世界の秩序は僕次第

虎鶫

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メインストーリー1

続々・メムロの章:旅立ち編

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宿屋に向かい翌朝に出発することにした。
セキダイン。
物語上の建物だと思っていた場所がまた1つ。

続々・メムロの章:旅立ち編

コンコン!
「メムロくーん、起きてる?」
ルーナさんがドアをノックしてきた。

「起きてます、どうぞ」
ガチャッ!
ルーナさんが部屋に入ってくるなり、僕の手を掴んで外へ連れ出した。
「ルーナさん、急にどうしたんですか?」
「いいから、いいから」
強引だと思ったが、良く考えるとルーナさんはそういう人だった。

街の中にある祠に着いた。
「ここは?」
「祠よ」
それは見ればわかる。

「ここはね回復系の精霊がよく集まる場所なの。メムロくんが回復系を魔法を使うにはここで契約できるよ」
「本当ですか!」
思わず大声を出してしまった。
「はいはい、興奮しないしない。精霊逃げちゃうよ」
ルーナさんがなだめる。

「まずは体力回復できる魔法を覚えておけば、自分がピンチになっても切り抜けられるよ」
回復アイテムを沢山用意する手間も省けるわけか。
「ありがとうございます!」

・・・

「で、ここからどうすれば?」
「どうすればもなにも、精霊居るでしょ。どれかと契約すればいいのよ」

・・・

精霊が居る?
「あ、あの、ルーナさん。精霊ってどれですか?」
恐る恐る聞いてみた。

・・・

ルーナさんが膝から崩れ落ちた。
本当に崩れ落ちたいのはこっちの方だ。

「精霊が見えないのね・・・仕方がないね、宿に戻ろう」
ルーナさんががっかりした様子で宿に向っていった。

僕もとぼとぼと宿に戻った。
回復系の素質は無いということか。

翌朝:ギルド内

ロキさんが地図を広げている。
相変わらず世界は広い。
あれ?ガイアさんの時に見た地図とはちょっと違う気がする。

「おー、やっぱり人数多いギルドはちゃうなー」
サーカさんが感心したように言う。

「メムロちゃん、びっくりしたやろー。この世界はめっちゃごっついねんでー」
初見ではないのでそれほど驚きはしなかったが、前の時より地図の記載範囲が広がっている。
ギルドの人が探索して書き足しているといった感じか。

ロキさんが口を開いた。
「まぁ、サーカは知ってると思うが、この街はここでセキダインはここ」
指差しながら説明してくれた。

セキダイコよりも距離があるが、途中に村があるようだ。
「で、ロキはん、ほんまの依頼はなんや?」
本当の依頼?
ロキさんを見ると驚いた顔をしている。
「サーカ、お前どこまで掴んでいる?」
「さぁ?なんのこっちゃかわからんわ」
意味がさっぱりわからないが、サーカさんは全てを理解しているようだ。

これ以上は詮索しても無駄と悟ったのかロキさんが依頼を言ってきた。
「セキダインも重要だが、まずはギノツ村に向ってくれ。あとは行けばわかる」
「ま、通り道やし休憩も兼ねて寄ったるわ」

「ほんじゃま、サーカ隊しゅっぱつするでー。ロキはん首尾はまかせときー」
そういうと、サーカさんはギルドを出て行った。

何のことかさっぱりわからないまま取り残された2人。
「とりあえず、サーカに付いて行け」
ロキさんがそう言うと、お互い目を合わせて頷いた。

ギルドを出ると、もうすでにサーカさんは準備を終えて街の入り口で待っていた。
「長旅になるからちゃんと準備するんやでー」

言われなくとも、と思いつつもどんなモンスターが出てくるかわからない。
本当に未知の世界。
ルーナさんも同じ心境だろうが実戦経験は豊富。
足を引っ張らないか心配だ。

準備を終えてサーカさんの所に向かった。
ルーナさんも同じぐらいに着いた。

「ほな、出発するけど、1つだけゆーとくで。ルーナちゃんは大丈夫やと思うけど、メムロちゃん。自分の身は自分で守りーや。あと無茶はあかんでー。1つやのーて2つやったな」
相変わらずおちゃらけた感じではあるが目は本気である。
気が引き締まるのを感じる。

「メムロちゃん、気合入れるのはえぇけど、今からそないに気合いれたら疲れるだけやで。何事にもボチボチやでー」
言葉の意味はわからないが気負い過ぎていたのを見透かされた気分だ。

続々・メムロの章つづく
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