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春
歓迎パーティー
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十八時前にしてようやく全員の片づけが終わった。バルト君はお人形に囲まれて幸せそうです。あとなんか懐かれた。上段で僕も一緒になってお人形に囲まれてる。
「そろそろ迎えが来るんじゃないか」とダニエルソン君が言ったそばから、扉がノックされた。
「失礼するよ。おや、さすがだ、ここは片づけが終わってるみたいだね」
「お兄様!」
ぱぁっと表情を輝かせ、いそいそと二段ベッドから降りる。誰だ「可愛い……」とか言った奴。聞こえてるんだからな。
「きちんと整理できた?」
「もちろんです! お兄様から頂いた本も並べました!」
うしろから「誰、あれ」「キャラ違くない?」「くりすてぃーかわいい」とかいろいろ聞こえるけど今はお兄様だ。せっかく部屋を訪ねてくださったというのにお茶の用意もできていないなんて。
「迎えに来ただけなのだから、お茶の準備なんてしなくていいんだからね」
「……ぁ、そ、うですね」
ちょっとだけしょんぼり。お兄様とお茶をしたかった。
「また今度、ね? ほら、今はディナーに行かないと。他の子もごめんね。甘えたな弟だけど、仲良くしてやってくれると嬉しいな」
「お、お兄様……!」
「うん、おれ、くりすてぃーだいすき」
「バルト君だね。うちの弟を頼むよ」
は、恥ずかしいなぁ、もう。真っ先に返事をしたのがバルト君ってのは驚いたけど。
「さて、じゃあ食堂へ向かおうか」
ぱちん、と手を鳴らしたお兄様。やっぱり癖なのかな。指示を出して、行動に移す前によくやっている気がする。似合ってるからなんでもいいんだけどね。
隣に並んで、これから人の多いところへ行くのだし、手を取ろうかどうしようか悩んでいたら見かねたお兄様にギュッと手を握られた。ふんわり微笑うそれに僕も笑みが溢れる。
「もしかして彼、二重人格なんじゃ……」って聞こえてるんだってばシートン君。確かにお兄様とその他大勢じゃ態度が一か百かぐらいの差があるけど、多重人格を疑われるようなことはしてないと思うんだけど。
ディナー、かぁ。疲れてお腹も空いてるし、楽しみなんだけど、果たして僕に楽しむ余裕があるかどうか。多分ないと思う。
まず第一に、この『ゲーム』のプロローグは二パターンある。ヒロインお姉様が階段から落ちそうになったところをグランヴィル先輩に助けられるひたすら王道を走り抜けるハピエン王道ルート。そして僕が危惧してるメリババドエンシリアスルート。お姉様が既にグランヴィル先輩に助けられているならいい。でも僕にはそれを確かめる術はない。
シリアスルートは、お兄様が毒殺をされるところから始まる。ほんと、腹立たしいことこの上ないね。せっかくのディナー、もとい新入生の歓迎パーティーはヴィンセントお兄様の死によって終わりを迎える。毒殺を仕込んだ犯人も、手口もわかってる。
「クリス? 難しい顔をしているよ」
「……ぁ、なんでもありません」
「――そう。心配ごとがあるなら抱え込んではいけないよ」
「はい、大丈夫です、お兄様」
そう、大丈夫だ。これを越えれば、少しの間は平穏だから。だから、だいじょうぶ。だいじょうぶだから、僕は頑張れる。
毒が仕込んであるのは料理じゃなくて、食器のほう。メル君、というかメレディスルートを選んで進んでいくと全部がわかる。手口も、理由も、犯人も、全てがわかる。だけど今のメル君は女の子で、なおかつ前世の記憶を持っている。ゲームの内容も知っている。そういえば、メル君はどうするんだろう。出会って一日だけど、なんとなくあの子の性格は把握できた。口より先にまず手と足が出て、面倒くさがりなところもあるってところかな。ゲームに積極的に絡んでいくようには見えないけど、ストーリー上メル君がいないと成り立たない部分もあったはず、である。朧げだけどね。
