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クリフの恋
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マリアンナは別邸へ移った。
「マリアンナ様がひとりで寮に戻ると仰るなら、わたしも寮付きメイドとして参ります」と言い出したシャーリーに根負けしたのだ。それに、シャーリーと離れ難かったのも事実だ。
マリアンナはいつのまにか、彼女を母のように慕っていた。
移動の準備と言っても元々の荷物はトランクに収まってしまう。シャーリーは、ドレスやら何やらをあれこれ指示して詰め込んでいたが、マリアンナは見てみぬふりをしている。要らないと言ってもシャーリーは聞き入れてはくれないだろうから。
それよりも、別邸へ移る話を聞いた日から、ずっとデヴィッドの姿を見かける事はなく、公爵家で過ごす最後の日も会えなかった。その事がマリアンナの心に影を落とした。
公爵の話では、兄アランと共に領地へ視察へ向かったという事だったが実際は少し違った。
週末に設定されていたアリッサとの見合いに反抗したデヴィッドが、勝手に家を出てしまったのだった。
マリアンナはそんな事情は知らなかったが、シャーリーを通じてデヴィッドから手紙を受け取っていた。
父が勝手に決めた強制的な婚約、政略結婚を受け入れるつもりはない。
公爵家の後を継ぐつもりもない。アラン兄が隣国へ行くことは嬉しく思っており、後継者にはジェイムスが相応しい。
その為に考えている事があるからマリアンナは心配しないでいて自分を信じていて欲しい。
マリアンナを愛する気持ちは変わらない。
と、言った事が書かれていた。
マリアンナは、「愛している」という最後の文字を指でなぞった。
デヴィッドからは好きだと言われ続けていたが、その言葉を信じないようにと自分を戒め、彼を好きになってはいけないとマリアンナは決意しているのだ。
しかし、愛しているという言葉は頑固なマリアンナの心を少しずつ柔らかく解きほぐした。
マリアンナはデヴィッドからの手紙を丁寧に畳んで大切そうにしまった。
*
別邸はダイアナ夫人の療養のために建てられたこじんまりした建物だ。
屋敷を管理するのは公爵家から派遣された執事、料理人、庭師とメイド、そこにマリアンナとシャーリー、護衛としてクリフが加わって、別邸は一気に賑やかになった。
マリアンナは、学院卒業までの残り10ヶ月ほどをここで過ごしながら通学することになった。
マリアンナは実家の父へ詳細を記した手紙を送った。
奨学生として勉学に励み、王都で仕事を見つけ卒業後もしばらくは滞在したい事を伝えた。
父からは領地の経営が回復してきており、心配は要らないから、マリアンナはしっかり勉強しなさいと返事があった。
そして近々、義弟のアーサーをそちらへやるので、王都を案内してやって欲しいとも書いてあった。
「まあ、アーサーが来るのね!嬉しいわ」
久しぶりに義弟に会えるとわかりマリアンナは喜んだ。
マリアンナが去ったロックフィールド家には、学院を卒業したジェイムスが戻ってきていた。
彼はエルリーヌとの婚姻を進めなければならなかったが、公爵家の事情、主に後継者問題もあって式は先延ばしとなっており、長兄のアランが隣国へ婿入り次第、結婚式を挙げることになっていた。
マリアンナはエルリーヌとそれなりに仲良くなり、行動を共にする事で、貴族令嬢たちからの嫌がらせを回避できていた。
公爵家を出て別邸に移った事で、マリアンナが身分を顧みずにデヴィッドに付き纏っているという嫌な噂も収まりつつあった。
そして逆に、ロックフィールド公爵がオディール子爵を支援しているのは、オディール家が国の為に貢献したからだという新たな噂が流れて始めていた。
もっとも噂を流したのは、ロックフィールド公爵自身である。
