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緞帳は、彼女の意思で
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蜜壺もクリトリスも段々真っ赤に色付いてきて、白い体に赤い蚯蚓腫れが増えていきました。
びくんびくんと魚のように跳ねる体だって、段々元気を失くしていきました。
白む頭と、喘鳴のような呼吸は、凛の限界を切々と訴えています。
「…ああ、そうか。お前は鞭がいやだと言っていたな」
額に汗を流す彼は、指を鳴らしました。ここで凛が絶えてしまっては元も子もないのです。彼は凛の限界を計りながら、どうにかしてYESと言わせる方法を模索しているのです。
ぐったりと動かなくなってしまった凛は、久方ぶりに頭を持ち上げられました。
散々頭に血が昇っていたというのに急に戻されて、眩暈と吐き気が襲います。彼はちっとも構いませんでした。凛の意識がどうであれ、とにかく絶える前にYESと言わせればいいのです。凛の極上の蜜さえ手に入れば、あとはどうだっていいのです。
鞭の次は飴かと思いついた彼は、大の字にした凛の足の間に細い触手を渡らせました。
「気持ちよくしてやるよ」
「ひっ…やだっ…かえる…」
目の前がぐらぐら揺れる凛は、自分の状況もあまりよく分かっていません。女王が正面にいるということと、クリトリスがずきずきと痛み、これは快感なのか痛みなのか分からないということだけです。
冷たい触手は凛の割れ目にぎっちりと食い込んだまま、へら状に形を変えました。
「ひっ…」
強制的に割れ目をくぱりと割られ、ピンク色の触手がクリトリスを押し潰します。へら状の表面は徐々に形を変えていきました。やがてブラシのような毛がびっしりと生え揃うと、次の指示が待ちきれないとばかりにそろそろと動き始めます。
「イきたいんだったな?」
「NO!やだっNO!」
嫌な予感しかしない凛は、必死に叫びました。鍵は凛の声に反応して熱くなりますが、次の瞬間、悲鳴と同時にゆっくりと冷えていきました。
「ぃあああっああんっああ!やめて!やめてよぉぉ!」
毛足の長いへら状のブラシが、待っていましたとばかりに前後に動き始めます。力加減を忘れ、蜜壺もクリトリスもへら状のブラシがごしごしと磨き上げていきました。
長い毛足はクリトリスの皮の内部にまで入り込み、これまで散々蜜を零して汚れたクリトリスを荒く乱暴にごしごしと擦り上げます。溢れ出る蜜は潤滑油代わりに、蜜壺の中もぴかぴかに磨きあげてやろうと時々細かに、そしてその体積をいっぱいに使って大きく磨き上げていきます。
「やだああっあああっんんっやだっやめて!いく!いくっ…ひああっ!」
「これが好きか。分かった分かった。いくらでもしてやろう」
視界がハレーションを起こし、迫りくる絶頂の波は今まさに凛を飲み込もうと大きな口をあけました。
「いっ…く、いくっ…!」
がくがく震える体はその波に備えて硬く緊張し、つま先までピンと伸び切ります。
「女王になろうな」
笑いそうになる口角を叱咤して、さも世間話のように彼がぽつりと言いました。
彼のことばに神経回路がちりちりと燃えて、思考力を失くした凛はつい頷いてしまいそうでした。でも、そうしませんでした。
凛の心はもう決まっているのです。
「っ…NO!」
ごしゅごしゅと擦り上げていた触手がぴたりと静止しました。
「ひっ…」
またしても目の前で取り上げられた巨大な絶頂の波に、凛の体の内側が叫びます。何度も取り上げられたそれに、悲しさや悔しさよりも怒りが湧いてくるほどでした。
しかし、凛はもう欲しがりませんでした。凛の心には、家に帰るという強い炎が燃えているのです。体の内側がどれだけ号哭しようとも、蓮という支えが凛の気持ちを強くさせていました。
「帰る、っ…おうちに、帰るっ…!」
がくがく震える体を叱咤して、意識的に鍵を強く握り締めました。揺るがない決意は、鍵にもしっかりと伝わっているようです。
