4 / 10
第一章 冴えない騎士
第一章 二節 それぞれの苦悩
しおりを挟む
夜ももうすぐ明け、街も流石に静まり返ってきた頃。未だに男と老年の男性、もとい酒場のマスターとの話しは続いていた。だが、話しといっても酒場のマスターが男の愚痴を延々と聞いているだけなのだが…。
「それで、久々に会った友人になんかいきなり『お前ってやっぱり冴えない顔してるよな。』って言われたんですよ。だから私って地味なんかな~て最近思うんですよ。」
「確かにあなたは冴えない顔をしてますね。それでも私はあなただけの良さが他にあると思いますよ?」
「えっ?顔の事は肯定するんですか?」
「…」
「ちょっ、黙らないでくださいよ…。」
「いえ…流石に私も元からのもののフォローは難しいですから…。」
「いや、もう顔の事はいいんですよ!そんなことより、さっきから話を聞いてるだけのおっちゃんは何かないんですか?」
このままでは絶対に自分の評価が落ちていくだけだと思った男はたまらず話題を変えようとする。
「何か、ですか…。自分は特にはそういったことはないですが、強いて言うならハンター達の態度ですかね。」
「やっぱ、あいつらは相変わらずの感じですか…。」
ハンターとは、こことは違う別の国、魔獣の群生地帯にある闘政国家ストライグを中心に存在する魔獣を狩ることを生業にしている者たちとことだ。
基本的に店などで売っているものは肉は、ハンターが狩り、自分たちのいる商政国家ウルクで加工した魔獣の肉なのだが…。
「なんであいつらはこっちと対等な関係にあるはずなのに偉そうなんですかね?」
「きっと、なにか自分たちが上に立ちたいみたいなプライドがあるのですよ。」
ハンターは、とにかく気性の荒い者が集まっている。そのため、ハンターには礼儀の知らぬ者も多いのだ。
「自分たちも仕事は外の警備なんでハンターと会うこともしばしばあるんですけど…。やっぱりリリカとかダイナらへんが会うたびに機嫌悪くしてますね…。」
「それ、大丈夫なんですか?リリカさんはともかく、ダイナさんが機嫌悪くしたらハンターたちが燃えそうな気がするのですが…。」
酒場のマスターが心配そうにしながら、男に聞いた。
「ハハハ…。実際にそうなりそうだから私が毎晩しかめっ面で酒を飲んでるんですよ…。」
と、男は疲れ切った顔で言った。
そう、男が死んだ目で一人、酒を飲んでいた理由は彼が所属している都市防衛部隊の国境警備部隊第5小隊の隊員たちにあるのだ。男は第5小隊の隊長なので、毎日凶暴な隊員たちを抑え込む必要があるのだ。まだ…隊長に昇進したときは希望で胸がいっぱいだった筈なのに…。
「なんで自分は昇進してからの方が苦労してるんですかね。同期は良い後輩に囲まれている中…なんで自分だけ…。」
「それでも同期の中では一番に昇進しているのでしょう?それにもう小隊の中では五番目に位置しているのですから、それだけでも凄いことですよ。」
「いや、違うんですよ。自分でいうのもなんですけど、それは周りの反応からもわかってるんです。同期のやつからも前に言われました。けど私が言いたいのは自分の置かれている環境のことなんです。」
「自分の隊員たちに問題はあるが、それ以上に隊員たちが有能なので切り捨てがたいと?」
「まあ、そんな感じです…ね…?」
と、自分の仕事の話をして、男はあることに気づく。
「おっちゃん…今日って十九日で会ってます?」
「はい。そうですが…あっ…。」
どうやら、酒場のマスターもそこまで言って気づいたようだ。そう、今日十一月十九日は、
「なんで朝まで飲むとかしたんだ俺!今日は…仕事日じゃねぇかぁ"あ"あ"あ"!!」
やらかした男の絶叫が街に響き、街に朝を知らせたのだった。
「それで、久々に会った友人になんかいきなり『お前ってやっぱり冴えない顔してるよな。』って言われたんですよ。だから私って地味なんかな~て最近思うんですよ。」
「確かにあなたは冴えない顔をしてますね。それでも私はあなただけの良さが他にあると思いますよ?」
「えっ?顔の事は肯定するんですか?」
「…」
「ちょっ、黙らないでくださいよ…。」
「いえ…流石に私も元からのもののフォローは難しいですから…。」
「いや、もう顔の事はいいんですよ!そんなことより、さっきから話を聞いてるだけのおっちゃんは何かないんですか?」
このままでは絶対に自分の評価が落ちていくだけだと思った男はたまらず話題を変えようとする。
「何か、ですか…。自分は特にはそういったことはないですが、強いて言うならハンター達の態度ですかね。」
「やっぱ、あいつらは相変わらずの感じですか…。」
ハンターとは、こことは違う別の国、魔獣の群生地帯にある闘政国家ストライグを中心に存在する魔獣を狩ることを生業にしている者たちとことだ。
基本的に店などで売っているものは肉は、ハンターが狩り、自分たちのいる商政国家ウルクで加工した魔獣の肉なのだが…。
「なんであいつらはこっちと対等な関係にあるはずなのに偉そうなんですかね?」
「きっと、なにか自分たちが上に立ちたいみたいなプライドがあるのですよ。」
ハンターは、とにかく気性の荒い者が集まっている。そのため、ハンターには礼儀の知らぬ者も多いのだ。
「自分たちも仕事は外の警備なんでハンターと会うこともしばしばあるんですけど…。やっぱりリリカとかダイナらへんが会うたびに機嫌悪くしてますね…。」
「それ、大丈夫なんですか?リリカさんはともかく、ダイナさんが機嫌悪くしたらハンターたちが燃えそうな気がするのですが…。」
酒場のマスターが心配そうにしながら、男に聞いた。
「ハハハ…。実際にそうなりそうだから私が毎晩しかめっ面で酒を飲んでるんですよ…。」
と、男は疲れ切った顔で言った。
そう、男が死んだ目で一人、酒を飲んでいた理由は彼が所属している都市防衛部隊の国境警備部隊第5小隊の隊員たちにあるのだ。男は第5小隊の隊長なので、毎日凶暴な隊員たちを抑え込む必要があるのだ。まだ…隊長に昇進したときは希望で胸がいっぱいだった筈なのに…。
「なんで自分は昇進してからの方が苦労してるんですかね。同期は良い後輩に囲まれている中…なんで自分だけ…。」
「それでも同期の中では一番に昇進しているのでしょう?それにもう小隊の中では五番目に位置しているのですから、それだけでも凄いことですよ。」
「いや、違うんですよ。自分でいうのもなんですけど、それは周りの反応からもわかってるんです。同期のやつからも前に言われました。けど私が言いたいのは自分の置かれている環境のことなんです。」
「自分の隊員たちに問題はあるが、それ以上に隊員たちが有能なので切り捨てがたいと?」
「まあ、そんな感じです…ね…?」
と、自分の仕事の話をして、男はあることに気づく。
「おっちゃん…今日って十九日で会ってます?」
「はい。そうですが…あっ…。」
どうやら、酒場のマスターもそこまで言って気づいたようだ。そう、今日十一月十九日は、
「なんで朝まで飲むとかしたんだ俺!今日は…仕事日じゃねぇかぁ"あ"あ"あ"!!」
やらかした男の絶叫が街に響き、街に朝を知らせたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる