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三年生
最後の文化祭
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文化祭当日、クラスの出し物でほとんど役割を与えられなかった優一はのんびりと美術室の入り口に座っていた。所謂受付というやつだ。時たま女子が恥ずかしそうに来ては「何の展示ですか?」と聞いてくるくらいで特にやることはない。そもそもちゃんと「美術部展示会」と看板があるのだからわざわざ俺に聞く必要なんてないのに、と優一は不思議がる。そんな優一にまたもや女子が声を掛けてきた。
「お疲れ様。順調?」
「順調だよ。というか、よかったの? クラスの方、俺全然担当ないけど」
「いいよ。うわちゃん、なんだかんだ結構手伝ってくれたし。事前準備手伝えなかった子達も今日は張り切ってるしね」
有川は人好きのする笑みを浮かべるとちらりと美術室を覗き込む。優一は少し逡巡したが、後輩に受付を任せて立ち上がった。
「よかったら見ていってよ。俺が描いたやつもあるよ」
「ありがと。そうさせてもらう」
美術室へと入っていく有川について優一も歩く。有川は展示を見にきたというよりは優一と話しに来たと言った様子で優一の方ばかり見ていたが、窓際の作品を見て足を止めた。そして目を細めると優一の肩をパンと叩いた。
「うわちゃんの絵だね」
「まあ、うん。どう?」
「どうというか……うわちゃんってさ、本当に小島のこと好きだよねぇ」
「あ、バレた?」
「うん。……多分、ずっと知ってたんだけどね。見ないようにしてたの」
そう言う有川の横顔はどこか寂し気で、優一は何もかける言葉を見つけられない。黙り込んだ優一の隣で有川は「あー!」と大きな声を出した。
「まあうわちゃんのおかげで意外と私って化石とか好きなこと分かったしよかったよ」
「ああ、そういえば有川って地学系に進むんだっけ。あれ、でも、俺?」
「うん。うわちゃんに合わせて理系選んどいてよかった」
「……え、それって」
「じゃあ。展示の方頑張ってね。クラスの方も顔出してくれると嬉しいな!」
「あ、有川……」
優一が止めるのも聞かず、有川は出口に向かって走り去った。少しだけしか見えなかったが、有川の頬には何か光るものがあったような。呆然とする優一のもとへ出口の方からつかつかと近宮が歩いてくる。近宮は優一の隣に立つと、優一に呆れたような顔を向けた。
「今更気が付いたの」
「……だってそんなの、一言も」
「みーんな知ってたわよ。有川さんがあなたのこと好きなの。彼女、あなたに合わせて理系を選んだって言ってたけど、本当はあなたに合わせて高校も選んだんじゃないかしら」
「……俺と同じことやってるのに、俺は何で気が付かなかったんだろうなぁ」
「そりゃもう。小島君のことしか見てなかったからでしょう」
近宮の言葉が図星だったため、優一は黙り込んだ。確かにずっと陽太のことしか見てなかった。陽太がこの高校に進学すると聞いた時から俺の志望校もここだったし、他に誰が進学を希望しているのかなんて考えたこともなかった。なんなら有川が同じ高校なことは入学式の日に知ったくらいだ。まさか、そんなことがあるなんて。
「まあいいわ。ほら、早く受付に戻ってあげて。あの子、クラスの方に行かなきゃいけないみたいだから」
「あ、ああ……」
優一は慌てて入口の方に戻る。そんな優一を近宮は呆れたように見つめていた。
「ごめん。もう行っていいよ!」
「あ、上沢先輩戻ってきましたよ。すみません、先輩。行ってきます」
「おー、上沢! 来たぜ~」
「ああ、樹林か。待たせてごめん。どうぞ」
