キングスゲーム ~召喚された異世界は想像以上にRPGでした~

いかぽん

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第2章

第10話

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 スキル修得画面を開くと、いくつかの修得可能なスキルが羅列されていた。


王専用スキル
【ステータス鑑定】
【HP・MPゲージ表示】
【王の探知1】

弓スキル
【弓術1】(修得済み)
【パワーショット】
【アローシャワー】

水属性スキル
【ヒールウォーター】(修得済み)
【アンチドーテ】
【ウォーターガン】

共通スキル
【HPブースト1】
【MPブースト】
【力ブースト1】
【耐久力ブースト1】
【素早さブースト1】
【魔力ブースト1】


 どのスキルもSPを1ポイント消費することで修得できるらしい。

 ちなみに15レベルになると新たに修得可能なスキルが追加されるようだが、それは今気にする話でもないな。

 ポチポチと操作して、細かいスキル内容を確認していく。
 スキル名をクリックすると、そのスキルの詳細説明が表示される。

 スキルのネーミングからだいたい内容が予想できるものはさらっと流して──一番気になるのはやはり、王専用スキルというやつだ。

 まず【ステータス鑑定】。

 これは初見のものも含め、戦闘中にモンスターのステータスを見ることができるスキルらしい。

 ステータスを確認したいモンスターを目視しながらこのスキルの使用を念じると、使用者の視界に対象のステータスが直接表示されるらしいが……この辺は実際に試してみないと、いまいちイメージが湧かないな。

 ちなみにモンスターだけでなく、自分たち以外の王や騎士、その気になれば一般人のステータスも確認できるようだ。

 次に【HP・MPゲージ表示】。

 これは使用者の視界に、自分や味方の騎士、あるいはモンスターや敵の王や騎士のHPゲージとMPゲージが表示されるようになるスキルらしい。
 効果のオンオフも可能。

 しかしこれまた、実際に修得してみないとイメージが湧かないな。

 そもそも「HPゲージ」や「MPゲージ」とスキル説明には当たり前に書いてあるのだが、それは俺が想像しているようなもので合っているのだろうか?

 有用ではありそうだが、こちらも実際に修得してみないことには疑問符がたくさんつくスキルではある。

 そして最後、【王の探知1】。
 これはひょっとすると、一番の曲者かもしれない。

 スキル説明には、「このスキルを使用すると、自分と同じエリアにいる王の候補者の数を知ることができる」とだけ書かれている。
 ほかに詳細説明なし。

 しょうがないので、俺は俺専用案内役ナビゲーターことジゼルに聞いてみる。

「なあジゼル、このスキルの説明にこう書いてあるんだが、『自分と同じエリアにいる』ってどういう範囲のことだか分かるか?」

 するとジゼルは俺の隣に来て、俺が操作しているスキル修得画面をのぞき込んでくる。

「『自分と同じエリア』ですか? えーっと……あ、これあれです、王様。この世界の国はそれぞれ、数十個の『エリア』に分かれているんですよ。この説明で言っている『エリア』って、それのことだと思います」

 ほうほう、ひとつの国が、数十個のエリアに分かれていると。

 というと、エリア一つは、都道府県のうちの一つぐらいのイメージか?

「ちなみに一つのエリアって、どのぐらいの大きさなんだ?」

「一つのエリアの大きさは、エリアごとに結構差があるんですけど、端から端まででだいたい五十キロメートルから百キロメートルぐらいが一般的です。徒歩で横断すると平均で二、三日ぐらいのイメージですね」

 ふむふむ。
 となるとやはり、『エリア』というのは、ざっくり『都道府県』ぐらいのイメージで良さそうだ。

 そうなると、【王の探知1】というスキルを獲得した場合、同じエリアにいる王の候補者の数を知ることができるのだから──つまりは、同じ県内にいる王の数を知ることができる、ぐらいのイメージか。

 ……いや待て、それは本当に役に立つのか?

