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ルートB
メンギャの章:遭遇編
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ザッパーン!
僕はセキライミの近くの湖から上陸した。
メンギャの章:遭遇編
ワフ達の話だとセキダインが光った後に、見たことがない種族が現れたと言っていた。
それはダールエ族のことだろう。
セキダイコが光った後はスイダが現れたがカシジュマの時に殲滅した。
あそこの森はグインが統治しているからもう安全だろう。
ということは、やっぱりセキライミの近くの森にも何かが現れている。
グインも仲間の情報で聞いたと言っていた。
プリダルエみたいなやつが出現していると、森はもちろんだがワニナも危ない。
ロキさんの依頼はセキライミというよりは、ワニナと森に関係があるんだろう。
幸か不幸かメンギャになったことで一番早くセキライミに着いた。
ルーナさん達とサーカさんが合流するのはもう少し後で、それから移動開始だからここに着くのはさらに後になるだろう。
ゾハギの話では森の中にも湖経由で行けるようだが、道がわからないから無理だ。
歩いて森へ行くしかない。
ペタッペタッペタッ。
歩くと音が鳴る。
昔、買ってもらった踏むとピヨピヨなる靴を思い出した。
森に少しずつ近づいているが空気が変わる様子はない。
他と違って何も現れてなくて、ビビー族が森を統治している?
いや、何かは現れているはずだ。
グインの言葉に嘘はない・・・と思う。
森に入ったが何の気配も感じない。
ビビーも居ない。
うーん・・・
考え事をしながら歩いていると何か音が聞こえてきた。
ブーン・・・
音が近づいてくる。
ビビーかな?
ブーーン!
前方に見えたのは・・・グイン?
まっすぐこっちに向ってくる。
『おーい、グインー』
声をかけてみたが気がついてないみたいだ。
というよりこっちに向って来ているが、前をみているようには見えない。
ドーン!
ボトッ!
僕は避け損ねてぶつかってしまった。
グイン風の相手は地面に落ちた。
『いったーっ!あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい。もう逃げないから許して許して・・・っていうか、あんた誰よ!誰よ!っていうか、こっちの言葉は通じないか。っていうか、そんな事言ってる場合じゃないのよ。っていうか、邪魔だからどいてよ!どいて!』
ものすごく早口で言っている。
『いや、全部わかる』
『えっ!?』
『オマエはグインじゃないのか?』
『グインじゃないわよ!っていうか、どこをどうみたらグインと間違えるのよ!っていうか、今はそれどころじゃないのよ。早くどいてよどいて!』
早口でまくしたてる。
なんだか、せわしないやつだ。
道もふさいでないから、急ぐなら早く飛んでいけばいいのに。
ブーーン!
少し横に移動するとグイン風の相手は慌てて飛び去った。
何かから逃げてきたのか?
ってことは、やっぱり何かが出現している。
追いかけられてるっぽい状況なのに、何かが近づいてくる気配は感じられない。
いったい何から逃げているのだ?
少しだけ警戒感を高めて森の奥へと進んでいった。
ペタッペタッペタッ。
しばらく歩いているがやはり誰とも遭遇しないし、何も起こらない。
ここの森はどうなってるのだろう。
森の出口が見えた。
あれ?
まっすぐに進んでいたはずなのに、目の前にはセキライミがある。
グイン風の相手とぶつかった時に僕が方向を間違えたのかな?
サーカさん的には迷子の名人って扱いだけど、そこまで方向音痴ではない・・・はず。
もう一度、森に入ってみた。
やはり何の気配を感じない。
ペタッペタッペタッ。
聞こえてくるのは自分の間抜けな足音だけ。
ブーン・・・
またビビーが飛んでくる音が聞こえてきた。
ブーーン!
前方に見えたのは・・・グイン・・・風のさっきのやつ?
やっぱり前を向いていないまま、まっすぐこっちに向って飛んでくる。
ドーン!
ボトッ!
またぶつかった。
『いったーっ!あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい。もう逃げないから許して許して・・・っていうか、またあんたなの?っていうかなんでまたあんたとぶつかるのよ!っていうか、こっちはそんな事言ってる場合じゃないっていう事ぐらい空気読んでよ!っていうか、もう邪魔だからどいてよ!どいて!』
なぜか早口で怒られた。
文句を言いたいのはこっちの方だが口論しても勝てそうにない気がした。
ブーーン!
少し横に移動するとグイン風の相手はまたもや慌てて飛び去った。
本当にこの森はどうなっているんだ?
僕はまっすぐ歩いているはず。
向こうもまっすぐる飛んでいるはず。
今回もぶつかって転倒したが、進んでいる向きは覚えている。
このまままっすぐ奥へと進んでいく。
ペタッペタッペタッ。
森の出口が見えた。
やっぱり何も起こらない。
「!」
森を出た先の景色を見て僕は愕然とした。
セキライミがある。
何も起こらないどころか、何か起こりすぎている。
三度目の正直ではないが、今度は森に入って歩きながらモリを使って地面に線を引きながら歩こう。
これが目印になる。
ペタッペタッペタッ。
ガリガリッガリガリッ!
自分の間抜けな足音と地面を引っかく音が鳴り響く。
ブーン・・・
・・・もしかして?
ドーン!
ボトッ!
『いったーっ!あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい。もう逃げないから許して許して・・・っていうか、またあんたなの?っていうかこれで3回目よ!3回目!っていうか、あんたここでぼーっと突っ立ってるんじゃないわよ!っていうか、何度も言うけどこっちはそんな事言ってる場合じゃないのよ!っていうか、もう本当に邪魔だからどいてよ!どいて!』
また早口で怒られた。
ブーーン!
そして飛び去った。
地面を見ると僕が線を引いた方向へ相手は飛んで行っている。
つまり、僕はこの線の先に進めばいいのだ。
ペタッペタッペタッ。
ガリガリッガリガリッ!
森の出口が近づいてきた。
なんとなく嫌な予感がする。
地面を見ても線の跡は後ろにしかない。
まっすぐにしか進んでいないはずだし、仮に向きがずれたとしても、線を引いていない道を通れば別の場所に出るはず。
しかし森を抜けた先の景色はセキライミだ。
この森はやっぱりおかしい。
何がおかしいのか分からないぐらいおかしい。
うーん・・・
もう一度、森に入ってみた。
まっすぐ歩くとやっぱり音が聞こえてくる。
ブーン・・・
ドーン!
ボトッ!
はい、ぶつかった。
『色々言いたい気持ちはわかるけど、ちょっと待って!』
今回は先手を打ってみた。
『はい』
意外と素直だ。
『オレはメンギャ、オマエの名前は?』
『イウンよ』
『この森はどうなっているんだ?まっすぐ進んでいるはずなのに、いつの間にか森に入った所に戻っている』
『そうそう、それよそれ!それなのよ!まっすぐ飛んでるはずなのに森から出られなくて、何度も何度もあんたとぶつかるのよ!』
僕は奥に進みたいが進めない、イウンは外に出たいが出られない。
間逆の状況だ。
『イウン、ここはオマエが統治している森じゃないのか?』
『そうそう、それよそれ!それなのよ!この前にセキライミがピカーッと光ったと思ったら何か変なのが出てきて捕まっちゃったけど、こっそり逃げ出したのにずーっと、ずーーーーっと同じところを飛んでるのよ!』
『その変なのとは?』
『見た事無いやつだからわからないったらわからない』
うーん、どうしたものやら。
『理由はわからないが、イウンは外に出たいんだな?』
『そうそう、そうそう、そうなのよ』
『とりあえず、僕の後をついて来てみたらどうだ?』
『あんたは外に戻されるんよね。いいねいいね、いい案ね』
僕が先を歩いてイウンが後をついてきた。
ペタッペタッペタッ!
ブーン!
森の外が見えてきた。
『ほら、あそこが外だ・・・あれ?』
振り返るとイウンがいない。
さっきまで後ろについてきていたのに。
結局、僕だけが外に出た。
目の前はやっぱりセキライミだ。
もう一度、森に入る。
しばらくすると前からイウンが顔を真っ赤にして飛んできた。
『ちょっと、あんた!着いてこいとか言って急にどこ行ってたのよ!っていうか、なんでまたここでで会うのよ!』
『オマエこそ着いてこいって言ったのにどこ行ってたんだ?』
『え!?』
『え!?』
お互いの言い分は同じ。
この森に起きている現象は一体?
メンギャの章つづく
僕はセキライミの近くの湖から上陸した。
メンギャの章:遭遇編
ワフ達の話だとセキダインが光った後に、見たことがない種族が現れたと言っていた。
それはダールエ族のことだろう。
セキダイコが光った後はスイダが現れたがカシジュマの時に殲滅した。
あそこの森はグインが統治しているからもう安全だろう。
ということは、やっぱりセキライミの近くの森にも何かが現れている。
グインも仲間の情報で聞いたと言っていた。
プリダルエみたいなやつが出現していると、森はもちろんだがワニナも危ない。
ロキさんの依頼はセキライミというよりは、ワニナと森に関係があるんだろう。
幸か不幸かメンギャになったことで一番早くセキライミに着いた。
ルーナさん達とサーカさんが合流するのはもう少し後で、それから移動開始だからここに着くのはさらに後になるだろう。
ゾハギの話では森の中にも湖経由で行けるようだが、道がわからないから無理だ。
歩いて森へ行くしかない。
ペタッペタッペタッ。
歩くと音が鳴る。
昔、買ってもらった踏むとピヨピヨなる靴を思い出した。
森に少しずつ近づいているが空気が変わる様子はない。
他と違って何も現れてなくて、ビビー族が森を統治している?
いや、何かは現れているはずだ。
グインの言葉に嘘はない・・・と思う。
森に入ったが何の気配も感じない。
ビビーも居ない。
うーん・・・
考え事をしながら歩いていると何か音が聞こえてきた。
ブーン・・・
音が近づいてくる。
ビビーかな?
ブーーン!
前方に見えたのは・・・グイン?
まっすぐこっちに向ってくる。
『おーい、グインー』
声をかけてみたが気がついてないみたいだ。
というよりこっちに向って来ているが、前をみているようには見えない。
ドーン!
ボトッ!
僕は避け損ねてぶつかってしまった。
グイン風の相手は地面に落ちた。
『いったーっ!あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい。もう逃げないから許して許して・・・っていうか、あんた誰よ!誰よ!っていうか、こっちの言葉は通じないか。っていうか、そんな事言ってる場合じゃないのよ。っていうか、邪魔だからどいてよ!どいて!』
ものすごく早口で言っている。
『いや、全部わかる』
『えっ!?』
『オマエはグインじゃないのか?』
『グインじゃないわよ!っていうか、どこをどうみたらグインと間違えるのよ!っていうか、今はそれどころじゃないのよ。早くどいてよどいて!』
早口でまくしたてる。
なんだか、せわしないやつだ。
道もふさいでないから、急ぐなら早く飛んでいけばいいのに。
ブーーン!
少し横に移動するとグイン風の相手は慌てて飛び去った。
何かから逃げてきたのか?
ってことは、やっぱり何かが出現している。
追いかけられてるっぽい状況なのに、何かが近づいてくる気配は感じられない。
いったい何から逃げているのだ?
少しだけ警戒感を高めて森の奥へと進んでいった。
ペタッペタッペタッ。
しばらく歩いているがやはり誰とも遭遇しないし、何も起こらない。
ここの森はどうなってるのだろう。
森の出口が見えた。
あれ?
まっすぐに進んでいたはずなのに、目の前にはセキライミがある。
グイン風の相手とぶつかった時に僕が方向を間違えたのかな?
サーカさん的には迷子の名人って扱いだけど、そこまで方向音痴ではない・・・はず。
もう一度、森に入ってみた。
やはり何の気配を感じない。
ペタッペタッペタッ。
聞こえてくるのは自分の間抜けな足音だけ。
ブーン・・・
またビビーが飛んでくる音が聞こえてきた。
ブーーン!
前方に見えたのは・・・グイン・・・風のさっきのやつ?
やっぱり前を向いていないまま、まっすぐこっちに向って飛んでくる。
ドーン!
ボトッ!
またぶつかった。
『いったーっ!あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい。もう逃げないから許して許して・・・っていうか、またあんたなの?っていうかなんでまたあんたとぶつかるのよ!っていうか、こっちはそんな事言ってる場合じゃないっていう事ぐらい空気読んでよ!っていうか、もう邪魔だからどいてよ!どいて!』
なぜか早口で怒られた。
文句を言いたいのはこっちの方だが口論しても勝てそうにない気がした。
ブーーン!