お姉様が、階段イベントを選んでいることを祈るしかない。いや、もし何かあっても僕が先回りをしてお兄様を守ればいいだけ。学園に通うことが決まる前からありったけの本を読みまくったんだから、知識フル活用して死んでも守るんだから。
「あまり、思いつめてはいけないよ」
小さく、そんなことをお兄様がポツリと呟いた。顔は前を向いていらっしゃって、こちらを向くことはない。空を映したスカイブルーの瞳はどことなく暗く、重たい雲がかかっていた。僕の何かがいけなかったのだろうか。口に出す前に、お兄様に手を離されてしまう。
「ランチは自由席だったと思うけれど、ディナーは寮ごとにと決まっているんだ」
神話をモチーフにした色鮮やかなステンドグラスの扉を開けたお兄様。あ、そっか、両開きだもんね、そのために手離したのか。なんだ、変にびっくりしてしまったよ。
ドキドキしてる心臓をごまかすように、周囲を見渡した。お昼のときと様変わりしている食堂に目を見開く。ながぁいテーブルが四つ。入り口から見て右側から青、緑、赤、橙色の淡い色をしたレースのテーブルクロスがかかり、光を灯す燭台がキラキラと煌めいている。
「ウンディーネ寮はこっち」
バルト君たちも驚いているみたいだ。一番右の長テーブルへ向かったお兄様の後を慌てて追いかける。テーブルクロスの色がそうだから、たぶんウンディーネ寮、シルフ寮、サラマンダー寮、ノーム寮の並びなのかな。
見渡せば、隣のテーブルには緑を基調とした制服の生徒がいて、一番遠くにはオレンジ色を基調とした制服の生徒が見える。
「うちの寮は私たちが一番乗りだね。ふふ、せっかくだから前の方に座ろうか」
確か、寮長は一番先頭に座るんだっけ。グランヴィル先輩がゲームで教えてくれた。毒は盛りやすい役職っていうわけね。そんでもって、学園長から生徒全員へ贈られるガラス食器には贈られた生徒の名前が刻まれている。
あぁ、そうか、チャンスは今しかない。
「あの、お兄様」
「なぁに、クリス」
「あの、あ、え、えっと……お手洗いは、どこにあるんでしょうか?」
ば、馬鹿っ! 僕の馬鹿! もっといい言い訳あっただろ!
「そろそろ迎えが来るんじゃないか」とダニエルソン君が言ったそばから、扉がノックされた。
「失礼するよ。おや、さすがだ、ここは片づけが終わってるみたいだね」
「お兄様!」
ぱぁっと表情を輝かせ、いそいそと二段ベッドから降りる。誰だ「可愛い……」とか言った奴。聞こえてるんだからな。
「きちんと整理できた?」
「もちろんです! お兄様から頂いた本も並べました!」
うしろから「誰、あれ」「キャラ違くない?」「くりすてぃーかわいい」とかいろいろ聞こえるけど今はお兄様だ。せっかく部屋を訪ねてくださったというのにお茶の用意もできていないなんて。
「迎えに来ただけなのだから、お茶の準備なんてしなくていいんだからね」
「……ぁ、そ、うですね」
ちょっとだけしょんぼり。お兄様とお茶をしたかった。
「また今度、ね? ほら、今はディナーに行かないと。他の子もごめんね。甘えたな弟だけど、仲良くしてやってくれると嬉しいな」
「お、お兄様……!」
「うん、おれ、くりすてぃーだいすき」
「バルト君だね。うちの弟を頼むよ」
は、恥ずかしいなぁ、もう。真っ先に返事をしたのがバルト君ってのは驚いたけど。
「さて、じゃあ食堂へ向かおうか」
ぱちん、と手を鳴らしたお兄様。やっぱり癖なのかな。指示を出して、行動に移す前によくやっている気がする。似合ってるからなんでもいいんだけどね。
隣に並んで、これから人の多いところへ行くのだし、手を取ろうかどうしようか悩んでいたら見かねたお兄様にギュッと手を握られた。ふんわり微笑うそれに僕も笑みが溢れる。
「もしかして彼、二重人格なんじゃ……」って聞こえてるんだってばシートン君。確かにお兄様とその他大勢じゃ態度が一か百かぐらいの差があるけど、多重人格を疑われるようなことはしてないと思うんだけど。
