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2 最悪のタイミング
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「やあやあ、君たちが僕の国を救ってくれる、仲間かな? 僕はルーウェン。君たちを召喚した者だ」
美少年は能天気そうにそう言って、唖然とする私たちへ、朗らかに挨拶をした。
ルーウェン?
召喚?
何を言っているの、この人。
それより、そんなことより。
「聖女様とお話できなかったあああああああああ!!!」
どこか知らないところに飛ばされたことより、聖女様との時間を持てなかったことに、ショックを受ける。
国の生きる伝説、聖女様との初対面が。
私の人生史上、おそらく最も大切だったはずの時間が。
「よりにもよって、なんていうタイミングでやらかしてくれたの! 殴っていいかな! いいよね!?」
私はその、ルーウェンと名乗った美少年に握り拳を作ったままにじり寄る。
すると、彼の横にいた大人たち慌てて「それはなりません。ルーウェン――ですので」と庇うように割り入って来た。
私は怒りで顔を真っ赤にさせながら、話を聞かずにその大人たちに食ってかかる。
「子ども同士の喧嘩に、大人が口出しするとか、理解できないんですけど!」
「ですから、この方は普通の子どもではないのです!」
「……はい?」
首を傾げる私に、落ち着いた雰囲気の、これまたカッコイイ少年が教えてくれた。
「その人、王子様らしいぞ。俺たちを召喚した、この国の第一王子だってさ」
「……はぁ」
私の国の第一王子は、そんな名前ではない。
嘘をついても直ぐにバレるだろうし、ほかの国の王子だったとしたら逆になぜ言葉が通じるのだろう。
眉間の皺を深める私の横で、またほかの少年が、ルーウェンと名乗った王子にそろそろ、と近づいた。
「ルーウェン殿下……? 本物……?」
「はい、そうです。僕を知っているということは、君は今の時代の人なのかな?」
「あの、僕はしがない商人の息子、エルディアと申します。その、なんの能力もない僕を召喚されたのは、何かの間違いかと思われるのですが……」
少年がおずおずと言うのに便乗して、私も手を挙げる。
「はい、同じく私もなんの能力もありません。間違いです、だからさっさと私を元の場所、というか聖女様のところへ戻してください!」
「う~ん、おかしいな……」
ルーウェン殿下は、顎に指を引っ掛けて何かを考える素振りをした。
なるほど、王子だと言われれば納得できる品の良さだ。
そして彼は、大人たちに何かを耳打ちされて、こくりと頷く。
「まあ、仮に間違いだとしても、僕には君たちを召喚した責務があります。君たちの待遇はきちんとこちらで保証しますので、ひとまず場所を変えて、自己紹介でもしながら交流を深めましょうか」
そして私の願いは却下され、あれよあれよという間にお城へと連行されていったのだった。
美少年は能天気そうにそう言って、唖然とする私たちへ、朗らかに挨拶をした。
ルーウェン?
召喚?
何を言っているの、この人。
それより、そんなことより。
「聖女様とお話できなかったあああああああああ!!!」
どこか知らないところに飛ばされたことより、聖女様との時間を持てなかったことに、ショックを受ける。
国の生きる伝説、聖女様との初対面が。
私の人生史上、おそらく最も大切だったはずの時間が。
「よりにもよって、なんていうタイミングでやらかしてくれたの! 殴っていいかな! いいよね!?」
私はその、ルーウェンと名乗った美少年に握り拳を作ったままにじり寄る。
すると、彼の横にいた大人たち慌てて「それはなりません。ルーウェン――ですので」と庇うように割り入って来た。
私は怒りで顔を真っ赤にさせながら、話を聞かずにその大人たちに食ってかかる。
「子ども同士の喧嘩に、大人が口出しするとか、理解できないんですけど!」
「ですから、この方は普通の子どもではないのです!」
「……はい?」
首を傾げる私に、落ち着いた雰囲気の、これまたカッコイイ少年が教えてくれた。
「その人、王子様らしいぞ。俺たちを召喚した、この国の第一王子だってさ」
「……はぁ」
私の国の第一王子は、そんな名前ではない。
嘘をついても直ぐにバレるだろうし、ほかの国の王子だったとしたら逆になぜ言葉が通じるのだろう。
眉間の皺を深める私の横で、またほかの少年が、ルーウェンと名乗った王子にそろそろ、と近づいた。
「ルーウェン殿下……? 本物……?」
「はい、そうです。僕を知っているということは、君は今の時代の人なのかな?」
「あの、僕はしがない商人の息子、エルディアと申します。その、なんの能力もない僕を召喚されたのは、何かの間違いかと思われるのですが……」
少年がおずおずと言うのに便乗して、私も手を挙げる。
「はい、同じく私もなんの能力もありません。間違いです、だからさっさと私を元の場所、というか聖女様のところへ戻してください!」
「う~ん、おかしいな……」
ルーウェン殿下は、顎に指を引っ掛けて何かを考える素振りをした。
なるほど、王子だと言われれば納得できる品の良さだ。
そして彼は、大人たちに何かを耳打ちされて、こくりと頷く。
「まあ、仮に間違いだとしても、僕には君たちを召喚した責務があります。君たちの待遇はきちんとこちらで保証しますので、ひとまず場所を変えて、自己紹介でもしながら交流を深めましょうか」
そして私の願いは却下され、あれよあれよという間にお城へと連行されていったのだった。
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