一方、見合いの日を延期されたアリッサ・ノイマン公爵令嬢は、マリアンナに逆恨みして学院で待ち伏せをしては嫌味を言ったり、取り巻き連中に虐めさせたりと悪役ぶりを発揮していたが、自分の優位を確信してからはマリアンナに構わないようになった。むしろ存在を無視している、と言うべきだろうか。
マリアンナが公爵家の支援を受けているのは事実だが、その理由がロックフィールド公爵とマリアンナの父親との友情だと広まってからは、表立っての嫌がらせは逆効果になる。何しろ自分は貴族令嬢の頂点に立っているのだから、小物に構っている暇はないのだ。
そんなある日。
いつものように学院を終えたマリアンナは、図書館へ向かっていた。
放課後の仕事を再開していたのだ。図書館の職員たちはマリアンナの復帰を大いに喜んでくれた。
一番の問題であった借金問題は、ロックフィールド公爵とオディール子爵の間で再度話し合いが持たれた。
天候不良による不作から、借金をしてまで領地と領民を守ろうとした行動は、国として大いに褒めるべきであるから、宰相権限で国庫による融資という形にしたのだ。
金利なし、返済期限なし、返済の取り立てもないので、実質返済不要とも受け取れるが、オディール子爵は負担にならない程度に返していくと決めていた。
このオディール子爵家への温情にはひとつだけ条件が付けられた。それはマリアンナがデヴィッドを諦めること。
公爵はマリアンナ嬢の縁談は一任して欲しいと申し出たが、子爵からはきっぱり断られた。
マリアンナの父は、娘に苦労をかけ苦しめた事を後悔しており、娘の実らぬ恋に心を痛めていた。マリアンナの口からデヴィッドとの関係を聞いたわけではないが、諸々の状況からそう考えざるを得ない。
そして後継のための養子として迎えていたアーサーがマリアンナを慕っていることも知っていたので、この際2人を一緒にさせて、マリアンナには領地で平和に暮らして欲しいと望んでいた。
一方、公爵がマリアンナに勧めようとしていたのは、公爵家の護衛騎士のクリフだった。
嫡男アランと同い年で友人でもあったクリフは、縁戚の子爵家の三男であったが、後継ではないため10代の頃にロックフィールド家の私営の騎士団に入った。
公爵家の家臣としてよく働いていたので、一代限りの騎士爵を賜っている。
寡黙なクリフだが整った顔立ちのため女性からの人気は高く、婿入りを望まれる事も多数あったが何故か全て断っていた。
クリフ自身はアランに付いて隣国へ行くのもやぶさかではなかったが、アランから「クリフ自身の幸せを考えて欲しい」と言われ、己の行く末をじっくりと考えてみた。
自分の隣に誰かが寄り添っている姿を想像すれば、そこにいるのは、黒髪に藍色の瞳、控えめで聡明な女性の姿だった。
主である公爵家の子息が愛する女性ゆえ、ただ見護るだけだあったが、実はマリアンナを好ましく思っていたのだ。
彼女が自分の思いを封印するように、クリフもまた秘かな恋を封印していたが、ここに来て事態が変わった。
「マリアンナ嬢とともに別邸に移りたいのなら許可を出す。彼女を守って支えてやりなさい」
クリフはマリアンナの支えになりたいと願った。
*
毎日の通学時、図書館への送迎、その度に彼女ははにかみながら感謝の言葉を伝えてくれる。
「クリフ様、ありがとうございます」
その笑顔がクリフの喜びであり活力なのだ。
子爵家の三男に華々しい未来は期待できない。
野に埋もれるか、はたまた婿養子になる相手を探すか、あるいは騎士として国の為に戦うか、クリフは常に一歩引いたところで冷静に周囲を観察していたからこそ、デヴィッドとマリアンナの間にある身分差に心を痛めていた。
マリアンナの家がせめて伯爵家であったなら、デヴィッドとの仲も認められたかもしれない。
或いは自分がロックフィールド家の護衛ではなく、対等な立場の貴族として出会っていれば。
マリアンナを愛しく思う自分の感情をうまく抑えられないかもしれない。一方通行の思いに心を痛めていたクリフに訪れたチャンスを逃すつもりはない。
図書館から出てくるマリアンナを迎える為に、クリフは職員出口に向かった。
いつものように彼女は笑いかけてくれる、それがクリフの喜びだった。
俺なら身分も釣り合う。彼女を不幸にはしない。
クリフは本気でマリアンナが欲しいと思った。
「マリアンナ様がひとりで寮に戻ると仰るなら、わたしも寮付きメイドとして参ります」と言い出したシャーリーに根負けしたのだ。それに、シャーリーと離れ難かったのも事実だ。
マリアンナはいつのまにか、彼女を母のように慕っていた。
移動の準備と言っても元々の荷物はトランクに収まってしまう。シャーリーは、ドレスやら何やらをあれこれ指示して詰め込んでいたが、マリアンナは見てみぬふりをしている。要らないと言ってもシャーリーは聞き入れてはくれないだろうから。
それよりも、別邸へ移る話を聞いた日から、ずっとデヴィッドの姿を見かける事はなく、公爵家で過ごす最後の日も会えなかった。その事がマリアンナの心に影を落とした。
公爵の話では、兄アランと共に領地へ視察へ向かったという事だったが実際は少し違った。
週末に設定されていたアリッサとの見合いに反抗したデヴィッドが、勝手に家を出てしまったのだった。
マリアンナはそんな事情は知らなかったが、シャーリーを通じてデヴィッドから手紙を受け取っていた。
父が勝手に決めた強制的な婚約、政略結婚を受け入れるつもりはない。
公爵家の後を継ぐつもりもない。アラン兄が隣国へ行くことは嬉しく思っており、後継者にはジェイムスが相応しい。
その為に考えている事があるからマリアンナは心配しないでいて自分を信じていて欲しい。
マリアンナを愛する気持ちは変わらない。
と、言った事が書かれていた。
マリアンナは、「愛している」という最後の文字を指でなぞった。
デヴィッドからは好きだと言われ続けていたが、その言葉を信じないようにと自分を戒め、彼を好きになってはいけないとマリアンナは決意しているのだ。
しかし、愛しているという言葉は頑固なマリアンナの心を少しずつ柔らかく解きほぐした。
マリアンナはデヴィッドからの手紙を丁寧に畳んで大切そうにしまった。
*
別邸はダイアナ夫人の療養のために建てられたこじんまりした建物だ。
屋敷を管理するのは公爵家から派遣された執事、料理人、庭師とメイド、そこにマリアンナとシャーリー、護衛としてクリフが加わって、別邸は一気に賑やかになった。
マリアンナは、学院卒業までの残り10ヶ月ほどをここで過ごしながら通学することになった。
マリアンナは実家の父へ詳細を記した手紙を送った。
奨学生として勉学に励み、王都で仕事を見つけ卒業後もしばらくは滞在したい事を伝えた。
父からは領地の経営が回復してきており、心配は要らないから、マリアンナはしっかり勉強しなさいと返事があった。
そして近々、義弟のアーサーをそちらへやるので、王都を案内してやって欲しいとも書いてあった。
「まあ、アーサーが来るのね!嬉しいわ」
久しぶりに義弟に会えるとわかりマリアンナは喜んだ。
マリアンナが去ったロックフィールド家には、学院を卒業したジェイムスが戻ってきていた。
彼はエルリーヌとの婚姻を進めなければならなかったが、公爵家の事情、主に後継者問題もあって式は先延ばしとなっており、長兄のアランが隣国へ婿入り次第、結婚式を挙げることになっていた。
マリアンナはエルリーヌとそれなりに仲良くなり、行動を共にする事で、貴族令嬢たちからの嫌がらせを回避できていた。
公爵家を出て別邸に移った事で、マリアンナが身分を顧みずにデヴィッドに付き纏っているという嫌な噂も収まりつつあった。
そして逆に、ロックフィールド公爵がオディール子爵を支援しているのは、オディール家が国の為に貢献したからだという新たな噂が流れて始めていた。
もっとも噂を流したのは、ロックフィールド公爵自身である。
一方、見合いの日を延期されたアリッサ・ノイマン公爵令嬢は、マリアンナに逆恨みして学院で待ち伏せをしては嫌味を言ったり、取り巻き連中に虐めさせたりと悪役ぶりを発揮していたが、自分の優位を確信してからはマリアンナに構わないようになった。むしろ存在を無視している、と言うべきだろうか。