ディナー、かぁ。疲れてお腹も空いてるし、楽しみなんだけど、果たして僕に楽しむ余裕があるかどうか。多分ないと思う。
まず第一に、この『ゲーム』のプロローグは二パターンある。ヒロインお姉様が階段から落ちそうになったところをグランヴィル先輩に助けられるひたすら王道を走り抜けるハピエン王道ルート。そして僕が危惧してるメリババドエンシリアスルート。お姉様が既にグランヴィル先輩に助けられているならいい。でも僕にはそれを確かめる術はない。
シリアスルートは、お兄様が毒殺をされるところから始まる。ほんと、腹立たしいことこの上ないね。せっかくのディナー、もとい新入生の歓迎パーティーはヴィンセントお兄様の死によって終わりを迎える。毒殺を仕込んだ犯人も、手口もわかってる。
「クリス? 難しい顔をしているよ」
「……ぁ、なんでもありません」
「――そう。心配ごとがあるなら抱え込んではいけないよ」
「はい、大丈夫です、お兄様」
そう、大丈夫だ。これを越えれば、少しの間は平穏だから。だから、だいじょうぶ。だいじょうぶだから、僕は頑張れる。
毒が仕込んであるのは料理じゃなくて、食器のほう。メル君、というかメレディスルートを選んで進んでいくと全部がわかる。手口も、理由も、犯人も、全てがわかる。だけど今のメル君は女の子で、なおかつ前世の記憶を持っている。ゲームの内容も知っている。そういえば、メル君はどうするんだろう。出会って一日だけど、なんとなくあの子の性格は把握できた。口より先にまず手と足が出て、面倒くさがりなところもあるってところかな。ゲームに積極的に絡んでいくようには見えないけど、ストーリー上メル君がいないと成り立たない部分もあったはず、である。朧げだけどね。
お姉様が、階段イベントを選んでいることを祈るしかない。いや、もし何かあっても僕が先回りをしてお兄様を守ればいいだけ。学園に通うことが決まる前からありったけの本を読みまくったんだから、知識フル活用して死んでも守るんだから。
「あまり、思いつめてはいけないよ」
小さく、そんなことをお兄様がポツリと呟いた。顔は前を向いていらっしゃって、こちらを向くことはない。空を映したスカイブルーの瞳はどことなく暗く、重たい雲がかかっていた。僕の何かがいけなかったのだろうか。口に出す前に、お兄様に手を離されてしまう。
「ランチは自由席だったと思うけれど、ディナーは寮ごとにと決まっているんだ」
神話をモチーフにした色鮮やかなステンドグラスの扉を開けたお兄様。あ、そっか、両開きだもんね、そのために手離したのか。なんだ、変にびっくりしてしまったよ。
ドキドキしてる心臓をごまかすように、周囲を見渡した。お昼のときと様変わりしている食堂に目を見開く。ながぁいテーブルが四つ。入り口から見て右側から青、緑、赤、橙色の淡い色をしたレースのテーブルクロスがかかり、光を灯す燭台がキラキラと煌めいている。
「ウンディーネ寮はこっち」
バルト君たちも驚いているみたいだ。一番右の長テーブルへ向かったお兄様の後を慌てて追いかける。テーブルクロスの色がそうだから、たぶんウンディーネ寮、シルフ寮、サラマンダー寮、ノーム寮の並びなのかな。
見渡せば、隣のテーブルには緑を基調とした制服の生徒がいて、一番遠くにはオレンジ色を基調とした制服の生徒が見える。
「うちの寮は私たちが一番乗りだね。ふふ、せっかくだから前の方に座ろうか」
確か、寮長は一番先頭に座るんだっけ。グランヴィル先輩がゲームで教えてくれた。毒は盛りやすい役職っていうわけね。そんでもって、学園長から生徒全員へ贈られるガラス食器には贈られた生徒の名前が刻まれている。
あぁ、そうか、チャンスは今しかない。
「あの、お兄様」
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