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自分を変えること
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通常、入浴当番はその日の日勤が行うことになっている。
だからあたしが入浴当番になることは元から圧倒的に多い。これに関してはそういうシフトで働いているのだから特に大きな問題はない。いや……腰が痛くなるとか、体力が続かないとかそういう問題はあるけど、それはそれでなんとか自分で体調管理をしていくしかないのだ。
それで……あたしは早番の時も、できる限り、普段、夜勤に入ってくれる職員と働くときは入浴を手伝うか変わるかすることにした。
そもそも誰かが夜勤をしてくれているから、自分はここで働けるのだ。
新木さんと話していろいろ考えた。
確かに自分の仕事を押し付けるのは良くないことだ。
しかし、一方でそういうことを失くそうとしてもなくならないのも事実ではある。
他人は自分では変えられないからだ。
ならば自分の考え方を少し変えていく必要がある。
自分がここで働いて夕凪と一緒に慎ましやかに生活できるのは自分の力だけではない。
両親が助けてくれるし、アパートの大家さんが気遣ってくれている。隣の二階堂さんも勉強の合間に遊びに来てくれてはちょっとしたことを手伝ってくれる。
そういう風に考えると、職場での問題も同じなのである。
今、あたしは早番と日勤のみで働いている。
それは契約上の問題であり、他人にとやかく言われる筋合いのものではない。
しかし、そんな契約ができるのは、自分ができない時間帯の仕事をしてくれている人がいるからなのだ。
そういう感謝の気持ちは本当に大事だと思う。
『入浴行ってきますね』
『ありがとう』
最初はぎくしゃくしていた谷井田さんとの関係もあたしが進んで体力を使う仕事をするようになってからはそんなではなくなっている。
人から言われてやると『押し付けられた』と感じるが、自分が決めてやったことだとそうは感じないから不思議なものである。
もちろん、これはあたしが好きでやっていることなのだから他人に強要してはいけない。
あたしとの関係はぎくしゃくしなくはなったものの、谷井田さんの性格は治らない。
結局、自分の都合の悪いことは何かと人に押し付けようとするし、何かあると『休む』だの言って周りを困らせている。それにあたしにものを言うときのさげすむような話し方も変わらない。
でもそんなことで悩んでいる暇はないのだ。
あたしには夕凪がいるし、谷井田さん以外に感謝しなければいけない人もいる。
だから谷井田さんのことばかりかまってはいられない。
職場での仕事がうまく回るのならそれはそれでよしとしなければいけないのだ。
世の中捨てたものではない、なんて言葉はあるけど、やっぱりいろんな人がいて、どうしても自分とは交われそうもない人もいる。
仕事がうまく回る代わりにあたしの体力は大分削られているような気がする。
仕事が終わり、夕凪を迎えに行き、バスに乗り座ってしまうと気を失うかのように寝てしまうことも多くなってしまった。家に帰ったあとも夕凪の世話をして、家事を行うのだが、家事に関しても最後までできずに台所を汚くしたまま寝てしまったりすることも少なくない。
何か考えなくちゃいけないなあ……と思う。
だからあたしが入浴当番になることは元から圧倒的に多い。これに関してはそういうシフトで働いているのだから特に大きな問題はない。いや……腰が痛くなるとか、体力が続かないとかそういう問題はあるけど、それはそれでなんとか自分で体調管理をしていくしかないのだ。
それで……あたしは早番の時も、できる限り、普段、夜勤に入ってくれる職員と働くときは入浴を手伝うか変わるかすることにした。
そもそも誰かが夜勤をしてくれているから、自分はここで働けるのだ。
新木さんと話していろいろ考えた。
確かに自分の仕事を押し付けるのは良くないことだ。
しかし、一方でそういうことを失くそうとしてもなくならないのも事実ではある。
他人は自分では変えられないからだ。
ならば自分の考え方を少し変えていく必要がある。
自分がここで働いて夕凪と一緒に慎ましやかに生活できるのは自分の力だけではない。
両親が助けてくれるし、アパートの大家さんが気遣ってくれている。隣の二階堂さんも勉強の合間に遊びに来てくれてはちょっとしたことを手伝ってくれる。
そういう風に考えると、職場での問題も同じなのである。
今、あたしは早番と日勤のみで働いている。
それは契約上の問題であり、他人にとやかく言われる筋合いのものではない。
しかし、そんな契約ができるのは、自分ができない時間帯の仕事をしてくれている人がいるからなのだ。
そういう感謝の気持ちは本当に大事だと思う。
『入浴行ってきますね』
『ありがとう』
最初はぎくしゃくしていた谷井田さんとの関係もあたしが進んで体力を使う仕事をするようになってからはそんなではなくなっている。
人から言われてやると『押し付けられた』と感じるが、自分が決めてやったことだとそうは感じないから不思議なものである。
もちろん、これはあたしが好きでやっていることなのだから他人に強要してはいけない。
あたしとの関係はぎくしゃくしなくはなったものの、谷井田さんの性格は治らない。
結局、自分の都合の悪いことは何かと人に押し付けようとするし、何かあると『休む』だの言って周りを困らせている。それにあたしにものを言うときのさげすむような話し方も変わらない。
でもそんなことで悩んでいる暇はないのだ。
あたしには夕凪がいるし、谷井田さん以外に感謝しなければいけない人もいる。
だから谷井田さんのことばかりかまってはいられない。
職場での仕事がうまく回るのならそれはそれでよしとしなければいけないのだ。
世の中捨てたものではない、なんて言葉はあるけど、やっぱりいろんな人がいて、どうしても自分とは交われそうもない人もいる。
仕事がうまく回る代わりにあたしの体力は大分削られているような気がする。
仕事が終わり、夕凪を迎えに行き、バスに乗り座ってしまうと気を失うかのように寝てしまうことも多くなってしまった。家に帰ったあとも夕凪の世話をして、家事を行うのだが、家事に関しても最後までできずに台所を汚くしたまま寝てしまったりすることも少なくない。
何か考えなくちゃいけないなあ……と思う。
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