「近宮さんも作品出してんだろ? お邪魔しまーす」
そういえば樹林は近宮と同じクラスだったっけ。樹林を見送り、優一は受付にもう一度座る。美術室の中から聞こえる近宮と樹林の声をBGMに、優一は暇に飽かせて適当に本のページを捲る。来場者数を数える以外に受付がやる仕事はない。だから誰かが来るまで優一は暇を持て余していた。
優一は朝からずっと受付にいる。陽太が来た時にすぐ分かるようにとは誰にも言っていなかったけれど。まだ陽太は来ていない。もしも来てくれなかったらどうしよう。いや、それでもかまわないか。どうせ自己満足なのだ。俺がどれだけ陽太に近づくために努力を知ろうとしたって、陽太には何も関係がない。
「上沢」
「うわっ。あー……どうだった?」
「よかったよ。近宮さんのも、もちろんお前のも」
いつの間にか戻ってきていた樹林が優一に声を掛ける。絵を褒められた優一は「ありがとう」とだけ言って微笑む。陽太が相手じゃなくても、あれだけ頑張って描いたものを褒められて悪い気はしない。そんな優一を見て、樹林はへらりと笑うと何か言いたげにバンバンと優一の肩を叩く。
「痛いよ」
「あ、悪い。いやあ、でも上沢ってあんな風に陽太のことが見えてんだなぁ」
「……え」
「見りゃ分かるよ。つーか、ずっと知ってたよ。だって一緒に帰ってる時、いっつもお前の目ぇ怖かったんだよ!」
「……なんか、ごめん」
思い当たる場面は何個もある。優一がそう謝ると、樹林はケラケラと楽しそうに笑った。
「男の嫉妬も怖いんだなあ」
「……なあ、陽太も気づいてると思う?」
「いや? だって陽太にとってはそれが当たり前のことだったんだから気づいてるもなくね」
「そうかな……いやあ、そうであってくれ……」
「まあ、こんな風に努力を認めてくれる人間がいるっていうの、少し羨ましい」
樹林は美術室の中を覗きながら、そんなことをぽつりと漏らした。でも樹林は夏の大会でレギュラーだったはずだ。努力が報われた人間がそんなことを言うなよ。優一は一瞬そう思ったが、褒められているようなので口には出さないでおいた。きっと樹林にも樹林なりの悩みがあるのだろう。
「あ、そうだ。陽太のクラスの出し物見に行った?」
「え、いや。俺ずっとここにいたし」
「見に行ってやれよ。随分かわいいおばけやってたぜ」
「かわ……?」
おばけ役に可愛いなんていう形容詞がつくことがあるのだろうか。陽太のことを好きだということが分かっていて優一を揶揄っているのかと思ったが、どうやらそうでもないらしい。ぽかんとする優一を置いて樹林は「じゃあ俺も自分のクラスの出し物あるから。たこ焼き食べに来てくれよな~」なんて言ってどこかへ行ってしまう。そんな樹林の背を見送り、優一は首を傾げる。かわいいおばけってなんだよ。
「気になるって顔ね」
「なんでみんな俺のことを驚かそうとすんの?」
「あなたが他に注意を払わなさすぎるのよ。で、行くの?」
「い……行きたいです」
「なら行ってらっしゃい。私が受付にいるから」
「え、でも中の監視は」
「出口から横山先生が入ってきてて、中では今二人の先生が大声出し合ってるの。そんな中で何かやらかす不届き者はいないでしょう」
「いつのまにそんなことに」
確かに美術室の中からは横山と吉井、二人の教師の大きな声が聞こえてくる。だったら少しくらい任せてしまってもいいか。陽太のおばけ姿が見たいというのもあるが、絵を見に来てほしいと直接伝えたい気持ちもある。
「じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい。……ビビんじゃないわよ」
「そんな言い方を近宮がするの、珍しいね」
