世界の秩序は僕次第

虎鶫

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プリジュドルート

続々々々々・メムロの章:教訓編

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「この辺りの森は大丈夫のようですね」
ギノツの森と違って木が生い茂っている。
「せやなー」
話し方やノリはサーカさんに似ているがオオカさんの方が落ち着いている感じがある。

続々々々々・メムロの章:教訓編

「プリジュドは交渉に応じるでしょうか」
「せやなー」

・・・

色々と声をかけてみるが、同じ返事でなんだか間が持たない。
ドンリンさんの事が気になるのか、理由はわからないが上の空のようにも見える。

「オオカさん?」
「なんや?」
「いえ、なんだか上の空のような気がしたので・・・」
思った事をストレートに言ってみた。

「安心しー、ちゃんと警戒はしとるでー」
「そうですか」
逆にこっちが生返事のようになってしまった。

「それよりもメムロちゃん、聞いてもえぇか?」
「なんでしょうか」
「なんで先をいくんや?」
「あ、すみません。ドンリンさんを早く治さないとと思っていたら足早になってました。焦る気持ちを抑えないとダメですね」

「ちゃうちゃう」
「え?」
「オレが聞きたいんは行き先を知ってるんか?」
「そういえばオオカさんは見たとしか言ってませんでしたね」
「おー、そう返してきたかぁ・・・ま、そういう事にしといたろ」
どういう意味だろう。

「で、メムロちゃん的にはどこにおると思う?」
「うーん・・・って、オオカさん居場所を知ってるんじゃないんですか?」
思わず質問を質問で返してしまった。

「どっかに向ってたのは見たけど、今どこにおるかは知らん」
「えーっ、どうやって探すんですか?」
「まぁ近寄ったら気配を感じて殺気でも飛ばしてくるやろな」
この辺りのいい加減さはサーカさんと同じだ。

「メムロちゃん、プリジュドの気配は読めんかー?」
「そんなの無理ですよ。つい最近ギルドに登録した程度ですし、力量もみなさんに比べるとまだまだ」
自分で言ってて情けないが、事実だから仕方が無い。

「それはちょっとちゃうで」
「え?」
予想外の返答が来た。

足を止めるとオオカさんが真剣な顔で話しかけてきた。
「ギルドに長くおったら、つよーなれるほどあもーないで。日々の訓練ももちろん大切やけどな、場数を踏むのも大切やで」
「そうですね。実践に勝る訓練は無いというのを本で読んだ事があります」
「メムロちゃんは本が好きなんやな」
「はい、昔の伝説の話の本が特に好きです」
「ほうほう、伝説の話かぁ・・・で、その伝説はどこまで信じる?」
「え、信じてますけど・・・何か問題があるのでしょうか」
「そこに書いとる話が間違っとると思った事は?」
「言われてみると、考えた事なかったですね」
確かに、本を読んでいる時は夢中になっているから、オオカさんに今言われるまでその内容が正しいかどうかまで考えた事はなかった。

「サーカに頭でっかちって、めっちゃ言われてたやろ」
「はい・・・しつこいぐらいに」
「やっぱりそうか」
そういうとオオカさんは笑っていた。

あれ?ということは?
「お、なんか閃いたんか?」
「いえ、サーカさんは本の中だけでなく、世の中をちゃんと見ろという事を伝えたかったのでしょうか」
「ちゃうちゃう、アイツはただ単にメムロちゃんをからかってただけや」
サーカさんを一瞬でもいい人だと思った自分に腹が立った。

「ほんで、本読んどるんと実際に旅に出るんとでは、どっちがおもろい?」
「うーん・・・」
「即答できんっちゅーことは、旅に出るんも楽しいっちゅーことやな」
「痛いのとかはイヤですけど新しい発見もあるので悪くはないと思います」
オオカさんは嬉しそうにうんうんと頷いている。

「まぁあれや、本を読み続けるんもえぇし、旅に出るんもえぇ、メムロちゃんの人生やから、メムロちゃんがやりたい事をやったらえぇねん」
「はい!」
「でも今はドンちゃんを治さんとな」
「はい!」
「元気に返事するんはえぇねんけど、プリジュドの気配はまだわからんか?」
「はい!」
「いやあのな、そこは【はい!】とちゃうで」
オオカさんの肩が落ちた気がした。

「メムロちゃんは実戦経験少ないんやろうけど、他のやつらよりも本を読んどる」
「はぁそれこそサーカさんにバカにされるぐらいには」
多少皮肉っぽく返事をした。

「オレが単独行動しとっても、ちゃんと戻ってくるんはなんでかわかるか?」
「それはオオカさんが強いからですよね」
「まー確かにオレは強いで、でもそれだけとちゃうねん」
強いという部分は謙遜したりはしないんだ。

「戦うっちゅー事は相手がおるわけや」
「それはそうですよねぇ、訓練じゃないですから」
「せやねん、相手がおるねん」
「だから訓練じゃないですから」
「じゃあ訓練と実践の違いはなんや?」
「相手がいるかいないかでしょうか」
オオカさんの話の意図が読めない。

「相手がおるっちゅーことはどういうことかわかるか?」
謎の講義が始まった気がした。
「えっと、とりあえずこっちが攻撃しても避けられる可能性もありますし、相手が攻撃してくるかもしれません」
「うんうん、そういうこっちゃ」
え、急に終わり?
困惑している僕の姿をみてオオカさんが話を続けた。

「メムロちゃんは、どっちかっちゅーたら体使うより頭使う方がすっきゃろ?」
「みなさんのように力がないのでそうなりますね」
「じゃあ自分より力の強い相手と戦う時はどないする?」
「戦いを避けられるのなら避けたいところですけど・・・」
「避けられへん戦いの場合はどないするんや?」
「うーん・・・勝つ方法を考えるしかないですね」
オオカさんが頷いている。

「ま、時と場合によるんやけど、大事なんは考えることや、ほんで最後まで諦めんこっちゃ、覚えとき」
「はい!」
「ん、素直でえぇこっちゃ。でもなー、なんでもかんでも信じ込まんと疑う事も忘れんときや」
「は、はい」
痛いほど良くわかる。
プリジュドに体よく扱われた結果が今の状況だ。

「ありがとうございます!」
「柄にも無くおしゃべりしてもーたな」
お礼を言うとオオカさんは少し照れくさそうに頭をかいている

「お勉強の時間はおわりや、どっちにプリジュドがおると思う?」
オオカさんが真剣な顔で聞いてきた。

「あの、どっちってどことどこですか?」
そう尋ねるもオオカさんは知らんぷりをしている。
ここからは僕が考えて答えを出す必要があるということか。

もしかするとオオカさんは居場所を知っているのかもしれない。
でも僕にはその気配を感じる事ができない。
「では・・・」

「ドマシの洞窟に向かいます」
プリジュド(ドマシ)ルートのメムロの章につづく

「ジュマシの洞窟に向かいます」
プリジュド(ジュマシ)ルートのメムロの章につづく

※ここからまた別のストーリーに分岐します。
 それぞれのストーリーが影響し合うかどうかはわかりません。
 いつも通り見切り発車です。
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感想 2

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みんなの感想(2件)

ひじき
2021.09.13 ひじき

続きが気になります!ぜひマイクロ=コール=オンライン読んでみてください!!

2021.09.13 虎鶫

感想ありがとうございます。
続きは・・・遅くても明日までには(汗

解除
スパークノークス

おもしろい!
お気に入りに登録しました~

2021.08.30 虎鶫

ありがとうございます!
少しずつ続きを書いていきますのでよろしくお願いします。

解除

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