 ほかの王の候補者プレイヤーがどこにどれだけいるかって情報が喉から手が出るほど欲しいのは確かだが、同じエリア内に何人いるかが分かるだけって、それはどうなのか。

 いや、タダでもらえるならもちろん欲しいが、ほかのスキルとのトレードオフとなると……。

 でもスキルのネーミングから考えて、その先の派生スキル──【王の探知2】とか【王の探知3】とかもありそうなんだよなぁ。
 スキルのランクが上がっていくと、もっと効果が強力になっていくことは予想できるわけで。

 うーん……絶妙なところを攻めてくるな。
 迷いどころだ。

 いずれにせよ、王専用スキルはどれも、なかなかに味のあるスキルだな。
 どれを選ぶか──

 でも普通に攻撃スキルとかを選ぶ手もあるんだよなぁ。
 ステータスアップ系のスキルも、修得しておいて損はしないやつだろうし……。

 ぐつぐつぐつぐつ。
 ああでもないこうでもないと考えていると、脳みそが煮詰まってきた。

 ──よし。

 ここはとりあえず、保留だ。
 先に別のことを考えて、頭をリフレッシュしよう。

 まずはゴブリンのステータス確認だ。

 俺は画面を切り替えて、モンスター図鑑を開く。

 ずらりと「UNKNOWN」が並ぶリストの二段目、「コボルド」の下に「ゴブリン」と表示されていたので、それを選択。


【名 称】 ゴブリン
【レベル】 2
【H P】 8
【攻撃力】 5
【防御力】 1
【素早さ】 5
【魔 力】 3
【スキル】 なし
【経験値】 4
【 G 】 3


 ……ふむふむ。

【攻撃力】がコボルドより2ポイントも高い。
 ジゼルの【防御力】をもってしても2点ダメージをくらうのは、結構痛いな。

 それに加え、一撃で倒せないだけの【HP】があることも合わせ考えると、やはりコボルドと比べて段違いに強いと評価できる。
 3レベルになったからといって、侮れる相手じゃないな。

 しかし過剰に恐れるべき敵でもない。
 このステータスなら、よほどの数で攻められない限り対処は可能だろう。

 よし、ゴブリンのステータス確認終わり。

 次、とりあえず回復。

 俺自身とジゼルに、【ヒールウォーター】をかけていく。

「あれ、王様ご自身も回復するんですか? ダメージ受けてましたっけ?」

「レベルアップで【HP】の最大値が上がったからな。一応安牌で」

「あー、なるほどです。さすが王様」

 ジゼルのむやみな褒め殺しにもだんだん慣れてきた。
 まあな、俺は王様だからな。

 ただ二人に【ヒールウォーター】をかけてみると、ジゼルのほうは【HP】が全快にはならなかった。
 ジゼルの現在の【HP】は「17/20」と表示されている。

【ヒールウォーター】一発で、7ポイントの回復か。
 1レベルのときよりは威力が上がっているな。

 俺は自分のステータス画面を引っ張り出し、スキルの欄から【ヒールウォーター】の効果を確認してみる。


【ヒールウォーター】(消費MP:1)
 味方単体の【HP】を[(使用者の【魔力】×0.4)+(対象の【耐久力】×0.4)]ポイント回復する(端数切り捨て)


 わりと複雑な計算式だった。

 魔法を使用する俺の【魔力】だけでなく、魔法を受ける対象の【耐久力】によっても回復力が変わってくるのか。

 データを確認した俺は、さらにもう一発、ジゼルに【ヒールウォーター】を発動する。
 これでジゼルの【HP】も全快だ。

 あとはゴブリンが落とした金貨も回収していく。
 これまでの獲得金も含め、俺の所持金が107ゴールドになった。

「このゴールドっていうのが、この世界の一般的な通貨ってことでいいんだよな?」

「はい、王様。一日2ゴールドぐらいあれば、物価が安いエリアなら最低限の宿暮らしができます。王様らしいロイヤルスイートだと、その百倍ぐらいかかってしまいますけど……」

「わりと世知辛いのな」

「すいませんすいません! こういう仕組みなんですぅ……!」

「責めてるわけじゃない。貧乏生活は慣れてるしな。ジゼルこそ安宿暮らしは大丈夫なのか?」

「もう全っ然大丈夫です! なんなら馬小屋でも喜んで! ていうかボクが誠心誠意、王様のお世話をして、少しでも快適な暮らしをご提供しなければと心に誓っている次第です!」

「いや、いくら従者だからって、そんないつも俺のことばっかり気遣ってたら疲れるだろ……。ちゃんと休むときは休めよ」

「ふわぁっ……! 王様、優しすぎます……! ボクは、ボクは感激しました!」

「うん、普通だからな」

 ジゼルとそんな他愛もない話をしながら、村へと向かって歩いていく。

 なお結局、スキルは王専用スキルの【ステータス鑑定】を修得することにした。
 これが吉と出るか、凶と出るかは今後のお楽しみだな。
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