背中を押すような近宮の言葉に苦笑しつつ、優一は陽太のクラスへと向かう。近宮の言い方を借りるなら、ずっと俺はビビっていたのだろう。クラスが別になってから、陽太の教室には一度も行ったことがなかった。しかしどこかなんて情報はちゃんと頭の中に入っているのでまっすぐにお化け屋敷の前にたどり着いた。
「お疲れ様。小島っている?」
「あ、上沢君! 小島君なら中にいるよー! 入ってく?」
「じゃあそうしようかな」
「はーい。一名様ご来店!」
そんな居酒屋の店員みたいな掛け声でいいのだろうか。優一は不安になりつつもお化け屋敷の中に足を踏み入れる。中は黒い紙を窓に貼っているらしくかなり薄暗かったが、ランタンの明かりでなんとか視界を確保できていた。
「うわっ」
時々現れるおばけに驚きながら前に進む。さて、可愛らしいおばけというのは一体どこにいるのだろうか。そう思っていた優一の目の前にばっと新しいおばけが姿を現す。優一はびっくりして一歩後ろに後ずさったが、すぐにおばけの正体に気が付いて頬を緩ませる。どんな格好をしていたって関係ない。陽太のことならすぐ分かる。
「お疲れ様、陽太」
「なんで分かるんだよ。……つーかなんで来ちゃうかな!」
陽太の格好はどうやら井戸から出てくる有名な幽霊をモチーフにしているらしい。女性ものの白い浴衣に長い髪の鬘。確かに随分と可愛らしい。というか浴衣から覗く、他の部分とは違って日に焼けていない白い足がいやになまめかしくて目のやり場に困る。ぱっと目を逸らした優一を見て何を思ったのか、陽太は男前にもバンと床を踏み鳴らした。
「見れたもんじゃねえのは分かってるけど、失礼だろ」
「いや……なんというか……似合ってる、よ?」
「それはそれで……喜んでいいのか?」
疑問符を浮かべた陽太に優一は笑みを溢す。すると突然陽太が「あ」と思い出したように声を上げた。
「俺、あと一時間したら休憩なんだよな。そしたら美術室に行く。だから、待ってて」
「……了解」
陽太の言葉は嬉しかったが、優一にとってそれはある種自分の死刑時間の宣告にも思えた。優一は震える足で出口へと向かう。出口までの間どんなおばけが出てきたのか、どんな仕掛けがあったのか、優一の目にはさっぱり何も入らなかった。
「お疲れ様。順調?」
「順調だよ。というか、よかったの? クラスの方、俺全然担当ないけど」
「いいよ。うわちゃん、なんだかんだ結構手伝ってくれたし。事前準備手伝えなかった子達も今日は張り切ってるしね」
有川は人好きのする笑みを浮かべるとちらりと美術室を覗き込む。優一は少し逡巡したが、後輩に受付を任せて立ち上がった。
「よかったら見ていってよ。俺が描いたやつもあるよ」
「ありがと。そうさせてもらう」
美術室へと入っていく有川について優一も歩く。有川は展示を見にきたというよりは優一と話しに来たと言った様子で優一の方ばかり見ていたが、窓際の作品を見て足を止めた。そして目を細めると優一の肩をパンと叩いた。
「うわちゃんの絵だね」
「まあ、うん。どう?」
「どうというか……うわちゃんってさ、本当に小島のこと好きだよねぇ」
「あ、バレた?」
「うん。……多分、ずっと知ってたんだけどね。見ないようにしてたの」
そう言う有川の横顔はどこか寂し気で、優一は何もかける言葉を見つけられない。黙り込んだ優一の隣で有川は「あー!」と大きな声を出した。
「まあうわちゃんのおかげで意外と私って化石とか好きなこと分かったしよかったよ」
「ああ、そういえば有川って地学系に進むんだっけ。あれ、でも、俺?」
「うん。うわちゃんに合わせて理系選んどいてよかった」
「……え、それって」
「じゃあ。展示の方頑張ってね。クラスの方も顔出してくれると嬉しいな!」
「あ、有川……」