少し横に移動するとグイン風の相手はまたもや慌てて飛び去った。
本当にこの森はどうなっているんだ?
僕はまっすぐ歩いているはず。
向こうもまっすぐる飛んでいるはず。
今回もぶつかって転倒したが、進んでいる向きは覚えている。
このまままっすぐ奥へと進んでいく。
ペタッペタッペタッ。
森の出口が見えた。
やっぱり何も起こらない。
「!」
森を出た先の景色を見て僕は愕然とした。
セキライミがある。
何も起こらないどころか、何か起こりすぎている。
三度目の正直ではないが、今度は森に入って歩きながらモリを使って地面に線を引きながら歩こう。
これが目印になる。
ペタッペタッペタッ。
ガリガリッガリガリッ!
自分の間抜けな足音と地面を引っかく音が鳴り響く。
ブーン・・・
・・・もしかして?
ドーン!
ボトッ!
『いったーっ!あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい。もう逃げないから許して許して・・・っていうか、またあんたなの?っていうかこれで3回目よ!3回目!っていうか、あんたここでぼーっと突っ立ってるんじゃないわよ!っていうか、何度も言うけどこっちはそんな事言ってる場合じゃないのよ!っていうか、もう本当に邪魔だからどいてよ!どいて!』
また早口で怒られた。
ブーーン!
そして飛び去った。
地面を見ると僕が線を引いた方向へ相手は飛んで行っている。
つまり、僕はこの線の先に進めばいいのだ。
ペタッペタッペタッ。
ガリガリッガリガリッ!
森の出口が近づいてきた。
なんとなく嫌な予感がする。
地面を見ても線の跡は後ろにしかない。
まっすぐにしか進んでいないはずだし、仮に向きがずれたとしても、線を引いていない道を通れば別の場所に出るはず。
しかし森を抜けた先の景色はセキライミだ。
この森はやっぱりおかしい。
何がおかしいのか分からないぐらいおかしい。
うーん・・・
もう一度、森に入ってみた。
まっすぐ歩くとやっぱり音が聞こえてくる。
ブーン・・・
ドーン!
ボトッ!
はい、ぶつかった。
『色々言いたい気持ちはわかるけど、ちょっと待って!』
今回は先手を打ってみた。
『はい』
意外と素直だ。
『オレはメンギャ、オマエの名前は?』
『イウンよ』
『この森はどうなっているんだ?まっすぐ進んでいるはずなのに、いつの間にか森に入った所に戻っている』
『そうそう、それよそれ!それなのよ!まっすぐ飛んでるはずなのに森から出られなくて、何度も何度もあんたとぶつかるのよ!』
僕は奥に進みたいが進めない、イウンは外に出たいが出られない。
間逆の状況だ。
『イウン、ここはオマエが統治している森じゃないのか?』
『そうそう、それよそれ!それなのよ!この前にセキライミがピカーッと光ったと思ったら何か変なのが出てきて捕まっちゃったけど、こっそり逃げ出したのにずーっと、ずーーーーっと同じところを飛んでるのよ!』
『その変なのとは?』
『見た事無いやつだからわからないったらわからない』
うーん、どうしたものやら。
『理由はわからないが、イウンは外に出たいんだな?』
『そうそう、そうそう、そうなのよ』
『とりあえず、僕の後をついて来てみたらどうだ?』
『あんたは外に戻されるんよね。いいねいいね、いい案ね』
僕が先を歩いてイウンが後をついてきた。
ペタッペタッペタッ!
ブーン!
森の外が見えてきた。
『ほら、あそこが外だ・・・あれ?』
振り返るとイウンがいない。
さっきまで後ろについてきていたのに。
結局、僕だけが外に出た。
目の前はやっぱりセキライミだ。
もう一度、森に入る。
しばらくすると前からイウンが顔を真っ赤にして飛んできた。
『ちょっと、あんた!着いてこいとか言って急にどこ行ってたのよ!っていうか、なんでまたここでで会うのよ!』
『オマエこそ着いてこいって言ったのにどこ行ってたんだ?』
『え!?』
『え!?』
お互いの言い分は同じ。
この森に起きている現象は一体?
メンギャの章つづく
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