元の世界の風景が徐々に輪郭を表して、凛の決意をより強固にしていきました。
「…つらいけど…蓮が、みんなが……たすけて、くれたから…!」
帰りたくないとごねた凛は、もうここにはいません。今ここにいるのは、右も左も知らなかった幼い少女ではありませんでした。
彼は、背中に冷たい汗がダラダラと流れるのをはっきりと感じました。極上の餌を逃がすわけにはいかないのです。
「俺が…王だ…」
怒り滾る拳には焦燥と僅かな不安を握りこみ、凛を睨みつけます。
「どこまで俺の邪魔をするつもりだ…兄さん…」
地響きに似た彼の声にも、凛はもう怯えませんでした。彼の目指す世界など自分には関係のないことだと言い聞かせ、蓮の姿を頭の中ではっきりと思い浮かべます。
初めて心から愛した人でした。幸せなキスを知りました。いつも凛を護ってくれました。時々意地悪をして、恥ずかしい格好をさせられましたが、ちっともいやではありませんでした。体を許すことは即ち、心を許すことだと知ったのです。
それから、離れなくてはいけない、心を引き裂かれるような痛みも知りました。
何故離れなくてはいけないのでしょう。思うだけで心がぼろぼろになってしまいそうですが、しかし、凛は蓮の言葉を忘れていませんでした。
──きっとまた、必ず会えるよ。
眉を下げ、凪いだ湖面のような声で凛を励ましてくれたのです。
それが例え凛を励ますための優しい嘘だったとしても、凛は信じました。
だから。
「帰る…!」
ぞり、と触手が蠢きます。敏感になりすぎたクリトリスが僅かな刺激だって逃すまいと必死に快感を拾い上げますが、凛は歯を食いしばりました。
「帰る!元の世界に…!」
叫ぶような凛の声が、広すぎるフロアに響き渡ります。力強い声は剣に似ていました。
鍵が燃え盛らんとばかりに熱を持ちました。
ぎりぎりと奥歯を噛む彼が、喉から血が出そうなほどに叫びました。凛の目で、どろどろに溶けた顔の女王が一瞬、ふわりと微笑みました。なにか言ったように見えましたが、凛には分かりませんでした。
それが、凛が見た最後の景色でした。
びくんびくんと魚のように跳ねる体だって、段々元気を失くしていきました。
白む頭と、喘鳴のような呼吸は、凛の限界を切々と訴えています。
「…ああ、そうか。お前は鞭がいやだと言っていたな」
額に汗を流す彼は、指を鳴らしました。ここで凛が絶えてしまっては元も子もないのです。彼は凛の限界を計りながら、どうにかしてYESと言わせる方法を模索しているのです。
ぐったりと動かなくなってしまった凛は、久方ぶりに頭を持ち上げられました。
散々頭に血が昇っていたというのに急に戻されて、眩暈と吐き気が襲います。彼はちっとも構いませんでした。凛の意識がどうであれ、とにかく絶える前にYESと言わせればいいのです。凛の極上の蜜さえ手に入れば、あとはどうだっていいのです。
鞭の次は飴かと思いついた彼は、大の字にした凛の足の間に細い触手を渡らせました。
「気持ちよくしてやるよ」
「ひっ…やだっ…かえる…」
目の前がぐらぐら揺れる凛は、自分の状況もあまりよく分かっていません。女王が正面にいるということと、クリトリスがずきずきと痛み、これは快感なのか痛みなのか分からないということだけです。
冷たい触手は凛の割れ目にぎっちりと食い込んだまま、へら状に形を変えました。
「ひっ…」
強制的に割れ目をくぱりと割られ、ピンク色の触手がクリトリスを押し潰します。へら状の表面は徐々に形を変えていきました。やがてブラシのような毛がびっしりと生え揃うと、次の指示が待ちきれないとばかりにそろそろと動き始めます。
「イきたいんだったな?」
「NO!やだっNO!」
嫌な予感しかしない凛は、必死に叫びました。鍵は凛の声に反応して熱くなりますが、次の瞬間、悲鳴と同時にゆっくりと冷えていきました。
「ぃあああっああんっああ!やめて!やめてよぉぉ!」