優一が止めるのも聞かず、有川は出口に向かって走り去った。少しだけしか見えなかったが、有川の頬には何か光るものがあったような。呆然とする優一のもとへ出口の方からつかつかと近宮が歩いてくる。近宮は優一の隣に立つと、優一に呆れたような顔を向けた。
「今更気が付いたの」
「……だってそんなの、一言も」
「みーんな知ってたわよ。有川さんがあなたのこと好きなの。彼女、あなたに合わせて理系を選んだって言ってたけど、本当はあなたに合わせて高校も選んだんじゃないかしら」
「……俺と同じことやってるのに、俺は何で気が付かなかったんだろうなぁ」
「そりゃもう。小島君のことしか見てなかったからでしょう」
近宮の言葉が図星だったため、優一は黙り込んだ。確かにずっと陽太のことしか見てなかった。陽太がこの高校に進学すると聞いた時から俺の志望校もここだったし、他に誰が進学を希望しているのかなんて考えたこともなかった。なんなら有川が同じ高校なことは入学式の日に知ったくらいだ。まさか、そんなことがあるなんて。
「まあいいわ。ほら、早く受付に戻ってあげて。あの子、クラスの方に行かなきゃいけないみたいだから」
「あ、ああ……」
優一は慌てて入口の方に戻る。そんな優一を近宮は呆れたように見つめていた。
「ごめん。もう行っていいよ!」
「あ、上沢先輩戻ってきましたよ。すみません、先輩。行ってきます」
「おー、上沢! 来たぜ~」
「ああ、樹林か。待たせてごめん。どうぞ」
「近宮さんも作品出してんだろ? お邪魔しまーす」
そういえば樹林は近宮と同じクラスだったっけ。樹林を見送り、優一は受付にもう一度座る。美術室の中から聞こえる近宮と樹林の声をBGMに、優一は暇に飽かせて適当に本のページを捲る。来場者数を数える以外に受付がやる仕事はない。だから誰かが来るまで優一は暇を持て余していた。
優一は朝からずっと受付にいる。陽太が来た時にすぐ分かるようにとは誰にも言っていなかったけれど。まだ陽太は来ていない。もしも来てくれなかったらどうしよう。いや、それでもかまわないか。どうせ自己満足なのだ。俺がどれだけ陽太に近づくために努力を知ろうとしたって、陽太には何も関係がない。
「上沢」
「うわっ。あー……どうだった?」
「よかったよ。近宮さんのも、もちろんお前のも」
いつの間にか戻ってきていた樹林が優一に声を掛ける。絵を褒められた優一は「ありがとう」とだけ言って微笑む。陽太が相手じゃなくても、あれだけ頑張って描いたものを褒められて悪い気はしない。そんな優一を見て、樹林はへらりと笑うと何か言いたげにバンバンと優一の肩を叩く。
「痛いよ」
「あ、悪い。いやあ、でも上沢ってあんな風に陽太のことが見えてんだなぁ」
「……え」
「見りゃ分かるよ。つーか、ずっと知ってたよ。だって一緒に帰ってる時、いっつもお前の目ぇ怖かったんだよ!」
「……なんか、ごめん」
思い当たる場面は何個もある。優一がそう謝ると、樹林はケラケラと楽しそうに笑った。
「男の嫉妬も怖いんだなあ」
「……なあ、陽太も気づいてると思う?」
「いや? だって陽太にとってはそれが当たり前のことだったんだから気づいてるもなくね」
「そうかな……いやあ、そうであってくれ……」
「まあ、こんな風に努力を認めてくれる人間がいるっていうの、少し羨ましい」
樹林は美術室の中を覗きながら、そんなことをぽつりと漏らした。でも樹林は夏の大会でレギュラーだったはずだ。努力が報われた人間がそんなことを言うなよ。優一は一瞬そう思ったが、褒められているようなので口には出さないでおいた。きっと樹林にも樹林なりの悩みがあるのだろう。
「あ、そうだ。陽太のクラスの出し物見に行った?」
「え、いや。俺ずっとここにいたし」
「見に行ってやれよ。随分かわいいおばけやってたぜ」
