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春
歓迎パーティーその後
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長い一日がようやく終わる。ふかふかのベッドに体を沈ませて、ゆっくりと眠りに意識を落としていく。結果、フラグおってやりました! 真っ二つに!! 達成感ハンパない。眠たいけど、気分が高揚してて寝れない。
バルト君がいたから、穏便に事が済んだとも言える。バルト君様様だ。
毒殺犯――ノーム寮の五年生は、お兄様の才能に嫉妬していた。はじめは憧れだった。けれどそれはだんだんと燻って、小さな嫉妬心に変わってしまった。自分だってできる、アイツだけじゃないのに。小さい小さい嫉妬心に火を付けたのは悪意がだぁいすきな悪魔である。悪魔の甘言に乗ってしまったその先輩は、焚き付けられるようにお兄様を殺す算段を立てた、というわけだ。
心のうちをバルト君がバラしてしまえば、あっという間だった。最初の内は激昂していたけど、次第に気持ちが萎えてきたのか、ペタンと座り込んで泣き出してしまったんだ。泣いているからって、僕の怒りが収まるわけじゃないから、横っ面を一発、平手で打たせてもらったけどね。今は医務室にいるんじゃないかな。知らないけど。殺人を企ててたわけだし、その上悪魔と取引をしたんだ。学園に居られるとは思えない。
え? どうしてそのシーンがないのかって? そりゃもう脳内会話できる余裕なんてなかった……なんてことはなく、ほとんどバルト君、いやバルト様のおかげで解決したようなものだったからね。あの子のテレパシー能力がなきゃ正直詰んでた。流血沙汰くらいは覚悟してたんだけど。
「くりすてぃー、起きてる?」
「起きてるよ、バルト君」
「そっち、行っても、い?」
美少年同士だからできることですな。可愛い男の子と同衾。おいでよ、と声をかければぐるんっ、と鉄棒の前回りみたいな感じで僕のベッドに着地したバルト君。軽く恐怖だった。しかもどすんって重たくない、すたっとしたスタイリッシュな着地を決めてくれたバルト君はドン引きしてる僕を見て首を傾げてる。
運動とか苦手そうな不思議ちゃんとか思ってたのにもしかして運動得意なのかな。僕は根っからの文系タイプである。お勉強楽しいッー! とまではいかないけど、魔法に関してなら興味関心は尽きないね。学ぶことも、体験することも、実験も、魔法なら大歓迎。だってそれらは全てお兄様のためになるもの。
布団の中に潜り込んできたバルト君は腕の中に何か抱えてる。黒いにゃんこのお人形だ。ふわふわの毛があったかい。バルト君もあったかい。子供体温ほかほかである。一緒に毛布にくるまれてぬくぬくする。やっぱり人肌は安心するね。撫でられるのもハグするのもされるのも好きだからかな。お兄様と美少年美少女以外はお断りだけど。世の中結局は金と顔でしょ。金のある不細工、金のある美形、金のない不細工、金のない美形。お金持ちな美形一択ですな。
「じゃあ、おれ、だめ?」
「ん、なに」
「お金持ちじゃない」
この子心読めるんだった。薄緑の瞳は、まるで猫みたいに光って見える。お金持ちの美形が一番だけど、顔が良ければお金がなくてもいいって人もいるし、バルト君はふわふわしてて目を離せないし、特に養ってあげたい! とかお姉様に人気がありそうだけどな。
「くりすてぃーは? おれ、だめ?」
んんん? そういうフラグはいらないんだけどな、とか自意識過剰かな。
「別に、嫌いじゃないよ」
「じゃあ、すき?」
「だから、嫌いじゃないって」
「すき?」
「……はいはい、好きだよ」
言わされた感あるけど、バルト君が満足そうだからもうどうでもいいかな。
「ふぁ……」
「ねむい?」
「ん」
「じゃあ、ねよ」
ぎゅ、と頭を抱きかかえられて、やっぱりバルト君はお兄様と似てる。お兄様も、一緒に寝てくださるときは僕の頭を抱きかかえてくれて、もしかしたらバルト君はこれも読んでいるのかもしれない。だから、お兄様を恋しがってる僕を慰めようと、似たようなことをしてくれているのかな。