マリアンナが公爵家の支援を受けているのは事実だが、その理由がロックフィールド公爵とマリアンナの父親との友情だと広まってからは、表立っての嫌がらせは逆効果になる。何しろ自分は貴族令嬢の頂点に立っているのだから、小物に構っている暇はないのだ。
そんなある日。
いつものように学院を終えたマリアンナは、図書館へ向かっていた。
放課後の仕事を再開していたのだ。図書館の職員たちはマリアンナの復帰を大いに喜んでくれた。
一番の問題であった借金問題は、ロックフィールド公爵とオディール子爵の間で再度話し合いが持たれた。
天候不良による不作から、借金をしてまで領地と領民を守ろうとした行動は、国として大いに褒めるべきであるから、宰相権限で国庫による融資という形にしたのだ。
金利なし、返済期限なし、返済の取り立てもないので、実質返済不要とも受け取れるが、オディール子爵は負担にならない程度に返していくと決めていた。
このオディール子爵家への温情にはひとつだけ条件が付けられた。それはマリアンナがデヴィッドを諦めること。
公爵はマリアンナ嬢の縁談は一任して欲しいと申し出たが、子爵からはきっぱり断られた。
マリアンナの父は、娘に苦労をかけ苦しめた事を後悔しており、娘の実らぬ恋に心を痛めていた。マリアンナの口からデヴィッドとの関係を聞いたわけではないが、諸々の状況からそう考えざるを得ない。
そして後継のための養子として迎えていたアーサーがマリアンナを慕っていることも知っていたので、この際2人を一緒にさせて、マリアンナには領地で平和に暮らして欲しいと望んでいた。
一方、公爵がマリアンナに勧めようとしていたのは、公爵家の護衛騎士のクリフだった。
嫡男アランと同い年で友人でもあったクリフは、縁戚の子爵家の三男であったが、後継ではないため10代の頃にロックフィールド家の私営の騎士団に入った。
公爵家の家臣としてよく働いていたので、一代限りの騎士爵を賜っている。
寡黙なクリフだが整った顔立ちのため女性からの人気は高く、婿入りを望まれる事も多数あったが何故か全て断っていた。
クリフ自身はアランに付いて隣国へ行くのもやぶさかではなかったが、アランから「クリフ自身の幸せを考えて欲しい」と言われ、己の行く末をじっくりと考えてみた。
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主である公爵家の子息が愛する女性ゆえ、ただ見護るだけだあったが、実はマリアンナを好ましく思っていたのだ。
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「マリアンナ嬢とともに別邸に移りたいのなら許可を出す。彼女を守って支えてやりなさい」
クリフはマリアンナの支えになりたいと願った。
*
毎日の通学時、図書館への送迎、その度に彼女ははにかみながら感謝の言葉を伝えてくれる。
「クリフ様、ありがとうございます」
その笑顔がクリフの喜びであり活力なのだ。
子爵家の三男に華々しい未来は期待できない。
野に埋もれるか、はたまた婿養子になる相手を探すか、あるいは騎士として国の為に戦うか、クリフは常に一歩引いたところで冷静に周囲を観察していたからこそ、デヴィッドとマリアンナの間にある身分差に心を痛めていた。
マリアンナの家がせめて伯爵家であったなら、デヴィッドとの仲も認められたかもしれない。
或いは自分がロックフィールド家の護衛ではなく、対等な立場の貴族として出会っていれば。
マリアンナを愛しく思う自分の感情をうまく抑えられないかもしれない。一方通行の思いに心を痛めていたクリフに訪れたチャンスを逃すつもりはない。
図書館から出てくるマリアンナを迎える為に、クリフは職員出口に向かった。
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