「かわ……?」
おばけ役に可愛いなんていう形容詞がつくことがあるのだろうか。陽太のことを好きだということが分かっていて優一を揶揄っているのかと思ったが、どうやらそうでもないらしい。ぽかんとする優一を置いて樹林は「じゃあ俺も自分のクラスの出し物あるから。たこ焼き食べに来てくれよな~」なんて言ってどこかへ行ってしまう。そんな樹林の背を見送り、優一は首を傾げる。かわいいおばけってなんだよ。
「気になるって顔ね」
「なんでみんな俺のことを驚かそうとすんの?」
「あなたが他に注意を払わなさすぎるのよ。で、行くの?」
「い……行きたいです」
「なら行ってらっしゃい。私が受付にいるから」
「え、でも中の監視は」
「出口から横山先生が入ってきてて、中では今二人の先生が大声出し合ってるの。そんな中で何かやらかす不届き者はいないでしょう」
「いつのまにそんなことに」
確かに美術室の中からは横山と吉井、二人の教師の大きな声が聞こえてくる。だったら少しくらい任せてしまってもいいか。陽太のおばけ姿が見たいというのもあるが、絵を見に来てほしいと直接伝えたい気持ちもある。
「じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい。……ビビんじゃないわよ」
「そんな言い方を近宮がするの、珍しいね」
背中を押すような近宮の言葉に苦笑しつつ、優一は陽太のクラスへと向かう。近宮の言い方を借りるなら、ずっと俺はビビっていたのだろう。クラスが別になってから、陽太の教室には一度も行ったことがなかった。しかしどこかなんて情報はちゃんと頭の中に入っているのでまっすぐにお化け屋敷の前にたどり着いた。
「お疲れ様。小島っている?」
「あ、上沢君! 小島君なら中にいるよー! 入ってく?」
「じゃあそうしようかな」
「はーい。一名様ご来店!」
そんな居酒屋の店員みたいな掛け声でいいのだろうか。優一は不安になりつつもお化け屋敷の中に足を踏み入れる。中は黒い紙を窓に貼っているらしくかなり薄暗かったが、ランタンの明かりでなんとか視界を確保できていた。
「うわっ」
時々現れるおばけに驚きながら前に進む。さて、可愛らしいおばけというのは一体どこにいるのだろうか。そう思っていた優一の目の前にばっと新しいおばけが姿を現す。優一はびっくりして一歩後ろに後ずさったが、すぐにおばけの正体に気が付いて頬を緩ませる。どんな格好をしていたって関係ない。陽太のことならすぐ分かる。
「お疲れ様、陽太」
「なんで分かるんだよ。……つーかなんで来ちゃうかな!」
陽太の格好はどうやら井戸から出てくる有名な幽霊をモチーフにしているらしい。女性ものの白い浴衣に長い髪の鬘。確かに随分と可愛らしい。というか浴衣から覗く、他の部分とは違って日に焼けていない白い足がいやになまめかしくて目のやり場に困る。ぱっと目を逸らした優一を見て何を思ったのか、陽太は男前にもバンと床を踏み鳴らした。
「見れたもんじゃねえのは分かってるけど、失礼だろ」
「いや……なんというか……似合ってる、よ?」
「それはそれで……喜んでいいのか?」
疑問符を浮かべた陽太に優一は笑みを溢す。すると突然陽太が「あ」と思い出したように声を上げた。
「俺、あと一時間したら休憩なんだよな。そしたら美術室に行く。だから、待ってて」
「……了解」
陽太の言葉は嬉しかったが、優一にとってそれはある種自分の死刑時間の宣告にも思えた。優一は震える足で出口へと向かう。出口までの間どんなおばけが出てきたのか、どんな仕掛けがあったのか、優一の目にはさっぱり何も入らなかった。
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