とくん、とくん、ととてもゆっくりと音を立てる心臓の音を聞きながら、僕の意識は眠りへと落ちていく。
翌朝、一緒に寝てる僕とバルト君を見て、リード君が喧しく騒ぐなんてこの時は思ってもいなかった。
バルト君がいたから、穏便に事が済んだとも言える。バルト君様様だ。
毒殺犯――ノーム寮の五年生は、お兄様の才能に嫉妬していた。はじめは憧れだった。けれどそれはだんだんと燻って、小さな嫉妬心に変わってしまった。自分だってできる、アイツだけじゃないのに。小さい小さい嫉妬心に火を付けたのは悪意がだぁいすきな悪魔である。悪魔の甘言に乗ってしまったその先輩は、焚き付けられるようにお兄様を殺す算段を立てた、というわけだ。
心のうちをバルト君がバラしてしまえば、あっという間だった。最初の内は激昂していたけど、次第に気持ちが萎えてきたのか、ペタンと座り込んで泣き出してしまったんだ。泣いているからって、僕の怒りが収まるわけじゃないから、横っ面を一発、平手で打たせてもらったけどね。今は医務室にいるんじゃないかな。知らないけど。殺人を企ててたわけだし、その上悪魔と取引をしたんだ。学園に居られるとは思えない。
え? どうしてそのシーンがないのかって? そりゃもう脳内会話できる余裕なんてなかった……なんてことはなく、ほとんどバルト君、いやバルト様のおかげで解決したようなものだったからね。あの子のテレパシー能力がなきゃ正直詰んでた。流血沙汰くらいは覚悟してたんだけど。
「くりすてぃー、起きてる?」
「起きてるよ、バルト君」
「そっち、行っても、い?」
美少年同士だからできることですな。可愛い男の子と同衾。おいでよ、と声をかければぐるんっ、と鉄棒の前回りみたいな感じで僕のベッドに着地したバルト君。軽く恐怖だった。しかもどすんって重たくない、すたっとしたスタイリッシュな着地を決めてくれたバルト君はドン引きしてる僕を見て首を傾げてる。
運動とか苦手そうな不思議ちゃんとか思ってたのにもしかして運動得意なのかな。僕は根っからの文系タイプである。お勉強楽しいッー! とまではいかないけど、魔法に関してなら興味関心は尽きないね。学ぶことも、体験することも、実験も、魔法なら大歓迎。だってそれらは全てお兄様のためになるもの。
布団の中に潜り込んできたバルト君は腕の中に何か抱えてる。黒いにゃんこのお人形だ。ふわふわの毛があったかい。バルト君もあったかい。子供体温ほかほかである。一緒に毛布にくるまれてぬくぬくする。やっぱり人肌は安心するね。撫でられるのもハグするのもされるのも好きだからかな。お兄様と美少年美少女以外はお断りだけど。世の中結局は金と顔でしょ。金のある不細工、金のある美形、金のない不細工、金のない美形。お金持ちな美形一択ですな。
「じゃあ、おれ、だめ?」
「ん、なに」
「お金持ちじゃない」
この子心読めるんだった。薄緑の瞳は、まるで猫みたいに光って見える。お金持ちの美形が一番だけど、顔が良ければお金がなくてもいいって人もいるし、バルト君はふわふわしてて目を離せないし、特に養ってあげたい! とかお姉様に人気がありそうだけどな。
「くりすてぃーは? おれ、だめ?」
んんん? そういうフラグはいらないんだけどな、とか自意識過剰かな。
「別に、嫌いじゃないよ」
「じゃあ、すき?」
「だから、嫌いじゃないって」
「すき?」
「……はいはい、好きだよ」
言わされた感あるけど、バルト君が満足そうだからもうどうでもいいかな。
「ふぁ……」
「ねむい?」
「ん」
「じゃあ、ねよ」
ぎゅ、と頭を抱きかかえられて、やっぱりバルト君はお兄様と似てる。お兄様も、一緒に寝てくださるときは僕の頭を抱きかかえてくれて、もしかしたらバルト君はこれも読んでいるのかもしれない。だから、お兄様を恋しがってる僕を慰めようと、似たようなことをしてくれているのかな。
とくん、とくん、ととてもゆっくりと音を立てる心臓の音を聞きながら、僕の意識は眠りへと落ちていく。
翌朝、一緒に寝てる僕とバルト君を見て、リード君が喧しく騒ぐなんてこの時は思ってもいなかった。
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