毛足の長いへら状のブラシが、待っていましたとばかりに前後に動き始めます。力加減を忘れ、蜜壺もクリトリスもへら状のブラシがごしごしと磨き上げていきました。
長い毛足はクリトリスの皮の内部にまで入り込み、これまで散々蜜を零して汚れたクリトリスを荒く乱暴にごしごしと擦り上げます。溢れ出る蜜は潤滑油代わりに、蜜壺の中もぴかぴかに磨きあげてやろうと時々細かに、そしてその体積をいっぱいに使って大きく磨き上げていきます。
「やだああっあああっんんっやだっやめて!いく!いくっ…ひああっ!」
「これが好きか。分かった分かった。いくらでもしてやろう」
視界がハレーションを起こし、迫りくる絶頂の波は今まさに凛を飲み込もうと大きな口をあけました。
「いっ…く、いくっ…!」
がくがく震える体はその波に備えて硬く緊張し、つま先までピンと伸び切ります。
「女王になろうな」
笑いそうになる口角を叱咤して、さも世間話のように彼がぽつりと言いました。
彼のことばに神経回路がちりちりと燃えて、思考力を失くした凛はつい頷いてしまいそうでした。でも、そうしませんでした。
凛の心はもう決まっているのです。
「っ…NO!」
ごしゅごしゅと擦り上げていた触手がぴたりと静止しました。
「ひっ…」
またしても目の前で取り上げられた巨大な絶頂の波に、凛の体の内側が叫びます。何度も取り上げられたそれに、悲しさや悔しさよりも怒りが湧いてくるほどでした。
しかし、凛はもう欲しがりませんでした。凛の心には、家に帰るという強い炎が燃えているのです。体の内側がどれだけ号哭しようとも、蓮という支えが凛の気持ちを強くさせていました。
「帰る、っ…おうちに、帰るっ…!」
がくがく震える体を叱咤して、意識的に鍵を強く握り締めました。揺るがない決意は、鍵にもしっかりと伝わっているようです。
元の世界の風景が徐々に輪郭を表して、凛の決意をより強固にしていきました。
「…つらいけど…蓮が、みんなが……たすけて、くれたから…!」
帰りたくないとごねた凛は、もうここにはいません。今ここにいるのは、右も左も知らなかった幼い少女ではありませんでした。
彼は、背中に冷たい汗がダラダラと流れるのをはっきりと感じました。極上の餌を逃がすわけにはいかないのです。
「俺が…王だ…」
怒り滾る拳には焦燥と僅かな不安を握りこみ、凛を睨みつけます。
「どこまで俺の邪魔をするつもりだ…兄さん…」
地響きに似た彼の声にも、凛はもう怯えませんでした。彼の目指す世界など自分には関係のないことだと言い聞かせ、蓮の姿を頭の中ではっきりと思い浮かべます。
初めて心から愛した人でした。幸せなキスを知りました。いつも凛を護ってくれました。時々意地悪をして、恥ずかしい格好をさせられましたが、ちっともいやではありませんでした。体を許すことは即ち、心を許すことだと知ったのです。
それから、離れなくてはいけない、心を引き裂かれるような痛みも知りました。
何故離れなくてはいけないのでしょう。思うだけで心がぼろぼろになってしまいそうですが、しかし、凛は蓮の言葉を忘れていませんでした。
──きっとまた、必ず会えるよ。
眉を下げ、凪いだ湖面のような声で凛を励ましてくれたのです。
それが例え凛を励ますための優しい嘘だったとしても、凛は信じました。
だから。
「帰る…!」
ぞり、と触手が蠢きます。敏感になりすぎたクリトリスが僅かな刺激だって逃すまいと必死に快感を拾い上げますが、凛は歯を食いしばりました。
「帰る!元の世界に…!」
叫ぶような凛の声が、広すぎるフロアに響き渡ります。力強い声は剣に似ていました。
鍵が燃え盛らんとばかりに熱を持ちました。
ぎりぎりと奥歯を噛む彼が、喉から血が出そうなほどに叫びました。凛の目で、どろどろに溶けた顔の女王が一瞬、ふわりと微笑みました。なにか言ったように見えましたが、凛には分かりませんでした。
それが、凛が見た最後の景色でした。
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