貴方が与えるものならば

イセヤ レキ

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「──っ、は、早く、お慈悲を下さい、ませ……っ」
桔梗ききょう……?」



僕は、ゆっくりと時間を掛け、どろどろに溶かされた秘穴を左右から開きながら、おねだりするように腰を淫らに揺らした。



下に向かって垂れ下がる僕の分身の先っぽからは、これからもたらされる享楽への期待からかポタポタと涎が流れ続け、二つの袋は僕の感情の昂りを受けたのかキュンキュンと制御不能なまでに伸び縮みを繰り返している。



「今日は随分と……積極的だな?まぁ、こちらとしては勿論、そのつもりだが。存分にその身体、味わい尽くそう」



本来であれば出す一方である筈の穴に、真典まさのり様の逞しい男根の先端が宛がわれる。

その瞬間入り口へと変化したその穴に、一瞬のひりつくような痛みを伴って、にゅぷ、とそれが挿入された。



──痛みすらも、愛しい。



僕の名前も、身分も、この感情も、全て貴方が与えてくれた。

貴方が与えてくれるものならば、僕には何であっても大切な宝物。

僕の心も身体も永遠に、真典様のものだ。



「とうとう真典様が、長坂家から嫁を迎えるらしいぞ」
「じゃあ、あの小姓……桔梗もとうとうお払い箱か」
「随分と真典様も粘っておったがのぉ」
「まぁ、あの顔と身体なら、まだまだ他に可愛がってくれる主人も現れるだろ」



そんな輩は、存在しない。

何故なら僕は、真典様以外に僕を捧げるつもりはないから。



じゅぷん!じゅぷん!

粘着質な音が、品の良い部屋中に、場違いなように鳴り響く。

ぢゅぽ……っ、ぐちぐちぐちぐち……



腸壁越しに前立腺をぐりぐりと押され、僕は喜悦の涙を浮かべた。

「ああ、今日も私のものを包み込む桔梗の穴の具合は最高だな」
「……っっ、ありがとう、ございます……っ!!」

僕のお尻を使って、真典様が気持ち良くなさるなら、何よりも幸せだ。



「桔梗……、桔梗……っっ!!」

ばちゅん!ぐちゅ!どちゅん!!

「ひぁっ……!お尻っ……!捲れちゃ……っっ」

真典様のカリがギリギリまで引き抜かれ、僕のお尻の穴を行ったり来たりする度に、その入り口のすぼまりを外へ開き、内へ押し込みと激しい運動を伴わせた。



「それが、良いのだろう?」
「はい……っ、はいっ!!」

真典様、貴方が与えるものならば。



真典様は、腰を僕のお尻に叩き付けながら、

「桔梗、どうして欲しい?」

と問う。



「……っ、中にっ、中に、真典様の子種をたっぷりとお注ぎ下さいませ……!!」

僕は、これからいらっしゃる真典様の奥様のように、孕むことは出来ないけれども。

「ああ、桔梗……!可愛い桔梗、愛しているよ……っっ!!」

貴方のその言葉が、これからは僕以外に囁かれるとしても。



「……僕も、真典様を……っ、お慕い、しております……っっ!!」



出会った時から、ずっと。
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