たまにはこんなファンタジー

肯定ペンギン

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想像の創造

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 薄暗い病室の天井を見上げるのが、僕の日常だった。生まれつき体が弱く、外の世界をほとんど知らずに生きてきた。本を読み想像することだけが、僕にとって唯一の冒険だった。もし健康な体だったら、どんなに素晴らしいことができるだろう。そんな夢を、何度も何度も描いては、病魔に蝕まれていく現実に打ちのめされてきた。

 ある日、いつものように目覚めると、見慣れない天井が僕の視界に飛び込んできた。硬いベッド、石造りの壁、そして窓から差し込む眩しいほどの陽光。僕は呆然とした。体が軽い。起き上がってみると、今まで感じたことのない力が全身に満ちている。

「ここは……どこだ?」

 混乱する僕の脳裏に、聞き慣れない声が響いた。

「よくぞ目覚められました、創造主よ」

 創造主? 何のことだ? その声は僕の問いに答えるかのように続けた。

「あなたは『イマジナリークリエイション』のスキルを授かり、この世界に転生しました。あなたが心に描いたものは、すべて現実のものとなるでしょう」

 それだけ言うと、その声はかき消え、聞こえなくなってしまった。
 イマジナリークリエイション。想像したものを創造できるスキル。病室で空想の世界に浸っていた僕が、まさに求めていた力ではないか! 僕は信じられない思いで自分の両手を見つめた。

 まずは、身近なものを試してみた。喉が渇いた、と思った瞬間、目の前に澄んだ水が入ったコップが現れた。次に、大好きな冒険小説に出てくるような、ふわふわのパンを想像した。すると、香ばしい匂いをあたりに漂わせながら焼き立てのパンが目の前に現れた。

 僕は感動で震えた。これは夢じゃない。僕はもう、病弱な僕じゃないんだ。

 この世界は、僕が今まで想像してきた以上に広大で危険に満ちていた。魔物が跋扈し、国と国が争い、人々は厳しい生活を送っていた。しかし、僕には『イマジナリークリエイション』がある。

 僕はまず、自分自身が快適に過ごせる場所を作った。緑豊かな丘の上に頑丈な家を創造し、必要な家具や道具もすべて思いのままに作り出した。そして食料や水も、いくらでも生み出すことができる。もう、あの頃のように何もできずに横たわるだけの自分ではない。

 しかし、僕の『イマジナリークリエイション』は単なる便利ツールでは終わらなかった。ある日、森の中で魔物に襲われている少女を助けた。彼女は僕の創造した家で回復し、そして僕に、この世界の厳しい現実を教えてくれた。飢えに苦しむ人々、病に倒れる子どもたち、そして魔物の脅威に怯える村々。

 僕は考えた。僕の力は、自分だけのために使うべきではない。僕は飢えに苦しむ村に豊かな畑を、安全な水を創造した。病に苦しむ人々のために薬草や治療法を思い描いた。魔物の脅威に晒される地域には強固な防壁や魔物を撃退する力を持つ剣を創造した。

 僕が想像するたびに、世界は少しずつ変わっていった。人々の顔に笑顔が戻り、希望が芽生えていくのを、僕は確かに感じた。病弱だった頃の僕が窓から眺めていた世界は、手の届かない場所だった。けれど今、僕は自分の手で、この世界を創造していくことができる。

 しかし、僕の力は時に、新たな問題を引き起こすこともあった。僕が創造したものが、争いの火種になったり、人々の依存を生み出したりすることもあった。僕は自分の力の重さを知った。ただ思い描くだけではいけない。想像力には、責任が伴うのだと。

 僕は旅に出た。この世界のことをもっと知り、人々が本当に何を必要としているのかを理解するために。そして、僕の『イマジナリークリエイション』を、もっと賢く、もっと人々のために使う方法を模索し始めた。

 病弱だった少年は、今、異世界で無限の可能性を秘めた創造主となった。かつての僕は、ただ生きていくだけで精一杯だった。しかし今は、この世界をより良い場所にするために、想像の翼を広げ、創造の力を振るう。僕の物語は、まだ始まったばかりだ。
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