しでも動いている相手には中々当らないものだが……天才か?まるで銃の申し子だ……いい気に成るから言わないで置こう……』
 カレンは、ジョーの実力を信頼すると
「お前は前を狙え、私は後ろを片付ける」
 俺たちはお互いの背中を付けて、俺は正面の敵を、カレンは背後から迫る敵を撃ちながら少しづつ長い廊下を進んだ。
「もう少しだ」
 その時、ふいに横の部屋から敵が現れた。
 俺は、そいつに向け引き金を引いた。

カチッ!

 弾切れだ……
「ジョー!伏せろ!」
 俺は咄嗟にその場に伏せた。
 赤いレーザーサイトがインズマスの額に映る。
 次の瞬間そこには穴が開いていた。
「間一髪だったな」
 花園さんだった。
 ホントに頼りになる男だ。
 扉にたどり着いた。
 後ろを振り返ると、またゾロゾロとロビーの方から奴等が現れた。
「ジョー、俺とカレンで此処は死守する。お前は、本を片付けろ」

 俺は、扉を開けると暗い階段を降り始めた。
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